終わりの始まり

『レオナ様』と声をかけようとした時、先にレオナ様に声をかけてきた人物がいた。学園長の娘だとかいう女だった。レオナ様はその女に笑顔を向けていた。笑顔だけならいい。だってこれから愛されるのは私だから。そう思っていた。

けれど、私に会ってもその笑顔が向けられることはなかった。しまいには、『お前、本物のロゼッタか?』なんて言われてしまった。。ばれたんじゃないかと思ったけど、何とか誤魔化した。何回話しかけても、あの女に向けていた表情が私に向くことはない。あの時の憎さがよみがえってくるようだった。努力してやっと変身できるようになったのに、レオナ様が愛しているのはあの女というのが許せなかった。

あの女を痛い目に合わせてやろうと思って後をつけていると、1年生たちと珊瑚の海に行った。海で呼吸ができる薬はお父様が持たせてくれたバッグの中に入っていたはず。急いでバッグがある部屋に行き、薬を飲んで、海の世界へといった。どこに行ったのか探していると、声が聞こえてきた。あの女が絡まれてる。あの女を困らせたくて、薬の効果を無効にした。それなのに、何かの力で助かった。

それからというものレオナ様はあの女に対してもっと過保護になった。私がどんな誘いをしても断る。それなのに、あの女が困っている素振りや、あの女が誘うと断らずに、手伝ったり、承諾したりした。

私は、、あの女をいじめた。そうすればレオナ様にかかわることはなくなると思ったから。手始めに暴言。効果がなく、暴力。それでも効果がなかったので、寝泊まりしている部屋を奪った。それでもあいつはレオナ様に関わる…

許せない!!憎い!!そう思って私はとうとうお父様に相談した。
返答は、こうだった。『ソイツはもしかしたら、本物のロゼッタかもしれない。お前がレオナ様と結婚するにはそいつをこの世から消すしかない』そういって毒を渡された。この毒をいつ仕込んでやろうか、どうやって飲ませようかと思ったとき、あの女と仲良くしているユウってやつに成りすませばいいと思いついた。

すぐに、成りすまし、あの女に接触した。私はあの女を殺すつもりだった。だけど、毒の周りが格段に遅い。いくら遅めに聞き始めるといったってこんなに遅いはずがない。まさか失敗したかと思っていたとき、あの女が血を吐いて倒れたという情報が入ってきた。あの毒は、回復薬がすぐに作れない。だから時期に死ぬだろうと思った。

優越感に浸っていると、学園長に呼び出された。そこで私は大失態を犯してしまった。学生には原因不明だと出回っていたらしい。証拠を突き出され、反論しにくくなった。どうやって切り抜けようかと思ったとき、追い打ちをかけるようにこう言われた。

ジャミル「口のきき方に気を付けた方がいい。先日付でお前の家の貴族の権利は剥奪された。お前の両親は多くの悪行が明らかになり、今は牢屋の中だ。」

牢屋…?どういうこと?頭の中が混乱する

ジャミル「お前の家の権利は今眠っていらっしゃる本物のロゼッタ様のものだ。それに、他の貴族の方々もお前たちの家に味方する気はないということだ。」

信じられない、私の家がそんなことになるはずがないといいたかったけれど、口が動かない。その後私は改めて拘束され牢屋に連れていかれた。

何日経過したが、わからないが誰かが訪ねてきた。

???「こんにちは。アリアドネ。」

「ああ、レオナ様、会いに来てくださったのですね。」

ロゼッタ「私はレオナさんではありません。ロゼッタです。今のあなたにどんなことを言っても耳に入らなさそうなので、言いたいことだけ言います。あなたと、良い関係を築けていたならこのようなことにはならなかったでしょうね。どんな罰があなたに下されるかわかりませんが、それを受け止めて償ってください。では。」


レオナさんが来てくれた。見えなくなる、引き留めなきゃ。

「待ってください。レオナ様!!」

番人「暴れるな!!」

番人に押さえつけられ、身動きが取れない…レオナ様は行ってしまった。私はあなたに寵愛を受けたかっただけ。悪いのは私じゃない。私じゃないの。


王の側近「ここにいる、罪人アリアドネ・ルシファーは、ここにいらっしゃるロゼッタ・シャーティー様に成りすまし生活を送っていた。加えて、猛毒な毒薬でロゼッタ様を暗殺しようとした張本人である。よって、この女を平民とし、幽閉することとする。」

平民?幽閉?私が?

私はただ愛されたかっただけ。

誰か私を愛してよ…
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