光明ノ神子2

 友美のスマホがなった。
「珊瑚から??」
 ディスプレイには、珊瑚の名が。
 なんだろうと友美は、思いつつ電話に出た。
「もしもし」
「友美ちょっといい??」
「用件次第」
 確かに用件は、大切である。
「炭ある??」
 友美は、炭なんて何に使うのかと疑問に。
「珊瑚何に使うの??」
「ちょっと」
 とりあえず変なことには、使わなさそうだ。
 友美は、しばらく考え言った。
「備長炭ならあるけど」
 まさかの高級な炭の登場に、珊瑚は、電話越しに固まった。
 ぐるぐると頭のなかで計算式が巡る。
「安いの無い??」
「あいにくうちは、それ相応の物しかない。安いのなら、ホームセンターかネットで探す方がいいわよ」
 珊瑚は、なにも言えなかった。しかし諦めるわけには、いかない。
「夜に行ってもいい??」
 珊瑚にしては、珍しいなと思いつつそれだけ急いでるのだろうとふんだ。
「いいわよ」
「ありがとう。また目処ついたら連絡する」
「はーい」
 通話を切り、友美は、腕を組んだ。
「友美どうしたのさ」
「珊瑚……仕事で使うのかしら……炭」
「そりゃプロジェクトによっては、だろうね」
 白野威は、そういうと友美も頷く。
「珊瑚会社員だし、なにやら、プロジェクトリーダーもしてるみたいだし!!」
 もしチームメンバーが炭を使うとなったら、探すのも珊瑚の役目なのかもしれない。
「とりあえず夜聞いてみるか!!」
 ということで、先ず光と楸に夜珊瑚が来ることを伝えた。

 夜八時頃に珊瑚は、やって来た。
「友美遅くにごめん」 
 玄関先で珊瑚は、申し訳なさそうに言った。
「連絡くれてたしいいわよ。それよりなんで炭??」
 珊瑚は、鞄からあるファイルを取りだし、友美を渡した。
 友美は、ファイルから資料を取りだし目を通した。
「大型プロジェクトみたいね」
「そう。で炭がいるわけ。でも種類が多いから、先ずどの炭から使おうかって話で、なら友美ところなら揃うかなって」
「そりゃある程度はね」
 友美は、ファイルを珊瑚に返した。
「ならビジネスの話ってことでいいかしら??」
「そうなる」
 友美は、微笑む。
「了解。とりあえずあがって」
「ありがとう」
 友美は、そのまま珊瑚をつれ、自分の執務室に。
 執務室の電気をつけると、友美のデスクには、炭が何種類か置かれていた。
「とりあえず今うちにある炭でなおかつ大口の発注を受けてくれるのは、デスクの上にある所だけ」
「友美まさかそこまで確認したわけ??
先方に」
「そりゃそうよ。一応それとなくもしってつけて連絡してね」
 先手をうち、円滑に物事を進め、互いに恩を売るのもまたビジネスとして大切なことだ。
「どれもよさげ」
 珊瑚は、早速炭を見て言う。
「そりゃ職人が手塩にかけて作ったものだもの」
「この白いのは……」
「紀州備長炭よ。とりあえず相手もうちの炭は、いいものだから、使って貰えるなら、準備するって。あと私の紹介だからって安くするもまで言ってたわ」
「それは、ありがたいけど利益でる??」
「そこは、心配なく」
 友美も相手もそれは、分かっている。
「とりあえずサンプル貰っていっていい??」
「えぇ」
 珊瑚は、デスクの上の炭をきっちり種類別につめ、鞄にしまった。
「とりあえず友美を通すよ」
「直で連絡を……」
「対価を落とすためならこの方がいいから」
 友美は、相変わらずの珊瑚の頭の回転の早さに驚く。
「分かったわ」
「そういうことで」
 珊瑚は、そのまま帰るつもりだろうが、時間も時間だ、友美は、ある誘いを持ちかける。
「ご飯食べてく??」
「えっ?!」
「光が多めに作ったからって。もし用事あるのなら、タッパーに詰めて渡すけど……」
 まさかの幸運に珊瑚は、ラッキーと思っていた。
 少しだけ口角を上げると言った。
「食べてく」
「オッケー」
 友美は、そのまま執務室を出ていき、珊瑚もついていく。
 そしてリビングにはいると、光がいた。
「光珊瑚食べていくって!!」
「分かった」
「光こんばんは」
「こんばんは珊瑚。とりあえず適当に座ってくれ。あとお酒は、無しだから」
「ありがとう」
 いいお酒は、飲めないかと少し残念に感じながらも珊瑚は、頷くと、ダイニングテーブルの椅子に腰かけた。
 しばらくして美味しそうな味噌汁と、ご飯そして煮魚がテーブルに並べられた。
「相変わらずこってる……」
「普通に作ってるだけなんだが……」
「それでも」
 いただきますと、珊瑚は、手を合わせ食べる。
「生姜の風味と甘辛さがいい」
 やはり光は、料理が上手い。
「ありがとう珊瑚」
 珊瑚は、正直毎日こんな料理を食べられる友美が羨ましいと感じた。
「友美、光派遣できない??」
 友美は、顔を強ばらせ、光は、困惑。
「はぁ??」
「珊瑚無理だから!! これくらいの相手を頑張って探せ!!」
「友美探せたら、苦労しない」
 淡々という珊瑚に友美は、呆れ顔に。なんだろうこの温度差は。
「俺は、友美のだからね!?」
「分かってるわよ光」
 珊瑚もこれには、頷く。
「美味しいご飯毎日食べたい」
「珊瑚作ってるんだよね??」
「作ってるけど飽きる」
「飽きるのか……」
「うん」
 珊瑚は、食べながら、頷いた。
「光何時も美味しいご飯ありがとう」
「いえいえ」
 本当に仲良いし夫婦である。
「そもそも光みたいな男は、即完売だよ友美」
「でも後から育てるのも……」
「はぁ?? 面倒のにしないよ」
「そっか」
 もしかすると、珊瑚は、けっこう高スペックの相手じゃないといけないのかもしれない。
「珊瑚もしかしてなかなか難攻不落??」
「……知らん」
 珊瑚は、そもそも気にしてない。
「神子は、長生きだし、まぁそのうち」
「長命種の考え方!?」
「友美それは、分からない」
 光は、友美のとなりで苦笑い。
 そんな話をし、食べているとあっという間に完食。
「ごちそうさま」
 珊瑚は、そういうと、使った食器をキッチンに持っていく。
「珊瑚ありがとう」
「光助かったよ」
 タイミングよくリビングに楸がやって来た。
「光……」
 楸は、珊瑚に気付くと、なにか言うのを止めた。
「楸」
「こんばんは」
「こんばんは」
 互いに、挨拶し楸は、珊瑚の期待に気付くと、そのままリビングを出ていった。
 期待外れだった。珊瑚は、少し肩を落とす。
「飲むなら家で飲んでくれ」
「けち」
「けちじゃない」
 光は、溜め息をつくと、珊瑚に紙袋を渡す。
「明日の朝にでも食べてくれ」
 珊瑚は、紙袋を受けとり、なかを見ると、明るい顔に。
「ありがとう光」
「面倒だろうけど、しっかり朝は、食べること」
「分かってる」
 珊瑚は、微笑むと、そのままリビングに。そして鞄を持つと玄関へ。
「友美、光ありがとう」
「気をつけてね!!」
「うん」
 そして珊瑚は、そのまま帰っていった。
「友美珊瑚との話は、上手くいったのか??」
 珊瑚を見送り、光は、聞くと、友美は、微笑む。
「まぁとりあえずは。あとは、仏と神のみぞしるやつね」
「ということは、まぁ上手く運びそうってことか……」
 友美は、微笑むのみ。
「とりあえず珊瑚のプロジェクトうまく行くといいわね」
「そうだな」
 珊瑚なら上手くことを運びそうだが。それだけの実力があるのだから。
「光久しぶりに焼き鳥食べたい」
「分かったよ」
 光は、微笑むと、そのままリビングに。
 友美は、これは、食べれるかもと胸を躍らせ、そしてリビングに入ったのであった。 

61/68ページ
スキ