光明ノ神子2
ふと雛人形をみながら、白野威は、思った。
「本当に今の雛人形って豪華よなぁ……」
神にとっての今とは、人にとっての百年くらいかもしれないが、それでも白野威は、豪華と思っていた。
飾られている友美の雛人形をみながら。
「白野威どうした??」
「光」
雛人形を飾っている和室にちょこんと白野威が座っており、光は、思わず声をかけた。
「雛人形すごいなぁーって」
和室に入り、光は、白野威の隣に正座し、雛人形を見る。
絢爛豪華だざ、細部が作り込まれ、繊細さも感じる美しい雛人形。
光もこれを初めて見たとき、白野威のように、見とれていたものだ。
「そうだな」
「昔なんて、紙や金属、木で作られた人形だったんだよ!?」
「それは、奈良時代の話だろ!? 平安の頃には、一応子供が遊ぶ、ひいな人形になってたが!?」
「それでもそれ、紙じゃん!!」
「草木で作られてたぞ!?」
そもそも雛祭りの始まりは、古代中国まで遡る。
穢れを祓う五節供が日本に、伝来した結果、日本の人形に穢れを移し祓う文化と融合し、今の女の子の幸せと健やかな成長を願う雛祭りになった。
「なんで光そんなこと知ってるのさ!!」
白野威は、不服そうにいう。少しは、自分の知識を自慢したいのに、光が博学で。
「といわれても……」
光は、困った顔をしていた。
「普通そこは、そうかでとどめとけ!!」
「それは、無理」
さらに白野威は、不満そうな顔に。
「気に入らない!!」
「それ理不尽って言うんだが?? 俺なにも悪くないぞ」
「だとしてさ!! なら光は、知ってるの!? 今の雛人形にいつ頃なったか!!」
「明治、大正に入ってから」
「なぬ!?」
こいつ何故知ってやがると白野威は、唖然とした顔で光を見ていた。
「なら室町雛と寛永雛も知ってるの??」
「一応」
光は、頷くと話し出した。
「室町雛は、本当に男女一対の人形で、今の雛人形のように少しなりだしたのが、寛永雛から。元禄雛で豪華にさらになり、古今雛の辺りでは、ガラスなんかも使われだし、今の雛人形にさらに近づいていたみたいだ」
白野威が思ったよりも知ってやがる。この男。
白野威は、相変わらずの光の知識量の多さに感心していた。
「さすが」
「そりゃどうも」
「でもさ、本当にすごいよね。紙人形が今の雛人形になるんだからさ」
白野威は、染々というので、光は、少しだけ切ない顔をしいう。
「やはり文化の発展には、太平の世が必要不可欠なんだろうな」
「平和ねぇ……」
「そう。どうしても江戸より前の雛祭りは、穢れを人形に移し、祓うという側面が強かったから。今のように女の子の健やかな成長と、幸せを願い、人形を飾り、雛市や雛売が出てきたのは、江戸になってきてならだ」
それでも雛売にかんしては、寛政の頃には、いなかったというので、歴史の移ろいは、早いなとも感じられる。
「文化の発展は、やはり、平和であってこそなのかもな」
白野威は、頷く。こればかりは、光に同意だ。
「だね。戦ってもんは、結局全てを壊すだけだから」
「でも武器の発展には、必要不可欠だろ??」
「まぁそうだけどさ」
その武器もまた今では、日本の文化なのだから、いちがいに戦がいけないともいえないのも事実かもしれない。
「文化ってムズい……」
「いい意味でも悪い意味でも文化と戦は、密接に関係してるからな」
白野威は、少しあきれた顔をしていた。
「現在人いろんなもん文化にしすぎじゃね!?」
「まぁ歴史とは、そうだからな」
「そうだけどさぁー」
白野威は、少し呆れていた。
「節度あるだろ!?」
「そういういわれてもなぁ……」
光は、苦笑いすると、立ち上がる。
「さて、俺は、キッチンにいってくる」
キッチンという単語に、白野威は、ピコーンと反応した。
「キッチン!!」
「……白野威」
「なにさ」
「期待してることは、起こらないぞ??」
白野威は、不満そうに言う。
「私は、女神ぞ!?」
「女神らしからぬ、女神だがな」
光は、やれやれと言う風にいうので、白野威は、さらに不満そうな顔に。
「私だって雛祭り関係あるぞ!?」
これだけ食い下がらないということは、白野威がなにを求めてるのか、それが分かる。
光は、こいつめと思いながら、言う。
「雛あられならあるぞ」
「菱餅は!?」
「ない」
白野威は、ガーンとショックを受ける。
「雛あられでてをうってやる!!」
「なんだそれ」
光は、目を細めると、和室をで、白野威もついていき、キッチンに。
戸棚から光は、雛あられを出すと、皿にいれ、白野威に渡した。
「これでいいか??」
「ありがとう!!」
白野威は、嬉しそうに、皿をもってリビングに。いただきますと言うと、サクッと音をたて、食べ始めた。
「光」
「友美」
友美がリビングに入ってきたので、光は、微笑むと、そのままキッチンに友美は、来た。
「雛あられ!!」
「たべる??」
「もらう!!」
光は、さらに雛あられを盛ると、友美は、嬉しそうに笑う。
「私雛あられのチョコが好きなんだよね!!」
友美は、いただきますというと、一つつまんだ。
「チョコの甘さとあられのサクサクがいいのよー」
「そういえば昔から好きだよね」
「もう!! これを食べるために、毎年3月に雛あられ買ってるもんよ!!」
もちろん娘達のこともあるが。これも友美の一つの雛祭りの楽しみなのだ。
「友美青のりも好きだよね」
「美味しいからね!! でもこの黄色の甘いやつは、青のりとチョコには、負ける味だから、いらないと思うわ」
といいつつ友美は、食べた。
「変わらない味」
「そりゃな」
光も雛あられをつまむとたべた。
「美味しいな」
「よね!!」
友美は、笑う。
「今年もお雛様出せてよかったわ!!」
「去年みたく柊麗が動かしてないしな」
「本当に!! 去年は、肝が冷えたわよ!!」
本当に今年は、事件が起こらなくてよかったと友美は、心底ほっとしていた。
「今年菱餅は、作るの??」
「今年は作らないし、買ってこないよ」
光から衝撃な言葉が出て、友美は、ビックリ。
「珍しい!?」
「子供達も食べないしな。それに作るなら、ふつうの丸餅」
「確かにそっちの方が使い道あるし!!」
「そうそう」
雛あられをつまみ友美と、光は、話していると、白野威が雛あられを食べ終え、皿をキッチンに盛ってきた。
「ごちそうさま」
「御粗末様でした」
白野威から、光は、皿を受けとると、シンクにおき、白野威は、その後リビングの、こたつに。
「中に入った!!」
器用に潜ると、そのまま寝始める。
「一応満足したんだな……女神だから、雛祭りらしいこと、させろ!! って……」
「白野威にとって雛あられを食べれるだけでも雛祭りなのかもね」
友美は、そういえと目を細める。
「かもしれないな。本当にこだわりもないし、神らしくもないから白野威が太陽神って忘れかける」
「それは、まぁ分かるかなぁー」
それでも女の子だからといい、雛祭りを楽しみたいという気持ちがあるのが白野威だ。
「光よかったね」
「だな」
満足そうにいびきをかく、白野威をみて、友美と、光は、笑った。
白野威が一応雛祭りを堪能できたのだと分かって。
本当に女神と思えない女神だが、こうして時より、可愛らしいところもある。
友美と、光は、顔を会わせ、また雛あられを食べたのであった。
ほっとした顔をながら。本当によかったと内心思いながら。
「本当に今の雛人形って豪華よなぁ……」
神にとっての今とは、人にとっての百年くらいかもしれないが、それでも白野威は、豪華と思っていた。
飾られている友美の雛人形をみながら。
「白野威どうした??」
「光」
雛人形を飾っている和室にちょこんと白野威が座っており、光は、思わず声をかけた。
「雛人形すごいなぁーって」
和室に入り、光は、白野威の隣に正座し、雛人形を見る。
絢爛豪華だざ、細部が作り込まれ、繊細さも感じる美しい雛人形。
光もこれを初めて見たとき、白野威のように、見とれていたものだ。
「そうだな」
「昔なんて、紙や金属、木で作られた人形だったんだよ!?」
「それは、奈良時代の話だろ!? 平安の頃には、一応子供が遊ぶ、ひいな人形になってたが!?」
「それでもそれ、紙じゃん!!」
「草木で作られてたぞ!?」
そもそも雛祭りの始まりは、古代中国まで遡る。
穢れを祓う五節供が日本に、伝来した結果、日本の人形に穢れを移し祓う文化と融合し、今の女の子の幸せと健やかな成長を願う雛祭りになった。
「なんで光そんなこと知ってるのさ!!」
白野威は、不服そうにいう。少しは、自分の知識を自慢したいのに、光が博学で。
「といわれても……」
光は、困った顔をしていた。
「普通そこは、そうかでとどめとけ!!」
「それは、無理」
さらに白野威は、不満そうな顔に。
「気に入らない!!」
「それ理不尽って言うんだが?? 俺なにも悪くないぞ」
「だとしてさ!! なら光は、知ってるの!? 今の雛人形にいつ頃なったか!!」
「明治、大正に入ってから」
「なぬ!?」
こいつ何故知ってやがると白野威は、唖然とした顔で光を見ていた。
「なら室町雛と寛永雛も知ってるの??」
「一応」
光は、頷くと話し出した。
「室町雛は、本当に男女一対の人形で、今の雛人形のように少しなりだしたのが、寛永雛から。元禄雛で豪華にさらになり、古今雛の辺りでは、ガラスなんかも使われだし、今の雛人形にさらに近づいていたみたいだ」
白野威が思ったよりも知ってやがる。この男。
白野威は、相変わらずの光の知識量の多さに感心していた。
「さすが」
「そりゃどうも」
「でもさ、本当にすごいよね。紙人形が今の雛人形になるんだからさ」
白野威は、染々というので、光は、少しだけ切ない顔をしいう。
「やはり文化の発展には、太平の世が必要不可欠なんだろうな」
「平和ねぇ……」
「そう。どうしても江戸より前の雛祭りは、穢れを人形に移し、祓うという側面が強かったから。今のように女の子の健やかな成長と、幸せを願い、人形を飾り、雛市や雛売が出てきたのは、江戸になってきてならだ」
それでも雛売にかんしては、寛政の頃には、いなかったというので、歴史の移ろいは、早いなとも感じられる。
「文化の発展は、やはり、平和であってこそなのかもな」
白野威は、頷く。こればかりは、光に同意だ。
「だね。戦ってもんは、結局全てを壊すだけだから」
「でも武器の発展には、必要不可欠だろ??」
「まぁそうだけどさ」
その武器もまた今では、日本の文化なのだから、いちがいに戦がいけないともいえないのも事実かもしれない。
「文化ってムズい……」
「いい意味でも悪い意味でも文化と戦は、密接に関係してるからな」
白野威は、少しあきれた顔をしていた。
「現在人いろんなもん文化にしすぎじゃね!?」
「まぁ歴史とは、そうだからな」
「そうだけどさぁー」
白野威は、少し呆れていた。
「節度あるだろ!?」
「そういういわれてもなぁ……」
光は、苦笑いすると、立ち上がる。
「さて、俺は、キッチンにいってくる」
キッチンという単語に、白野威は、ピコーンと反応した。
「キッチン!!」
「……白野威」
「なにさ」
「期待してることは、起こらないぞ??」
白野威は、不満そうに言う。
「私は、女神ぞ!?」
「女神らしからぬ、女神だがな」
光は、やれやれと言う風にいうので、白野威は、さらに不満そうな顔に。
「私だって雛祭り関係あるぞ!?」
これだけ食い下がらないということは、白野威がなにを求めてるのか、それが分かる。
光は、こいつめと思いながら、言う。
「雛あられならあるぞ」
「菱餅は!?」
「ない」
白野威は、ガーンとショックを受ける。
「雛あられでてをうってやる!!」
「なんだそれ」
光は、目を細めると、和室をで、白野威もついていき、キッチンに。
戸棚から光は、雛あられを出すと、皿にいれ、白野威に渡した。
「これでいいか??」
「ありがとう!!」
白野威は、嬉しそうに、皿をもってリビングに。いただきますと言うと、サクッと音をたて、食べ始めた。
「光」
「友美」
友美がリビングに入ってきたので、光は、微笑むと、そのままキッチンに友美は、来た。
「雛あられ!!」
「たべる??」
「もらう!!」
光は、さらに雛あられを盛ると、友美は、嬉しそうに笑う。
「私雛あられのチョコが好きなんだよね!!」
友美は、いただきますというと、一つつまんだ。
「チョコの甘さとあられのサクサクがいいのよー」
「そういえば昔から好きだよね」
「もう!! これを食べるために、毎年3月に雛あられ買ってるもんよ!!」
もちろん娘達のこともあるが。これも友美の一つの雛祭りの楽しみなのだ。
「友美青のりも好きだよね」
「美味しいからね!! でもこの黄色の甘いやつは、青のりとチョコには、負ける味だから、いらないと思うわ」
といいつつ友美は、食べた。
「変わらない味」
「そりゃな」
光も雛あられをつまむとたべた。
「美味しいな」
「よね!!」
友美は、笑う。
「今年もお雛様出せてよかったわ!!」
「去年みたく柊麗が動かしてないしな」
「本当に!! 去年は、肝が冷えたわよ!!」
本当に今年は、事件が起こらなくてよかったと友美は、心底ほっとしていた。
「今年菱餅は、作るの??」
「今年は作らないし、買ってこないよ」
光から衝撃な言葉が出て、友美は、ビックリ。
「珍しい!?」
「子供達も食べないしな。それに作るなら、ふつうの丸餅」
「確かにそっちの方が使い道あるし!!」
「そうそう」
雛あられをつまみ友美と、光は、話していると、白野威が雛あられを食べ終え、皿をキッチンに盛ってきた。
「ごちそうさま」
「御粗末様でした」
白野威から、光は、皿を受けとると、シンクにおき、白野威は、その後リビングの、こたつに。
「中に入った!!」
器用に潜ると、そのまま寝始める。
「一応満足したんだな……女神だから、雛祭りらしいこと、させろ!! って……」
「白野威にとって雛あられを食べれるだけでも雛祭りなのかもね」
友美は、そういえと目を細める。
「かもしれないな。本当にこだわりもないし、神らしくもないから白野威が太陽神って忘れかける」
「それは、まぁ分かるかなぁー」
それでも女の子だからといい、雛祭りを楽しみたいという気持ちがあるのが白野威だ。
「光よかったね」
「だな」
満足そうにいびきをかく、白野威をみて、友美と、光は、笑った。
白野威が一応雛祭りを堪能できたのだと分かって。
本当に女神と思えない女神だが、こうして時より、可愛らしいところもある。
友美と、光は、顔を会わせ、また雛あられを食べたのであった。
ほっとした顔をながら。本当によかったと内心思いながら。