光明ノ神子2

 あきらかに友美から見ても光は、疲れていた。
「起きてこないわねぇ……」
 今朝もそうだ。
「最近仕事が忙しいのかしら……」
 大学病院や総合病院ならいざ知らず、光は、学校勤めである。
「教師の時なら分かるけど……」
 今は、それほど忙しくないはずだ。
 リビングでどうしたのかと友美が考えていると、襖が動いた。
「おはよう……」
 眠そうな顔をして起きてきた光。
 友美は、すかさず光の前に。
「光疲れてない??」
 率直に聞くと、光は、頷く。
「暑さで疲労が溜まってるのか、朝起きても疲れが抜けてない……」
 思ったよりも重傷だ。
「光休んだら??」
「そう言う訳にもいかないんだ。倒れた教師の代わりに補習にでないとだし……」
 まさかの発言に友美は、驚く。
「光が授業!?」
 というよりも。
「あの、校長の下で働いてて倒れる!? なにしたのその同僚!!」
 光も溜め息を着く。
「本当にな」
「でいつ出てくるわけ!?」
「今週にはだが……」
「光ならもう休みなさい!!」
 友美のアツに光は、困り顔に。
「といっても……」
「私からすれば光に倒れられる方が困るのよ!! 暑さでバテてるのにそれって!! それに光は、今は、教師じゃない!! そんなの適当にやらせればいいのよ!! それを考えるのが現場と上!!」
 と言うことで。
「校長ということですから」
 なんと友美が校長に直談判してしまった。
 電話をかける友美をみながら、光は、内心はらはら。
 夫が妻に仕事を休むとかけさせるなんてなんていうことをしてるんだと思ってしまった。
「まぁ……はなから、今日は、有休とってたけど……それを返上して出るつもりだったのが無くなってラッキーか……」
 と前向きに考えることに。
「えっ!?」
 しかし友美の驚いた顔をみて、そんな考えは、すぐに消えた。
「校長というより、学年主任が勝手に頼んでた!?」
 友美は、話を聞きつつ言った。
「えぇ……はい……分かりました」
 その後しばらく話し、友美は、電話を切る。
「友美??」
 恐る恐る彼女の、名を呼ぶと、友美は、神妙な顔に。
「とりあえず校長がすごくぶちギレてる」
「なぁ!?」
 光は、絶句。
「光にというより、勝手に倒れたやからの穴埋めを校長と教頭が許可したと嘘をついて、あえて、光に代理を頼んで、仕事を数倍にしたこと」
 光も初耳の出来事に、眉間にシワを寄せる。
「はぁ?? あのゴキブリめ……」
 そして低い声で忌々しそうに、言った。
「とりあえず校長が首ちょんぱするから、光は、予定どおり有休満喫して!! だって」 
 光は、この時顔をひきつらせていた。間違いない校長の堪忍袋の尾が切れている。
「校長……マジか」
「まぁ校長ならやるわよ。あの人普通の人と見せかけて、実際違うし。異能は、あまりないとしても、霊は、見てるし、軽く祓えるし、そのうえ頭も切れるから、ブラックと言われる教育現場をちょうホワイトに出来るんだし」
 そうだからこそ、敵にすれば厄介である。
「とりあえずよかった!! これで光回復!!」 
 友美は、嬉しそうに笑う。本当に心底心配してくれていたようだ。
 光は、嬉しさと同時に申し訳なさもこの時感じていた。
「ごめんなさい」
 思わず謝ると友美は、首をかしげる。
「なんで光が謝るの??」
「だって……」
「まぁ言いたいことは、分かるけど、気にしない気にしない」
 光は、頷く。本当に我妻ながら、いい女性だ。
「友美!!」
 と抱きつこうとしたが、スルッとかわされた。
「とりあえず子どもたちに付き合って上げてね!!」
「……まぁ有休の本来の目的だもんな……」
 そもそも本日有休をとった理由は、子供達と出かけるためだった。
 友美が連れていこうとしたが、なぜかパパ希望と言われてしまった。
「とりあえず帰ってきたらゆっくりする??」
「まぁそうするかな……」
 と言ったときだった。
「お爺ちゃんに任せなさい!!」
 ピカーンと、眼鏡を光らせて、思金神が突然表れる。
「お父さん!?」
「思金神殿!?」
 思金神は、にっこり。
「光は、休みなさい!!」
「それは、ありがたいが……」
 問題は。
「子供達よね??」
「そこは、昨晩皆に聞いて、許可もらってるから問題なし!!」
「「仕事早い!!」」
 さすが知恵の神仕事が早い。
「お爺ちゃんおはようございます」
「榎麟!! おはよう」
 榎麟は、しっかり挨拶をするという。
「お父さんしっかり休んでな!!」
「ありがとう……」
 もしかすると、子供達にも分かるくらいに自分は、疲労が溜まっていたらしい。
 光は、思わず自嘲する。
「ということで光は、本日自宅入院!!」
 友美は、自慢げにいうが、光は、呆れ顔に。
「アハハ……」
 そして困った顔をしていた。
 その後子供達が思金神と出かけ、友美が張り切って家事をするので本当に光は、やることが無くなった。
 とりあえず寝ようかも思ったら。
「布団が占領されてる!?」
 白野威に布団を占領されていた。
「……あら」
「友美休めない」
「なら畳の上で転がるしかないわねー」
 友美は、そう言うと、リビングを出ていった。
 光は、溜め息をつくと、とりあえず座布団の枕にし、畳の上に寝転がる。
 クーラーの聞いた部屋は、やはり極楽だと思いつつすぐに夢の中に。
「あら」
 友美は、ぐっすり寝てる光を見て微笑む。
「そうとう疲れてたのねぇ……」
 しかし。
「夜は、求めて来てたから、謎よね」
 疲労が蓄積すると性欲は、減退すると思っていたが。
「……まぁ光は、体力あるのよね」
 少し今は、疲れぎみだけれど。
「とりあえずすっぽん!!」
 友美がそう言ったとき、白野威が起きた。
 のびをすると、光の布団から移動して、なんと。
「ふぁー」
 あくびをして光の上にのり、丸まって寝た。
 友美は、目が点に。
「えっ!?」
 なにより、何故そうなると思うなか、どうしようかと頭を回転させるが。
「基本白野威また戻りそうだし、まぁ光が死ななければいっか」
 というとんでもない考えに落ち着いた。
 とりあえずすっぽんを用意しなければと友美は、思いつつリビングを出ていく。
「うぅ……」
 ちなみに光は、暑さと重さで魘されていた。
 しばらくして、昼前に白野威は、満足したのか、起きて、光の上から退いたが、光は、目を開け呆然と見ていた。
 天井を。
「……やり方があるだろ」
 体は、とても軽くなっていたが、もう少しやり方があるだろうと光は、思った。
 どうやら、白野威が自分が乗るかたちで光を回復したらしい。
 とりあえず光は、起きると、布団を片付け、リビングに。
「白野威ありがとう」
 と一先ず礼を言った。
「そりゃいいけどさ。寝心地悪い」
「悪かったな!?」
「やっぱり男は、ゴツゴツだわ」
「なら乗るな!?」
「光だから乗るのさ。友美なら、乗らないけど」
「その違いは、なに!?」
「気分」
「なぁ!?」
 光は、開いた口が塞がらない。
「光すっぽんだからね!! お昼!!」
 そしてタイミングよくリビングに入ってきた友美は、そういうと、キッチンに。
 光は、顔をひきつらせ白野威を見ると、彼女も顔を青ざめていた。
「友美お昼は、俺が作るから!!」
「え??」
 光は、慌ててキッチンに。
「でも……」
「回復したから!! 友美は、休んでて!!」
 そしてそのまますっぽんと共に、友美をキッチンから光は、追い出すと、昼ご飯を作り出した。
「すっぽん……」
「友美諦めな」
 と白野威は、言うが、友美は、不服そうな顔に。
「疲労回復……」
「それは、もういいから」
「でも……」
「友美」
 友美は、仕方がないとすっぽんを捕えた場所に返しに。
 光と白野威は、胸を撫で下ろすと、ホッとした顔に。
「ありがとう」
「こうなるから疲労の管理は、確りしな」
「わかった……」
 光は、頷くと、昼ご飯を作り始めたのであった。
 色々と気を付けなければと思いながら。
80/82ページ
スキ