深海の商人

フ「あー、追いかけっこもいい加減飽きてきた。」

ジェ「あと少しですよ。楽しみましょう。」

ジャック「おい、監督生!このままじゃ陽が落ちちまうぞ!」

グ「ユウ、本当にこの作戦で大丈夫なのか?」

「”あの人たち”なら」

~モストロラウンジ VIPルーム~

ア「ふふ…ジェイドとフロイドは首尾よくやっているようですね。これでオンボロ寮も、あの写真も僕のものだ。ふふふ・・・・・はははははは!」

コンコン

オクタ寮生A「失礼します、支配人!」

ア「なんです、騒々しい。」

オクタ寮生A「申し訳ありません。『モストロラウンジ』で問題が…」

ア「なんですって?」

オクタ寮生A「客同士が揉めて騒ぎになっているんです。今、ジェイドさんもフロイドさんもいないので…。」

ア「まったく、食事処で埃を立てるなど躾がされていないんですね。わかりました、僕が行きます。あちらはジェイドたちに任せておけば大丈夫でしょう。やれやれ・・・。」

~モストロ・ラウンジ~
エリーゼSide

ア「な、何です。開店直後だというのにこの混雑状態は!?」

サバナ寮生A「オラァ!早く飲み物持ってこいよォ!」

サバナ寮生B「肉!肉!ひゃははは!」

サバナ寮生C「テメーそれはオレが頼んだ肉だぞ!」

「相変わらず、サバナクローの寮生さんは柄が悪いですね。」

レ「それ、褒めてんのか?」

「え?いや…そのいい意味でってことです。」

ラ「それ褒められた感じがしないッス」

ユウたちが絶対に写真を撮ってきてくれることを期待して、私はレオナさんと一緒にこちらの作戦に参加することとなった。開店早々に、ラウンジ内は寮生で埋まっている。この飲食代は誰が払うのか…。

「そろそろ在庫が切れる頃でしょうか。」

レ「こんなんで無くなっちまうなんざ、情けねえな。」

「これだけ飲食すればそうなると‥‥あ」

ラ「・・・おっ、ターゲットのお出ましッスね。」

私はレオナさんの後ろに身を隠すようにしてアズール君を見た。ガタイが大きいサバナクローの寮生をどかすようにして前に進んでいる。

ア「道を開けてください。通ります!失礼!」

ラ「いーえ、気にしないで。シシシッ。」


サバナ寮生A「こっち、グラスが空だぞ!」

オクタ寮生A「はい、ただいま!」

オクタ寮生B「寮長!大量のオーダーが入って本日分の食材の在庫が尽きました!」

オクタ寮生C「飲み物の在庫も切れそうです!」

ア「もう!?仕方ありません。金庫からお金を出してきますから、購買部へ買い出しに行って…。ん?ハッ!な、ない!金庫の鍵が、ない!まさか…・まさか!」
                         エリーゼSideFin.

~モストロラウンジ VIPルーム~
レ「よお、タコ野郎。」

ア「レオナ・キングスカラー・・・・!」

レ「どうした?いつもすましたお前がえらく慌ててるようだが。」

ア「あなたには関係ありません。それより、あなたはどうしてここに?」

レ「どうしてって‥‥この鍵。お前のじゃねえか?さっきそこで拾ったんだが、お前のモノだった気がして、届けにきてやったんだ。」

ア「そ、それは!」

レ「やっぱりビンゴか。」

ア「返しなさい。窃盗は重大な犯罪ですよ!」

レ「はっ。親切で届けてやったってのに泥棒扱いかよ。いいぜ、返してやるよ。ホラ。」

ア「・・・・ほっ。」

レ「俺の用事はそれだけだ。じゃあな。」

ア「け、契約書・・・・・!契約書は!?
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!・・・・・ない。
ない、ない、ない!!!契約書がどこにもない!!あの野郎、まさかっ…!?」
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