光明ノ神子2

 初夏の風がふく頃友美は、珊瑚と一緒に勇音が営む薬問屋に来ていた。
「ふぅー」
「今年もすごい量……」
 この家で飼われている鷹が、気持ち良さそうに爽やかな風を感じるなか、友美と珊瑚は、汗だくになっていた。
「どくだみまぁ万能だしねぇ……」
 二人は、なにをしているかだが、どくだみの収穫だった。
「珊瑚もしかして有給とってきたの!?」
 本日は、平日。友美は、まさかと思い聞くと、珊瑚は、言う。
「年間取得日数分は、最低限とらないとだからね」
「そうなんだ……」
「友美は??」
「私は、終わらせてきた!!」
「夏音が悲鳴あげてそう」
 容易に想像できたが、何時も色々友美も被害を被ってるので、いいだろう。
「でもさ勇音よくこんなに育てられるよねーどくだみ」
「まぁ薬草だし」
「確かに」
 どくだみをかっては、袋につめていくが、すごい量だ。
「とりあえずゴミ袋四袋って……」
 友美は、こんなにどうするのかと本気で思ったが、洗って乾燥すればこれが半分以下になることを考えると、案外そうでもないのかと思った。
「洗うの大変そう……」
 珊瑚は、ボソッと呟くと家の方から声が。
「ありがとうございます!! 友美、珊瑚!!」
 お盆を持ち、勇音が縁側に。
「今日は、終わりで!!」
「分かった!!」
 袋を二人で持ち、友美と珊瑚は、縁側に。
 軒下に袋を積み上げる。
「後は、私がちょちょいと洗いますから!!」
「わかったよ」
 珊瑚は、淡々と言うが友美は、縁側に腰かけた。
「つーかーれーたー!!!」
 勇音は、微笑むが、珊瑚は、疑いの目でみていた。
「スタミナも神子の中では、高いのになに言ってるの」
「でも重労働なのは、確かですし……」
「いいじゃん!! 少しくらいこういっても!!」
 友美は、そういうと、不満そうな顔に。
「麦茶入れましたしどうぞ」
 珊瑚も縁側に座ると、勇音は、お盆を床に置く。
 ガラスコップにはいった麦茶は、とても涼しげだ。
「休憩したら、後で、汗を流してくださいね!!」
「ありがとう勇音!!」
「ありがとう」
 友美と珊瑚は、コップをもち、麦茶を飲むと、暑い体に、冷たい麦茶は、しみた。
「くぅー!! キンキンに冷えたビールも美味しいけど、麦茶もいいね!!」
「友美おっさん」
「いいじゃん!!」
 見かけは、とても美人で凛としている友美だが中身は、違う。
 けっこうずぼらで、大雑把だったりするのだ。なにより、可愛い女の子というよりは、おっさん。
「光によく捨てられないなぁ……」
「珊瑚光先生は、色々別格だから」
 勇音の言葉に友美は、頷く。
「それにこれくらいでおっさんでは、ないと思うけど?? 私は!!」
 珊瑚は、確かにとおもった。
「むしろ私の方がおっさんか。もしくは、干物女」
 友美と勇音は、淡々ととんでもないことをいう珊瑚に、耳を疑う。
「干物女の意味分かってる?? 珊瑚」
「色気のない女でしょう??」
 友美と勇音は、苦笑い。
「何事もやることが面倒な極度のめんどくさがりの女子のことをいうだけど……」
 友美は、事実を伝えると、珊瑚は、少しだけ目を丸くした。
「……漬け物つけるし、色々こだわってる珊瑚は、違うよ」
 勇音は、そういうと、珊瑚は、しばらくの沈黙の後。
「ならおっさんか」
「なんでそこだけ残るのよ!!」
「するめおやつだし私」
「……それだけで、おっさんとは、いわん!!」
「ですね」
 鋭い友美の突っ込みと、勇音の苦笑いで、珊瑚は、そうなのかと納得した。
「私おっさんじゃないのか」
「たぶん中身おっさんは、自分でおっさん言わないわ」
「友美確かに」
 麦茶を飲み終え、珊瑚は、コップをお盆に置く。
「でどっちが先シャワー浴びる??」
「珊瑚行ってきたら??」
 友美は、そういうと、珊瑚は、少し驚いていた。
「だって私より汗かいてるし珊瑚」
 珊瑚は、そんなにかと思いつつ頷く。
「ならお言葉に甘えて」
 珊瑚は、そういうと立ち上がり、靴を脱ぎ、中へ。着替えを荷物から取り出して、風呂場の方に向かった。
「友美なら先に入ると思ってました」
 縁側で麦茶を飲む友美に、勇音は、いがいそうに、言うと友美は、微笑む。
「私だって一応大人ですから」
「一応って……」
 勇音からみても友美は、自分にないものをとても多くもっている。時々羨ましくなるほどに。
「友美は、何事にも一生懸命じゃなですか……それに今回も……」
「そりゃ頼まれたからには、一生懸命やりますとも!! あとたぶん壊れる」
「壊れる??」
 まさか友美が壊れるこかと本気で、勇音は、考えてしまったが友美がすぐに言った。
「風呂場が壊れる」
「えっ!? まさか……」
 しかし友美の目は、とても強い力を持つので、勇音が本当にうちの風呂場が壊れるのかと内心思った頃、珊瑚は、困っていた。
「……」
 無言の珊瑚の手もには、ドアノブが。そしてドアには、本来ついているはずのドアノブがなく、中の支柱が見えてしまっていた。
「外れた……」
 風呂場にい入り、タオルを忘れたと、脱衣所に行こうとしたとき、ドアノブを捻ったら、何故か取れてしまった。
 とりあえずはめ直すと、ドアは、開いた。普通に。
 何事もなかったように、脱衣所に行き、タオルを取るの、シャワーで汗を流し、体を拭くと、そのまま脱衣所にそして着替えると、居間に。
「勇音ありがとう」
「いえ」
「それと、風呂のドアノブ外れた。たぶん経年劣化」
 勇音は、すごい勢いで友美をみたあと、立ち上がり、そのまま風呂場に。
「ぎゃー!!!!」
 と悲しい悲鳴が聞こえてきた。
「友美何見たの」
 珊瑚の質問に、友美は、微笑み答える。
「私がドアノブごと風呂場破壊して、大惨事」
 何故友美が先に珊瑚に風呂を譲ったのか、理由が分かり、珊瑚も自分でもそうすると納得してしまった。
「ナイス采配」
「ありがとう」
「でも先に勇音にいえばよかったんじゃない??」
「そうすると、次に燕青が直せっていわれて、直せずに、勇音不機嫌になる」
 珊瑚は、真顔に。
「で一番いい未来を選択したのか」
「そういうことー」
 友美は、麦茶を飲み終えると、コップをお盆に置く。
「本当にドアノブ外れた……」
 わざわざ外したドアノブを持ってきて勇音は、悲しそうに呟くので、友美と珊瑚は、苦笑い。
「とりあえず修理に、電話」
「ですねぇ……」
 とぼとぼと、勇音は、電話をしに、いき、それを見送った友美と珊瑚は、確かにこれが一番ましな結果と思ってしまった。
「友美は、シャワーよかったの??」
「帰って浴びるわ」
「そっか」
 ある意味その方がいいともいえるのだろう。
「じゃ私帰るわ」
「またね」
 友美は、その後靴を持ち、立ち上がり、そのまま店の方に。
「友美もう帰るんですか!?」
「うん!! 今日は、ありがとうね!!」
「こちらこそ」
 勇音にそういい、友美は、靴を土間に置くと、はき、そのまま店を後にした。
「友美逃げたね」
 店をで、しばらくして、白野威が友美の影から出てきた。
「そりゃ面倒ごとに巻き込まれるのは、ごめんこうむる!!」
 本当に友美の目は、いい目だ。たぶんこの後起こることも予測し出てきたのだろう。
 その後友美は、帰宅し、汗を流したあと、スマホを確認して、苦笑い。
「そら」
 座布団の上でくつろいでる白野威に友美は、画面を見せると、白野威は、唖然とした。
「ドアが吹っ飛んだ!?」
「力で直そうとしたんだろうなぁー勇音」
 友美は、麦茶を飲みながら、そういうと、苦笑い。本当に大変だなと思いながら。
 その後無事に勇音の家の風呂場のドアは、直ったが、しばらく勇音は、元気がなかった。
 物事の諸行無常さに信じられないと嘆いていたのであった。
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