光明ノ神子にかわり代理審神者勤めます

 バレンタインデーとなり、屋敷は、少しうかれた空気が流れていた。
「はい包丁」
「ありがとうー!! 姫!!」
 包丁は、嬉しそうに友美からチョコを受け取るとどこかに消えた。
「相変わらず人妻認定されてないんだね。姫」
「そうなのよ。安定」
 友美は、そういうと、安定にも、チョコを渡した。
「はい。バレンタインデーのチョコ」
「ありがとう姫!! 清光にも渡しとくよ」
「でも……」
 友美は、なにかを感じ、頷く。
「清光なら後ろにいるんでしょう??」
「え??」
 安定は、とぼけようとしたが、無理だった。
 安定の後ろにある柱の影から、清光は、でてきた。
「ほら。安定」
「だね清光……」
 なぜ安定がこういう行動をとったのかは、友美には、分かる。
 清光にチョコを渡すと、言った。
「バレンタインデーのチョコよ!!」
「ありがとう姫」
 友美は、安定をみると、頷く。
「姫」
「安定よくやってるわ。だから大丈夫」
 安定が友美に自ら志願し、担っている役目、それは、清光もなんとなく分かっている。
 だからこそ、清光は、すすまなけれざならない光へと。
「そうだよ。安定。俺少なくとも他の極の俺よりましだろ??」
「清光知ってたの!?」
「当たり前」
 友美は、少し驚いた。
「清光……貴方なら大丈夫」 
「姫も俺に言ってくれればいいのに、なんで、こいつにだけ??」
「それは、安定との約束だったからよ」
 約束を守るのが友美だ。
 清光は、納得したのか、呆れがおに。
「いざってときは、姫が折ってよね」
「私は、そうさせないのが役目だから。そこは、安定に任せるわ。だから清光その心の中にある劣等感そして後悔には……のまれないでね。これからも。今のように」
 闇とは、知らぬまにのみこまれるもの。
 友美は、あえてそういうと、清光は、頷く。
「当たり前」
「ならよかったわ」
 友美は、そう言うと、安定と清光の頭をなで、彼らと別れた。
 次は、経理に行こうと思ったとき、屋敷に聞きなれた悲鳴が。
「むぅぅぅぅー!!!!!?????」
 友美は、今度は、何事かと、声のする方に行くと、場所は、国広の執務室。
「えーと??」
 目の前には、あきれ顔の国広と、うなだれている正雪が。
「なにがあったの??」
 友美は、聞くと、国広は、いう。
「バレンタインデーだから、チョコをあげたら、落ち込んだ」
「はぁ??」
 ますますわけが分からないと、友美は、首をかしげる。
 正雪は、友美をみると、言う。
「国広のチョコが……」
「チョコが??」
「上手すぎるのだが!?」
 正雪は、友美に箱を開け、中を見ると、そこには、綺麗な可愛らしいウサギのチョコが。
「うさちゃんね……にしても凄い繊細な細工が……枯山水並みじゃない??」
「あれよりは、凄くないし、これは、食べることを想定してる」
「そう」
 しかしこれを見させられたら、正雪が落ち込むのも分かる。
「私など……しょせん……」
 落ち込みモードに正雪は、なっているが、国広は、普通に食べていた。
「オレンジピールか。これ姫の入れ知恵だろ??」
「えぇ。でもトリュフにしたいといったのは、正雪だし、作ったのも正雪よ」
 国広は、言う。
「美味しいな」
 正雪は、ぱっと明るい顔に。
「まことか??」
「あぁ」
「それは、よかった!!」
 明るく楽しそうに笑う正雪を見ていると、心が温かくなる。
 どこかでもしかすると、これでよかったのかとまだ、思っているのかもしれない。
「……うちの子ねぇ」
 友美は、そう呟くと、困り顔に。
「姫??」
「何もないわ、国広」
 友美は、そういうと、微笑む。
 正雪が、他の刀剣にチョコをあげに行き、執務室には、国広と友美だけ。
 国広は、呟く。
「なんか、思うことでもあるのか??」
「国広……」
「そんな顔してるぞ」
 国広は、立ち上がると、庭を見ている友美の隣に。
「まぁね……」
「姫、間違ってないと思うぞ」
「え??」
「とやかく、いくやつは、その本質を見ずに苦言を呈する事があるからな。しかもそれは、ソイツらの快楽になる」
「あー優位にたって優越感に浸るやつね……」
「基本そういうやつは、劣等感の塊で、なおかつ、プライドだけ高い。ほっておけ」
「国広……」
「まさに初の俺だな」
 国広は、あきれた顔をし言うので、友美は、思わず笑ってしまった。
「なにそれ!!」
「やっと笑ったな」
「国広……ありがとう」
 と友美が言ったとい、光が執務室に真面目な顔をして来た。
「友美にそんなこと言ったやつ誰だ!! 今すぐに斬ってくる!!」
 太刀に手をかける光に友美は、慌てる。
「いいから!!」
「なら余計に不幸になる呪いをかける」
「アハハ……」
 友美は、乾いたように笑うと、光にチョコを渡す。
「バレンタインデーのチョコで機嫌直して??」
 光は、チョコを、じっと見ると、受け取り言う。
「分かった。でも呪いは、かけておく」
「姫まったく改善してないが??」
「国広まぁうん」
 光は、チョコを食べ微笑む。
 とりあえず彼の機嫌は、直ったらしい。
「姫!!」
 正雪は、戻ってくると、友美のところに。
「どうしたの??」
「姫にチョコを渡すのを忘れていたと!!」
 ついつい友美に作り方を教えてもらい、あげたつもりになっていた。
 刀剣男士にあげていて思い出したのだ。
「姫いつもこのような、私のためにありがとう」
 正雪は、チョコを差し出すと、なんと。
「正雪ー!!!!!」
 友美が泣いていた。そのまま正雪に抱きつくと、鼻をすする。
「ごめんなさい!!」
「姫!?」
 困惑する正雪に国広は、言った。
「正雪気にするな。ただ、姫は、感動で泣いてるだけだ」
「そうか」
 すんなりと信じてくれてよかった。
 国広は、胸をなで下ろし、友美は、泣き止むと、チョコを受け取る。
「ありがとう!! なら私は、これを!!」
 友美もチョコを正雪に渡すと、正雪は、嬉しそうにわらった。
「姫ありがとう!!」
 正雪は、無邪気な笑みを浮かべると、そのままソファーにすわり、持っていたかごをローテーブルにおいた。
「凄いチョコの量ね……」
「姫さよう。皆が私にと」
 これだけ貰えることに正雪は、喜びを感じていた。
 ここで過ごしてきた、時間は、まだ短い。だが、自分がここで築いてきた、絆は、間違いなくある。
「とても嬉しい」
 友美は、これが答えかとふと思った。
「友美ほら」
「光……」
 友美は、微笑むと、光も優しくわらった。
「色々やるなら、よそでやれ」
「国広やらないわよ」
 友美は、呆れ顔でいうと、光は、ガーンとショックをうけている。
「姫、光殿が……」
「ほっといていいわ」
「いいのか!?」
 光が無言で友美に苦言を呈したそうだが、友美は、無視。
 その様子に正雪は、夫婦とは、このようなものなのかと本気で思ってしまぅた。
「江戸では、妻は、旦那の後ろを歩くとか……妻は、旦那をささえ、たてると……」
「姫の場合は、逆だから気にするな。それに、旦那が、自ら尻に敷かれにいってる」
 友美は、余計なことをいうなと国広に思っていた。
「江戸でもたぶん家の中では、こうよ。旦那は、妻に権力握られてた場合もあるわよ」
「それに俺は、婿だから!!」
 笑顔でいう光に友美は、呆れ顔。
「そんな顔でいうことか!!」
「いうことだ!! 友美!!」
 友美に抱きつき、微笑む光と、呆れ顔の友美。
 本日は、バレンタインデー。昔は、恋人の日だったが今は、様々な人達に感謝を伝えるひもなっている。
「これもまたバレンタインデーなのだな」
「かもな」
 友美と光の言い争いを聞きながら、正雪は、微笑み、国広は、呆れ顔。
 夫婦喧嘩は犬も食わないというが、刀剣もくわない。
 だがバレンタインデーなので本日は、大目に見る。
 正雪は、優しく目を細めるが、国広は、溜め息を着くのであった。
 やはり喧嘩は、よそでやれと思いながら。バレンタインデー関係なしに。
 大目に見ることは、国広には、やはり出来ないらしい。バレンタインデーが関係していたとしても。
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