深海の商人
監督生Side
レ「だが、そうだなァ。もし俺がお前らの立場だったら…まず、何とかして契約書を破る方法を考えるぜ。」
グ「でも、あの契約書は無敵なんだゾ!?」
グリムの反応を見て、レオナ先輩は溜息を吐き、肩をすくめる。
レ「ハア・・・お前ら、本当に脳みそが小せえな。」
ラ「他人のなりすましとか、詐欺にあっさり引っかかるタイプッスよねえ。」
グ「ふな゛っ!?」
実際、グリム時は騙されたので、言い返せない…。
ラ「そもそも、なーんで君たちはアズール君の「絶対破れない」って言葉を信じ込んでるんスか?」
ジャック「えっ?でも、攻撃はマジで効いてなかったし…。」
ラ「その場限りのパフォーマンス…言っちゃえばハッタリの可能性だってあるじゃないスか。」
ジャック「!!」
エリーゼ「どんな魔法にも弱点はあるわ。」
レ「エリーゼの言うとおりだ。魔法を封じる赤い坊ちゃんのユニーク魔法だって一見無敵だが、穴はあっただろ。どれほど優秀な魔法士でも、魔法は無限に使えない。だからアズールの『黄金の契約書』がずっと無敵であり続けることなんてそれこそ”絶対に”あり得ないんだよ。」
ジャック「あの『黄金の契約書』にも必ず弱点はある…。海の中でリーチ兄弟に挑むより、地上で契約書の”弱点”を暴くことを目指した方がまだ勝算は高い…ってことか。でも、なんかそれって反則くせぇな。」
ラ「あのねえ、ジャック君。意識高いのは結構ッスけど、君ら地上でもアズール君たちに歯が立ってないじゃないスか。」
ジャック「うぐっ、それは・・・。」
レ「大体なあ、アイツらは何も知らない草食動物を騙して、身ぐるみ剥ごうって悪党だぜ。遠慮する必要がどこにある?卑怯だろうが、場外乱闘だろうが、契約が無効になりゃこっちの勝ちだろうが。」
ラ「くぅ~っ、さっすがレオナさん!骨の髄まで卑怯者!」
さっきも思ったが、この2人・・・
「前回の反省、してませんね?」
レ「言ったろ?俺はいつだって全力を尽くす、ってなァ。それにエリーゼをこんな目に合わせたヤツらに卑怯もくそもねえ。」
ラ「ほーんと。エリーゼちゃんのことになると、いつになく真剣になるんスねー、レオナさん。でも、このことについては同意ッスよ。エリーゼちゃんをこんな危険な目に合わせといて何も報いを受けないのはおかしいッスから。」
エリーゼ「2人とも…」
ジャック「確かに、エリーゼさんが危険な目にあったんだ。卑怯もクソもないか。よし。残り2日、全力でアズールに張り付いて契約書を破るチャンスを狙うぞ!」
グ「ぜーったい、魔法を取り返してやるんだゾ!」
グリムの気合も上がってきたことだし…
「みんなで頑張ろう!」
レ「じゃ、せいぜい頑張れよ1年坊主ども。」
グ「えぇっ!?あそこまでアオッといて協力はしてくれねーのか!?」
レ「なんで俺が。サービスでヒントは与えてやっただろ。あとはテメエらが勝手にやれ。ラギー、ちょっとこい。」
またもやエリーゼさんの頭をなでると、満足げにレオナ先輩は自室を後にした。
ラ「ってなわけで、オレもここで。エリーゼちゃん、今日はゆっくり休むッスよ~。それと、3人とも頑張るッスよ~。」
エリーゼ「ええ、おやすみなさい。」
グ「は、薄情者~~!!」
グリムが声を荒らげる中、2人は去っていった。
エリーゼ「話が終わったら、レオナさんは帰ってくると思うから、あなた達はもう寝なさい。」
エリーゼさんがそう言ったとき、ジャックがおもむろにエリーゼさんの前に出た。
ジャック「…すみませんでした。守れなくて…。」
あのツンデレジャックが謝るなんて…と思っているとエリーゼさんは優しく声をかけた。
エリーゼ「謝らなくていいわ。だって、私を助けようとしてくれたでしょう。ここまで連れてきてくれたのもジャック君だし…ありがとう。もう二人とも夜遅いんだから、寝ましょう。おやすみなさい。」
ジャック「!!おやすみなさい。」
ジャックもわだかまりが溶けたような顔して去っていった。
監督生SideFin.
~サバナクロー寮 廊下~
ラ「珍しいッスね、レオナさんがあんなに助言をしてやるなんて。」
レ「あン?」
ラ「なんだかんだ、素直な後輩は可愛いってことッスか?」
レ「バーカ。そんなわけあるか。1年坊どもをうまく使えば、労さずしてタコ野郎の弱点を握れるかもしれねえだろ。ま、それほど期待はしてないが。それと、アイツは溺れかけたことについてなんか隠していやがる。何があったか探れ。いいな。」
ラ「なるほど。さすがッス、レオナさん。エリーゼちゃんの件についても任せるッスよ。」
~オクタヴィネル寮~
ア「なんですって?監督生さんがレオナさんと?それにエリーゼさんが精霊を呼び出した!?」
ジェ「はい。どうやら契約者はサバナクローに転がり込んだようです。エリーゼさんの件についてはまだはっきりとはわかりませんがおそらく…」
ア「なるほど。それは…少しばかり予想外の展開だ。・・・・。」
フ「どーする?絞めちゃう?」
ア「・・・いえ。レオナさんについては放っておいてもいいでしょう。」
ジェ「敵に回すと少々厄介な相手では?早めに手を打っておいた方が…」
ア「彼は基本的に怠惰な雄ライオン。面倒ごとに首を突っ込まない主義だ。もちろん敵に回せば厄介、という意見には同意ですが…それは相手も同じこと。彼も、好き好んで僕と対立しようなだと考えないはずです。」
ジェ「藪蛇にならないように、今のところは触れずに置く…ということですね。かしこまりました。エリーゼさんについてはどうしましょう。」
フ「ちえー。アイツ、絞めがいありそうだったのになァ。」
ア「2人とも。引き続き監視を頼みましたよ。エリーゼさんの件についてはもっと詳しく調べてから判断します。よろしいですね?」
ジェ&フ「はい。/はーい。」
レ「だが、そうだなァ。もし俺がお前らの立場だったら…まず、何とかして契約書を破る方法を考えるぜ。」
グ「でも、あの契約書は無敵なんだゾ!?」
グリムの反応を見て、レオナ先輩は溜息を吐き、肩をすくめる。
レ「ハア・・・お前ら、本当に脳みそが小せえな。」
ラ「他人のなりすましとか、詐欺にあっさり引っかかるタイプッスよねえ。」
グ「ふな゛っ!?」
実際、グリム時は騙されたので、言い返せない…。
ラ「そもそも、なーんで君たちはアズール君の「絶対破れない」って言葉を信じ込んでるんスか?」
ジャック「えっ?でも、攻撃はマジで効いてなかったし…。」
ラ「その場限りのパフォーマンス…言っちゃえばハッタリの可能性だってあるじゃないスか。」
ジャック「!!」
エリーゼ「どんな魔法にも弱点はあるわ。」
レ「エリーゼの言うとおりだ。魔法を封じる赤い坊ちゃんのユニーク魔法だって一見無敵だが、穴はあっただろ。どれほど優秀な魔法士でも、魔法は無限に使えない。だからアズールの『黄金の契約書』がずっと無敵であり続けることなんてそれこそ”絶対に”あり得ないんだよ。」
ジャック「あの『黄金の契約書』にも必ず弱点はある…。海の中でリーチ兄弟に挑むより、地上で契約書の”弱点”を暴くことを目指した方がまだ勝算は高い…ってことか。でも、なんかそれって反則くせぇな。」
ラ「あのねえ、ジャック君。意識高いのは結構ッスけど、君ら地上でもアズール君たちに歯が立ってないじゃないスか。」
ジャック「うぐっ、それは・・・。」
レ「大体なあ、アイツらは何も知らない草食動物を騙して、身ぐるみ剥ごうって悪党だぜ。遠慮する必要がどこにある?卑怯だろうが、場外乱闘だろうが、契約が無効になりゃこっちの勝ちだろうが。」
ラ「くぅ~っ、さっすがレオナさん!骨の髄まで卑怯者!」
さっきも思ったが、この2人・・・
「前回の反省、してませんね?」
レ「言ったろ?俺はいつだって全力を尽くす、ってなァ。それにエリーゼをこんな目に合わせたヤツらに卑怯もくそもねえ。」
ラ「ほーんと。エリーゼちゃんのことになると、いつになく真剣になるんスねー、レオナさん。でも、このことについては同意ッスよ。エリーゼちゃんをこんな危険な目に合わせといて何も報いを受けないのはおかしいッスから。」
エリーゼ「2人とも…」
ジャック「確かに、エリーゼさんが危険な目にあったんだ。卑怯もクソもないか。よし。残り2日、全力でアズールに張り付いて契約書を破るチャンスを狙うぞ!」
グ「ぜーったい、魔法を取り返してやるんだゾ!」
グリムの気合も上がってきたことだし…
「みんなで頑張ろう!」
レ「じゃ、せいぜい頑張れよ1年坊主ども。」
グ「えぇっ!?あそこまでアオッといて協力はしてくれねーのか!?」
レ「なんで俺が。サービスでヒントは与えてやっただろ。あとはテメエらが勝手にやれ。ラギー、ちょっとこい。」
またもやエリーゼさんの頭をなでると、満足げにレオナ先輩は自室を後にした。
ラ「ってなわけで、オレもここで。エリーゼちゃん、今日はゆっくり休むッスよ~。それと、3人とも頑張るッスよ~。」
エリーゼ「ええ、おやすみなさい。」
グ「は、薄情者~~!!」
グリムが声を荒らげる中、2人は去っていった。
エリーゼ「話が終わったら、レオナさんは帰ってくると思うから、あなた達はもう寝なさい。」
エリーゼさんがそう言ったとき、ジャックがおもむろにエリーゼさんの前に出た。
ジャック「…すみませんでした。守れなくて…。」
あのツンデレジャックが謝るなんて…と思っているとエリーゼさんは優しく声をかけた。
エリーゼ「謝らなくていいわ。だって、私を助けようとしてくれたでしょう。ここまで連れてきてくれたのもジャック君だし…ありがとう。もう二人とも夜遅いんだから、寝ましょう。おやすみなさい。」
ジャック「!!おやすみなさい。」
ジャックもわだかまりが溶けたような顔して去っていった。
監督生SideFin.
~サバナクロー寮 廊下~
ラ「珍しいッスね、レオナさんがあんなに助言をしてやるなんて。」
レ「あン?」
ラ「なんだかんだ、素直な後輩は可愛いってことッスか?」
レ「バーカ。そんなわけあるか。1年坊どもをうまく使えば、労さずしてタコ野郎の弱点を握れるかもしれねえだろ。ま、それほど期待はしてないが。それと、アイツは溺れかけたことについてなんか隠していやがる。何があったか探れ。いいな。」
ラ「なるほど。さすがッス、レオナさん。エリーゼちゃんの件についても任せるッスよ。」
~オクタヴィネル寮~
ア「なんですって?監督生さんがレオナさんと?それにエリーゼさんが精霊を呼び出した!?」
ジェ「はい。どうやら契約者はサバナクローに転がり込んだようです。エリーゼさんの件についてはまだはっきりとはわかりませんがおそらく…」
ア「なるほど。それは…少しばかり予想外の展開だ。・・・・。」
フ「どーする?絞めちゃう?」
ア「・・・いえ。レオナさんについては放っておいてもいいでしょう。」
ジェ「敵に回すと少々厄介な相手では?早めに手を打っておいた方が…」
ア「彼は基本的に怠惰な雄ライオン。面倒ごとに首を突っ込まない主義だ。もちろん敵に回せば厄介、という意見には同意ですが…それは相手も同じこと。彼も、好き好んで僕と対立しようなだと考えないはずです。」
ジェ「藪蛇にならないように、今のところは触れずに置く…ということですね。かしこまりました。エリーゼさんについてはどうしましょう。」
フ「ちえー。アイツ、絞めがいありそうだったのになァ。」
ア「2人とも。引き続き監視を頼みましたよ。エリーゼさんの件についてはもっと詳しく調べてから判断します。よろしいですね?」
ジェ&フ「はい。/はーい。」