光明ノ神子2

「部屋を貸して欲しい!?」
 友美は、薬問屋の居間にて、驚いた顔をしていた。
 真剣な顔をする燕青は、頷く。
「いつまでも居候ってわけにもいかないだろ??」
 友美は、呆れた顔に。
「あのさ。それ同棲解消ってことでいいわけ??」
 燕青は、目が点に。
「え??」
「だから同棲解消って事でしょう??」
 燕青は、真顔に。
「俺達同棲になってたのか!?」
 燕青は、時より抜けているが、まさかここで、それが発動していたとは。
「なら彼女とひとつ屋根の下で過ごすことをなんというのかしら??」
「下宿か居候」
 友美は、盛大な溜め息をつく。
「間違ってないけどなんでそうなるのよ!! この馬鹿熊!!」
 友美は、ドンッとちゃぶ台を叩く。
「馬鹿は、余計だろ!?」
「馬鹿よ!! ペンペン草よ!!」
「ペンペン草!?」
 友美は、こいつを一度半殺しにしようかと思ったが、やめておくことにした。
 己の手を馬鹿ごとに汚すことは、ない。
「友美部屋は、貸さないでくださいね!?」
 慌てて居間に飛び込んできた勇音は、必死の形相で友美に訴えてきた。
「貸さないわよ。そもそも私マンションは、持ってないし」
 友美の発言に燕青と勇音は、驚く。
「今住んでるところは!?」
「アレは、持ち家だけど、賃貸物件として家やマンションは、持ってないのよ」
 友美は、こう説明すればよかったと思いつつ話をした。
「なら持っているのは??」
「主に、ビル」
 燕青と勇音が更に目が点に。
「友美しかもけっこう……いいところのビルだよな?? フロワー一つとかじゃなくて……」
「一棟まるまるよ」
 固定資産税を考えると戦慄するが、それを友美は、普通に払っている。
 友美の年収を考えると少し恐ろしくなった。
「友美いくら稼いでるんだよ……」
「まぁ固定資産税払えるくらいわ。それに働いてるし……」
「働いてるって夏音の手伝いじゃん」
「けっこういい額もらってるからね。それに神子って稼げるし」
 それは、友美だからでは、と燕青は、思った。
「だそうだけど、勇音どうなんだ??」
 話をふられ、勇音は、少し驚いた。
「そりゃ稼げてるけど……」
 友美程では、ないと思う。
「やっぱり太陽神の加護って凄いんだなぁ……」
「友美の場合は、神々との仲もいいですから、応援も多いと思う」
 友美は、頷く。
「それもある!! なので日々感謝と神々との交流よね!!」
 そして巡り巡っていい人生に友美は、なっているとも言える。
「つうか、天照大神いる時点で勝ち組じゃね??」
「しかも家に住んでますしね」
 燕青と勇音は、友美の陰を見た。
「なんでそうなるのさ!!」
 陰から白野威は、出てくると言う。不服そうに。
「友美の努力じゃん!!」
「でも白野威関わってるじゃん!!」
「白野威様いてこそとも言えますよね??」
 白野威は、なわけあるあと友美を見るが、友美は、にっこり。
 友美は、知っている。陰ながら、白野威は、色々してくれているのと。
「なんでその顔!?」
 燕青と勇音は、分かってしまった。たぶんこれが全ての答えだなと。
 本当に優しいなと白野威を見ていたが、生暖かな視線を向けられ、白野威は、気味が悪いと感じた。
「素直になったらいいじゃん白野威」
「もとから素直じゃ!!」
 白野威は、やれやれという顔に。
「で賃貸物件の件は、もういいわね??」
 友美は、とりあえず確認すると、燕青は、言う。
「たぶん出ていったら、俺殺されそうじゃん??」
 勇音は、コクりと頷く。
「ほら」
「あっさり認めるのね……」
「そりゃ認めます」
 勇音は、微笑む。
「逃がしません」
 目がガンぎまりで、燕青は、顔を青ざめる。
「怖い……」
 なんなら、泣きべそをかきだした。
「私も光にあんな感じ??」
「友美の場合は、そもそも放置でしょう??」
「確かに」
 なんせ友美は、光無しでも生きようと思えば、生きられる。
「それに、光の場合は、捨てられようが、地獄の底から、追いかけて、着いてくるからね??」
 白野威は、そう言うと、友美は、納得しか出来なかった。 
 なんせ光は、実績があるので。
「光先生は、凄すぎるんだよ。そもそも黄泉まで拐われたやつを、助けに行くしな……」
「燕青もしてくれるでしょう??」
 勇音に問われ、燕青は、なんとも言えぬ顔に。
「そりゃ……まぁ……」
 と歯切れの悪い返事しか出来なかった。
「そこは、行くと言って!!」
「だって俺人よ!? 一応!!」
「神子だから黄泉に耐性ある」
「無茶いうな!?」
 そして、この無茶をしたのが、白野威と、本日は、子供達をつれ、エジプト展に行った光である。
「そう言えば友美光先生は??」
「美術館にエジプト展を見に行ったわよ。子供達が行きたいって言うから」
 あのやんちゃくれ四人を光一人でなんとか出来るのかと燕青は、心配に。
「友美その……」
「大丈夫。榎麟と遊李が確りしてるからね!!」
「双子さすが……」
「それに美術館だとおとなしいから」
 そう美術館では、きっちりと決まりやマナーを守る。
 しかし家では、話が別である。
「美術館だと……」
「帰ってきたら、質問責めかもね!!」
 友美は、楽しげに笑った。
「まぁ光先生からすれば何時ものことか」
「そうそう」
 友美は、頷く。
「とりあえず物件の話も終わったし私も帰るわね」
「友美早くないですか??」
 何時もならゆっくりなのにと、勇音は、思う。
「私も用事あるのよ。それに光にもあとから行くって伝えてるから」
「合流ってことか」
「そういうこと」
 本当に友美の家族は、仲良しである。
「収入あるから出来るんだなぁ……」
「燕青それは、違うから」
 友美は、真面目な顔に。
「光の日頃のやりくりや、家族皆で色々やったりするからこそなの」
「確かに」
「お金だけあっても不幸な家族もいるからね」
 友美は、立ち上がる。
「何事も中道がいいのよ」
「確かにそうですね」
 勇音もこれには、頷く。
「じゃ私は、これで」
 友美は、そういうとかえっていった。
 友美を見送り、居間に燕青と勇音は、戻る。
「出ていかないよね??」
 恐る恐る勇音は、確認すると、燕青は、言った。
「けじめというか……ダラダラ居座るのもなんかなぁ~と思ってたが……」
 一度出て、そしてまた、ここに戻ってこようと燕青は、ふと思い、友美に話だけでもと思ったが。
「出ていったら、それは、それで、勇音むくれそうだし、やっぱやめた」
 勇音は、呟くと。
「よかった」
 ほっと安心した顔に。
「ずっと一柱で住んでたじゃん」
「長らく私だけだったから、誰かと過ごす心地よさを失いたくない」
 切なく微笑みいう勇音に、燕青は、優しく微笑む。
「なら尚更引っ越せねぇな」
 勇音が嬉しそうに微笑み頷くころ、友美は、空を見て笑う。
「友美こうなること分かってたでしょう??」 
 白野威は、友美を見上げいうと、友美は、頷く。
「まぁね。でも燕青の気持ちも分かるから」
 だから友美は、あえて相談に乗ることにした。
 勇音の反応をみた燕青がどう判断するのか気になったからだ。
「本当に策略家」
「それは、白野威もでしょう??」
 結局神子と神は、よく似ているとも言える。
「本当に幸せにな方としてるやつには、さりげなく力を貸すんだから」
「私は、それがすきだから」
 友美は、そういうがすぐに切なく微笑む。
「まぁそうじゃない人も多いけどね」
 脳裏にある人物が思い浮かぶが友美にとっては、もうどうでもいいこと。
「さて子供達が待ってるし行かないとね!!」
「そうだね」
 友美と白野威は、そういうと、美術館に。
「友美」
 美術館に着くと、光と子供達が待っていた。
「もう見たいの??」
「お母さんと見たいって先に他の用事終わらせて、待ってたんだよ」
 子供達は、頷く。
「ありがとう」
「なら行こっか」
 友美は、頷くと家族で美術館の中へとはいって行ったのであった。
 とても嬉しそうな顔をして。
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