荒野の反逆者

エリーゼSide
カ「確かに。去年オレたちが当たった時は手も足も出なかった。」

イ「ゲームバランスぶっ壊れ性能のチートキャラ無双でしたな。」

ク「この大会は単なる娯楽ではありません。新たな才能を持つ魔法士を発掘するために世界中が注目しています。それにもかかわらず対戦相手どころかディアソムニア寮の選手も一度も魔法を披露することなく試合が終わる。異常事態と言っていい。」

イ「あー、わかる。俺つえー展開も連続すると萎え。」

ク「マジカルシフトプロリーグを目指す生徒が数多く所属する、サバナクロー寮。この2年はトーナメント1回戦でディアソムニア寮と対戦したばかりに、どちらも初戦敗退。これではプロリーグ関係者の印象にすら残りません。選手の将来にも関わります。」

レ「・・・今年も俺たちが無様に負けるって言いてえのか?」

ク「私だって言いたくて言っているのではありません。とにかく、殿堂入りの件はすでにドラコニア君に内諾を得ています。あとは皆さんの合意を得るだけです。」

レ「は、舐められたもんだ…俺はな、センセー”お前は絶対に一番になれない”ってハナから決めつけられることがこの世で一番嫌いなんだよ。」

ク「いえ、そういうわけでは・・・」

レ「じゃあどういうわけだ?第一、マジフトは力押しでやるもんじゃない。頭でやるモンだろ?」

カ「オレは頭でもマレウスに勝てる気しねーけどなー」

レ「フン、お前はな。だが、俺は違う。確かに力押しじゃあ誰もアイツには勝てないだろうが、おつむの方は違うはずだ。」

ア「ほう?」

レ「グレート・セブンの百獣の王も、努力と知恵で王の座を勝ち取った。お前らも頭絞って考えろよ。あのバケモノに勝つ方法を!もし勝てたなら、そのチームを世界中が称賛するだろうぜ。千載一遇のチャンスをみすみす逃すのか?」

ヴィ「たまにはいいこと言うわね。アタシも学園長の提案はナンセンスだと思っていたころよ。才能のあるものを排除する。それってアンコンシャスバイアス…無意識の偏見ってものじゃない?アタシ、そういうの嫌い。」

リ「ボクもヴィル先輩の意見に賛同します。それに一魔法士としても、戦う前から匙を投げるような真似はしたくありません。」

レ「あのお高くとまったスカし野郎の悔しがる顔が世界中に放映される。想像するだけで鼻歌が歌いたくなるじゃねえか。なァ?」

ア「ふふ。それは視聴率が取れそうな画ですね。」

カ「うんうん。仲間はずれは良くねーよな。」

イ「えっ、なにこの流れ?殿堂入りでいいって思ってるの、僕だけ?」

レ「ってわけで、センセー。マレウスの殿堂入りの話はナシだ。」

ク「やれやれ…わかりました。しかし、今年も同じような状況になるなら来年こそは彼を殿堂入りにしますからね。」

レ「好きにしろ。」

ア「では本日の議題はこれで終了です。皆さん、各書類の提出をお忘れなく。僕としては忘れていただいてもかまいませんけどね…フフフ」

ヴィ「ところで、今日の寮長会議…またマレウスだけ呼び忘れてない?」

皆「あっ!」

「マレウスさんには申し訳ないことをしてしまいました…この会議で決定したことは私からお伝えしておきます。」

皆さんが必死になっているのはいいことだとは思うけれど、何か嫌な予感がする…
エリーゼSide Fin.

~階段~
ハーツラビュル寮生A「そろそろマジカルシフト大会の選手選抜の時期だな。」

ハーツラビュル寮生B「何か寮長にアピールする魔法考えてる?」

寮生A「あたりまえだろ?こないだクルーウェル先生に見せたら好感触だったんだ。寮長に披露するのが楽しみ…って
うわあああああぁっ!?ううっ・・・・痛ってえ!」

寮生B「お、おい!どうしたんだよ急に階段から飛び降りたりして!」

寮生A「足がっ…いてえ・・・ッ!」

寮生B「ええっ!?とにかく保健室に行くぞ!」
???「…シシシッ♪」

ぽたぽたっ

誰かのマジカルペンにブロットが溜まる音が…
エリーゼの言うとおり何かが起きてしまうのでしょうか。


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