エリーゼSide

私が、気絶していたせいで、あの子たちの時間を無駄にしてしまった。挽回するためにも情報を集めなくては…。レオナさんには”絶対に無茶するな”って言われてしまったし、どうしよう。そう思っていたとき、後ろから声をかけられた。

？？？「あなた、レオナ様のなんなの！私があの方の婚約者なのよ！あの方に来やすく近づくんじゃないわよ！」

話しかけてきたのは私に成りすましているアリアドネだった。

「私はレオナさんに近づいているつもりは一切ありません。あくまでも生徒と寮母の関係ですから。」

そう私が言い放つとアリアドネは私の頬を思い切りたたいた。

偽物ロゼッタ「生意気言ってんじゃないわよ。小娘！！今に見てなさい！！痛い目に合わせてあげる。」

それだけ言ってアリアドネは去っていった。

「痛いなあ・・・。これからどうしよう・・・」

私の独り言が流れていくかと思ったら、メリッサが話しかけてきた。

メリッサ『あの獅子の子に守ってもらえばいいじゃないの。そしたら、あの女、本性を出すんじゃない？』

『そうかもしれないけど、レオナさんを危険な目に合わせたくないし…』

メリッサ『大丈夫よ。私たちが守ってあげる。獅子の子はあなたにぴったりだってみーんな思ってるのよ。』

『私は釣り合わないよ。』

メリッサ『弱気になっちゃだーめ。あなたの悪い癖よ。すーぐ弱気になるんだから。もうこの話はやめにするわ。そういえば、ウィンディーネがあなたに会いたいって言ってたわよ。あなたの体調すごーく心配してたんだから。』

『わかった、ウィンディーネに、今から会おう。』

私たちは水のある場所まで移動した。

「ウィンディーネさん！いるなら姿を見せてもらえますか？」

私が水辺に向かいそう言うと、ウィンディーネさんはすぐ私の声に答えてくれた。

ウィンディーネ『元気そうでよかったわ、私たちの愛し子。あれから連絡もなくて、心配していたのよ。』

『ごめんなさい。今、寝泊まりしている場所は水辺があまりなくて。あなたを呼び出すと危ないかと思ってやめたんです。』

ウィンディーネ『愛し子に呼ばれれば、どんなに悪い状況下でも出でくるわよ。その話はさておき、私と契約してくれる？対価はいらないわ。だって愛し子ですから。』

『私でよければ喜んで。対価は取らないんですね。ノームでさえ、敬語をはずすという対価を取ったのに…。』

ウィンディーネ『ノームがそんなことを…私も敬語をはずすのをお願いしましょうか。これは対価じゃなくて”お願い”よ。友達としてのね。』

『わ、わかった。ウィンディーネ。さっそくなんだけど、お願いがあるの。』

ウィンディーネ『あら、何かしら？』

『オクタヴィネル寮の様子を見てきてもらえる？そこの寮長であるアズール君の契約書を破る計画を立てたいの。』

ウィンディーネ『水は私が一番得意とする領域よ！任せなさい！』

そうウィンディーネは言うと水流とともに消えた。契約書を破って、イソギンチャクになった生徒たちを解放するわよ！と思ったとき、どこかでブロットが溜まる音が聞こえた。また誰かがオーバーブロットをするの？