荒野の反逆者
エリーゼSide
リ「それほどの力があって、何故こんなことをする!」
レ「何故…?理由なんか聞いてどうする。俺を叱って、慰めてくれるって?実力があったって、努力したってどうしようもねぇことが世の中にはいくらでもあんだよ。現にラギーはこの俺に手も足も出ねえ。可愛そうに。憐れだよなあ…」
ラ「はっ・・・ぐぅ・・・っ!」
ジャック「-もうやめねえか!!『月夜を破る遠吠え』!」
ジャック君がそう叫ぶと、姿が見る見るうちに変化し、銀色のたてがみを持つ大きな狼が現れた。
リ「あれは…!?」
ジャック「ガウガウッ!!ガルルル!ガウッ!!!」
監「へ、変身した!?」
「巨大な狼?」
レ「なんだと!?ぐぁっ!」
ジャック君に攻撃され、レオナさんに一瞬のスキが生まれた。
リ「レオナに隙が出来た!『首をはねろ!』!」
レ「ぐあぁっっ!!」
ラ「がはっ!ゲホゲホッ…!」
ケ「リドル君、さすが!レオナ君の魔法が止まった!」
デュ「ラギーからも手が離れたぞ!早くこっちへ!」
「回復魔法をかけます!早くこちらへ!」
ラ「エ、エリーゼさん…オレは…」
「わかっています。今はじっとしていてください。」
ラ「あ、危ない…」
ラギー君の言葉を最後まで聞かず、レオナさんの方を見つめた。
シ「セべク、俺たちは他の怪我人を外へ運び出すぞ。」
セ「偉そうに僕に指図するな、シルバー!」
レ「クソが…っ!ライオンであるこの俺に、首輪だと…!?ジャック!テメェ変身薬なんてご禁制の魔法薬どこで手に入れた?」
ジャック「『月夜を破る遠吠え』!…身体を狼に変化させる、俺のユニーク魔法だ!」
レ「は…魔法で本物の犬ッコロになれるって?そいつぁユニークだ。本当にな!」
ジャック「レオナ先輩…俺は…俺は!あんたに憧れてこの学園を目指した!俺の憧れたあんたは、どこにいっちまったんだ!?」
レ「勝手に俺に夢見てるんじゃねぇ…うぜぇな・・・」
ワナワナと震えているレオナさん。怒りで震えているのもあるだろうが、私には怯えているように見えた。
リ「ボクも人のことを言えた義理ではないけどね。今のキミは見るに堪えない。謹慎部屋に入って、少し頭を冷やすといい!」
レ「…お前らに何がわかる?兄貴みてぇに俺に説教垂れてんじゃねェよ…」
兄貴、その言葉にとてつもない怒りがこもっていた。やっぱりあなたは、比べられてきたのね。私がいなくなってから、どれだけの言葉を投げかけられてきたのか私にはわからないけれど…どんなことを言われたってあなたはあなたなの。
リリ「フン。お主のような男には、王冠よりその首輪がお似合いじゃ。サバンナの王者のライオンが聞いて呆れるわ。」
レ「…ああッ!?」
リリ「お主は持って生まれた才や順序のせいで王になれぬと嘆いておるようだが…報われぬからと怠惰に生き、思惑が外れれば進化に当たり散らすその狭量さ。その程度の器で王になろうなどと…我らが王、マレウスと張り合おうなどと、笑わせる。たとえマレウスを倒したとて、その腐った心根を捨てぬ限り…お主は真の王になれんだろうよ!」
リリアさんの言葉は、普通の人には納得がいくだろうけれど、今の彼にその言葉はご法度だわ。やっぱり怒っている。けれど、彼は笑った。
すべてを諦めたように…痛みや苦しみを吐き出すように…
レ「は、はは…アァ、そうだな。そうだろうとも。お前の言う通りだ…はははは!俺は絶対に王になれない…どれだけ努力しようがなァ・・・・!」
このままじゃ、レオナさんが_リドル君と同じようになってしまう。
グ「なんだ!?全身の毛がゾワゾワするんだゾ!」
リ「急速にレオナの魔力が高まって…っくっ、魔法封じが持続できないっ…!!!」
リリ「ちがう。これは魔力ではない。この邪悪な負のエネルギー…まさか!」
ケ「みんな、伏せろ!」
デュ&エ&グ「!!!!」
ケ「リドル君の魔法封じの首輪が、吹っ飛ばされた!?」
リドル君の魔力封じの首輪が外れた途端、とんでもない痛みが私を襲った。でも、これ以上やったらダメ。
「っ・・・うっ。」
レ「俺は生まれたときから忌み嫌われ、居場所も未来もなく生きてきた。どんなに努力しても、絶対に報われることはない。その苦痛が、絶望が…お前らにわかるかぁアアアアアアアアッ!」
「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
ビチャビチャビチャ 彼の魔法石が黒に染まってしまった…
レ「ガアアアアアアッ!!!」
邪悪な獅子の化身。前のリドル君のように、邪悪なもので包まれているレオナさん。彼から感じるどす黒いオーラとあふれるような魔力。
ジャック「なんだ、ありゃぁ…!?レオナ先輩の身体から、でけぇ影が!」
デュ「あれは…ブロットの化身!」
グ「アイツ、リドルみてぇに闇落ちバーサーカー状態になっちまったのか!?」
リ「くっ・・立てるものは自力で待避!エース、デュースは怪我人を連れて外へ。リリア先輩、先生たちに救援を頼みます!」
デュ&エ「はい!」
リリ「あい分かった。しばし持ちこたえよ。」
レ「ガアアアアアアッ!!!」
「レオ…ナさ…」
ケ「うえ~、なんでこんな怖い目にばっか合うの?俺、こういうの向いてないんだけど!」
リ「怖いなら逃げてもかまわないよ。」
ケ「リドル君を置いて逃げたら、トレイ君に後でボコられちゃう。お供しますよ、寮長。」
ジャック「よくわからねぇが、レオナ先輩をブン殴って正気に戻せばいいんだな?」
ラ「オ・・オレも、手伝うッス…ゴホッ…あそこまで言われて寝てられるかってんだ…」
拳を力強く握るジャック君と、起き上がるラギー君。
リ「エリーゼ、キミは下がっていろ。体調が思わしくないようだからね。」
「そういうわけにはいきません。リドル君。生徒がこうなってしまった以上、寮母という立場の私が生徒を差し置いて見学というわけにはまいりませんから。」
レ「ハイエナ風情が俺に刃向かおうってのか?ハハハハハ…笑えねぇ冗談だ。全員明日の朝日は拝めないと思え!」
グ「ユウ、アイツを捕まえればマジカルシフト大会に出られる!気合入れるんだゾ!」
ぶれないわね。グリム君は。本当に尊敬しちゃう。
監「…いこう、みんな!」
リ「それほどの力があって、何故こんなことをする!」
レ「何故…?理由なんか聞いてどうする。俺を叱って、慰めてくれるって?実力があったって、努力したってどうしようもねぇことが世の中にはいくらでもあんだよ。現にラギーはこの俺に手も足も出ねえ。可愛そうに。憐れだよなあ…」
ラ「はっ・・・ぐぅ・・・っ!」
ジャック「-もうやめねえか!!『月夜を破る遠吠え』!」
ジャック君がそう叫ぶと、姿が見る見るうちに変化し、銀色のたてがみを持つ大きな狼が現れた。
リ「あれは…!?」
ジャック「ガウガウッ!!ガルルル!ガウッ!!!」
監「へ、変身した!?」
「巨大な狼?」
レ「なんだと!?ぐぁっ!」
ジャック君に攻撃され、レオナさんに一瞬のスキが生まれた。
リ「レオナに隙が出来た!『首をはねろ!』!」
レ「ぐあぁっっ!!」
ラ「がはっ!ゲホゲホッ…!」
ケ「リドル君、さすが!レオナ君の魔法が止まった!」
デュ「ラギーからも手が離れたぞ!早くこっちへ!」
「回復魔法をかけます!早くこちらへ!」
ラ「エ、エリーゼさん…オレは…」
「わかっています。今はじっとしていてください。」
ラ「あ、危ない…」
ラギー君の言葉を最後まで聞かず、レオナさんの方を見つめた。
シ「セべク、俺たちは他の怪我人を外へ運び出すぞ。」
セ「偉そうに僕に指図するな、シルバー!」
レ「クソが…っ!ライオンであるこの俺に、首輪だと…!?ジャック!テメェ変身薬なんてご禁制の魔法薬どこで手に入れた?」
ジャック「『月夜を破る遠吠え』!…身体を狼に変化させる、俺のユニーク魔法だ!」
レ「は…魔法で本物の犬ッコロになれるって?そいつぁユニークだ。本当にな!」
ジャック「レオナ先輩…俺は…俺は!あんたに憧れてこの学園を目指した!俺の憧れたあんたは、どこにいっちまったんだ!?」
レ「勝手に俺に夢見てるんじゃねぇ…うぜぇな・・・」
ワナワナと震えているレオナさん。怒りで震えているのもあるだろうが、私には怯えているように見えた。
リ「ボクも人のことを言えた義理ではないけどね。今のキミは見るに堪えない。謹慎部屋に入って、少し頭を冷やすといい!」
レ「…お前らに何がわかる?兄貴みてぇに俺に説教垂れてんじゃねェよ…」
兄貴、その言葉にとてつもない怒りがこもっていた。やっぱりあなたは、比べられてきたのね。私がいなくなってから、どれだけの言葉を投げかけられてきたのか私にはわからないけれど…どんなことを言われたってあなたはあなたなの。
リリ「フン。お主のような男には、王冠よりその首輪がお似合いじゃ。サバンナの王者のライオンが聞いて呆れるわ。」
レ「…ああッ!?」
リリ「お主は持って生まれた才や順序のせいで王になれぬと嘆いておるようだが…報われぬからと怠惰に生き、思惑が外れれば進化に当たり散らすその狭量さ。その程度の器で王になろうなどと…我らが王、マレウスと張り合おうなどと、笑わせる。たとえマレウスを倒したとて、その腐った心根を捨てぬ限り…お主は真の王になれんだろうよ!」
リリアさんの言葉は、普通の人には納得がいくだろうけれど、今の彼にその言葉はご法度だわ。やっぱり怒っている。けれど、彼は笑った。
すべてを諦めたように…痛みや苦しみを吐き出すように…
レ「は、はは…アァ、そうだな。そうだろうとも。お前の言う通りだ…はははは!俺は絶対に王になれない…どれだけ努力しようがなァ・・・・!」
このままじゃ、レオナさんが_リドル君と同じようになってしまう。
グ「なんだ!?全身の毛がゾワゾワするんだゾ!」
リ「急速にレオナの魔力が高まって…っくっ、魔法封じが持続できないっ…!!!」
リリ「ちがう。これは魔力ではない。この邪悪な負のエネルギー…まさか!」
ケ「みんな、伏せろ!」
デュ&エ&グ「!!!!」
ケ「リドル君の魔法封じの首輪が、吹っ飛ばされた!?」
リドル君の魔力封じの首輪が外れた途端、とんでもない痛みが私を襲った。でも、これ以上やったらダメ。
「っ・・・うっ。」
レ「俺は生まれたときから忌み嫌われ、居場所も未来もなく生きてきた。どんなに努力しても、絶対に報われることはない。その苦痛が、絶望が…お前らにわかるかぁアアアアアアアアッ!」
「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
ビチャビチャビチャ 彼の魔法石が黒に染まってしまった…
レ「ガアアアアアアッ!!!」
邪悪な獅子の化身。前のリドル君のように、邪悪なもので包まれているレオナさん。彼から感じるどす黒いオーラとあふれるような魔力。
ジャック「なんだ、ありゃぁ…!?レオナ先輩の身体から、でけぇ影が!」
デュ「あれは…ブロットの化身!」
グ「アイツ、リドルみてぇに闇落ちバーサーカー状態になっちまったのか!?」
リ「くっ・・立てるものは自力で待避!エース、デュースは怪我人を連れて外へ。リリア先輩、先生たちに救援を頼みます!」
デュ&エ「はい!」
リリ「あい分かった。しばし持ちこたえよ。」
レ「ガアアアアアアッ!!!」
「レオ…ナさ…」
ケ「うえ~、なんでこんな怖い目にばっか合うの?俺、こういうの向いてないんだけど!」
リ「怖いなら逃げてもかまわないよ。」
ケ「リドル君を置いて逃げたら、トレイ君に後でボコられちゃう。お供しますよ、寮長。」
ジャック「よくわからねぇが、レオナ先輩をブン殴って正気に戻せばいいんだな?」
ラ「オ・・オレも、手伝うッス…ゴホッ…あそこまで言われて寝てられるかってんだ…」
拳を力強く握るジャック君と、起き上がるラギー君。
リ「エリーゼ、キミは下がっていろ。体調が思わしくないようだからね。」
「そういうわけにはいきません。リドル君。生徒がこうなってしまった以上、寮母という立場の私が生徒を差し置いて見学というわけにはまいりませんから。」
レ「ハイエナ風情が俺に刃向かおうってのか?ハハハハハ…笑えねぇ冗談だ。全員明日の朝日は拝めないと思え!」
グ「ユウ、アイツを捕まえればマジカルシフト大会に出られる!気合入れるんだゾ!」
ぶれないわね。グリム君は。本当に尊敬しちゃう。
監「…いこう、みんな!」