光明ノ神子2
「アニメの舞台化って凄いわねぇ……」
たまたまリビングで、特集番組を友美は、観ていたが、その凄さに驚いていた。
今流行りの2.5次元。いわば、アニメやゲームの舞台演劇の事である。
「へぇーここまでキャラに寄せれるのか……」
番組では、こだわりや演じる俳優に関してすごく詳しくされていた。
こりゃこんなイケメンがするならはまるなと友美は、思いつつ観ていると、光が和室からやってきた。
「友美が2.5次元の特集を観ている!?」
と珍しさから光は、驚く。
「だってすごいもん!!」
友美は、瞳をキラキラとさせた。
「キャラへのこだわりや解釈。世界観の構築から、それをどう落とし込むかまで本当にすごい!!」
光は、特集を観ながら、呟く。
「このシリーズは、そうだな」
「シリーズ??」
「制作チームや会社でけっこう変わるんだ」
光は、友美のとなりに座るのいう。
「昔から実写化は、当たり外れが大きいからな……」
「ドラマや映画は、よく聞くよね」
成功している実写もあるが、ハズレている実写もすごく多い。
だからこそ、ファンも舞台化や実写化ときくと、手厳しくなる。
「そう。で2.5次元は、更に過酷とも言えるんだ」
友美は、くびをかしげた。
「なんで??」
「ドラマで本来10話で構成するものを二時間、三時間くらいで、構成しなければ、ならない場合もあるんだ」
友美は、想像してみた。
確かにドラマ10話でゆっくりかつ的確に伏線を張り巡らせ、回収するところを舞台では、的確にそれをやり、無駄を省きながら、作品のよさと原作らしさを出さなくては、いけない。
「シナリオライターや脚本家の腕がなりそう……」
「それもそれで大変なんだ」
「そっか。間に編集や監督、ディレクターとか色々入るものね!!」
直接原作者とやり取りが出きるのならともかく、そうもいかないのが世の定め。
伝言ゲームは、基本どこかでずれていく。そうなると、原作と舞台脚本の解離が発生してしまう。
「そういうこと。直接やり取りをする場合や原作者が最終確認をする場合もあるがなかなか少ないかな」
「原作者も忙しいものね」
「そういうこと」
テレビの特集が終わり、友美は、リモコンでテレビを消した。
「もう観ないの??」
「観たいものないしねー」
其よりも今は、友美は、舞台の方が気になっていた。
「舞台か~」
「観に行きたいのか??」
光は、なんとなく聞いてみたが友美は、首を横にふる、
「別に観たいわけじゃないけれど、すごいなって思ってね」
たぶん観たところで友美は、寝てしまう。それほどに興味がない。
しかしそれだけの障害がありながらも皆懸命に作り上げるというところに惹かれるのだ。
「何事も困難は、付き物。それを踏まえ、皆で協力していいものを作り上げる。そこがすごいと思うし、その過程が素敵」
光は、友美は、そういう人間だったなと思い微笑む。
「昔から友美は、職人がその技術で作り上げる過程が好きだったな」
「なんか完成したものよりも私は、そっちが好きなのよね」
もちろん完成した作品も好きだが、ここには、友美個人の好みも入ってくる。
「完成した作品は、私の好き嫌いで判断しちゃうからねぇ。せっかく舞台を観に行っても、私が興味ないと勿体ない!! なら観たい人に観てもらえた方が舞台を作り上げてるスタッフも俳優や女優も喜ぶと思うわ」
「そっか」
光は、優しく目を細めると、友美の頭を撫でる。
「友美のそういうところけっこう好きだ」
「ありがとう」
たぶん物事の本質を見ることが出来る友美だからこそなのかもしれないが。
「何事も過程と結果がある。もちろん結果がよければそれでいいと思うの。でも結果が駄目でもその過程は、間違いなく力になる」
何事も結果もだが、過程がとても重要と友美は、思う。
「本当に子供の頃から友美は、結果も見るけど過程を大切にするね」
光は、友美の幼い頃を知っている。何より一緒に過ごしてきた。
友美が幼い頃は、色々失敗していたがその度に、悔しがりつつも、その過程を確りと見て、そしてよくいっていた。
『でもこの経験は、次にいかせる!!』
と。
「友美より歳上だったが、毎回友美が次にいかせる。無駄じゃないと言ってるのを隣で見ていて、凄いと俺は、思ってた。だって俺には、それがなかなか出来なかったから」
友美は、少し驚く。
「光出来てたと思ったけど……」
「出来てないさ。でも友美には、頼って欲しいから背伸びしていたかも」
まだまだ幼い少女には、年相応に過ごして欲しい。となると、光が頼られように頑張るしかない。
「頼って欲しいねぇ……」
十分頼っていたと友美は、思うが光からすればまったく、頼られてないと感じていた。
友美は、自嘲する。
「私は、間違いなく光に助けられてたわ……この命が終わりかけた時もね」
それにあそこまで真っ直ぐに、突き進めるなんて、友美は、思ってもいなかった。
「私は、光を正直甘く見てた」
「えっ!?」
「貴族の跡取りだし、けっこうヘタレだと思ってたのよ。それがまさか私を庇って化け狐の前に飛び出しと、死にかけて、そのままポックリいかずに、神に全てを捧げるから、力を貸せって生きさせてくれ!! って普通頼めないわよ??」
光は、苦笑い。今思うに水郷が相手でほっとしてる。他の神ならもっと悲惨なことになっていたかもしれないからだ。
「アハハ……」
「でも……それだけの覚悟と強さがあったからこそ出来たこと。本当に光ってすごい」
友美は、愛おしそうに光を見て微笑む。
「友美……」
惚れた女をみすみす逃すなんてこと光には、出来なかった。
もっとかっこいい理由ならばかっこもつけれたが、このかっこいい友美相手には、それすらも霞む。
「俺は、生憎強欲だから。みすみす惚れた女性を手放すことなんて出来ない。なら俺に出来ることは、全てをかけ、手に入れるだけ」
「それは、あれって……本当に光って……」
友美は、あきれた顔に。
「その魂本当に愛に真っ直ぐ」
「それが取り柄ですから」
光は、そういうと笑い、友美を抱き締めた。
「だって友美が白野威の件で転生すると決めて、あとを追いかけたくらいだぞ?? 全てかけて」
そう言われたらなにもいえない。
正直白野威を甦らせ、この器が壊れ、本来の体に戻れば彼にとっては、よかったはずだ。
待つにしてもたった15年。神にとっては、とても短い時間のはず。
なのに煌は、それをせず、一か八かのかけをし、自分も一時的に人に生まれる選択をした。
「確かに」
友美は、光を抱き締めかえし、彼の香りを感じた。
「柔軟剤……」
沈香の香りならよかったが生憎今は、洋服だ。
「柔軟剤いい香りだろ!?」
「シトラスだしまぁ……うん」
フローラルな香りよりは、いいかと友美は、思ったがそれでも昔嗅いでいた沈香を感じたいと思っていた。
「光沈香を使ってよ!!」
我が間を友美は、いうが、光は、そんな友美すら可愛いと思っていた。
「可愛い~」
「光!?」
ほっぺをすりすりされ、友美は、思う。髭いたいなと。
「髭剃れ」
「髭は、脱毛してるぞ」
「なら髪の毛か……」
にしても自分よりも女子力が高いなと友美は、思っていた。
「髪は、許して……友美みたいにスキンヘッド似合わないから……」
友美は、じみにスキンヘッドも似合うので、ある意味すごいなと光は、初めて見たとき時思っていた。
「河童ハゲなら許すけど、前からは、確かにきついか……でも男性って剥げるのよね……高確率で」
「そこは、神子だからはげないー!!」
友美は、そうかと思いつつとりあえず仕返しにと、光のほっぺにキスをした。
「友美!!」
「ちょっと光!?」
仕返しのつもりが光に優しく頬にキスをされかえされてしまった。
「もう可愛い~」
「光なんか今日は、甘えん坊……」
「最近我慢してたからな!?」
友美は、そう言えばそうかと思ってしまった。
「俺だって甘えたい!!」
切実に光は、訴えてくるので、友美は、思わず笑う。
「夜もレスじゃないのに??」
「それとこれは、別!!」
光は、不満げに言うと、友美は、しかたがないと、光の頭を優しく撫でた。
「なら甘えさせてあげる」
「ありがとう~」
こうして友美に触れられることがどれだけ幸せに感じられか。
光は、沈丁花の香りと温もりを感じながら、友美の肩に顔を埋めた。
「光暑い」
「……友美我慢!!」
「えっ!?」
これは、しばらく堪能させた方がいいのかもしれない。
友美は、ため息をつくと、優しく微笑み、光の頭を撫でるのであった。
とても幸せそうな顔をしながら。こういうのもまぁいいかとも思いながら。
たまたまリビングで、特集番組を友美は、観ていたが、その凄さに驚いていた。
今流行りの2.5次元。いわば、アニメやゲームの舞台演劇の事である。
「へぇーここまでキャラに寄せれるのか……」
番組では、こだわりや演じる俳優に関してすごく詳しくされていた。
こりゃこんなイケメンがするならはまるなと友美は、思いつつ観ていると、光が和室からやってきた。
「友美が2.5次元の特集を観ている!?」
と珍しさから光は、驚く。
「だってすごいもん!!」
友美は、瞳をキラキラとさせた。
「キャラへのこだわりや解釈。世界観の構築から、それをどう落とし込むかまで本当にすごい!!」
光は、特集を観ながら、呟く。
「このシリーズは、そうだな」
「シリーズ??」
「制作チームや会社でけっこう変わるんだ」
光は、友美のとなりに座るのいう。
「昔から実写化は、当たり外れが大きいからな……」
「ドラマや映画は、よく聞くよね」
成功している実写もあるが、ハズレている実写もすごく多い。
だからこそ、ファンも舞台化や実写化ときくと、手厳しくなる。
「そう。で2.5次元は、更に過酷とも言えるんだ」
友美は、くびをかしげた。
「なんで??」
「ドラマで本来10話で構成するものを二時間、三時間くらいで、構成しなければ、ならない場合もあるんだ」
友美は、想像してみた。
確かにドラマ10話でゆっくりかつ的確に伏線を張り巡らせ、回収するところを舞台では、的確にそれをやり、無駄を省きながら、作品のよさと原作らしさを出さなくては、いけない。
「シナリオライターや脚本家の腕がなりそう……」
「それもそれで大変なんだ」
「そっか。間に編集や監督、ディレクターとか色々入るものね!!」
直接原作者とやり取りが出きるのならともかく、そうもいかないのが世の定め。
伝言ゲームは、基本どこかでずれていく。そうなると、原作と舞台脚本の解離が発生してしまう。
「そういうこと。直接やり取りをする場合や原作者が最終確認をする場合もあるがなかなか少ないかな」
「原作者も忙しいものね」
「そういうこと」
テレビの特集が終わり、友美は、リモコンでテレビを消した。
「もう観ないの??」
「観たいものないしねー」
其よりも今は、友美は、舞台の方が気になっていた。
「舞台か~」
「観に行きたいのか??」
光は、なんとなく聞いてみたが友美は、首を横にふる、
「別に観たいわけじゃないけれど、すごいなって思ってね」
たぶん観たところで友美は、寝てしまう。それほどに興味がない。
しかしそれだけの障害がありながらも皆懸命に作り上げるというところに惹かれるのだ。
「何事も困難は、付き物。それを踏まえ、皆で協力していいものを作り上げる。そこがすごいと思うし、その過程が素敵」
光は、友美は、そういう人間だったなと思い微笑む。
「昔から友美は、職人がその技術で作り上げる過程が好きだったな」
「なんか完成したものよりも私は、そっちが好きなのよね」
もちろん完成した作品も好きだが、ここには、友美個人の好みも入ってくる。
「完成した作品は、私の好き嫌いで判断しちゃうからねぇ。せっかく舞台を観に行っても、私が興味ないと勿体ない!! なら観たい人に観てもらえた方が舞台を作り上げてるスタッフも俳優や女優も喜ぶと思うわ」
「そっか」
光は、優しく目を細めると、友美の頭を撫でる。
「友美のそういうところけっこう好きだ」
「ありがとう」
たぶん物事の本質を見ることが出来る友美だからこそなのかもしれないが。
「何事も過程と結果がある。もちろん結果がよければそれでいいと思うの。でも結果が駄目でもその過程は、間違いなく力になる」
何事も結果もだが、過程がとても重要と友美は、思う。
「本当に子供の頃から友美は、結果も見るけど過程を大切にするね」
光は、友美の幼い頃を知っている。何より一緒に過ごしてきた。
友美が幼い頃は、色々失敗していたがその度に、悔しがりつつも、その過程を確りと見て、そしてよくいっていた。
『でもこの経験は、次にいかせる!!』
と。
「友美より歳上だったが、毎回友美が次にいかせる。無駄じゃないと言ってるのを隣で見ていて、凄いと俺は、思ってた。だって俺には、それがなかなか出来なかったから」
友美は、少し驚く。
「光出来てたと思ったけど……」
「出来てないさ。でも友美には、頼って欲しいから背伸びしていたかも」
まだまだ幼い少女には、年相応に過ごして欲しい。となると、光が頼られように頑張るしかない。
「頼って欲しいねぇ……」
十分頼っていたと友美は、思うが光からすればまったく、頼られてないと感じていた。
友美は、自嘲する。
「私は、間違いなく光に助けられてたわ……この命が終わりかけた時もね」
それにあそこまで真っ直ぐに、突き進めるなんて、友美は、思ってもいなかった。
「私は、光を正直甘く見てた」
「えっ!?」
「貴族の跡取りだし、けっこうヘタレだと思ってたのよ。それがまさか私を庇って化け狐の前に飛び出しと、死にかけて、そのままポックリいかずに、神に全てを捧げるから、力を貸せって生きさせてくれ!! って普通頼めないわよ??」
光は、苦笑い。今思うに水郷が相手でほっとしてる。他の神ならもっと悲惨なことになっていたかもしれないからだ。
「アハハ……」
「でも……それだけの覚悟と強さがあったからこそ出来たこと。本当に光ってすごい」
友美は、愛おしそうに光を見て微笑む。
「友美……」
惚れた女をみすみす逃すなんてこと光には、出来なかった。
もっとかっこいい理由ならばかっこもつけれたが、このかっこいい友美相手には、それすらも霞む。
「俺は、生憎強欲だから。みすみす惚れた女性を手放すことなんて出来ない。なら俺に出来ることは、全てをかけ、手に入れるだけ」
「それは、あれって……本当に光って……」
友美は、あきれた顔に。
「その魂本当に愛に真っ直ぐ」
「それが取り柄ですから」
光は、そういうと笑い、友美を抱き締めた。
「だって友美が白野威の件で転生すると決めて、あとを追いかけたくらいだぞ?? 全てかけて」
そう言われたらなにもいえない。
正直白野威を甦らせ、この器が壊れ、本来の体に戻れば彼にとっては、よかったはずだ。
待つにしてもたった15年。神にとっては、とても短い時間のはず。
なのに煌は、それをせず、一か八かのかけをし、自分も一時的に人に生まれる選択をした。
「確かに」
友美は、光を抱き締めかえし、彼の香りを感じた。
「柔軟剤……」
沈香の香りならよかったが生憎今は、洋服だ。
「柔軟剤いい香りだろ!?」
「シトラスだしまぁ……うん」
フローラルな香りよりは、いいかと友美は、思ったがそれでも昔嗅いでいた沈香を感じたいと思っていた。
「光沈香を使ってよ!!」
我が間を友美は、いうが、光は、そんな友美すら可愛いと思っていた。
「可愛い~」
「光!?」
ほっぺをすりすりされ、友美は、思う。髭いたいなと。
「髭剃れ」
「髭は、脱毛してるぞ」
「なら髪の毛か……」
にしても自分よりも女子力が高いなと友美は、思っていた。
「髪は、許して……友美みたいにスキンヘッド似合わないから……」
友美は、じみにスキンヘッドも似合うので、ある意味すごいなと光は、初めて見たとき時思っていた。
「河童ハゲなら許すけど、前からは、確かにきついか……でも男性って剥げるのよね……高確率で」
「そこは、神子だからはげないー!!」
友美は、そうかと思いつつとりあえず仕返しにと、光のほっぺにキスをした。
「友美!!」
「ちょっと光!?」
仕返しのつもりが光に優しく頬にキスをされかえされてしまった。
「もう可愛い~」
「光なんか今日は、甘えん坊……」
「最近我慢してたからな!?」
友美は、そう言えばそうかと思ってしまった。
「俺だって甘えたい!!」
切実に光は、訴えてくるので、友美は、思わず笑う。
「夜もレスじゃないのに??」
「それとこれは、別!!」
光は、不満げに言うと、友美は、しかたがないと、光の頭を優しく撫でた。
「なら甘えさせてあげる」
「ありがとう~」
こうして友美に触れられることがどれだけ幸せに感じられか。
光は、沈丁花の香りと温もりを感じながら、友美の肩に顔を埋めた。
「光暑い」
「……友美我慢!!」
「えっ!?」
これは、しばらく堪能させた方がいいのかもしれない。
友美は、ため息をつくと、優しく微笑み、光の頭を撫でるのであった。
とても幸せそうな顔をしながら。こういうのもまぁいいかとも思いながら。