光明ノ神子2

 楸は、本日ゆっくりしようと決めていた。だが、その予定は、ある神により、崩されていた。
「あはは!!」
 楸の部屋で跳ねるメジェド。そうメジェドが突然襲来し、見事に、邪魔されているのだ。
「なんでエジプト神が日本に居るんだー!!!!」
 目の前を転がる、メジェド。
 楸は、神出鬼没の不思議な神メジェドは、桃の枝より厄介かと思ったしまった。
「あれよりまし」
 メジェドは、真顔でいうと、そのまま楸の部屋を出ていった。
「桃の枝最強過ぎだろ……」
 楸は、部屋に残され、呟く。
 しかしメジェドは、どこにいったのだろうか。
 楸は、立ち上がると、部屋を出た。
 リビングに行くと、メジェドが跳ねていた。
「マリカ!!」
「メジェド可愛い~」
 友美の前で。
「友美殿のところに居たのか……」
「楸どうしたの??」
 友美は、楸の方をみて、聞く。
「メジェドに、休みを邪魔されたんだよ」
「今日は、授業ないんだっけ??」
「そう」
 楸は、なんと昨年春から、働きながら、大学に行き直している。
 今日は、とってる授業がない日なので、ゆっくりしようと彼は、思っていた。
「メジェドによってもしかして、邪魔されたの??」
「突然落ちてきたからね」
 楸は、肩をすくめいう。
「まぁメジェドだものね」
 今は、くるくる回っているメジェド。本当になぞが多い神だ。
「友美こいつ何故光とは、仲良しなんだい??」
「それ私も謎よ」
 二人は、メジェドを見ると、メジェドは、答えてくれた。
「光は、楽しい!!」
「楽しいって反応が??」
「マリカ違う!! 光といると楽しいこといっぱい!!」
 どうやら、メジェドと光は、色々馬が合うようだ。
「まさかだな……」
「そこもメジェドだからね!!」
 メジェドは、頷く。
「楸も面白いよ??」
「私が!?」
 楸は、疑いの眼差しで、メジェドをみたが、メジェドは、相変わらず楽しそうに揺れていた。
「楸といても楽しい!! メジェドそういうの好き!!」
 メジェドの感覚は、本当に分からない。
「楸困惑してるね」
「そりゃメジェドってもうわけわならないからね……」
 そうそれがメジェドといえる。
「友美少しでかけてくるよ」
「もしかして燕青??」
 友美は、ニヤリと笑った。
「なんで私に相談するのやら……光にすればいいのにねぇ……」
 恋人のいない自分に何故なのかと楸は、思ったが、友美は、呆れた顔をしていう。
「光だと五月蝿いから」
「というと??」
「こだわりたおす!!」
 楸は、真顔に。しばらくして、楸は、頭を抱えた。
「そうだった……」
「とりあえず楸もし、燕青が悩みたおしてたら、とりあえず普通にって言っといて!!」
「普通……」
「いいから、よろしく!!」
 楸は、頷き、その後、燕青との約束をしていたカフェに向かった。
  
 カフェにつくと、燕青が既にいた。
 珈琲を注文し、受け取ると、席に向かう。
「燕青お待たせ」
「いいよ楸」
 燕青の前に楸は、座ると、珈琲をのむ。
「で相談って??」
 さっそく本題に入ると、燕青は、ため息をついた。
「はぁ……」
「盛大だね……」
「だってさぁ……」
 カフェモカを燕青は、飲むと、いう。
「どうしても意識しちゃうんだよ!!」
「君そんなに見境なかったのかい??」
 燕青は、ずっこける。
「なわけあるか!!」
「夜の方じゃないのか」
「神のスタミナ甘くみるな!! 俺搾り取られてるわ!!」
 楸は、顔をひきつっていた。
「……そうか」
 知りたくなかったが墓穴を掘ってしまった。
「で燕青が、悩んでるのはどういうことだい??」
 燕青は、真剣な顔に。
「バレンタインだよ……」
「バレンタイン」
 楸は、笑ったまま立ち上がり、帰ろうとするので、燕青の腰をつかみ、楸を捕まえた。
「なんで帰るんだー!!!!」
「私に関係ないだろ!!!?? それこそ!!」
 イケメン二人が何やら言い争いをしており、店内にいたオタク達が色々想像するなか、とうの本人達は、なにか感じ、すぐにやめた。
「そういえばあるアニメが腐女子アニメと言われてたなぁ……」
「楸。腐女子ってもんは、どんな作品でもかってにカップリングくんでやるからそれ……間違ってるぞ??」
「確かに」
 とりあえず席に座り、楸と燕青は、互いに飲み物に口をつけた。
「で何が問題なんだい?? バレンタインの」
 燕青は、気まずい感じでいう。
「真剣に悩んでくれてるのは、嬉しいんだけもよ……」
「そりゃそうだろうた。惚気なら燃やすぞ」
「なんでそうなるんだよ!!」
 燕青は、突っ込む。
「全部バレバレなんだ」
 楸は、唖然としてしまった。
「……勇音殿」
「殿付け」
「一応君の恋人だしね……」
「何時もは、呼び捨てじゃん」
「神子達の集まりならともかく、ここだとね」
 楸なりの気遣いのようだ。
「でもさ……どうすりゃいいとおもう?? なんかお菓子作りのレシピとか広げてるし……」
 片付けてくれといいたくてもいいにくく、最近挙動不審に燕青もなっていたのだ。
 楸は、友美の言葉を思い出す。
「普通でいいだろ」
「普通!?」
「普段どおりにしてるのが一番だよ。燕青」
 燕青は、確かにと思った。
「挙動不審だと怪しまれるしな……」
「そうそう」
 楸と燕青は、その後少し話、すぐに解散した。
 友美のアドバイスのお陰で、はやく用事がすんだと楸は、思い、歩いていると、メジェドを抱っこした友美が前からやって来た。
「友美」
「楸お疲れ様」
 友美は、微笑む。
「マリカと散歩してるー」
「そうかメジェド」
 メジェドは、嬉しそうに跳ねている。
「そういえば友美、アドバイス使ったよ」
「それは、よかったわ!!」
 友美は、笑う。
「あのカップルは、普通でいいのに、それをお互い挙動不審になる天才だからねー」
「すごい言い方……」
「事実よ」
 確かに事実だがもう少し言いようがあるだろうと、楸は、思う。
「確かにそうだが……」
「まぁこれから変わるでしょう」
 残された者と残した者の恋。次こそは、幸せになって欲しい物だ。
「楸も恋すれば……」
「もう懲り懲りだ」
「大学時代のアレすごいトラウマになってるのね」
「まぁね。だが光だけは、敵にまわしたくないと思ったよ」
「光容赦ないもんねぇー」
 友美は、笑いながら言うが、さらに容赦がないのが友美である。
「マリカが言えること??」
「メジェドそこは、いいの!!」
「マリカ怖いのにー」
 友美は、むすっとしたかおに。
「アヌビスと、来た時、栗饅頭あげないわよ??」
 メジェドは、顔を青ざめる。
「マリカごめんなさい!!」
「よろしい」
 エジプト神ですら、友美は、謝らすことが出来るのか。
 本当に色々恐ろしい女性だ。
「本当に友美と結婚するやつは、肝っ玉じゃないと無理だね」
「なによそ!!!」
 友美は、そういうと苦笑い。
「でもそう思うわ。よくこんなのと結婚しようと思ったなぁーって」
「光本当に凄いな」
「ねぇ!!」
 友美と楸は、そう話すと、歩きだす。
「マリカ楽しいー」
「それは、よかったわ!!」
「だね」
 そして散歩をして帰ったのであった。楽しそうなメジェドをみて微笑みながら。
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