荒野の反逆者

エリーゼSide
寮長会議の時間になりました。本来ならば、私はお父様の隣に立つはずなのですが、なぜかレオナさんが私を放してくれません。どうしましょう。

ク「えー、ではこれより10月に行われる寮対抗マジカルシフト大会についての寮長会議を始めます。最初に大会運営委員長であるアーシェングロット君から報告があります。」

アズール「運営委員長のアズール・アーシェングロットです。よろしくお願い致します。ではまず会場となるコロシアム周辺に設置予定の出店についてですが、外部企業枠、内部部活枠共にすべて埋まりました。」

カリム「おっ!いいねえ。賑やかになりそうじゃないか。」

ア「各国のロイヤルゲストへの招待状はすべて送付完了。観客席のチケットの売れ行きも順調です。そして今年も例年同様、多数のテレビ局と新聞社より取材申し込みが来ています。」

カ「この大会は世界中が注目してるもんな。この学園に入学する前は、オレも招待状くるのが毎年楽しみだったっけ。あ、王族なんだし、レオナんちにも招待状が来てただろ?小さい頃、会場ですれ違ってたかもな。」

レオナ「・・・・・さあな。どーでもいい。」

ヴィル「今年こそウルトラヴィジョン対応の崩れないベースメイクを完成させなきゃ。運動量が多いから、お直しの回数が増えるのよね。」

リドル「はあ・・・・メイク直しのためにタイムアウトを取るのはポムフィオーレ寮くらいですよ。」

ヴィ「そういえばレオナ、なんでエリーゼをアンタの席に一緒に座らせてるの?彼女困ってるじゃない。」

レ「いいだろ、別に。」

「はははは。」

イデア「なんでみんな顔だし生放送に対して前向きなん?こちとら想像するだけで吐きそうなんですけど?」

ア「ゴホン!皆さん、お静かに。」

カ「あ、悪い悪い。」

ア「各寮出場選手が決定し次第、登録書類の提出を。提出期限に1日でも遅れた場合・・・」

リ「もちろん失格、だね?」

ア「いえ。別途処理手数料をいただきます。特急料金というやつですね。」

リ「なっ・・・ボクはそうやって例外的なルールを作るのは良くないと思うけど!」

カ「ハハハ!オレはありがたいけどな~!」

ク「君たち、話が脱線していますよ。さて、次に対戦表の話ですが…私から一つ提案があります。エリーゼ、発表してください。」

リ「提案?」

「はい。今大会から、ディアソムニア寮の寮長であるマレウス・ドラコニアさんを殿堂入り選手とし出場を見合わせてもらうことをお義さ・・あっ!失礼しました。学園長は考えています。」

カ「ええっ!?」

レ「・・・どういうことだ?」

レオナさんが不機嫌になった?私は去年の大会は寝込んでたから知らないけど何かあったのかしら?

ク「ドラコニア君が入学して以来、ディアソムニア寮に当たった寮は全て無得点のまま完敗。ディアソムニア寮の得点は100点を超えそしてその9割以上は彼が1人で決めた得点です。」

えっ!?そんなことがあったの!?お義父様は優勝した寮しか言ってくれなかったけど、そういうことがあったのね…
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