fate(槍弓)
n月n日
Nが出ていったのでひとりになった。
n月n日
帰らないとのこと。連絡は気まぐれ、いつも。
n月n日
時計が壊れていたことを思い出した。時計の裏を開けてみるも戻す。手に負えない。古くてそれほど高くないスイス製の時計を直してもらえる心当たり、U時計店一店のみ。
n月n日
長く空いていた、アパートの前の建物に店が入るようだ。様々な場所が布で覆われていた。治安の面で好ましいと思う。
n月n日
管理人から通知が入っていた。隣室の角部屋に住人が入居するとのこと。静かな人たちであれば嬉しいが、そうでなければ私もそろそろ引っ越してもいいのではないだろうか。もうNは帰ってこないだろう。
n月n日
Nの友人と名乗る人間から電話がくる。Nの行き先に心当たりなどあるはずがない。
n月n日
向かいの店の一階は花屋、上はいまだ不明。近頃暑くなってきた。最上階だから余計だと思う。煩わしいことも多い、最上階のメリットもあるが。
n月n日
夏の大三角形はいつ見ても美しいものだと思う。もし願いが叶うならば、生きている内に超新星爆発をこの目で見てみたいものだ。
n月n日
隣から物音がしていた。寝不足だったので、気になりつつも寝ていた。夕方に出かけ、時計を店に預けてからPと会う。M料理店。
n月n日
エアコンの調子がどうにも悪かったので、室外機を覗いていたところ隣人と顔をあわせた。男性の見事な白髪がめずらしく、必要以上にじろじろ見てしまったかもしれない。反省。隣人は、私を見て、慌てた様子で玄関から箱入りのタオルをくれた。マメだね。マメすぎてちょっとこわい。隣の部屋に二人で住むとのこと。
n月n日
職場によくきてくれた親子が来年度になる前には引っ越すとのこと。寂しくなるなあ。向かいの店に棚と電気が入っていた。緑のものを多く扱ってくれるか楽しみだ。
n月n日
天体望遠鏡の調整をベランダでしていたら、隣人が外へ出てきた。鮮やかな青い髪に心もち仰け反ってしまった。煙草の可否を問われたので、問題なしと一応返答。しかし綺麗な男性だった。外国人云々というより、あの造形は人間なのだろうか……現実離れしているが思わず疑ってしまう。
n月n日
というか男同士なんだ。ルームシェア?
n月n日
U時計店から留守電が入っていた。
n月n日
葉書がポストに届いていた。アジアの消印、国際郵便。
仕事帰りに時計を受け取りにいった。時計の中の歯車が欠けていて、同型の部品はもう生産されていないそうだ。正真正銘、祖父の時間は終わってしまったのかもしれない。何度目かの祖父の死。
n月n日
青い髪の方の隣人が、向かいの花屋で働いていた。似合っているような、そうでないような。花より店員が目立つのはアリなのだろうか。簡単な挨拶だけ交わした。
n月n日
隣から争う声。声が大きくて響いていますよと言えたらな。
n月n日
白い方からぬか漬けを貰った。昨夜の謝罪と一緒に。渋い選択のお詫びだな。おいしい。
n月n日
嫌になるような雨が一日続いている。朝から重い空気、月も出ていない。Tからメール、仏旅行のお土産は何がいいかと。度数が低めのシードルを希望する。
n月n日
いつものスーパーで白い方と会ったので、近隣のスーパーの特売日を教える。ぬか漬けのお礼を言えたのでよかった。
n月n日
急すぎる。数日後緊急で停電ののちメンテナンス? とのこと。この時季に冷蔵庫が止まるのはつらい。本格的に暑くなってきて、日差しが痛い。
n月n日
白い方がぬか床をお裾分けしてくれた。oh……。確かに褒めた。確かに味は褒めた。どうしようと、取りあえず手入れ方法を検索。直接聞いておけばよかった。どうすればいいものやら。
n月n日
青い方の店へ見舞い用の花を求めに行ったら、小さなサボテンを新規開店のサービスだとくれた。サボテンは可愛いが、彼はなんとなく軟派な気がしなくもない。
n月n日
Nのものを全て処分。これでいいんだ。
n月n日
ごみを捨てに行ったら白い方と会う。家事は彼がしているそうだ。だが特に料理等を生業にしている訳ではないらしい。祖父の時計の話をついしてしまった。
n月n日
言葉に甘えて時計を白い方に見せたところ、自室に持ち込んで修理してくれた。本当に直っていた。部品があるなんて時計職人か、もしくは趣味にしているのか? と訊ねたがそうではないらしい。謎。
n月n日
停電の日に天の川を観測できるではないかと期待したが、停電は昼間の、そしてこの建物だけの話だそうだ。残念。
n月n日
大規模なプールが建設されていると聞いた。初耳だったが、前々から話題だったらしい。ただ今夏には間に合わないという。不思議な話だ。
n月n日
クーラーボックスと、もしもに備えて懐中電灯と蝋燭を出しておく。この建物から出れば、外は電気で明るいだろうけれど。
7月7日
停電が長引いている(夕方にこれを書いている)。
n月n日
昨夜、部屋は真っ暗闇だった。隣から問答の声が漏れ伝わっていた。折角の暗闇なのに星の観察をしづらいなあとカーテン越しに悩んでいたら、窓から、青い方がクライミング……ボルダリング? の要領で壁をつたいベランダから屋上へ登っていくさまが隙間から見えた。呆然。怒っていた白い方も登っていった……人間……人間? アスリート? 正体が謎すぎる。天の川のことなど頭から吹き飛んでしまった。
n月n日
Nから葉書。消印がまた変わっていた。Tが我が家を訪れてくれる……。
Nが出ていったのでひとりになった。
n月n日
帰らないとのこと。連絡は気まぐれ、いつも。
n月n日
時計が壊れていたことを思い出した。時計の裏を開けてみるも戻す。手に負えない。古くてそれほど高くないスイス製の時計を直してもらえる心当たり、U時計店一店のみ。
n月n日
長く空いていた、アパートの前の建物に店が入るようだ。様々な場所が布で覆われていた。治安の面で好ましいと思う。
n月n日
管理人から通知が入っていた。隣室の角部屋に住人が入居するとのこと。静かな人たちであれば嬉しいが、そうでなければ私もそろそろ引っ越してもいいのではないだろうか。もうNは帰ってこないだろう。
n月n日
Nの友人と名乗る人間から電話がくる。Nの行き先に心当たりなどあるはずがない。
n月n日
向かいの店の一階は花屋、上はいまだ不明。近頃暑くなってきた。最上階だから余計だと思う。煩わしいことも多い、最上階のメリットもあるが。
n月n日
夏の大三角形はいつ見ても美しいものだと思う。もし願いが叶うならば、生きている内に超新星爆発をこの目で見てみたいものだ。
n月n日
隣から物音がしていた。寝不足だったので、気になりつつも寝ていた。夕方に出かけ、時計を店に預けてからPと会う。M料理店。
n月n日
エアコンの調子がどうにも悪かったので、室外機を覗いていたところ隣人と顔をあわせた。男性の見事な白髪がめずらしく、必要以上にじろじろ見てしまったかもしれない。反省。隣人は、私を見て、慌てた様子で玄関から箱入りのタオルをくれた。マメだね。マメすぎてちょっとこわい。隣の部屋に二人で住むとのこと。
n月n日
職場によくきてくれた親子が来年度になる前には引っ越すとのこと。寂しくなるなあ。向かいの店に棚と電気が入っていた。緑のものを多く扱ってくれるか楽しみだ。
n月n日
天体望遠鏡の調整をベランダでしていたら、隣人が外へ出てきた。鮮やかな青い髪に心もち仰け反ってしまった。煙草の可否を問われたので、問題なしと一応返答。しかし綺麗な男性だった。外国人云々というより、あの造形は人間なのだろうか……現実離れしているが思わず疑ってしまう。
n月n日
というか男同士なんだ。ルームシェア?
n月n日
U時計店から留守電が入っていた。
n月n日
葉書がポストに届いていた。アジアの消印、国際郵便。
仕事帰りに時計を受け取りにいった。時計の中の歯車が欠けていて、同型の部品はもう生産されていないそうだ。正真正銘、祖父の時間は終わってしまったのかもしれない。何度目かの祖父の死。
n月n日
青い髪の方の隣人が、向かいの花屋で働いていた。似合っているような、そうでないような。花より店員が目立つのはアリなのだろうか。簡単な挨拶だけ交わした。
n月n日
隣から争う声。声が大きくて響いていますよと言えたらな。
n月n日
白い方からぬか漬けを貰った。昨夜の謝罪と一緒に。渋い選択のお詫びだな。おいしい。
n月n日
嫌になるような雨が一日続いている。朝から重い空気、月も出ていない。Tからメール、仏旅行のお土産は何がいいかと。度数が低めのシードルを希望する。
n月n日
いつものスーパーで白い方と会ったので、近隣のスーパーの特売日を教える。ぬか漬けのお礼を言えたのでよかった。
n月n日
急すぎる。数日後緊急で停電ののちメンテナンス? とのこと。この時季に冷蔵庫が止まるのはつらい。本格的に暑くなってきて、日差しが痛い。
n月n日
白い方がぬか床をお裾分けしてくれた。oh……。確かに褒めた。確かに味は褒めた。どうしようと、取りあえず手入れ方法を検索。直接聞いておけばよかった。どうすればいいものやら。
n月n日
青い方の店へ見舞い用の花を求めに行ったら、小さなサボテンを新規開店のサービスだとくれた。サボテンは可愛いが、彼はなんとなく軟派な気がしなくもない。
n月n日
Nのものを全て処分。これでいいんだ。
n月n日
ごみを捨てに行ったら白い方と会う。家事は彼がしているそうだ。だが特に料理等を生業にしている訳ではないらしい。祖父の時計の話をついしてしまった。
n月n日
言葉に甘えて時計を白い方に見せたところ、自室に持ち込んで修理してくれた。本当に直っていた。部品があるなんて時計職人か、もしくは趣味にしているのか? と訊ねたがそうではないらしい。謎。
n月n日
停電の日に天の川を観測できるではないかと期待したが、停電は昼間の、そしてこの建物だけの話だそうだ。残念。
n月n日
大規模なプールが建設されていると聞いた。初耳だったが、前々から話題だったらしい。ただ今夏には間に合わないという。不思議な話だ。
n月n日
クーラーボックスと、もしもに備えて懐中電灯と蝋燭を出しておく。この建物から出れば、外は電気で明るいだろうけれど。
7月7日
停電が長引いている(夕方にこれを書いている)。
n月n日
昨夜、部屋は真っ暗闇だった。隣から問答の声が漏れ伝わっていた。折角の暗闇なのに星の観察をしづらいなあとカーテン越しに悩んでいたら、窓から、青い方がクライミング……ボルダリング? の要領で壁をつたいベランダから屋上へ登っていくさまが隙間から見えた。呆然。怒っていた白い方も登っていった……人間……人間? アスリート? 正体が謎すぎる。天の川のことなど頭から吹き飛んでしまった。
n月n日
Nから葉書。消印がまた変わっていた。Tが我が家を訪れてくれる……。
