光明ノ神子2

 7月になり、更に暑くなった。
「モアそういえば最近帰ってるの??」
 涼しい友美の家のリビングでは、珍しくモアが遊びに来ていた。
「高天ヶ原ですか??」
「違う違う」
 コーヒーを飲みながら、そんな話をするなか、モアは、少しだけ懐かしいことを思い出していた。
「久しぶりに帰ってみるのもいいかもしれませんね……」
 懐かしい風吹き行ける平原と森そして青い海と空。しかし一夜にしてすべて失われてしまった。
 戦火にすべて焼き払われてしまったからだ。
「といっても私の神殿は、ありませんけど」
 友美のなかである女神がうんうんとうなづいていた。
 話しには、聞いたことなあったがそうとう酷い惨状だったのかもしれない。
「モアは、ローマ?? それともギリシャ??」
「どっちもどっちで混ざってるのでなんとも……とりあえずその辺りとだけ!!」
 ギリシャ神話に強い影響を受けたのがローマ神話であり、共通の神々が出てくることも。
 その属性もギリシャ神話に類似していたりもする。
「だからその辺りか……」
「はい」
 友美は、今行ったから暑いだろうなとも思いながらも久しぶりにあの海を見たい気もした。
「よし!! モア行こうよ!!」
「え?? どこに……」
「エーゲ海!!」
 モアは、友美は、自分を想って誘ってくれていると感じ、ここは、彼女の誘いに乗ることに。
「はい!!」
「なら早速」
「行きましょう!!」
 ということで友美とモアは、支度をすると、そのままミレイの神殿に向かったが。
 神殿に着き何故か女官や従者達が友美を見たとたん皆は、平伏し出した。
「なんで!?」
「そりゃカオス様並みの神霊が来たらな??」
「コンラット」
 柱の影からコンラットは、出てくると、友美の姿を見て、そりゃなという感じで行った。
「蒼天ノ衣古代ギリシャ、ローマバージョンは、駄目と!?」
「そもそもこの世界で根源は、カオス様。それに匹敵する気配と、星空の気配をするやつには、そりゃ平伏もする」
 友美は、この時内心叫んでいた。
(夢珠!! 聞いてた話しと違う~!!!!)
 そんな友美の声を聞き夢珠は、にっこり微笑んでいた。
「天之御中主神は、お茶目ですからね……」
「まぁな」
 コンラットは、懐かしい衣に身を包むモア見ていう。
「その服装だと、女神ルーナ様だ」
「ありがとうございます。神殿がなくなっても権能は、そのままのようです」
「そのようだ」
 しかし何故また戻ってきたのだろうか。
「ミレイに謁見か?? ルーナ」
「いえ。私は、ただ久しぶりにこの世界を見たくなっただけです」
 モアは、微笑みいうと、友美を見た。
「姫の提案ってわけか」
「はい」
 ある意味そこら、昔から彼女らしいところであるなと、コンラットは、思った。
「コンラット何があったの!!!」
 ミレイが3階の窓から身をのりだし、叫ぶ。
 コンラットは、溜め息を着くと、指差した。
 そこには、微笑むモアと何故か落ち込んでるぞ友美が。
「はぁ!!??」
「友美まぁ落ち込むなって」
 とうとう白野威まで、出てきて、ミレイは、開いた口が塞がらない。
「コンラット連れてきてー!!!!」
 バタンっと閉められた窓を見、コンラットは、いう。
「だとさ」
「分かりました」
 しかしこっちが問題だ。
「五月蝿いー!!!!」
「グリグリやめてー!!!」
 おでこを友美にグリグリされ、白野威は、泣いていた。
「あのコンビ本当に元気だ……」
「そうですよね!! ふふふ」
 とりあえず友美と白野威を置いてミレイの執務室に行く。
 大理石で出来た階段を登り、宮殿三階のミレイの執務室に着くと、コンラットは、ノックをし、扉を開けた。
「ミレイ連れてきたぞ」
 コンラットは、そういい中に入ると、モアも共に執務室に。
「モアいきなりきてビックリしたわ!!」
 ミレイは、モアの所まで来るとそう言う。
「これが、私ですから!!」
「で今日は、なんできたの??」
「久しぶりに故郷を感じたくて。友美が提案してくれました」
 ミレイは、友美らしいなと思った時、友美が白野威と執務室に入ってきた。
「姫来たか」
「そりゃ来ますよ!!」
 友美は、コンラットにそういうと、ミレイに話しかける。
「ミレイいきなりでごめん!! モアに久しぶりに帰郷してもらいたくて、来てしまったの!!」
「モアから聞いてたわ。にしても友美その気配で来なくても……」
 ミレイも普段よりも友美の気配が露骨に感じられ、少し気になったらしい。
「オリュンポスの神対策。すくなくともこれだけ強い気配だと牽制できるでしょう??」
 日頃抑えている気配をあえて少し解放している理由。ミレイは、納得出来た。
「お母様よりも強い気配……そりゃあのゼウスにカオスには、手を出してない。そりゃ牽制には、なるわね」
「でしょう?? それに気配抑えててゼウスに拐われたしね??」
 あの時は、困ったものだ。少し変わった娘がいるとゼウスの興味本意でオリュンポスに連れていかれ。
「友美なんか凄いことになってません??」
「モアまぁね。でも気配全解放したら、ヤベ!! ってすぐに解放された~」
 と呑気に友美は、いうが光と白野威と友美が、大暴れして、オリュンポスが大変なことになった。
「モアまぁそう思ってて。いろいろあったけど」
「オリュンポスまだ復興できてないしなぁ……まぁ姫と光がオリュンポスの大元をぶったぎったせいで……凄い被害が出たし……」
 まぁ創造神を二柱怒らせた割には、被害は、ましだったといえるかもしれない。
「あらま……」
 としかモアも言えなかったが、正直いいきみだとも感じていた。
 モアの納めていた領地は、ゼウスとテューポーンの戦で戦火にのまれてしまったからだ。
「とりあえずモアおかえりなさい」
「ありがとうございますミレイ様」
「心残りのないように」
「はい」
 モアは、ミレイにそういい、その後友美と執務室を後にした。

「モア空飛べるのね」
  青い空の下友美は、白野威の背にのり、そのとなりを、モアは、飛んでいた。
「戻ってきてから権能が動いてるみたいです友美」
 しかし飛べる友美が飛んでないことが気になる。
「友美は、飛ばないんですか??」
「力の温存」
「なるほど」
 確かに何かあった場合友美が全力を出すとなると少しでも力を置いておきたい。
「白野威様後少しです」
「分かったよ」
 モアは、そういうと、地に降り、白野威も降りる。
「瓦礫のやまだね……」
「この崩れた瓦礫が私の神殿でした」
 モアは、石階段を登り、白い瓦礫となった柱触れた。
「ここが……」
 友美も白野威の背から降り辺りを見る。
「人の気配とかなさそう……」
「だろうね友美」
 たぶんここは、もう誰もいないのだろう。
「もう少し辺りを歩いてみましょう」
「そうだね」
 友美と白野威は、うなづく。
 その後もしばらく歩いたが、あったのは、朽ちた民家や放置された畑しかなかった。
「さすがに森は、復活してるけど……」
「すべてもとどうりとは、いかんわな……」
 モアも頷く。
「そうですね友美、白野威様」
 しかしなんだろうか。この懐かしい感覚は。
「モアあれ……新しい祠じゃない??」
 友美の指差す方には、オリーブの木の下に小さな祠が。
 モアたちは、その祠の前に行く。
「この気配……月の気配……」
「誰かが信仰のために立てた感じだね」
 白野威と友美がそう話すなか、モアは、驚いた顔をし、その祠に手を伸ばす。
「これでした……」
 遥か昔の記憶が思い出される。
 モアは、目を細めるという。
「ありがとう。しっかりと気持ちは、受け取りました」
 モアは、オリーブの木を見上げそしていう。
「友美今日は、これて、よかった」
「ならよかったわ」
 友美は、優しく微笑む。
「せっかくだし海も見てい来ましょう!!」
「だね!!」
 その後友美達は、海も見に行き、ひとしきり、波打ち際で話をすると、そのまま帰路に着いた。
 モアは、その後家に帰ると、思う。
 怖くて帰ってこなかった。でも今回帰ってこれてよかった。
「まだ私を信仰する人がいたなんて……」
 まだ故郷にも自分の居場所があったんだ。
「時々帰るのもありかもしれない……」 
 モアは、そういうと、微笑み、空に浮かぶ月を見るのであった。
 とても優しい顔をして、嬉しそうに。




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