深海の商人

エリーゼSide

ジャック「とにかく写真と持ってくるって約束は果たしたぜ。お前が出した条件を完璧にクリアした。」

グ「ま、その前に契約書も砂にしちまったんだけどな。」

ジャック「だが、俺はやっぱり盗みはしたくねえ。アズール。あんただって、非合法なことはしない主義なんだろ。責任取って、元の場所に返してこいよ。」

監「一緒に返しに行きましょう」

ジャック君も、ユウもほんとにいい子だわ‥‥ユウはともかくジャック君がこの学園に入学できたことが信じられない・・・

ア「…・わかりました。でも、どうか画像ソフトで僕を消した写真にこっそり差し替えさせてください・・・。」

レ「は、往生際悪いぜ。」

ジェ「そうですよ。記録は大切なものですから。」

フ「ねーねー、いつ行く?みんなで行くんでしょ。エレメンタリースクールの遠足以来のアトランティカ記念博物館。楽しみだなー。」

グ「…・スンスン、スンスン・・・・。」

皆が話をしていると急にグリム君が地面に鼻を擦り始める。何を探しているのかしら?

エ「ン?グリム、なに地面に鼻擦り付けてんの?」

グ「オレ様のグルメハンターのカンが言っている‥‥この辺にトリュフのごとき真っ黒なご馳走が落ちていると!」

エ「お前は豚かっ!」

グ「ふな゛っ!黒い石みーっけ!グルメハンター・グリム様の鼻は誤魔化せねぇんだゾ~!」

黒い石?以前お義父様が言っていたものかしら?

レ「…黒い石だと?」

グ「いっただきまーす!はぐっ!う~ん、これは‥‥こってりとしていながらパンチのきいた塩辛さもあり‥‥マニアにはたまらないお味!なんだゾ!」

「味の伝え方が的確ね…」

デュ「あっ、お前。また拾い食いしてるのか!?」

エ「もう止めるのも馬鹿馬鹿しいっつーか。やっぱモンスターの味覚ってよくわかんね。っていうかエリーゼさん。ツッコムとこ、そこっすか。」

レ「…・。…あの狸、いつもああして黒い石を拾い食いしてるのか?」

レオナさん‥何かこのことについて知っている?

監「いつもじゃないですけど・・・・」

ジャック「レオナ先輩、どうかしたんすか?」

レ「別に。なんでもねえよ。」

ジャック君に聞かれてはぐらかしている。やっぱり何か知ってるのね。それにあの石、かすかに邪気がした。グリム君が食べてもいいものなのか…そんな小さな疑問が内に宿った。
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