深海の商人

監督生Side

エ「・・・・・で、オレ、ばーちゃんが読んでくれた人間の王子と人魚姫の物語がスゲー好きで。」

人魚A「その話、映画にもなったんだよな。オレも若いころ、彼女と見たっけ!もう30年くらい前の映画だ。何度見ても父王と姫が抱き合うところで泣けるんだ。」

エ「わかる!超有名シーンですよ、アレは。」

人魚A「キミ、若いのによく知ってるな。」

エ「兄貴が映画好きで。あの映画、曲もマジ最高なんスよね。そういえば、人魚ってみんな歌がうまいって本当スか?」

人魚A「いやいや、それは都市伝説。俺の同級生ですごく音痴なヤツがいて…」

まだしゃべってる…

グ「エースのヤツ、まだ喋ってるんだゾ!」

デュ「初対面の相手と、よくあそこまで会話がもつな。」

ジャック「目的は達成した。さっさと引き上げよう。」

ウィンディーネ『これもある意味才能ってやつかしらね。』

ウィンディーネさんまでもが感心している。そんな中エースが話を終えようとした。

エ「…・っと、オレ、そろそろ帰ります。」

人魚A「え、そうか?そんなに人魚が好きなら、…こっそり、少しだけなら館内を見せてやってもいいぞ?」

エ「いやあ、ズルは良くないから。次は休館日調べてから来まーす!じゃ、また!」

人魚A「また来いよ~。…最近じゃ珍しい気持ちの良い若者だったな。」

エ「そっちの首尾、どうだった?」

グ「写真はゲットしてきた!楽勝だったんだゾ♪」

エ「んじゃ、早いとこ学園に戻ろうぜ。」

デュ「ああ。この写真をアズールに叩きつけてやろう。」

ジャック「…・!待て。」

「嫌な予感が・・・・・」

やっぱり、そろそろ来ると思っていた…

フ「あ~~~~・・・・いたあ♡小エビちゃん。」

ジェ「ごきげんよう、皆さん。また性懲りもなく海の底へいらっしゃったのですね。」

ジャック「出たな、ウツボ兄弟!」

ジェ「どうやら写真を手に入れられたご様子。」

フ「偉いねえ。いい子いい子。でも・・・・それ、持って帰られると困るからオレたちと日没まで追いかけっこしよっか♡」

エ「やっぱ、そうくるよね~。こんな楽勝でクリアできるわけないと思った。オレらを日没まで追いかけ回してタイムアウトさせてから、ボコって写真も頂こうってんだろ?そうすりゃイソギンチャクは開放しなくていいしこの写真も手に入るもんな!」

ジェ「フフフ…最小限の手間で、最大限の利益を得る。それが、賢いビジネスというものですから。」

ジャック「なっ・・・・本当にあくどいな、てめーら!」

エ「で、監督生。こっからどうする気だったわけ?」

デュ「おまえのことだから、考えナシに来たわけじゃないんだろ?」

あっちの方はエリーゼさんやレオナ先輩、ラギー先輩がやってくれるだろうから、今私たちがやるべきことは…

「とにかく写真を守ろう!」

デュ「なるほど。単純でいい。得意魔法ナシにどこまでやれるかわからないが…」

ジャック「ここまできたら、やるっきゃねえだろ!」

ウィンディーネ『私も力を貸すわよ。』
16/27ページ
スキ