日常編2
研修の第二段階が今日か、始まる。夏と加州は、迎えにきた蛍の後ろを歩いていた。
「ここだって」
蛍は、そういい止まったのは、大きな鳥居の前だった。
「ここは……」
鳥居の向こうには、大きな長い階段が。
「寒猫神社。とりあえずこの中の社務所が研修場所」
蛍にならい、頭を下げると中に入り、階段を登ると夏のよく知る人物がいた。
「幸さん!!」
「夏殿」
感動の再会となりかけたとき、夏のおでこに孫の手がクリンヒット。
「うげ!!」
「主!!」
飛ぶ主を加州は、受け止めた。
「ここは、神域だ。審神者ならそれくらいわきまえろアホが」
加州は、声の主を睨んだが彼の力の気配に、加州は、身がすくんだ。
「ソーマ殿」
「正雪。友美から話は、きいる。講師は、もう社務所の中だ」
ソーマは、孫の手を拾うと去っていった。
「幸さんあの人は……」
「この神社の神主だ」
「だからか……」
確かにとはしゃいでしまった自分が悪い。
夏は、立ち上がる。
「幸さんが教えてくれるわけじゃないんだ……」
「私も今回は、生徒としてだ」
夏と正雪は、とりあえずと社務所に向かうと、中に人がいた。
「おっ!! 今日の生徒さん??」
人というより付喪神がいた。
「浦島虎徹……」
「そう!! 俺は、浦島虎徹!! ねぇ!! 一緒に竜宮城行かない?? 行き方分からないけど!!」
まさかここで浦島虎徹に会うとは、そしてそんな浦島を優しく微笑み見ている青年が。
「浦島あまり困らせては、駄目だよ」
「主さんでも楽しい方がいいじゃん!!」
「それは、確かにね」
藍色の羽織に深紅の着流しを身に付けている青年は、鼻筋の通った爽やかな印象を受ける。
夏と正雪は誰だろうと見ていた。
「私は、楸」
「楸さん……」
「紅蓮ノ神子といえば分かりやすいかな??」
正雪は、きょとんとしていたが、夏は、驚いた顔をしていた。
「えっ!!??」
「そんなに凄い御仁なのか??」
「朱雀を使役してる人だよ!?」
正雪は、驚いた顔をしていた。
「それで認知されてるのか……」
楸は、困ったように笑う。
「まぁ審神者としては、浦島の主ってだけだから、しかたがないか」
「主さんそもそもそれすらも知らない人が多いと思う!!」
「だね」
楸さしかたがないと切り替える。
「その……楸殿まさか講師とは……」
「私だよ」
夏は、更に驚いた顔をし、正雪は、何かを探るように彼を見た。
「……この気配。まさか」
「君は、鋭いね。でも、その事は、秘密」
正雪は、頷くと、夏は、気になると思ったが、今は、聞かないことにした。
「楸俺これから仕事だからよろしく」
「蛍分かったよ」
蛍は、そういうと社務所を出ていった。
「幸さん蛍丸仕事って……」
「蛍殿は、カメラマンというものらしいゆえ……」
「カメラマン!?」
やはり驚くのが普通のようだ。正雪は、楸を見ると彼は、微笑むのみ。
「じゃ私たちも始めようか」
夏と正雪は、口を揃えいった。
「よろしくお願いいたします」
こうして第二段階は、幕を開けた。
社務所は、静寂な空気に包まれ、聞こえるのは、風の音や鳥の声、ときより加州のあくびが聞こえる。
夏は、目を開け、隣を見ると、正雪は、黙って正座していた。
(正雪さん……凄い……)
その姿は、まさに武士。夏は、凄いなと思い、視線を正面に向けると、楸もまた黙ってて目を閉じ座っていた。
(思ったよりも難しい)
今彼は、なにをしているかだがそれは、己の力の流れを把握するというもの、いわば精神統一だ。
まったく分からない。霊力の流れなど。
とりあえず目をつぶり、夏は、集中するが、色々と考えが浮かび把握など出来なかった。
タイマーの音がなり、楸は、目を開ける。
「夏殿、正雪殿一先ず終わりだ」
夏は、やっと終わったとほっとし、正雪は、目を開けた。
「さて二人は、なにを感じたかな??」
楸の問いに夏は、どう答えようかと悩む。
「私は……」
夏が悩んでいると正雪が答える。
「私は……不思議な感じがした……魔力とは、別のものが巡っている……しかしそれは……」
夏の前で言葉にしにくい。楸は、悩む正面にいう。
「とても強く清らかでどうなっているのか、形が掴めないかな??」
「あぁ。楸殿の言の葉がしっくりくる」
「神子の力は、複雑だからね。それだけ始めに把握出来たのなら中々だよ」
「ありがとう楸殿」
夏は、こうなったらと腹を決め話した。
「私は……お腹空いたと……あとまったく分かりませんでした……」
「初めは、そんなものだよ。とりあえず少し休憩にしようか」
浦島は、待ってましたと、お菓子と水筒をもって登場した。
「持ってきたよ!! 食べよう!!」
浦島の持ってきた煎餅を食べ、夏は、茶をのむ。
「体に染みる……」
「そんなに……」
「はい紅蓮ノ神子様」
これは、楸が思ってるよりも色々夏は、難航しそうだ。
「楸殿この精神統一は、もしや力の把握の初期歩なのだろうか??」
「そうだよ。正雪殿」
夏は、煎餅を食べながら、驚いた。
「それは、どういうことですか!? 確かに力の流れが分かればいいとは、思ってたけど!!」
「審神者の学校では、習わないのかな??」
「霊力のコントロールは、学びますがこれは、しなかったです」
「なるほど」
楸は、茶をのむ。
「でも何故把握が必要なんですか??」
「神子は、複数の属性を掛け合わせ、術を使うのが普通なんだ。審神者は、そのようなこと、あまりないだろうが、君の場合浄化をしながら、加州清光の手入れをしなければならないかもしれない」
「もしかして……節約のため??」
「そう。霊力も無限に湧く訳では、ないからね」
もし霊力のコントロールを間違えれば命取りになる。
夏のやろうとしていることは、本当に間違えれば死んでしまうんだと思い知った。
「うぅぅぅ……まったく分からない……」
楸と正雪は、微笑む。
「夏殿初めは、その様なものだと思う」
「幸さん……」
「慌てず少しずつやっていけばいいよ」
「紅蓮ノ神子様……はい!!」
たぶんこの研修は、慌てた所でなにも変わらない。ならゆっくりと腰を据えるのみだ。
「あのーお昼は……」
楸は、キョトンとしてしまった。
「え??」
「昼げには、早いような……」
「煎餅だけじゃたりません……」
加州もこれには、少し呆れ顔だ。
「……夏殿には、空腹が敵かな」
人を知ることは、指導するときに必要なこととなる。
楸は、これは、軽食を用意すべきだなとこの時思った。
「主さん一応スルメならあるけど……」
楸は、鳩が豆鉄砲をくらったような顔に。
「……浦島どこから持ってきたんだいそれ」
「さっき吹雪ノ神子から貰ったよ!!」
「……何故スルメ……」
「ちなみに焼くならって七輪も貸してくれたけど……」
楸は、とうとうずっこけた。
「あいつ……スルメを処理するのに私を使ってるな!?」
「主さん食べる??」
「私より夏殿に、焼いてあげてくれ浦島」
「はーい!!」
「ありがとうございます」
夏は、頭を下げると浦島とスルメを焼き始めた。
そわそわ。
「にしてもスルメって」
そわそわ。
「昼からは、うまくいくといいが……」
そわそわ。
先程から視界にそわそわしている正雪がいる。そういえば光がそわそわしてるときは、何かお願いしたいときと言っていたことを思い出した。
「正雪殿も食べたいならいいよ」
正雪は、瞳を煌めかせた。
「かたじけない!! 楸殿!!」
正雪は、嬉しそうに夏達のところに。今日は、もう昼からもこうして皆で楽しむ方がいいかもしれないと、楸は、思いながら、微笑むのであった。
相手を知るということも大切と思いながら。
「ここだって」
蛍は、そういい止まったのは、大きな鳥居の前だった。
「ここは……」
鳥居の向こうには、大きな長い階段が。
「寒猫神社。とりあえずこの中の社務所が研修場所」
蛍にならい、頭を下げると中に入り、階段を登ると夏のよく知る人物がいた。
「幸さん!!」
「夏殿」
感動の再会となりかけたとき、夏のおでこに孫の手がクリンヒット。
「うげ!!」
「主!!」
飛ぶ主を加州は、受け止めた。
「ここは、神域だ。審神者ならそれくらいわきまえろアホが」
加州は、声の主を睨んだが彼の力の気配に、加州は、身がすくんだ。
「ソーマ殿」
「正雪。友美から話は、きいる。講師は、もう社務所の中だ」
ソーマは、孫の手を拾うと去っていった。
「幸さんあの人は……」
「この神社の神主だ」
「だからか……」
確かにとはしゃいでしまった自分が悪い。
夏は、立ち上がる。
「幸さんが教えてくれるわけじゃないんだ……」
「私も今回は、生徒としてだ」
夏と正雪は、とりあえずと社務所に向かうと、中に人がいた。
「おっ!! 今日の生徒さん??」
人というより付喪神がいた。
「浦島虎徹……」
「そう!! 俺は、浦島虎徹!! ねぇ!! 一緒に竜宮城行かない?? 行き方分からないけど!!」
まさかここで浦島虎徹に会うとは、そしてそんな浦島を優しく微笑み見ている青年が。
「浦島あまり困らせては、駄目だよ」
「主さんでも楽しい方がいいじゃん!!」
「それは、確かにね」
藍色の羽織に深紅の着流しを身に付けている青年は、鼻筋の通った爽やかな印象を受ける。
夏と正雪は誰だろうと見ていた。
「私は、楸」
「楸さん……」
「紅蓮ノ神子といえば分かりやすいかな??」
正雪は、きょとんとしていたが、夏は、驚いた顔をしていた。
「えっ!!??」
「そんなに凄い御仁なのか??」
「朱雀を使役してる人だよ!?」
正雪は、驚いた顔をしていた。
「それで認知されてるのか……」
楸は、困ったように笑う。
「まぁ審神者としては、浦島の主ってだけだから、しかたがないか」
「主さんそもそもそれすらも知らない人が多いと思う!!」
「だね」
楸さしかたがないと切り替える。
「その……楸殿まさか講師とは……」
「私だよ」
夏は、更に驚いた顔をし、正雪は、何かを探るように彼を見た。
「……この気配。まさか」
「君は、鋭いね。でも、その事は、秘密」
正雪は、頷くと、夏は、気になると思ったが、今は、聞かないことにした。
「楸俺これから仕事だからよろしく」
「蛍分かったよ」
蛍は、そういうと社務所を出ていった。
「幸さん蛍丸仕事って……」
「蛍殿は、カメラマンというものらしいゆえ……」
「カメラマン!?」
やはり驚くのが普通のようだ。正雪は、楸を見ると彼は、微笑むのみ。
「じゃ私たちも始めようか」
夏と正雪は、口を揃えいった。
「よろしくお願いいたします」
こうして第二段階は、幕を開けた。
社務所は、静寂な空気に包まれ、聞こえるのは、風の音や鳥の声、ときより加州のあくびが聞こえる。
夏は、目を開け、隣を見ると、正雪は、黙って正座していた。
(正雪さん……凄い……)
その姿は、まさに武士。夏は、凄いなと思い、視線を正面に向けると、楸もまた黙ってて目を閉じ座っていた。
(思ったよりも難しい)
今彼は、なにをしているかだがそれは、己の力の流れを把握するというもの、いわば精神統一だ。
まったく分からない。霊力の流れなど。
とりあえず目をつぶり、夏は、集中するが、色々と考えが浮かび把握など出来なかった。
タイマーの音がなり、楸は、目を開ける。
「夏殿、正雪殿一先ず終わりだ」
夏は、やっと終わったとほっとし、正雪は、目を開けた。
「さて二人は、なにを感じたかな??」
楸の問いに夏は、どう答えようかと悩む。
「私は……」
夏が悩んでいると正雪が答える。
「私は……不思議な感じがした……魔力とは、別のものが巡っている……しかしそれは……」
夏の前で言葉にしにくい。楸は、悩む正面にいう。
「とても強く清らかでどうなっているのか、形が掴めないかな??」
「あぁ。楸殿の言の葉がしっくりくる」
「神子の力は、複雑だからね。それだけ始めに把握出来たのなら中々だよ」
「ありがとう楸殿」
夏は、こうなったらと腹を決め話した。
「私は……お腹空いたと……あとまったく分かりませんでした……」
「初めは、そんなものだよ。とりあえず少し休憩にしようか」
浦島は、待ってましたと、お菓子と水筒をもって登場した。
「持ってきたよ!! 食べよう!!」
浦島の持ってきた煎餅を食べ、夏は、茶をのむ。
「体に染みる……」
「そんなに……」
「はい紅蓮ノ神子様」
これは、楸が思ってるよりも色々夏は、難航しそうだ。
「楸殿この精神統一は、もしや力の把握の初期歩なのだろうか??」
「そうだよ。正雪殿」
夏は、煎餅を食べながら、驚いた。
「それは、どういうことですか!? 確かに力の流れが分かればいいとは、思ってたけど!!」
「審神者の学校では、習わないのかな??」
「霊力のコントロールは、学びますがこれは、しなかったです」
「なるほど」
楸は、茶をのむ。
「でも何故把握が必要なんですか??」
「神子は、複数の属性を掛け合わせ、術を使うのが普通なんだ。審神者は、そのようなこと、あまりないだろうが、君の場合浄化をしながら、加州清光の手入れをしなければならないかもしれない」
「もしかして……節約のため??」
「そう。霊力も無限に湧く訳では、ないからね」
もし霊力のコントロールを間違えれば命取りになる。
夏のやろうとしていることは、本当に間違えれば死んでしまうんだと思い知った。
「うぅぅぅ……まったく分からない……」
楸と正雪は、微笑む。
「夏殿初めは、その様なものだと思う」
「幸さん……」
「慌てず少しずつやっていけばいいよ」
「紅蓮ノ神子様……はい!!」
たぶんこの研修は、慌てた所でなにも変わらない。ならゆっくりと腰を据えるのみだ。
「あのーお昼は……」
楸は、キョトンとしてしまった。
「え??」
「昼げには、早いような……」
「煎餅だけじゃたりません……」
加州もこれには、少し呆れ顔だ。
「……夏殿には、空腹が敵かな」
人を知ることは、指導するときに必要なこととなる。
楸は、これは、軽食を用意すべきだなとこの時思った。
「主さん一応スルメならあるけど……」
楸は、鳩が豆鉄砲をくらったような顔に。
「……浦島どこから持ってきたんだいそれ」
「さっき吹雪ノ神子から貰ったよ!!」
「……何故スルメ……」
「ちなみに焼くならって七輪も貸してくれたけど……」
楸は、とうとうずっこけた。
「あいつ……スルメを処理するのに私を使ってるな!?」
「主さん食べる??」
「私より夏殿に、焼いてあげてくれ浦島」
「はーい!!」
「ありがとうございます」
夏は、頭を下げると浦島とスルメを焼き始めた。
そわそわ。
「にしてもスルメって」
そわそわ。
「昼からは、うまくいくといいが……」
そわそわ。
先程から視界にそわそわしている正雪がいる。そういえば光がそわそわしてるときは、何かお願いしたいときと言っていたことを思い出した。
「正雪殿も食べたいならいいよ」
正雪は、瞳を煌めかせた。
「かたじけない!! 楸殿!!」
正雪は、嬉しそうに夏達のところに。今日は、もう昼からもこうして皆で楽しむ方がいいかもしれないと、楸は、思いながら、微笑むのであった。
相手を知るということも大切と思いながら。