光明ノ神子2
暑さがましになり、朝は、涼しく過ごしやすい。
ごそごそと勇音は、布団から顔を出す。
「……8時……休みだからいいけど……寝坊した……」
何時もならもう少し早く起きるが今朝は、無理だった。なによりまったく動けない。
「……まぁいっか」
体の向きは、変えられるので、向きを変え、隣で寝ている燕青の方を見る。
まだ寝ている燕青に寝顔は、格好いいなと少し思った。
まさか自分がこうして朝を迎えるなんて思ってもいなかった。
「他の女神が言ってたけどこういうことなのね……」
ボソッと小声勇音は、言うと、顔が熱くなる。
そりゃ告白され、付き合うようになってから互いにいい歳なのでやることは、やる。
たぶん天津神が人に体を許したなんて知れると、気位だけは、高い高天ヶ原の神々が色々と苦言をたいしてこよう。
だが生憎コイツら、神の遣いであり神子だ。たぶんなにも言ってこないだろう。
「日頃は、私にふりまわされてる感じなのに……こういう時だけリードしてくるのよ……」
友美いわくまぁ男とは、そういうもんだ。らしい。
夜の余裕がなくでも何とかして優しくし接しようとしてくる時の燕青は、正直心の中で格好いいと思ってしまった。
勇音がぐるぐると昨晩のことを思いだし、アワアワしていると、不意に、腰を押さえられ、引き寄せられた。
「!?」
抱き締められ、そのまま朝を迎えたが、何故さらにくっつくことになるのか。
触れあう素肌と温もりに勇音の胸は、早鐘を打つ。
「なにかわいいことしてるんだ??」
寝起きの掠れた声で、燕青は、聞くと、勇音は、呟く。
「色々ずるい……」
「それは、そっちじゃん」
「私は、ずるくない……」
珍しく勇音が少し拗ねたように言った。こう言うところがずるいと燕青は、思う。
なんせ日頃の勇音は、ツンが強すぎる。そりゃそれは、自分のせいだ。
なにせ、800年近く彼女を待たせてしまったのだなら。
「そういうところだよ」
「……ふん」
ツンツンしている勇音に燕青は、苦笑い。
「まさか天照と同じで、勇音のツンは、朝には、復活するのか?? 夜は、素直なのに~」
勇音は、コイツと少し燕青に腹が立った。
一瞬股間を蹴飛ばしてやろうかとも考えたが、それだと色々困るのでここは、歳上の自分が我慢するということで、己の中で手をうった。
因みに珍しく勇音が全て顔に出していたので、燕青には、筒抜けである。
「本当にごめんな……」
燕青は、少し悲しげな声色でいう。
「なんでそんな……」
「そもそも俺が早く生まれ変われてたら勇音もそうならなかったじゃん??」
しかしそうもいなかった。生前の自分は、武家だ。ということで嫌でも人を斬る事になる。
他の者よりも人数は、少なかったが殺めた数だけ、罪は、重くなる。
あの世で罪を償い転生の機会をえられるまで長い時がかかったのだ。
「燕青からそんな言葉を聞くとは、思わなかった……」
「そりゃな……俺だって前世の記憶アリで、今回は、生まれてさ……記憶の中の女神がずっと待ってるとは、思わなかったし……そもそも巡りあえるとも思ってなかっし……なんなら、人を殺めてきた俺が神の遣いである神子に選ばれるとは、思わないじゃん??」
だからこそ今だからいえる。
「すげー寂しい想いさせて、辛い想いもさせてきたなって……」
普通それだけ人を殺めてきたのなら、畜生として生まれ、何度も殺され罪を償う事になる。
たぶん燕青は、そうして罪を償ってきたはずだ。何度も殺され生まれ、そしてまた殺される。
勇音からすればその方が辛く、苦しいと思う。しかし彼は、その事については、何も言わない。
「でも燕青は、何度も……」
燕青は、今ならいいかとようやく話す決意をし、言葉を紡ぐ。
「俺は、生き死にを何度もしてないだよなぁ」
「そうなの??」
「あぁ。色々あって閻魔庁でずっといたんだ」
「まさかの所……」
「だろ?? あまりにもあっさり全ての罪と業を認めたからってなんか温情措置ありで、俺の場合は、閻魔庁で働くことになって。そこから、ずっと働いてたわけ。でようやく転生の順番が回ってきたと思ったらこんなにも時間がなぁ……」
勇音は、生前の燕青の事も思い出しながら、それ、閻魔庁が彼を手放したくなかっただけでは、と本気で思ってしまった。
「私が黄泉に耐性あったら文句いいに行きたい……」
「まぁそうなるよな」
優しく燕青は、微笑むと、勇音の頬を撫でた。
「まぁでもいいじゃん。今こうして居られるんだしさ」
「確かにそうだけど……」
それでも彼を待ってる間とても寂しくて、悲しくて孤独を感じ、辛かったのも事実だ。
「とりあえず友美に何とかして閻魔大王に会えないか聞いてみるか……」
あれ。なにやら雲行きが怪しいことになってきたぞ。
これは、間違いなく文句をいいに行く気満々では。
「勇音やめとくという……ことは……」
「しない。だって閻魔大王も神といえば神だし、対等」
「なら今出雲じゃね??」
今は、神無月である。
「なら出雲まで文句をいいに行く」
これは、珍しく勇音が出雲に行くかもしれない。
なんせ彼女は、ここ最近出雲にまったく行かないからだ。
理由としては、神々が結局会議と称して、宴会してるだけだから。らしい。
「出雲かー久々にしじみ汁飲みたいぜ……」
と言いつつ時計を見て、驚く。
「えっ!? 九時まわってるじゃん!!」
休みだからいいが、これは、早く起きなくては。
服に手を伸ばそうとした時、勇音に邪魔された。
「勇音??」
「女神より自分なわけ??」
「あのーそこで女神ムーブだしてくるの卑怯」
ぷすんと勇音は、鼻から息を吐く。
「私に辛い想いをさせたと云うのならもっと甘えさせなさい」
「ツンツンし過ぎて、甘えてこないのそっちじゃん!!」
「今甘えたいの!!」
今だと勇音は、なんと燕青の上に乗り、布団の上に押し倒した。
頬が赤く染まり、少し気まずそうだが真っ直ぐに見てくる勇音に燕青は、驚くが愛おしさがこみあげた。
優しく彼女の頭をなで、空いた方の手で、勇音の腰に手をまわすと引き寄せた。
「えっ!?」
鼻が触れるか触れないかの距離に燕青の顔がある。
男らしいくも優しい顔つきに、勇音は少しこそばゆくなった。
「ならいくらでも甘えていいぞ~」
「ならやる……」
「えっ??」
「だから……お互い服着てないし……ちょうどいいからもう一回……」
燕青は、思わず突っ込んでしまった。
「レジ横に置いてるガムみたくついでってノリで誘っていいことじゃないぞ~」
「私がいいと云ってるんだからいいの!! 女神に従って!!」
本当に困った女神様である。しかしこれも惚れた男の弱みともいえるのだろう。
「分かった。でも本当にいいのか?? 店の方は……」
「昼から友美が来るけどそれまでは、いいの」
またなんというタイミングで来ることになっているのか友美が。
後で色々呆れられそうだなと燕青は、思いつつも、優しく勇音にキスをし、愛し待たせてしまった神をめいいっぱい甘えさせた。
「でだから勇音凄く髪の毛ボサボサなわけね」
約束の時間になり、薬問屋にやってきた友美は、アワアワと目の前で照れている勇音をあきれ顔で見ていた。
「……友美その……」
「まぁ分かるけど……勇音肉食か……」
「違います!!」
店の方から慌てる勇音の声が聞こえ、コーヒーを飲んでいた燕青は、思わず友美マジでそうと、同意していた。
「燕青おつ!!」
珍しく出てきた白銀の猿に燕青は、言った。
「もうそろそろ猿の姿から卒業してもいいんじゃね??」
猿は、微笑むと、美しい銀の髪女性に。
「しかし俺がウカってところを桜花って聞き間違え、それをそのままとりあえずの名にするのどうなんだよ!!」
女性は、にっこり微笑む。
「まぁいいじゃん!!」
「それと今更だけど、俺が他の女神と恋仲で問題ないの?? 桜花」
桜花は、薬問屋の方から聞こえてくる声に、耳を澄ませ、そして言った。
「私よりもあのこの方が先に燕青を見つけてたから。それに私は、君を恋人にするために遣いにしたんじゃない。君の性格があり方が太陽のようであり、私の権能と合うと思ったから神子にした」
「宇迦之御魂神のねぇ……」
桜花は、にっこり微笑む。
「私の眷属は、狐だからね。すぐにバレてしまう。猿の方が色々いいこともあるのさ」
「まぁ誰も猿が世にゆうお稲荷さんとは、思わないわよね」
友美が居間にやってきたので燕青は、驚いた。
「友美!?」
「とりあえずこれ、光から」
友美は、紙袋を燕青に渡す。
「この感じ、水郷ノ神子が作った滋養強壮剤かしら??」
「ウカ当たり」
ちなみに友美も桜花が、宇迦之御魂神と気付いたのは、ここ数年である。
「女神相手は、大変だろうって……」
「光それいう?? 現人神なのに??」
「まぁ半神相手だからそう言うんじゃない??」
友美と桜花がそう話すなか、燕青は、後でお礼を云っておこうと思った。
「まぁ頑張れ!!」
「ありがとう友美」
友美は、微笑むと店の方へと去っていった。
「私も力になるからね??」
「ありがとうございます桜花」
これもまた燕青が幸せになるのならと桜花は、にっこり。
本当に自分は、恵まれてるなと燕青は、思いつつ店の方から聞こえてくる勇音の声に耳をすませ、優しく微笑むのであった。
ごそごそと勇音は、布団から顔を出す。
「……8時……休みだからいいけど……寝坊した……」
何時もならもう少し早く起きるが今朝は、無理だった。なによりまったく動けない。
「……まぁいっか」
体の向きは、変えられるので、向きを変え、隣で寝ている燕青の方を見る。
まだ寝ている燕青に寝顔は、格好いいなと少し思った。
まさか自分がこうして朝を迎えるなんて思ってもいなかった。
「他の女神が言ってたけどこういうことなのね……」
ボソッと小声勇音は、言うと、顔が熱くなる。
そりゃ告白され、付き合うようになってから互いにいい歳なのでやることは、やる。
たぶん天津神が人に体を許したなんて知れると、気位だけは、高い高天ヶ原の神々が色々と苦言をたいしてこよう。
だが生憎コイツら、神の遣いであり神子だ。たぶんなにも言ってこないだろう。
「日頃は、私にふりまわされてる感じなのに……こういう時だけリードしてくるのよ……」
友美いわくまぁ男とは、そういうもんだ。らしい。
夜の余裕がなくでも何とかして優しくし接しようとしてくる時の燕青は、正直心の中で格好いいと思ってしまった。
勇音がぐるぐると昨晩のことを思いだし、アワアワしていると、不意に、腰を押さえられ、引き寄せられた。
「!?」
抱き締められ、そのまま朝を迎えたが、何故さらにくっつくことになるのか。
触れあう素肌と温もりに勇音の胸は、早鐘を打つ。
「なにかわいいことしてるんだ??」
寝起きの掠れた声で、燕青は、聞くと、勇音は、呟く。
「色々ずるい……」
「それは、そっちじゃん」
「私は、ずるくない……」
珍しく勇音が少し拗ねたように言った。こう言うところがずるいと燕青は、思う。
なんせ日頃の勇音は、ツンが強すぎる。そりゃそれは、自分のせいだ。
なにせ、800年近く彼女を待たせてしまったのだなら。
「そういうところだよ」
「……ふん」
ツンツンしている勇音に燕青は、苦笑い。
「まさか天照と同じで、勇音のツンは、朝には、復活するのか?? 夜は、素直なのに~」
勇音は、コイツと少し燕青に腹が立った。
一瞬股間を蹴飛ばしてやろうかとも考えたが、それだと色々困るのでここは、歳上の自分が我慢するということで、己の中で手をうった。
因みに珍しく勇音が全て顔に出していたので、燕青には、筒抜けである。
「本当にごめんな……」
燕青は、少し悲しげな声色でいう。
「なんでそんな……」
「そもそも俺が早く生まれ変われてたら勇音もそうならなかったじゃん??」
しかしそうもいなかった。生前の自分は、武家だ。ということで嫌でも人を斬る事になる。
他の者よりも人数は、少なかったが殺めた数だけ、罪は、重くなる。
あの世で罪を償い転生の機会をえられるまで長い時がかかったのだ。
「燕青からそんな言葉を聞くとは、思わなかった……」
「そりゃな……俺だって前世の記憶アリで、今回は、生まれてさ……記憶の中の女神がずっと待ってるとは、思わなかったし……そもそも巡りあえるとも思ってなかっし……なんなら、人を殺めてきた俺が神の遣いである神子に選ばれるとは、思わないじゃん??」
だからこそ今だからいえる。
「すげー寂しい想いさせて、辛い想いもさせてきたなって……」
普通それだけ人を殺めてきたのなら、畜生として生まれ、何度も殺され罪を償う事になる。
たぶん燕青は、そうして罪を償ってきたはずだ。何度も殺され生まれ、そしてまた殺される。
勇音からすればその方が辛く、苦しいと思う。しかし彼は、その事については、何も言わない。
「でも燕青は、何度も……」
燕青は、今ならいいかとようやく話す決意をし、言葉を紡ぐ。
「俺は、生き死にを何度もしてないだよなぁ」
「そうなの??」
「あぁ。色々あって閻魔庁でずっといたんだ」
「まさかの所……」
「だろ?? あまりにもあっさり全ての罪と業を認めたからってなんか温情措置ありで、俺の場合は、閻魔庁で働くことになって。そこから、ずっと働いてたわけ。でようやく転生の順番が回ってきたと思ったらこんなにも時間がなぁ……」
勇音は、生前の燕青の事も思い出しながら、それ、閻魔庁が彼を手放したくなかっただけでは、と本気で思ってしまった。
「私が黄泉に耐性あったら文句いいに行きたい……」
「まぁそうなるよな」
優しく燕青は、微笑むと、勇音の頬を撫でた。
「まぁでもいいじゃん。今こうして居られるんだしさ」
「確かにそうだけど……」
それでも彼を待ってる間とても寂しくて、悲しくて孤独を感じ、辛かったのも事実だ。
「とりあえず友美に何とかして閻魔大王に会えないか聞いてみるか……」
あれ。なにやら雲行きが怪しいことになってきたぞ。
これは、間違いなく文句をいいに行く気満々では。
「勇音やめとくという……ことは……」
「しない。だって閻魔大王も神といえば神だし、対等」
「なら今出雲じゃね??」
今は、神無月である。
「なら出雲まで文句をいいに行く」
これは、珍しく勇音が出雲に行くかもしれない。
なんせ彼女は、ここ最近出雲にまったく行かないからだ。
理由としては、神々が結局会議と称して、宴会してるだけだから。らしい。
「出雲かー久々にしじみ汁飲みたいぜ……」
と言いつつ時計を見て、驚く。
「えっ!? 九時まわってるじゃん!!」
休みだからいいが、これは、早く起きなくては。
服に手を伸ばそうとした時、勇音に邪魔された。
「勇音??」
「女神より自分なわけ??」
「あのーそこで女神ムーブだしてくるの卑怯」
ぷすんと勇音は、鼻から息を吐く。
「私に辛い想いをさせたと云うのならもっと甘えさせなさい」
「ツンツンし過ぎて、甘えてこないのそっちじゃん!!」
「今甘えたいの!!」
今だと勇音は、なんと燕青の上に乗り、布団の上に押し倒した。
頬が赤く染まり、少し気まずそうだが真っ直ぐに見てくる勇音に燕青は、驚くが愛おしさがこみあげた。
優しく彼女の頭をなで、空いた方の手で、勇音の腰に手をまわすと引き寄せた。
「えっ!?」
鼻が触れるか触れないかの距離に燕青の顔がある。
男らしいくも優しい顔つきに、勇音は少しこそばゆくなった。
「ならいくらでも甘えていいぞ~」
「ならやる……」
「えっ??」
「だから……お互い服着てないし……ちょうどいいからもう一回……」
燕青は、思わず突っ込んでしまった。
「レジ横に置いてるガムみたくついでってノリで誘っていいことじゃないぞ~」
「私がいいと云ってるんだからいいの!! 女神に従って!!」
本当に困った女神様である。しかしこれも惚れた男の弱みともいえるのだろう。
「分かった。でも本当にいいのか?? 店の方は……」
「昼から友美が来るけどそれまでは、いいの」
またなんというタイミングで来ることになっているのか友美が。
後で色々呆れられそうだなと燕青は、思いつつも、優しく勇音にキスをし、愛し待たせてしまった神をめいいっぱい甘えさせた。
「でだから勇音凄く髪の毛ボサボサなわけね」
約束の時間になり、薬問屋にやってきた友美は、アワアワと目の前で照れている勇音をあきれ顔で見ていた。
「……友美その……」
「まぁ分かるけど……勇音肉食か……」
「違います!!」
店の方から慌てる勇音の声が聞こえ、コーヒーを飲んでいた燕青は、思わず友美マジでそうと、同意していた。
「燕青おつ!!」
珍しく出てきた白銀の猿に燕青は、言った。
「もうそろそろ猿の姿から卒業してもいいんじゃね??」
猿は、微笑むと、美しい銀の髪女性に。
「しかし俺がウカってところを桜花って聞き間違え、それをそのままとりあえずの名にするのどうなんだよ!!」
女性は、にっこり微笑む。
「まぁいいじゃん!!」
「それと今更だけど、俺が他の女神と恋仲で問題ないの?? 桜花」
桜花は、薬問屋の方から聞こえてくる声に、耳を澄ませ、そして言った。
「私よりもあのこの方が先に燕青を見つけてたから。それに私は、君を恋人にするために遣いにしたんじゃない。君の性格があり方が太陽のようであり、私の権能と合うと思ったから神子にした」
「宇迦之御魂神のねぇ……」
桜花は、にっこり微笑む。
「私の眷属は、狐だからね。すぐにバレてしまう。猿の方が色々いいこともあるのさ」
「まぁ誰も猿が世にゆうお稲荷さんとは、思わないわよね」
友美が居間にやってきたので燕青は、驚いた。
「友美!?」
「とりあえずこれ、光から」
友美は、紙袋を燕青に渡す。
「この感じ、水郷ノ神子が作った滋養強壮剤かしら??」
「ウカ当たり」
ちなみに友美も桜花が、宇迦之御魂神と気付いたのは、ここ数年である。
「女神相手は、大変だろうって……」
「光それいう?? 現人神なのに??」
「まぁ半神相手だからそう言うんじゃない??」
友美と桜花がそう話すなか、燕青は、後でお礼を云っておこうと思った。
「まぁ頑張れ!!」
「ありがとう友美」
友美は、微笑むと店の方へと去っていった。
「私も力になるからね??」
「ありがとうございます桜花」
これもまた燕青が幸せになるのならと桜花は、にっこり。
本当に自分は、恵まれてるなと燕青は、思いつつ店の方から聞こえてくる勇音の声に耳をすませ、優しく微笑むのであった。