光明ノ神子2

 文机の上になんと可愛らしい子やぎのぬいぐるみが。
 光は、見知らぬぬいぐるみを凝視していた。
「え??」
 そして光が凝視していた理由は、そのぬいぐるみがある意味レアだからだ。
 光は、文机の前まで来ると、座布団の上に座る。
「間違いない……」
 間違いなくSNSで人気のあのヤギのぬいぐるみだ。
 まさか家にあるなんてと光は、信じられない光景に驚く。
「光そのぬいぐるみ私のだからね!?」
 光は、我に返ると、ふりかえる。
 友美が眉間に皺を寄せ立っていた。自分の真後ろに。
「友美の!?」
「そう!! だからあげないから!!」
 更に信じられないことが。
 あの友美がぬいぐるみを買っただと。いったいなにがあったのか。
「え?? 明日地球滅ぶ??」
「失礼な!! 私だってぬいぐるみを買う時あるわ!!」
 友美はすかさず言う。
「ごめん」
「とりあえずあげないから!!」
「そりゃ妻のぬいぐるみを取ろうなんて思わないけど、友美これどこで買ったの??」
 友美は、安心した顔になると言う。
「ドラッグストアー」
 まさかの出所に光は、驚く。
「SNSでもドラッグストアーとは、出てたが、本当だったのか……」
「たまたま寄ったドラッグストアーのボディーソープコーナーにあって、ヤギが可愛くて買っちゃったの。ボディーソープなら無駄にならないしね」
 さすが友美とも言える。やはり良いものとの縁がある。
 だからこそ、たまたま入ったドラッグストアーでこうして手に入るのだ。
 光は、少し友美が羨ましかった。
「いいなぁ……」
 羨ましそうに言ってくる光に友美は、にっこり。
「いいでしょう??」
 少しくらい自慢してもいいかもと友美は、思い、あえて優越感にひたる空気を出した。
「まだドラッグストアー開いてるし買ってくるか……」
 光は、本気で考える。
「ここのドラッグストアーよ」
 友美は、光に場所を教えると、光は、立ち上がる。
「ありがとう!!」
 そういうと、光は、凄い勢いで和室を飛び出していった。
「言いそびれた……」
 しかしまぁいいかと友美は、思う。ある意味サプライズになるだろう。
「友美光なんか凄い顔して飛び出していったけど??」
 白野威がリビングに入ってきた時、光とすれちがった。 
 友美は、子やぎのぬいぐるみを持ち言う。
「これ欲しいからって飛び出していったのよ」
「まさか言いそびれたの!?」
 友美は、眉を下げる。
「見事に……」
「まぁいいだろうけど、ボディーソープ増えるんじゃね??」
「増えるわねぇ。合えばいいけど、合わなかったら、どうしましょう……」
 とりあえず頑丈そうな燕青にあげるかと友美は、思う。
 しかし自分達の肌に合えばこの問題は、解決だ。
「まぁなんとでもなるさ」
「それもそうね」  
 友美と白野威が笑い合う頃、光は、ドラッグストアーに着いていた。
「水郷あるかな……」
「分からないけどあると良いわね」
「そうだな」
 とりあえず店内に入り、ボディーソープコーナーに行くとあった。
「ラスト!!」
 とりあえず急いで確保すると、すぐに別の手がのびていたことに気付いた。
 光は、目があった女性と。
 しばらく沈黙が落ち、光は、これは、譲った方がいいのかと思ったが、その時頭をはたかれた。
「レジ!!」
 水郷は、低い声であえて、光を脅すように言うと、光は、慌ててその場を離れた。
「水郷あれは、酷いぞ!!」
 とりあえず人気の少ない売場で光は、いうと、水郷は、呆れ顔に。
「あの女奪ってこようとしてたからよ」
「奪って……」
「そう!! そのヤギ目的よ」
 水郷がいうのならそうだったのかもしれない。
 光は、恐怖を感じつつそのままレジに行き会計を済ませた。
「在ったってチャットでいってたのに!!」
 とそんな声が、ボディーソープコーナーから聞こえてきた。
 光は、思う。恐ろしい。今のネット社会。
「怖い……」
「友美よりましよ??」
「友美と比べたら駄目だろ」
「それもそうね」
 なんなら、水郷も友美と同じ穴のむじなである。
 とりあえず光は、そのままドラッグストアーを後に、家に着いた。
 中に入り、靴を脱ぐと、そのままリビングに。
「光おかえり買えた??」
 友美が聞いてきたので、光は、袋を見せた。
「買えた!!」
「それは、よかったわ」 
「友美とお揃い」
 光は、嬉しそうに言う。
「まぁそうね」
 光は、頷くと、そのまま和室に。
 友美は、ますます出しにくいと思っていた。
 しかしここで怖じ気ずけば、女が廃る。
「女は、愛嬌も度胸もある!! なにより、最強だー!!」
 白野威は、友美のとなりで聞いてい思わず。
「まぁ友美だけだろうさ」
「白野威なにそれ!!」
 友美は、後でもふってやると思いつつ立ち上がる。
「光!!」
 そして和室に入ると、仁王立ちで、光に話しかけた。
「友美なに??」
 しかし何故仁王立ちでしかも顔が怖いのか。
「俺何かした??」
 とりあえず確認すると、友美は、首を横に。
「なにも」
「ならいったい……??」
 友美は、そのまま押し入れを開け、段ボールを取り出す。
「段ボール」
「そう段ボール」
 友美は、そのまま光の前に座ると、段ボールを開けた。
 中からなんと光が先ほど手に入れたぬいぐるみより少し大きな子やぎのぬいぐるみが出てきた。
「これって……」
「ネットショップ限定の」
 再販される度に、即刻完売の子やぎのぬいぐるみでは、ないか。
 まさかこんなものが出てくるなんて。
「光にあげようと買ったの。でもさっき出しそびれて……」
 友美は、困り顔でいうが、その時に光に抱き締められた。
「友美~!! ありがとう!!」
 友美は、少しビックルしたが、すぐに微笑む。
「いえいえ」
 優しく友美は、微笑むと、光の頭を撫でる。
「もしかして、さっきのぬいぐるみもこれで??」
「あれは、本当にドラッグストアーで見かけたから買ったの」
 友美は、光の腕の中から出ると、さらに、段ボールの中から小さい子やぎのぬいぐるみが。
「こっちよ。光に渡そうと思ったら、飛び出していったから」
 我妻ながら、何故こうも良妻なのか。
 光は、友美への愛があふれだし、また抱きつこうとしたが、友美に胸を押されてしまった。
「駄~目~」
「けち!!」
「動けなくなるからよ!!」
 光は、頬を膨らますが、友美は、呆れ顔に。
「友美の事好きなのに!!」
「知ってる」
「なら抱き締めても!!」
「それは、無理!!」
「友美!!」
 光は、友美のけちと思うなか、友美は、立ち上がる。
「とりあえず渡しから」
 友美は、そういうと、そのまま和室を出ていってしまった。
 光は、文机の上に子やぎのぬいぐるみを並べた。
「可愛い」
 こうして並べると、とても愛らしい。
「俺って幸せだな……」
 光は、そう呟くと、そのまま立ち上がり、和室を出た。
「友美」
「なに??」
 とりあえず子供達は、しばらくは、リビングに来ないだろう。
 光は、友美のとなりに座ると、そのまま優しく友美に口づけをした。
「ギューは、駄目では、こっちならいいだろ??」
 優しい声色で光は、囁くと、友美は、微笑む。
「まぁいいかな」
「ありがとう」
 そして再びキスをすると、二人は、笑い合う。
「よし!! 晩御飯はりきるぞ!!」
「えっ!?」
 友美は、いったいなにを作るんだと光に思うなか、光は、微笑むのであった。
 妻の好きなものを作ろうと思いながら。
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