光明ノ神子2

「う~ん」
 友美は、納戸にて困った顔をしていた。
 友美の目の前には、割れた鏡が。
「友美どうしたのさ」
 白野威が納戸にはいってきた。
「白野威これよ」
 白野威は、友美の隣までくると、前足を台にかける。
「鏡??」
「そう」
 白野威なら分かるだろうか。
「白野威これなにか封じ込められてる??」
 友美は、聞くと、白野威は、じっくりと割れた鏡を見ていう。
「封じ込められてるってことは、ないがもとは、力が強そうだね」
「なら壊れたから今は、さほど力がない??」
「かもね」
 友美は、腕を組むと考える素振りをした。
「で友美これどうしたのさ」
「珊瑚の知り合いが直してほしいと預けていったらしいの」
 しかし珊瑚には、直す術などなく。
「友美に依頼したわけか」
「そういうこと」
 友美も難しいなと思いつつもとりあえず預かることした。
「なんかこう足りない……」
 割れた破片は、全てあるのに何か空っぽなのだ。
「だから力があると見たわけか」
「そういうこと。なんせ空っぽだし、足りないしね」
 しかしここからが問題だ。
「部品をどう探すかよね」
「珊瑚に聞けば??」
 確かにと友美は、思い、とりあえず聞くことに。
「知らないの!?」
 離魂してした珊瑚に友美は、困った顔を見せていた。
 半透明の珊瑚は、鏡を見ていう。
「風と関係は、ないと思う」
「それは、私も思ったけど……」
「直せないのならそれは、それでいいけど」
 神子としての誇りがそれを許さないが、友美は、致し方がないと思っていた。
「いざって時は、そうさせてもらうわ」
「ならもう少し頑張るの??」
「まぁね」
 友美は、ある神に手を借りることにした。
「まぁ父に聞けばなんとかなるかも」
「まさかの」
「まさかのよ。少なくとも私の力で直しておかしくするよりは、ましかなって」
 確かにそうかもしれない。
「分かった」
 そう言い残し珊瑚は、消えたが、白野威は、何かいいたげな顔をしていた。
「友美これ……」
「むしろ父に聞かなければいけないことよ。たぶんそれは、私の異母兄弟が関係してるから」
 友美は、さっそく思金神に連絡をいれた。
「おっ」
「何時来るって??」
「明後日」
「私もいるわ」
「ありがとう」
 友美は、とりあえず鏡は、このままにしておくことに。
 この日は、そのまま部屋を後にしたのであった。

 2日後思金神は、やって来たが、鏡を見たとたん顔を強ばらせる。
「まさかこんなものが残ってるとは」
「やっぱりお父さんの息子関係??」
「まぁそうだね。なんなら、私も関係してる」
 友美は、目を丸くした。
「えっ!?」
「友美は、天之手力男神は、知ってるかい??」
「確か天の岩戸の石を持ち上げた神よね??」
「そうだ」
 しかし何故ここで天之手力男神が出てくるのか。
「なら天孫降臨のことは??」
「ニギギのことよね?? まさかそこに随行していたの??」
「そうだ。そして三種の神器と共に」
 そして目の前にあるのは、鏡。
 友美は、顔をひきつる。
「まさか八咫鏡!?」
「それは、ないと思う」
「そうなの??」
 思金神頷く。
「私も随行したからね」
 そうだった。思金神も天孫降臨の際にいた。
「もしかすると模造品を作ったのかもしれない」
「確かに近くで見てるのなら……」
 友美は、ひらめく。
「なら天之手力男神に聞けば!!」
 とたんに思金神が嫌そうな顔に。
「嫌だ」
 そして率直に友美の案を拒否。
「お父さん!?」
「あいつに、今さら娘が生まれました!! 妹だぞ!! なんて言えるか!! というより知られたくない!!」
 友美は、そんなに自分は、嫌われるような立場なのかと思ったが。
「絶対に可愛い!! と可愛がる……忌々しい」
 違った。
「白野威これ嫉妬??」
「かもね」
 白野威も呆れ顔に。
「とりあえず聞きに行かない!! なんなら、生きてるかも不明だから!!」
 たぶん全力で止めに来ている。
 しかし。
「私面識あるんだけど……」
 友美は、困った顔をし言うと、思金神は、顔をひきつらせた。
「やっぱりか父上!!」
 そして背後からなんと天之手力男神が。
「何故いる!?」
「私が呼んだのさ」
「白野威様何て言うことを!?」
「こんにちは」
「こんにちは姫」
 しかし友美と天之手力男神の間の空気感は、和やかだ。
「もしかして、仲良し??」
 恐る恐る思金神は、聞く。
「父上仲は、悪くない」
「他の兄妹は、知ってるのかい??」
 天之手力男神は、首を横に。
「知らないだろう」
 思金神は、ホッとした。
「見つかれば神隠しされる恐れが……」
「父上無理だろ!? 姫だぞ!?」
 友美は、きょとんとしている。
「確かに無理か」
 とりあえず親子の関係は、悪くないらしい。
「無理無理」
 友美は、にっこり。
「で姫鏡の件と聞いてるがそれでいいか??」
「えぇ天之手力男神」
 友美は、早速鏡を見せた。
「懐かしいものを……」
 天之手力男神は、そういうと、鏡に触れたが。
「やっぱり直せないか……」
 肩を落としていた。
「やっぱり力の神だから??」
「白野威様マジそれ」
 どうやら、繊細なことは、苦手らしい。
「なら私が直せば……」
「姫は、ダメ」
「友美がやると別物になるよ」
 友美は、確かにと困った顔に。
「父上直してくれ!!」
「仕方がないね」
 思金神は、眼鏡をピカーンと光らす。
「とりあえず私は、出てるわね」
 友美と白野威は、そういうと、納戸を出ていった。
 とりあえず終わったら休憩できるように準備をしておこうと、キッチンに。
「白野威あえて呼んだ??」
 そしてリビングに入ったとたん友美は、聞く。
「まぁね」
 白野威は、ニヤリ。
「親子関係は、いい方がいいからね??」
「まぁね」
 とりあえず友美は、その後休憩の時に食べれるようにと、菓子の準備をし始め、しばらくして、鏡を抱えた天之手力男神がリビングに来たが、その背後には、疲れきったヨレヨレの思金神が。
「姫ほら!!」
「ありがとう」
 友美は、鏡を受けとる。
「お茶菓子でもどう??」
「マジ!? 食べる!!」
 無邪気な子供のように喜ぶ天之手力男神だが、思金神は、違った。
「友美寝る」
「分かったけど……」
 なんとその場に倒れ泥のように寝始めた。
「お父さんそこ通路!!」
 しかし起きない。
「父上まったく体力がない!!」
「そりゃ知恵の神だし……」
 友美は、困った顔に。
「姫」
「はい」
 天之手力男神は、笑った。
「それを持ち主に渡してくれ!! 妹よ!!」
 友美は、少し驚くが頷く。
「任せて!!」
「対価にかんしては、妹からとらん!!」
「ていうか、お父さんにわたせでしょう??」
「そういうことだ」
 天之手力男神は、微笑むと、茶と菓子を食べ帰っていった。
「本当に豪快な神ね」
 友美は、そう呟くと、眠る思金神をみた。
「白野威上にのってる!?」
「いいさ。邪魔だし」
 確かにそうなのだが。
「お父さんには、薬湯かしらね……」
 とりあえず起きてから準備するかと友美は、このとき思っていた。
「とりあえず鏡は、珊瑚にね」
 友美は、そういうと珊瑚に連絡をした。
「とりあえずこれで、役目完了」
 友美は、やはり神は、凄いなと思いながら、鏡を撫でるのであった。
 少し嬉しそうな顔をしながら。


83/85ページ
スキ