エリーゼとレオナがお互いのことを意識し始めた後、レオナは誰が見てもエリーゼのことが好きだと思わせるくらい猛烈なアプローチをしかけ始めます。レオナは、ライオンの獣人族。しかも王族ですから、エリーゼに”俺はお前のことが好きだ”と気づかせようとしたのです。ですから、エリーゼと目が合うとゆっくりと瞬きをしたり、飛行術の際に鳥を捕まえてきてエリーゼに見せたり、さらにはエリーゼにわざと近寄ってレオナさんの匂いをエリーゼに付けるというようなマーキング行為をしました。
　
　エリーゼはその行動を見てレオナがアプローチをしてくれているというのはわかっていました。何故なら、エリーゼ（ロゼッタ）は元々ホワイトタイガーの獣人族だったからです。しかし、この求愛行動にあまり過度な反応しないようにしていました。私はこの人と結ばれてはいけないと自分の気持ちにふたをして、愛想笑いをしてごまかしていったのです。

そんなこんなしているうちにあっという間に一年が過ぎていきました。レオナはエリーゼが来てからは授業態度がよかったのですが、テストなどほかの面での成績が悪く留年することになってしまいました。エリーゼは、レオナさんとのかかわりを少なくするため次の学年が始まったら先生方のお手伝いではなく、寮母さんとしてナイトレイブンカレッジで働くことを決意します。学園長はエリーゼに教師のお手伝いを頼むことは最初反対していたので、快く了承してくれました。このことが学園の生徒に伝わると、生徒はみな大喜び。エリーゼとかかわる機会が増えると思ったからでした。
　
　そんなこんなで入学式。異世界から来たという子と、火を噴くモンスターが現れ、式はめちゃくちゃに。その子の対応に追われたエリーゼはすっかり疲れ切ってしまったのでした。

振り向いてほしいレオナと、気持ちにふたをしたエリーゼ。新しい学年が始まってどうなるのでしょうか。