光明ノ神子2

 これは、露骨すぎでは、と燕青は、思っていた。
「ぬくい……」
 少し涼しくなって勇音がこうして甘えてくるようになったならだ。
 台所で珈琲をいれていると、後ろからハグしてきている勇音に燕青は、幸せを感じていた。
(これ絶対にあれじゃん!! 恋人じゃん!!) 
 と内心喜んでいると、ツンツンと背中をつつかれる。
「どうした??」
「珈琲飲む」
 甘えてくれることに、嬉しさを感じながらも燕青は、勇音のことを最近猫だと思えてきていた。
 気ままで自分が甘えたい時にだけ甘えに来る。そうまさに猫。
「分かった」
 ということで、マグカップ二つに珈琲をそれぞれいれた。
「そういえばユニが来るって」
 珍しい客人に燕青は、少し驚く。
「へぇー珍しい~でいつ……」
「もう来てます」
 燕青と勇音は、顔を見合わせ、そして縁側の方を見て、顔をひきつる。
「先ほど店の方にまわりましたが、出てこなかったので、失礼ながら、塀越えました」
 ユニは、庭から顔を覗かせると、勇音は、顔を真っ赤に。
「すみません!! あとさっきの忘れてください!!」
 たぶんすべてみられていたに違いない。
アワアワと勇音は、慌てるが、ユニは、にっこり。
「無理」
 と答えた。
「そりゃ普段の勇音とのギャップがなぁ~」
 とりあえずユニの分の珈琲もいれながら、燕青は、いう。
「見事に」
 ユニは、靴脱ぐと縁側から居間にはいった。
「ユニも飲むだろ??」
「はい。ありがとうございます」
 何故この二人は、平然としてられるのかと、勇音は、思った。
 正直穴があった、入りたいレベルだ。今。
 ユニは、遠慮なく座布団の上にすわり、燕青も珈琲を座卓の上に置いた。
「で今日は、何のよう??」
「燕青さんに少し相談が」
「俺に?? 珍しいなぁ~なんだ?? どういった風の吹きまわしだ??」
「揉め事は、貴方が適任でしょう?? 一応弁護士ですし」
「まぁ。そうだな。ほぼ経営しかしてないけど」
 と普通に話をするユニと燕青の真ん中で勇音は、モヤモヤしながら、珈琲を飲んでいた。
 確かにユニは、来る前に余裕をもってアポイントメントしてくれた。
 それを忘れ、伝えるのが遅れたのは、自分のせいだ。
 珈琲の苦味が今は、自分の心の中を示すかのように感じる。
「にしてもまたこんなこと……」
「念のためです。保険は、ある方がいいですから」
 寒猫神社は、日本の神社庁に加盟していない。今回どうやら、他の神社にその事をとやかく言われたらしく、念のためにと対策を練りに来たらしい。
 法的な方面で。
「神的な方面は、うちは、強いですから。法的な方面でもね??」
 意味ありげに笑うユニだがその笑みがとにかく怖い。
 友美といいユニといい本当に怒らせると恐ろしい。
 勇音は、そこまででなくて良かったと、燕青はホッとしていた。
「まぁそうなったら、受けるけどさぁーその際俺以外のやつにさせるからな!?」
「実践を積ませるのにでしょう?? どうぞどうぞ」
 本当に末恐ろしい女性である。
「ちなみに友美から相談は??」
「ユニあの友美がすると思うが??」
 友美ならにっこりスマイルで、えげつないことをやって制裁する。
「確かに……友美から法的よりも、神的にですね」
 やはり恐ろしいのは、友美かもしれない。しかし友美にいわせればユニの方が色々えげつない。
 黙って珈琲をのみ話を聞いていた勇音だが、だんだんモヤモヤが心中で増幅していた。
 ピタッと思わず燕青にくっつく。
「勇音どうしたんだ??」
「なにもありません」
 嘘つけ。目は、口ほどにもとの言う、通りに、勇音の目は、不服そうな目をしている。
「そうか」
 とりあえず燕青は、そういうと、またユニと話を始める。
 正直人知の事は、分からないこともある。
 勇音は、人とは、面倒だなと思いつつもまったくユニと燕青の話についていけずに、少し寂しさも感じていた。
 いきいきと話しているユニと燕青を見ていると疎外感も感じてしまう。
「とりあえずそのようにお願いするかもしれません」
「分かった」
 とりあえず話が終わると、燕青は、勇音に目を向けたが、この時彼女は、普段では、しないような顔をしていた。
 ジト目で、何か言いたげな顔を。
「ユニ一応伝えますが……」
「なんでしょうか??」
 ユニを見据え、勇音は、言う。ハッキリと。
「燕青は、私のですから!! 譲りません!!」
 勇音の発言にユニは、きょとんとし、燕青は、驚き、顔を真っ赤に。
「勇音さん存じてますが……」
 なんだろうこの変な空気感は。勇音は、奇妙な空気に耐えきれなくなり、我に返る。
「私変なことを!?」
 間違いなく変な勘違いをしかけ、変なことを口走ってしまった。
 穴があったら入りたいと勇音は、思う。
 顔を真っ赤にし、頭から湯気が出ている勇音を見ながら、ユニは、優しく笑った。
「やきもちですね。ふふふ」
「や……」
「はい。やきもち」
 ユニは、勇音に安心さすように言う。
「私には、ソーマがいます。何より、彼以外の男性は、要りませんから安心してくださいね!!」
 勇音は、申し訳なさそうなかおに。
「ごめんなさい……ユニの想いを知ってるのに私は……」
「恋する乙女とは、こういうものです。私もソーマが女性と話してるとモヤモヤすることもありますから」
 確かにソーマは、顔は、いいもんなと燕青は、思うなが疑問が。
「友美と二人であってる時は、気になるもん??」
 ユニは、しばらく考えていった。
「友美の場合光先生一筋ですから、すごく安心します。なにより、ソーマのタイプじゃないですし」
「あー確かに」
 ソーマのタイプは、落ち着いた知的な女性であり、ユニの方がそのタイプに当てはまる。
 というからソーマのタイプは、もろユニだ。
「友美は、頭がきれるが行動的だもんなぁ~」
「自立してますしね。たぶん結婚しなくても生きていけます」
「そうそう。ある意味友美と付き合うって根性と諦めの悪さ必須だもんなぁ~」
 勇音もこれには、同意だ。そして、見事にこれを兼ね備えているのが光である。
「光先生諦めの悪さは、ピカ一ですしね!!」
「確かに光さんは、そう」
 ユニは、頷く。
「はい」
 そう考えると神子を嫁にする男性は、色々強くなくては、ならないのだなと燕青は、真面目に思う。
「俺も諦めは、悪いがなんつうか……捨てられても追いかけ回すあの根性はな……」
「燕青は、底無しの明るさがある」
 勇音は、励まそうと珍しく人前で彼の好きなところを話した。
「後は、優しいし。こんな素直じゃない私にとことん寄り添ってくれる……」
 ユニは、恋が叶うとこんなにも勇音は、変わるのかと驚いていた。
「燕青さんだそうですが」
 ユニは、あえて燕青に話をふると、彼は、なんとか表情を崩さないように我慢していた。
「ふふふ」
「必死なんだが!?」
「イチャイチャしてもいいですよ??」
「しません!!」
 燕青は、そういうと、ユニは、楽しげに笑う。
 本当にこういうところ見さされると、友美と馬が合うのが良く分かる。
「さすがマブダチ……」
「友美とですか??」
「心詠むな!?」
「嫌です」
 しかしこちらの方がたちは、悪そうだ。
「即答」
 勇音は、ユニは、やはり侮れないと感じていた。
「それに友美より私は、ましかと」
「友美とどんぐりの背比べだ!!」
 燕青は、そういうと、そのとき彼のスマホが鳴る。
「どうぞ」
「ありがとう」
 とりあえず出ると、なんと。
「誰がどんぐりの背比べだ!!」
 と友美から大声で電話が。
 燕青は、耳がキーンとなり、スピーカーにすると、スマホを座卓に置く。
「友美大声出すな……」
「ならどんぐりの背比べっていうな!!」
 電話の声色からして、友美は、少しご立腹らしい。
「友美聞こえたんですか??」
「まぁユニそういうところ」
 友美は、そういうと続ける。
「勇音準備できたから何時でもどうぞ」
 勇音は、少し驚く。
「もう!?」
「そりゃね」
「ありがとうございます。後日また伺います」
「オッケー」
 友美は、そういうと、電話を切った。
「何時も突然だな……」
「まぁ友美ですしね」
「そうそう」
 ユニと勇音もこれには、同意。
「じゃ私も帰ります。今日は、ありがとうございました」
「おう!! またな!!」
 ユニは、微笑むと縁側から帰っていった。
「燕青デート連れていって」
 勇音は、そういうと、燕青は、優しく微笑む。
「ちょうど俺もそうしたいと思ってたからいいぜ」
「以心伝心」
「だな」
 燕青と勇音は、微笑み合う。こうしてやはり過ごせるのは、楽しい。
 燕青と勇音は、その後出かけるしたくをし、近所を散歩がてら、散策しに出かけたのであった。



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