光明ノ神子2

 しとしとと雨が降る梅雨のある日。友美は、100円ショップに来ていた。
「計量カップこれでいいわよね」
 家で使っていた計量カップが割れ、光と相談し、今回は、100円ショップの物にすることにしたのだ。
 キッチンコーナーで耐熱の計量カップを手に取り、耐熱温度を確認すると友美は、頷きかごに入れる。
「友美にしてもオーブントースターに計量カップ入れてたこと忘れて焼く?? 普通……」
 影から白野威に話しかけられ、友美の笑顔が凍りついた。
「アハハ知らなーい。でも私は、やったから~」
 そう。友美は、やった。
 オーブントースターに計量カップをとりあえず放り込みそのまま使い、気づいたときには、芸術的なオブジェがオーブントースターの中で、出来上がっていた。
「光にも笑われたし!!」
 昨晩の光は、腹を抱え、凄く笑っていた。
 自分の失態なのだが、思い出すだけで腹が立つ。
「くっ……光もやるかもしれないじゃない!!」
「そもそもオーブントースターに計量カップ入れない」
 友美は、嫌でもこれには、納得できた。
「白野威間違いない!!」
 光ならそんなことしないだろう。
 友美は、わが夫は、流石だなとそんなことで、光を見直していた。
「とりあえずこれでいいとして、後は……」
 他に必要なものを買おう。
 友美は、その後排水口のネットや必要なものを買うと、店内をぶらぶら。
 他に新しいものがないかと見ているとひと目にはいった。
「反射板??」
 しかしその反射板は、キーホルダーのように、丸いシリコンがつけられ、ゆらゆらと揺れていた。
「なにに使うのかしら??」
 友美はその商品を手に取る。
「友美それなに??」
 普通の人には、見えないようにし、白野威が影からでてきた。
 商品を見て、しばらく沈黙が。
「傘に付けるみたいね」
「この丸いシリコンを持ち手付けると??」
 友美は、頷く。
「目印兼反射板か~可愛い」
 他にも傘の骨の先に付ける反射板等も売られていた。
「これは、磁石になってて簡易の傘立てになるのね。金属につけると」
 確かに雨の日こうして出先でも笠を簡易でも独立するものがあるの助かる。
「ベビーカー押してた時とか、小さいこと出かけるときに欲しかった……」
「今使えば……」
「白野威今は、もう全自動育児機旦那が動くから」
 なんなら、友美より先行して子供達を見てくれている。
「……光のこと凄い言い方してるな!?」
「光がそれだけ凄いのよ」
 友美は、そういうと商品をもとに戻した。
「あっ。このポーチ光好きそう……」
 友美は、シマエナガのポーチを見つけ、かごに。
「なんやかんなこんなんだから光も友美が好きなんだろうなぁ~」
「へ??」
「なにもないよ」
 夜も熱々なこの夫婦。白野威からすればそれがいいのだが、反対に世間の夫婦とは、と気になるところもあった。
 友美は、セルフレジで会計をすませ、ポイントが当たったと喜ぶ。
「ポイント貯まったら光の好きなスイーツ買える……」
「本当に好きだねぇ」
 友美は、優しく微笑むと、エコバッグに買ったものをつめた。
「そりゃね」
 その後友美と白野威は、100円ショップ。あとにし、傘を指しながら、雨の中を友美は、歩いた。
「??」
 スマホが鳴っていることに気づき、友美は、でる。
「はーい」
「友美!! ケーキ要る??」
 光の弾んだ声が聞こえ、これは、断ったら、帰ってきてから大変だ。
「要る」
「オッケー!!」
 光は、そういうと、電話を切った。
「今夜は、紅茶少しいいのにするか」
「おっ!! 光がケーキ買ってくるな??」
 白野威が嬉しそうに尻尾を振るなか、友美は、微笑む。
「そうよ!! でも子供達には、内緒ね??」
「光なら子供達ように買ってそうだけど」
「まぁね」
 友美は、微笑むと、歩きだし、他の買い物もすませ、螢のお迎えに幼稚園に行き、帰路に着いた。

 夜になり、友美は、光にさっそく買ってきた計量カップとポーチを見せていた。
「耐熱温度1000℃とか欲しい!!」
 友美が買ってきた計量カップの耐熱温度は、120℃。
 光は、座布団に座り、紅茶を飲みながら、苦笑い。
「金属でも溶かすつもりか!!」
「金属でも溶けるのは、あるけれど1000℃だとまだまだよ!! とりあえずオーブントースターで焼いても根性で溶けない、割れない計量カップが欲しい!!」
 友美は、炬燵の上に置いてある変形した計量カップを見ながら、いう。
「飾るか?? オーブントースターアートって事で」
 光は、冗談でいったが、友美が瞳を煌めかせる。
「それいいわ!! そうしましょう!!」
 友美は、立ち上がると和室へ。戻ってくると紙とマジックを持ってきた。
 座布団に座り、友美は、炬燵の上に紙を置き、マジックで書くと、紙をおり、名札として立てた。
「なかなか様になってない??」
 確かに様になっている。オーブントースターアートと書かれ代名「暑さに負けた計量カップ」とつけられた、計量カップが。
「なってるなぁ……」
「とりあえず飾ろう!!」
 友美は、そういうと計量カップと名札を持ち、立ち上がり、そのままリビングにある戸棚に飾った。
「よし!! あとそのシマエナガ光に!!」
 相変わらず切り替えが早いなと光は、思いつつ、炬燵の上のポーチを見る。
「可愛い……」
「光好きそうだからあげるわ」
 光は、少し驚いた顔をしたが、とても嬉しそうな顔に。
「ありがとう!!」
 光は、大切に持つと、そのまま立ち上がり、和室に。
「友美ケーキ!!」
「そうだった!!」
 和室から光は、リビングに出てくると、そのままキッチンに。
「早くしろって視線がな……」
「確かに」
 白野威がふて腐れながら、じっと光を見ているのだ。
 光は、ケーキの箱を冷蔵庫からだし、お皿とフォークと箱を持ち、リビングにいくと、炬燵の上に。
「ケーキ!!」
「白野威お待たせ」
 友美が喜ぶかもと買ってきたのに見事に白野威が一番楽しみにしている。
 光は、ケーキを箱からだし、皿に乗せ、白野威の前に置く。
 白野威は、器用にフォークを前足で使うと、狼の姿のまま食べ始めた。
「旨い!!」
「確かに凄く美味しい」
 友美もケーキをとり、食べるという。
「よかった!!」
 友美は、にっこり笑う光を見て微笑む。
「ありがとう」
「どういたしまして」
 友美は、話をした。
「そういえば100円ショップで傘に付ける飾りを見つけたの」
 光は、ケーキを食べながら、驚く。
「そんなのもあるのか……」
「そうなの!! しかもシロクマさんだったりするし、反射板になってたりもするの!!」
 光は、そういえばとあることを思い出す。
「傘にはる、磁石つきの目印もあったな……」
「それも売ってたの!! 思わずこれあったら、ベビーカーおしてたとき助かったと思ったわ!!」
 光も確かに子供と出かける時は、あると便利だなとは、思ったが。
「螢は、どこかで一人で行かないしなぁ……」
「そう!! それに、突発的に飛び出すとかもしないし……」
 兄妹が色々教えているというのもあるが、とても、螢は、いいこなのだ。
「まぁ光をよくチーンしてるけど」
 光は、苦笑い。そうよく何かあるとお父さんチーンといっている。
 たぶん倒れてるとか重傷と言いたいが、螢の中でも言っちゃダメとなっているようで総じてチーンと言っているようだ。
「ある意味お父さん死んだ!! よりましじゃん」
「まぁある意味光の言うこと聞いてるのよね……」
 相手に死ねや死ぬなど軽装に言うたと教えた結果あらぬ方向に螢は、理解してしまったが。
「まぁ俺がショック受けてたり、痛みで動けない時にしか言ってないから言葉のチョイスとしては、まぁうん。あってるんだよな……」
「まぁ柊麗のこと思ったらね??」
 本当におかしい。小さい頃は、元気な女の子なのに小学生になり、覚醒したのがとんでもまいお転婆になってしまった。
「まぁ小学校で男子に悪口言われて、覚醒したと言うか……」
「手加減しても意味がない。だからこそ強者になるってなって……頭脳と体力でこてんぱんに男子達をして……だもんね……」
 お陰で、今では、影で女傑といわれていたりするが、そう思うとやはり友美の娘である。
「本当にうちの女性陣は、強いからなぁ……」
「アハハ」
 友美は、乾いたように笑うと、ケーキを食べた。
「ケーキ美味しい」
 友美は、そういうと笑う。光が居るからこうしていまとても幸せなのだと。
「本当に光凄いわね……」
「え??」
「いつもありがとう」
 友美がそういうと、光は、嬉しそうに笑う。
「どういたしまして」
 二人は、微笑み合うと、ケーキを食べた。
 子育てを二人でやってるからこそこうして、夜の時間もとれる。
 友美は、改めて光でよかったと思いながら、ケーキを食べると幸せそうに笑い、光もまたそんな友美を見て笑うのであった。

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