結婚してから子供ができなかったヘドラでしたが、ついに奥方が妊娠をします。生まれる子が男の子であれ、女の子であれ、自分の思い道理に動かせる人材が身近にできるのですから、ヘドラはうれしくてたまりませんでした。
　生まれてきた子は、女の子でした。その子に”アリアドネ・ルシファー”と名付け、後々勢力が大きい家柄に嫁がせようと生まれた段階でもくろんでいたのでした。

　シャーティー家には、子供ができないのだと高をくくっていたヘドラでしたが、そんな考えはすぐに打ち消されます。アリアドネが誕生してから、数年後に、シャーティー家の奥方が妊娠したのです。
　「シャーティー家に跡継ぎが誕生してしまったら、今度こそ自分の今の地位を失ってしまうかもしれない」そう考えたヘドラは、子供を流産させようと試みますが、失敗に終わります。理由を簡潔に言うと生まれてくる子供が安全に誕生できるように、シャーティ家の旦那様が奥方を夕焼けの草原に帰省させていたからでした。
　そして、ついに、ヘドらが最も恐れていた自体、すなわちシャーティー家の跡継ぎが誕生します。