終わりの始まり

監督生Side

クロウリー「エリーゼは本名ではありません。」

皆「えっ!?」

私を含む全員が驚いている。エリーゼさんは学園長の義理の娘ということは知っていたが、まさか偽名だったなんて。みんなが驚いている中、学園長はもっと驚くようなことを口にする。

ク「エリーゼの本当の名は、ロゼッタ・シャーティー。」

エ「ロゼッタ・シャーティーって・・・ええ!?」

グ「ロゼッタが2人!?どういうことなんだゾ?」

皆が驚く中、ラギー先輩はハッとした顔をした。

ラ「オレたちが今まで”ロゼッタ”くんだと思ってたやつは偽物だったってことッスか。」

ク「ブッチ君の言う通りです。皆さんがロゼッタだと思っていた人は、熱砂の国の大貴族、ルシファー家の娘、アリアドネという人です。」

カ「ルシファー家だって!?」

カリム先輩はこの家のことを知っているのか大声を出した。

ジャック「でもなんで、成りすます必要があったんだ?」

ク「それは今から順を追って説明します。エリーゼ。いいえ、ロゼッタは、生まれつき精霊の加護を持っていました。その力を悪用する人たちが出ないよう、ロゼッタの両親は大切に育てられた。ですが、ロゼッタが生まれて5年後のことです。ロゼッタの両親は殺されてしまいました。」

レ「殺したのは、ルシファー家のヤツらか。」

レオナ先輩は悔しがるような声を出す。何か知っているのか。

ク「その通りです。ルシファー家の人たちは今もですが悪事を働いています。その悪事を暴こうとしていたのがシャーティー家だったのです。それをされたくなくて殺したというのが理由の1つでしょう。今では大貴族を名乗っていますが、シャーティー家が没落する前は力など全くなかったに等しい。」

カ「確かにあの家はいい話聞かねえな。」

リ「理由の1つってことはほかの原因もあったってことかい?」

ク「ええ。おそらくもう1つの原因はロゼッタの婚約相手でしょう。その相手は・・」

レ「俺だ」

「え!?」

今日は驚きの連続だ。まさかエリーゼさん。いやロゼッタさんの婚約者がレオナ先輩だなんて。みんなもまた驚いている。

ラ「そういえば、偽物ロゼッタ君がそんなこと言ってたような気がするッス。」

ク「ルシファー家は力をつけるために、アリアドネをキングスカラー君の婚約相手にしようとしますが失敗。今までの不満が爆発したのでしょうね。ロゼッタがいない間に、シャーティー家の人たちを殺したのです。ロゼッタはそのあと、ルシファー家に引き取られることになります。そこでは、殴られたり蹴られたりする毎日を送ってきたそうです。」

ア「学園長はいつロゼッタさんを引き取られたんですか?」

ク「私、あの子が叫んでる夢を見たんです。誰か助けてって。最初は疲れているからこのような夢を見ているのだと思いました。でも毎日その声が強くなる。だから闇の鏡を使って確かめることにしたんです。そしたら、本当にロゼッタがいるんですから驚きました。その時は真冬。なのに、寒さをしのぐような服を何も着ないまま立っていた彼女に私は声を掛けました。」
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