深海の商人
エリーゼSide
ア「・・・ハッ・・・。」
フ「あ、目ぇ覚ました。」
ジェ「アズール、この指は何本に見えますか?」
ジェイド君はアズール君の前に3本の指を立てた。
ア「8・・・本?」
「残念だけど3本よ、アズール君。」
ジェ「うん。まだ気が動転しているようですね。でも、よかった。なんとかブロットの暴走は治まったようです。」
レ「・・・・ったく、てこずらせやがって。」
ラ「いやいや、レオナさんはそれ言っちゃだめっしょ。」
見たところ外傷はなさそうだけど…
「体調に変化はありませんか?」
ア「ボクは…一体、何を?」
ジェ「魔法の使い過ぎでオーバーブロットしてしまったんです。覚えていませんか?」
フ「僕に力をくださいよぉ~~って泣きながらみんなの魔法を吸い上げてさあ。ちょ~ダサかった。ちょっとゲンメツ。」
フロイド君、アズール君の真似が上手だ…
メリッサ『あなた、感謝しなさいよ、エリーゼに。止めなかったら大変なことになってたかもしれないんだから。』
その言葉に私は苦笑する。
ア「そ、そんな…僕が暴走するなんて…。信じられない…。」
ラ「ま、コツコツ集めてきたモンを台無しにされたらそりゃ怒るッスよね。オレだって、ずっと溜めてる貯金箱を他人に割られたら絶対許せないと思うし。」
グ「でも、やっぱ悪徳商法はダメなんだゾ。反省しろ。」
ジャック「その前に、お前らは他人の対策ノートで楽しようとしてたのを反省しろ!」
ジャック君の言葉に反論できないグリム君たち3人。そのとき私が思っていたことと同じことをユウは言った。
監「あの対策ノートは、誰にも作れない」
ア「・・・・・え?」
エ「確かに。だってアンタの作ったテスト対策ノート見て一夜漬けしただけで、90点以上取れちゃったもん。」
デュ「ああ。まさに虎の巻、だったな。」
ジャック「100年分のテスト出題傾向をてめーの力で分析して作ったもんだと、学園長から聞いた。あんたの汚いやり口は認められねえが…その根性だけは認めてやってもいいぜ。」
ユウたちの言葉を聞いて、目を見開き、驚くアズール君。
ア「・・・・・。フン。そんな慰め、嬉しくも何ともありませんよ。」
フ「あれ~?アズール、ちょっと涙目になってね?」
ジェ「おやおや、泣き虫な墨吐き坊やに戻ってしまったんですかね。」
ア「2人とも!その件については秘密保持契約を結んだはずですよ!」
秘密保持契約?そんなに嫌な思い出なのかしら?
ジェ「おっと、失礼しました。」
ジャック「あ、そういえば。コレ、あんたが取って来いって言ってたリエーレ王子の写真。ちゃんと持ってきたぜ。まだ太陽は沈んでない。これで完璧に俺たちの勝ちだ。」
ジャック君が持ってきた写真は、人魚たちが集まってる写真。
レ「何だ、この写真?…人魚の稚魚どもがわらわら写ってるだけじゃねえか。」
ふと隅っこにいる人魚を見ると、どこか見覚えが…そう思ったときウィンディーネが話しかけてきた。
ウィンディーネ『あそこまで、変われるのは凄いことよ』
どういうことか聞こうとした時、答えがすぐ分かった。
ラ「エレメンタリースクールの集合写真…スかね?なんでこんなのが欲しかったんスか?」
フ「あっは、懐かしい。これ、オレたちが遠足に行った時に撮った写真だよね。ココに、オレとジェイドも写ってる。そんで・・・・一番隅っこに写ってるのが、昔のアズール!」
皆「えっ!?」
フロイド君が指さしたのは先ほど気になっていた部分。やっぱりアズール君だったのか。
ア「うわあああああああ!やめろ!!見るな!見ないでください!」
ジェ「おやおやアズール。急に元気ですね。もう少し寝ていては?ここまで来たら、諦めた方が気が楽ですよ。」
エ「どれどれ?」
レ「隅って…」
ラ「もしかして、控えめに見てもほかの人魚の2倍くらい横幅がありそうなこのタコ足の子ども・・・・・」
グ「アズール、オメー昔こんなに丸々と太ってたのか!」
監「そういうことかあ・・・・」
「可愛らしいですね」
ア「ああああ…ッ!!」
デュ「そ、その気持ち、僕にはわかるぞ。誰にだって消したい過去はある!僕は何も見なかった!みんなも忘れてやれ!」
ジャック「お前、やたら真に迫ってるな。」
ア「くそぉ・・・っ!『モストロ・ラウンジ』の店舗拡大と、黒歴史抹消を同時に叶える…完璧な計画だと思ったのに~~~っ!」
もう完全にあきらめたのかアズール君は意気消沈している。
ラ「二兎を追う者は一兎をも得ずってやつッスね。」
ア「同級生の卒業アルバムから写真屋のフィルムまで…昔の写真はすべて取引で巻き上げ抹消したんですが…博物館に飾られたこの1枚だけがどうしても合法的に処理できずにいたんです…。」
ものすごい執念の深さね。
グ「だからって、他人の手を汚させようとするんじゃねーんだゾ!」
フ「別にいーじゃん。オレ、このころのアズール好きだけどな。今より食べでがありそうだし。」
ア「そういう問題ではないんですよ!」
監「そんなに必死で隠さなくても…」
ア「・・・ううっ、もういやだ。今すぐタコ壺に引きこもりたい。」
ア「・・・ハッ・・・。」
フ「あ、目ぇ覚ました。」
ジェ「アズール、この指は何本に見えますか?」
ジェイド君はアズール君の前に3本の指を立てた。
ア「8・・・本?」
「残念だけど3本よ、アズール君。」
ジェ「うん。まだ気が動転しているようですね。でも、よかった。なんとかブロットの暴走は治まったようです。」
レ「・・・・ったく、てこずらせやがって。」
ラ「いやいや、レオナさんはそれ言っちゃだめっしょ。」
見たところ外傷はなさそうだけど…
「体調に変化はありませんか?」
ア「ボクは…一体、何を?」
ジェ「魔法の使い過ぎでオーバーブロットしてしまったんです。覚えていませんか?」
フ「僕に力をくださいよぉ~~って泣きながらみんなの魔法を吸い上げてさあ。ちょ~ダサかった。ちょっとゲンメツ。」
フロイド君、アズール君の真似が上手だ…
メリッサ『あなた、感謝しなさいよ、エリーゼに。止めなかったら大変なことになってたかもしれないんだから。』
その言葉に私は苦笑する。
ア「そ、そんな…僕が暴走するなんて…。信じられない…。」
ラ「ま、コツコツ集めてきたモンを台無しにされたらそりゃ怒るッスよね。オレだって、ずっと溜めてる貯金箱を他人に割られたら絶対許せないと思うし。」
グ「でも、やっぱ悪徳商法はダメなんだゾ。反省しろ。」
ジャック「その前に、お前らは他人の対策ノートで楽しようとしてたのを反省しろ!」
ジャック君の言葉に反論できないグリム君たち3人。そのとき私が思っていたことと同じことをユウは言った。
監「あの対策ノートは、誰にも作れない」
ア「・・・・・え?」
エ「確かに。だってアンタの作ったテスト対策ノート見て一夜漬けしただけで、90点以上取れちゃったもん。」
デュ「ああ。まさに虎の巻、だったな。」
ジャック「100年分のテスト出題傾向をてめーの力で分析して作ったもんだと、学園長から聞いた。あんたの汚いやり口は認められねえが…その根性だけは認めてやってもいいぜ。」
ユウたちの言葉を聞いて、目を見開き、驚くアズール君。
ア「・・・・・。フン。そんな慰め、嬉しくも何ともありませんよ。」
フ「あれ~?アズール、ちょっと涙目になってね?」
ジェ「おやおや、泣き虫な墨吐き坊やに戻ってしまったんですかね。」
ア「2人とも!その件については秘密保持契約を結んだはずですよ!」
秘密保持契約?そんなに嫌な思い出なのかしら?
ジェ「おっと、失礼しました。」
ジャック「あ、そういえば。コレ、あんたが取って来いって言ってたリエーレ王子の写真。ちゃんと持ってきたぜ。まだ太陽は沈んでない。これで完璧に俺たちの勝ちだ。」
ジャック君が持ってきた写真は、人魚たちが集まってる写真。
レ「何だ、この写真?…人魚の稚魚どもがわらわら写ってるだけじゃねえか。」
ふと隅っこにいる人魚を見ると、どこか見覚えが…そう思ったときウィンディーネが話しかけてきた。
ウィンディーネ『あそこまで、変われるのは凄いことよ』
どういうことか聞こうとした時、答えがすぐ分かった。
ラ「エレメンタリースクールの集合写真…スかね?なんでこんなのが欲しかったんスか?」
フ「あっは、懐かしい。これ、オレたちが遠足に行った時に撮った写真だよね。ココに、オレとジェイドも写ってる。そんで・・・・一番隅っこに写ってるのが、昔のアズール!」
皆「えっ!?」
フロイド君が指さしたのは先ほど気になっていた部分。やっぱりアズール君だったのか。
ア「うわあああああああ!やめろ!!見るな!見ないでください!」
ジェ「おやおやアズール。急に元気ですね。もう少し寝ていては?ここまで来たら、諦めた方が気が楽ですよ。」
エ「どれどれ?」
レ「隅って…」
ラ「もしかして、控えめに見てもほかの人魚の2倍くらい横幅がありそうなこのタコ足の子ども・・・・・」
グ「アズール、オメー昔こんなに丸々と太ってたのか!」
監「そういうことかあ・・・・」
「可愛らしいですね」
ア「ああああ…ッ!!」
デュ「そ、その気持ち、僕にはわかるぞ。誰にだって消したい過去はある!僕は何も見なかった!みんなも忘れてやれ!」
ジャック「お前、やたら真に迫ってるな。」
ア「くそぉ・・・っ!『モストロ・ラウンジ』の店舗拡大と、黒歴史抹消を同時に叶える…完璧な計画だと思ったのに~~~っ!」
もう完全にあきらめたのかアズール君は意気消沈している。
ラ「二兎を追う者は一兎をも得ずってやつッスね。」
ア「同級生の卒業アルバムから写真屋のフィルムまで…昔の写真はすべて取引で巻き上げ抹消したんですが…博物館に飾られたこの1枚だけがどうしても合法的に処理できずにいたんです…。」
ものすごい執念の深さね。
グ「だからって、他人の手を汚させようとするんじゃねーんだゾ!」
フ「別にいーじゃん。オレ、このころのアズール好きだけどな。今より食べでがありそうだし。」
ア「そういう問題ではないんですよ!」
監「そんなに必死で隠さなくても…」
ア「・・・ううっ、もういやだ。今すぐタコ壺に引きこもりたい。」