光明ノ神子2
神無月は、出雲では、神在月といわれる季節だ。
「どうも~閻魔大王~」
そして今年の神在月は、閻魔大王にとって、とてつもなく厄災の年になっていた。
「天津神が何故!?」
出雲大社のおおしめ縄の前、神々が皆固唾をのみ見守っていた。
顔を青ざめる閻魔大王と閻魔大王に殺気を放つ勇音を。
「神在月ですからね??」
「だからってこんなキリキリにくるなんて!! 会議ほぼ終わりかけ!!」
「会議なんて、どうでもいいですから~」
太刀の鯉口がカチャカチャ音を立てるなか、閻魔大王は、なんで目の前の女神に命を狙われてるのかと色々考えていた。
「閻魔大王何したんですか!!」
「なにもしてない!!」
お付きの獄卒にそういいながら、この場をどう、切り抜けようかと考える。
「久しぶり!! 閻魔様!!」
「燕青!!」
勇音の後ろから、見知った顔を見つけ、閻魔大王は、ホッとした。
「来てたのか!!」
「遣いとして今回は!!」
「遣い??」
閻魔大王は、狐を見た。
「荼枳尼天??」
「違う!! この狐は……」
「私~」
荼枳尼天ならば、まだ閻魔大王も多少は、話を出来ただろうが、残念ながら、宇迦之御魂神だった。
獄卒は、顔を青ざめ、そして閻魔大王は、だいたいおおよその事が分かり、顔をひきつる。
「閻魔様が燕青を引き留めたこと、勇音様が大変お怒りでして。黄泉に殴りこむというのを、なんとか本日まで引き留めました」
桜花は、微笑みながら、言うが、燕青は、これ絶対に楽しんでやがると桜花をあきれた顔で見た。
「その事!?」
「えぇ。こっちたら、数百年待ってたんですからね??」
このままでは、血なまぐさいことになりかねない。
神々からやれ!! というヤジがとぶなか、次の瞬間。
「うわぁ!!!!」
ヤジをとばした、神が天にとんだ。
「よし!!」
この声はと見ながら、顔を青ざめ固まるなか、その真ん中にいたのは、友美だった。
「蜆買いに来たら、変なことやってから来たけどこれは、これは……」
友美は、溜め息をつくとにっこり。
「殴られたい神いますぅ?? 私のメインディッシュ!!」
神々は、身震いすると、そのまま散り散りに逃げた。
「なんで!?」
「そりゃ逃げるだろ!!!」
獄卒からそんな突っ込みが来るなか、友美は、勇音と閻魔大王をみて。
「修羅場」
とだけいいその場を去ろうとするので。
「友美逃げるなよー!!」
燕青が友美のところまで走り、行く手を阻む。
「修羅場に顔突っ込めるか!!」
「俺だって突っ込みたくないわ!!」
と燕青がいったとき、彼の頭に、なんと。
「うわぁ!!」
木乃伊がぶつけられた。
「あら。アヌビスがあげた木乃伊……」
「死者になんてことしてるの!!」
「アレは、乾燥した薬剤です!!」
「遺体だろ!?」
閻魔大王は、この女神怖いと思うなか、友美は、木乃伊をつついていた。
「意外に丈夫なのね……」
凄い勢いで投げられていたが、割れてないのが驚きである。
「友美俺の心配は!?」
「熊みたいに、頑丈なのに、心配しないわよ」
「酷いな!?」
とりあえず木乃伊を燕青は、起き上がり、拾う。
「勇音木乃伊投げない!!」
「閻魔大王に投げてないだけマシ」
確かにそのとおりなのだが、そもそも投げていいものでは、ない。
「閻魔様すみません……」
燕青は、勇音の隣に来ると、閻魔大王に謝る。
「また戻ってくるかい?? こんな女神のところだと苦労するでしょう??」
「私の事??」
「宇迦之御魂神の事じゃない」
桜花は、少し残念そうな顔に。
「つまんなーい!!」
「桜花つまんないじゃない!!」
「燕青大変そうね」
友美は、燕青達のところにくると、閻魔大王に挨拶した。
「こんにちは!! 閻魔大王!!」
「姫君こんにちは」
「この節は、ありがとうございました」
「あの娘は、元気かい??」
友美は、微笑む。
「毎日成長して、幸せに向かって歩いていってるわ!!」
閻魔大王は、嬉しそうに笑うが、その向かいで勇音は、相変わらず殺気を放っていた。
「それよりも何故彼を引き留め獄卒にしたのか、教えてもらっても??」
真実を知れれば少しは、納得がいくかもしれないと、勇音は、思っていた。
閻魔大王に勇音は、問う。
「とりあえず大国主命の御前では、なんだし……」
「大国主命は、浜の方向いてるから御前じゃないです」
確かにそうなんだが、さすがにここで話すのは、まずいと閻魔大王は、思う。
「とりあえず話は、別のところでしよう!?」
勇音は、しかたがないと思い。
「分かりました」
話を飲むことに。
「じゃ私は、これで~」
友美は、そそくさと逃げた。
「あっ!?」
「友美足早い~」
桜花は、楽しげに笑う。
そもそも友美は、蜆を買いに来ただけなので、これ以上巻き込まれるのは、困るのである。
とりあえずその場を離れ、茶屋に。
膝付き合わせ話すことに閻魔大王と勇音は、なったが、重い空気に、獄卒は、吐き気がしていた。
「桜花も逃げたか……」
「彼女は、基本楽しいことが好きですから」
宇迦之御魂神の事だ。たぶん近所で楽しく遊んでいるはずだろう。
「で、閻魔大王理由とは??」
勇音は、さっそく切り込むと、閻魔大王は、茶をのみいう。
「あまりにもあっさり、罪を認めるし、さっぱりした男だからね。亡者達の事もうまくやれるし、彼の罪を償い方法としていいかなぁ~と思ってさ」
とりあえず至極全うな理由でホッとした。
「そうですか。ですがかかりすぎでは!?」
「人殺しだからね。あえて、業を消すのに、短命で畜生に行かすことも考えたけど、それには、惜しい人材だから。ならってね!!」
「そうですか……」
確かに待たされる方からすれば長い時ともいえたかもしれない。
「確かに、畜生で、殺され続けるのは、嫌かも」
「でしょう?? 僕もそれが嫌だったから、獄卒にしたの」
勇音は、さすが、閻魔大王と思いつつも、文句くらい言ってもいいかとも思えていた。
「小野篁さん元気です??」
燕青は、閻魔大王に質問を投げかけた。
「元気元気!! 補佐官として凄く頑張ってるよ!!」
「さすが、篁さん!! 久しぶりに会いてぇー」
といった時、隣から殺気が。
「地獄に行くとか言わないよね??」
「言わない言わない」
神は、怒らすと恐ろしい。
勇音に燕青は、慌てて言うと、勇音は、にっこり。
「よかった~違ったら、木乃伊にしてやろうと思った~」
「勝手に乾燥させないで!?」
「燕青いつでも逃げてきていいよ??」
「私をイザナミ様にしたいんですぅ??」
燕青と閻魔大王は、顔を青ざめる。
この女神黄泉比良坂の逆バージョンをするつもりかと。
「連れ戻す気満々??」
「当たり前~なんなら、地獄を壊滅させたい!!」
「燕青戻ってこないで!?」
「この世界の輪廻の理を壊したら、友美にどやされます!!」
「姫君なら笑顔で燕青と僕どちらの首も取りに来るねぇ……」
それは、困るなと勇音も思った。
「それは、駄目ですね……」
「おっ。やるのやめた??」
「とりあえず」
ということは、やる気も満々らしい。
「ですが今回こうして閻魔大王と話せてよかった。よかったら、これこ詫びに」
勇音は、木乃伊を閻魔大王に渡す。
「えっ!?」
しかしこれで受け取っておかなければ大変なことになりそうだ。
「ありがとう……」
あとで誰かに押し付けようと閻魔大王は、思った。
「いえ」
勇音は、少し気が済んだのか、立ち上がる。
「では、我々は、これで」
閻魔大王と獄卒に挨拶すると席をあとにた。
「じゃ俺もこれで、また閻魔様」
「またね燕青!!」
燕青も挨拶すると、席をあとにし、勇音と燕青は、店を後にした。
「はぁーしじみ汁!!」
浜辺を歩きながら、勇音は、体をのばす。
「ならこれから行く??」
「行く!! スーパーで買うのでいいから!!」
「よっしゃ!!」
とりあえずこれで少しは、デートが出来そうだ。
「私も!!」
と思ったが、桜花が表れ、そうもいかなくなった。
「お預けかよ!!」
「何が??」
「何もありません。とりあえずスーパー行きましょう!!」
勇音は、楽しげに微笑むと歩き出す。今回これて、とりあえず閻魔大王に少し困らせられたので、スッキリ。
後ろで、喧嘩する桜花と燕青をみて、勇音は、目を細めた。さて、これは、いつスーパーに行けるのか。しかしこれもまた楽しいこと。
勇音は、足取り軽く歩きだし、燕青と桜花もその後を追うのであった。
「どうも~閻魔大王~」
そして今年の神在月は、閻魔大王にとって、とてつもなく厄災の年になっていた。
「天津神が何故!?」
出雲大社のおおしめ縄の前、神々が皆固唾をのみ見守っていた。
顔を青ざめる閻魔大王と閻魔大王に殺気を放つ勇音を。
「神在月ですからね??」
「だからってこんなキリキリにくるなんて!! 会議ほぼ終わりかけ!!」
「会議なんて、どうでもいいですから~」
太刀の鯉口がカチャカチャ音を立てるなか、閻魔大王は、なんで目の前の女神に命を狙われてるのかと色々考えていた。
「閻魔大王何したんですか!!」
「なにもしてない!!」
お付きの獄卒にそういいながら、この場をどう、切り抜けようかと考える。
「久しぶり!! 閻魔様!!」
「燕青!!」
勇音の後ろから、見知った顔を見つけ、閻魔大王は、ホッとした。
「来てたのか!!」
「遣いとして今回は!!」
「遣い??」
閻魔大王は、狐を見た。
「荼枳尼天??」
「違う!! この狐は……」
「私~」
荼枳尼天ならば、まだ閻魔大王も多少は、話を出来ただろうが、残念ながら、宇迦之御魂神だった。
獄卒は、顔を青ざめ、そして閻魔大王は、だいたいおおよその事が分かり、顔をひきつる。
「閻魔様が燕青を引き留めたこと、勇音様が大変お怒りでして。黄泉に殴りこむというのを、なんとか本日まで引き留めました」
桜花は、微笑みながら、言うが、燕青は、これ絶対に楽しんでやがると桜花をあきれた顔で見た。
「その事!?」
「えぇ。こっちたら、数百年待ってたんですからね??」
このままでは、血なまぐさいことになりかねない。
神々からやれ!! というヤジがとぶなか、次の瞬間。
「うわぁ!!!!」
ヤジをとばした、神が天にとんだ。
「よし!!」
この声はと見ながら、顔を青ざめ固まるなか、その真ん中にいたのは、友美だった。
「蜆買いに来たら、変なことやってから来たけどこれは、これは……」
友美は、溜め息をつくとにっこり。
「殴られたい神いますぅ?? 私のメインディッシュ!!」
神々は、身震いすると、そのまま散り散りに逃げた。
「なんで!?」
「そりゃ逃げるだろ!!!」
獄卒からそんな突っ込みが来るなか、友美は、勇音と閻魔大王をみて。
「修羅場」
とだけいいその場を去ろうとするので。
「友美逃げるなよー!!」
燕青が友美のところまで走り、行く手を阻む。
「修羅場に顔突っ込めるか!!」
「俺だって突っ込みたくないわ!!」
と燕青がいったとき、彼の頭に、なんと。
「うわぁ!!」
木乃伊がぶつけられた。
「あら。アヌビスがあげた木乃伊……」
「死者になんてことしてるの!!」
「アレは、乾燥した薬剤です!!」
「遺体だろ!?」
閻魔大王は、この女神怖いと思うなか、友美は、木乃伊をつついていた。
「意外に丈夫なのね……」
凄い勢いで投げられていたが、割れてないのが驚きである。
「友美俺の心配は!?」
「熊みたいに、頑丈なのに、心配しないわよ」
「酷いな!?」
とりあえず木乃伊を燕青は、起き上がり、拾う。
「勇音木乃伊投げない!!」
「閻魔大王に投げてないだけマシ」
確かにそのとおりなのだが、そもそも投げていいものでは、ない。
「閻魔様すみません……」
燕青は、勇音の隣に来ると、閻魔大王に謝る。
「また戻ってくるかい?? こんな女神のところだと苦労するでしょう??」
「私の事??」
「宇迦之御魂神の事じゃない」
桜花は、少し残念そうな顔に。
「つまんなーい!!」
「桜花つまんないじゃない!!」
「燕青大変そうね」
友美は、燕青達のところにくると、閻魔大王に挨拶した。
「こんにちは!! 閻魔大王!!」
「姫君こんにちは」
「この節は、ありがとうございました」
「あの娘は、元気かい??」
友美は、微笑む。
「毎日成長して、幸せに向かって歩いていってるわ!!」
閻魔大王は、嬉しそうに笑うが、その向かいで勇音は、相変わらず殺気を放っていた。
「それよりも何故彼を引き留め獄卒にしたのか、教えてもらっても??」
真実を知れれば少しは、納得がいくかもしれないと、勇音は、思っていた。
閻魔大王に勇音は、問う。
「とりあえず大国主命の御前では、なんだし……」
「大国主命は、浜の方向いてるから御前じゃないです」
確かにそうなんだが、さすがにここで話すのは、まずいと閻魔大王は、思う。
「とりあえず話は、別のところでしよう!?」
勇音は、しかたがないと思い。
「分かりました」
話を飲むことに。
「じゃ私は、これで~」
友美は、そそくさと逃げた。
「あっ!?」
「友美足早い~」
桜花は、楽しげに笑う。
そもそも友美は、蜆を買いに来ただけなので、これ以上巻き込まれるのは、困るのである。
とりあえずその場を離れ、茶屋に。
膝付き合わせ話すことに閻魔大王と勇音は、なったが、重い空気に、獄卒は、吐き気がしていた。
「桜花も逃げたか……」
「彼女は、基本楽しいことが好きですから」
宇迦之御魂神の事だ。たぶん近所で楽しく遊んでいるはずだろう。
「で、閻魔大王理由とは??」
勇音は、さっそく切り込むと、閻魔大王は、茶をのみいう。
「あまりにもあっさり、罪を認めるし、さっぱりした男だからね。亡者達の事もうまくやれるし、彼の罪を償い方法としていいかなぁ~と思ってさ」
とりあえず至極全うな理由でホッとした。
「そうですか。ですがかかりすぎでは!?」
「人殺しだからね。あえて、業を消すのに、短命で畜生に行かすことも考えたけど、それには、惜しい人材だから。ならってね!!」
「そうですか……」
確かに待たされる方からすれば長い時ともいえたかもしれない。
「確かに、畜生で、殺され続けるのは、嫌かも」
「でしょう?? 僕もそれが嫌だったから、獄卒にしたの」
勇音は、さすが、閻魔大王と思いつつも、文句くらい言ってもいいかとも思えていた。
「小野篁さん元気です??」
燕青は、閻魔大王に質問を投げかけた。
「元気元気!! 補佐官として凄く頑張ってるよ!!」
「さすが、篁さん!! 久しぶりに会いてぇー」
といった時、隣から殺気が。
「地獄に行くとか言わないよね??」
「言わない言わない」
神は、怒らすと恐ろしい。
勇音に燕青は、慌てて言うと、勇音は、にっこり。
「よかった~違ったら、木乃伊にしてやろうと思った~」
「勝手に乾燥させないで!?」
「燕青いつでも逃げてきていいよ??」
「私をイザナミ様にしたいんですぅ??」
燕青と閻魔大王は、顔を青ざめる。
この女神黄泉比良坂の逆バージョンをするつもりかと。
「連れ戻す気満々??」
「当たり前~なんなら、地獄を壊滅させたい!!」
「燕青戻ってこないで!?」
「この世界の輪廻の理を壊したら、友美にどやされます!!」
「姫君なら笑顔で燕青と僕どちらの首も取りに来るねぇ……」
それは、困るなと勇音も思った。
「それは、駄目ですね……」
「おっ。やるのやめた??」
「とりあえず」
ということは、やる気も満々らしい。
「ですが今回こうして閻魔大王と話せてよかった。よかったら、これこ詫びに」
勇音は、木乃伊を閻魔大王に渡す。
「えっ!?」
しかしこれで受け取っておかなければ大変なことになりそうだ。
「ありがとう……」
あとで誰かに押し付けようと閻魔大王は、思った。
「いえ」
勇音は、少し気が済んだのか、立ち上がる。
「では、我々は、これで」
閻魔大王と獄卒に挨拶すると席をあとにた。
「じゃ俺もこれで、また閻魔様」
「またね燕青!!」
燕青も挨拶すると、席をあとにし、勇音と燕青は、店を後にした。
「はぁーしじみ汁!!」
浜辺を歩きながら、勇音は、体をのばす。
「ならこれから行く??」
「行く!! スーパーで買うのでいいから!!」
「よっしゃ!!」
とりあえずこれで少しは、デートが出来そうだ。
「私も!!」
と思ったが、桜花が表れ、そうもいかなくなった。
「お預けかよ!!」
「何が??」
「何もありません。とりあえずスーパー行きましょう!!」
勇音は、楽しげに微笑むと歩き出す。今回これて、とりあえず閻魔大王に少し困らせられたので、スッキリ。
後ろで、喧嘩する桜花と燕青をみて、勇音は、目を細めた。さて、これは、いつスーパーに行けるのか。しかしこれもまた楽しいこと。
勇音は、足取り軽く歩きだし、燕青と桜花もその後を追うのであった。