プロローグ

 ロゼッタとレオナが運命的な出会いをした1週間後、正式にレオナとロゼッタが婚約者となりました。レオナの父である夕焼けの草原の王は、本当ならば次の日にでも婚約を取り付けたかったのですが、ヘドラがうちの娘と婚約した方がよいと散々抗議してきたのです。王も最初の方はヘドラの話に耳を傾けていましたが、話を聞くうちにやはりロゼッタの方が礼儀正しく、素直な子であると判断し、ヘドラの話に耳を貸さなくなるどころか、お前の話は聞き飽きたといって切り捨ててしまったのです。私からすると、王様らしい大胆な行動であると感じます。
 
 自分の娘を自分より位の高い家柄に嫁がせたいヘドラは、このチャンスを何とかつかみたいとわらをもすがる気持ちで熱砂の国の王と夕焼けの草原の王に直談判しに行きます。しかし、結果は”NO”。加えて、熱砂の国の王からは、他の国にもアリアドネと結婚したいといっている人がいるからそっちを紹介する、だから諦めてくれというようなことを言われてしまいます。あんな家の娘のどこがいいのだとついにヘドラの怒りが爆発します。

ヘドラSide
どんなに頼み込んでも王はあの憎き家の娘を婚約者にしようとする。私よりも位の高い地とのもとへアリアドネを嫁がせるという私の計画が無茶苦茶だ。王は、ほかの国にもアリアドネと結婚したいという貴族がいるだのとか言っていたが、そんなのは弱っちい奴らばっかで俺よりも位の高い家なんて一つもない。どうにかして、婚約を破棄させるか、諦めさせるしかない。あ、そうだ。いいことを思いついたぞ。ああすればもうあの憎き一家は没落するはずだ。今に見ていろ、俺が最強の貴族になってやるからな。
ウハハハハハハハ

「おい、誰か!誰かいないのか。」
お付きの人「はい、どうかなさいましたか。」
「いいか、耳を貸せ、、、」
お付きの人「かしこまりました、そのように手配いたします。」

これで、あいつの家は終わり新しい時代が築かれるのだ。俺が本物の貴族であることを証明してやる。世界に俺の名前を滞らせてやるぞ。
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