光明ノ神子2

 バレンタインデー寒猫神社では、ユニがずっと着けていたソーマを。
(今なら渡せそう)
 箒を持ち境内の掃除しているソーマ。
 ユニは、緊張した面持ちでソーマに声をかけた。
「ソーマ」
「ユニ」
 ソーマが振り向いた時だった。
「ソーマ助けてくれー!!!!」
 なんと、燕青がソーマに背後から飛び付こうとして、ソーマは、咄嗟に、燕青を氷漬けに。
「まったく」
 ユニは、タイミングを見事邪魔され、顔をひきつる。
「よくも……」
 ユニが低く冷たい声色で呟くと、なんと。
「燕青さんの馬鹿!!!!!」
 と珍しく声を荒げ、氷に細い結界を貫通させてしまった。
 パリンっと割れた氷から、顔を青くした燕青が緊迫した顔で出てくる。
「俺を殺すきか!?」
「殺されてもどうせ、生き返るでしょう!?」
「無茶いうな!?」
 ユニがここまで露骨に怒るのも珍しいなとソーマは、眺めていた。
 普段ユニは、あえて、あまり、怒りという感情を表に出さない。
 前世の出来事もあり、あまり、怒らないようにしているからだろう。 
(怒ってるユニも可愛いなぁ……) 
 と内心思っていると、ユニと燕青が揃ってこちらを向いた。
「どっちが悪いと思います!?」
「ユニだよな!?」
 ソーマは、しばらく真顔に。
「どっちもどっちだ」
 ユニと燕青は、ショックを受けた。
「そもそもユニもあそこまでする必要は、ない。いくら、燕青が頑丈といってもな」
 ユニは、気まずそうな顔に。
「燕青もだ。来るときは、連絡しろ」
 燕青も眉を下げる。申し訳なさそうに。
「すまん……」
「まったく」
 ソーマは、溜め息をつく。
「で神主になにようだ??」
 燕青の事をまずは、対処するのか、ソーマは、燕青に問う。
「バレンタインデーじゃん?? なんか今日は、俺もたなさそうで……」
「はぁ??」
 ソーマは、わけが分からんと困惑した顔に。
「ならとっとと、帰って勇音にチョコ貰ったらいいじゃないですか」
「ユニそのチョコが問題なんだよ!!」
 ユニは、不服そうな顔に。
 とりあえずこちらは、色々気にくわないらしい。
「はぁ??」
「勇音のやつ1ヶ月くらい前から、カカオ豆を仕入れてさ。この間とうとうそれを煎って、粉にして、なんか煎じてたんだ」
 あの時の勇音の怪しい笑みは、見ていて身震いした。
「それチョコ作ってるだけだろ……」
「友美がやってましたね」
 無表情でいわれ、燕青は、この時怖いと感じた。
「せめて呆れて!? 無表情怖いんだが!?」
 燕青は、そういいさらに突っ込む。
「つうか、友美さらりとなにやってるの!?」
「友美だからな」
「友美ですからね。こだわったみたいです」
「こだわりかたが、相変わらず常識はずれ!!」
 しかし少し安心もできた。友美がやってるのなら、勇音がやってても普通かもと。
「いやいや普通じゃねぇ……」
 燕青は、己の突っ込んでいた。声に出しながら。
「でなにが問題なんだ??」
 ソーマは、とりあえず問う。
「なにがって、そのチョコがゴリラの形にされてたんだぜ??」
 何故そこでゴリラとユニとソーマは、思う。
「……それこそ、勇音にきけ」
「聞いて、怒らせたら、色々面倒じゃん??」
「その原因は、そもそも燕青でしょう!?」
 ユニに冷たい声色でいわれ、燕青は、気まずい顔に。
「まぁそうなんだが……」
「なら責任取りなさい」
「取ってますけど!?」
 バチバチと火花を散らすユニと燕青を尻目に、ソーマは、ゴリラかと、一人考えていた。
「友美に聞くにも、今日は、高天ヶ原といってたしなぁ……」
 とりあえず珊瑚に連絡してみるとすぐに来た。
「ゴリラねぇ……」
「知ってるか??」
 珊瑚は、たんたんと。
「友達の秘密いうわけないじゃん」
「やっぱり信用できるな」
「おつ」
 ゴリラの謎は、とけなかったが、ユニと燕青は、とりあえずおとなしくなっていた。
「珊瑚何故……」
「勇音にちくられる……」
「チクるかアホ」
 燕青にだけには、珊瑚は、言い返した。
「とりあえずバレンタインデーに夫婦のところに押しかけるって、ダサ」
 と珊瑚は、いうと、燕青は、申し訳なさそうに。
「光先生今日は、高天ヶ原じゃん!! 楸は、忙しいって前もって言われたし!!」
 楸色々知っていたのか、せんだって、策をこうじていた。
「楸やるな……」
「遠縁といっても、友美の親戚ですしね」
「さすが」
「なんで楸の株が上がってるの!?」
「そりゃそうだろ」
「ソーマ酷くない!?」
 燕青は、しょぼんと落ち込む。
「女神相手の恋って大変なんだぞ!?」
「それ勇音だからだろ??」
「それ勇音だからじゃん」
「勇音ですからね」
 三人して同じことをいうなと、燕青は、思った。
「勇音ってもしかして、攻略対象として難易度高め??」
「そりゃそうでしょう」
 珊瑚にあっさり認められ、燕青は、そんなにかと開いた口が塞がらない。
「その……拗らせすぎですから……」
「拗らせがないとましだろうな」
 ユニとソーマのいう通りである。
「ならちなみにさ、神子で攻略難易度高いの誰だと思う??」
 燕青は、何気なく聞いてみた。
「「「友美と楸」」」
 口を揃え即答された。
「やっぱり??」
 燕青もこれは、おもったようだ。
「友美は、基本自分と同じ強さを相手に求ますしね……」
「楸は、楸で自立してる強い女性がタイプだしな」
「楸にかんしてら、友美だったりする?? タイプ的にあってるの」
「だの思うぞ燕青」
 ソーマは、そういうと、燕青は、少し苦笑い。
「アハハ……」
「でもそう考えると、光先生凄いよね」
「友美と結婚してますしね」
 珊瑚とユニは、やはり結婚するとなると光のような男が一番アリなのかとも思った。
「まぁソーマで私は、いいです」
「そこは、ソーマじゃないとダメだよね??」
 ユニは、頷く。
「いいなぁー簡単に、気持ちいってもえて!!」
「それは、燕青が原因だろ……」
 ソーマは、あきれ気味にいうと、燕青もこれには、頷いた。
「戦で死んじまったからなぁ~アハハ……」
「笑えないぞ??」
「ここまできたら、笑うしかないじゃん!!」
 確かにそうかもしれない。
「あの……」
 声がし、燕青は、顔を青ざめ、ソーマは、ようやく来たかという感じだ。
「何故皆さんここに?? それに燕青まで……」
 勇音は、少し困惑していた。
 こんなにも神社に神子が居るとは、思わなかったからだ。
「ちょっとな」
 ソーマは、そういうと、燕青を勇音の方に押した。
「うわぁ!!」
 燕青は、転けかけるが、なんとか、体感でそれを防ぎ、勇音の隣に。
「ちょっと用事があって俺は、来てたんだ」
「そうだったの」
 勇音は、微笑むと、ソーマに紙袋を渡した。
「これ、皆さんで」
 ソーマは、紙袋を覗くと、なかには、ゴリラのチョコが。
「ありがとうたすかる」
 そういいソーマも勇音に紙袋を渡した。
「ありがとうございます」
「毎年の友チョコだからな」
 ソーマは、そういうと、微笑む。
「じゃ私は、これで」
「なら俺もいくよ」
「ありがとう燕青」
 結局燕青は、そのまま勇音と帰っていった。
「惚気たかっただけ??」
「珊瑚わかりません」
「ゴリラの謎は、これだったぞ」 
 ソーマは、ユニと珊瑚に紙袋の中を見せた。
「もしかして、誠に??」
「誠動物好きだもんね」
「だと思う」
 なら燕青のみたゴリラは、これだったに違いない。
「とりあえず問題解決かな」
「あぁ」
「じゃ私も帰る」
 珊瑚は、その後ユニからチョコを渡され帰っていった。
「あの……ソーマ」
「なんだ??」
 誰も居なくなった境内で、ユニは、ソーマに、箱を渡す。
「ハッピーバレンタインデー」
 ソーマは、受け取ると、優しく微笑みそして。
「ありがとう」
 といった。
 こうして無事にチョコを渡せ、ユニは、ひと安心。
 その後仲良く掃除をし、その後、仲良くユニとソーマは、チョコを食べたのであった。
 とても幸せそうな顔をして。
58/68ページ
スキ