日常編2
ふと国広の執務室で政府の新聞を読んでいたとき、正雪は、気になる記事を見つけた。
「霊力の枯渇……」
そういえば友美が以前この話をしていたような。自分が狙われたあの事件の犯人の犯行動機がまさにこれだった。
話を聞くにも国広は、今忙しそうだ。正雪は、新聞を持ち、立ち上がると、歩き出す。
「誰か知っているものは、いるだろうか……」
そう呟き歩いていると誰かと当たってしまった。
慌てて正雪は、謝る。
「すまない!!」
「こっちこそごめん!!」
この声はと顔を見るとなんと光だった。
「光殿??」
「正雪怪我は、ない??」
「私は、だいじない」
「ならよかった」
光は、そう言うと何処かに歩いていった。彼は、水神の遣いであり、主の伴侶。もしかすると正雪の疑問も解決してくれるかもしれない。
正雪は、光のあとを追いかけた。
「光殿!!」
「どうした??」
「頼みたい義があるのだが!!」
「なんだ??」
「その……教えて欲しいことが……」
光は、微笑むと言った。
「いいよ。でもその前に終わらせないといけないことがある。手伝ってくれるか??」
「承知した」
なにを手伝えばいいのかと、正雪は、少し緊張したがないようは、なんと。
「水郷ノ神子これは!?」
「こんのすけ悪く思うな!!」
「ふにゃーー!!!」
こんのすけの、捕獲とほていだった。
正雪は、こんのすけにすまないと思いつつも、手で、動きをとめていると、できた。
麦わら帽子にかわいいじんべを着たこんのすけが。
「こんのすけ夏仕様だ!!」
「ありがとうございます……」
しかし何時もながら迫力がある。こんのすけは、へたっていると正雪に頭を撫でられた。
「ほんに愛らしいなこんのすけ」
「代理様……」
彼女が喜んでくれているのならまぁいいかとこんのすけは、笑ったがとてとてとすぐにその場を離れた。
「次は、まめのすけか??」
「まめのすけは、すぐに見つけたから着せたんだ」
光は、スマホを正雪に見せると、嬉しそうなまめのすけと少しだけ笑っている骨喰が写っていた。
「こちらも愛らしい」
「よかった!!」
光は、嬉しそうに微笑むといった。
「さて!! 次は、正雪の疑問解決だな」
「そうであった」
すっかり忘れていた。正雪は、さっそく光に質問した。新聞を見せながら。
「光殿この霊力枯渇とは……」
光は、新聞を読むと、ため息をつく。
「とりあえずお茶しながら話そう。じゃないと俺が時の政府に攻め込む事になる」
「む!?」
光は、そう言うと歩きだし、正雪は、恐る恐る着いていくと、やってきたのは、美しい紫陽花が咲き誇る縁側だった。
ここに来る途中で台所により茶と菓子を調達しやって来た。
慣れた手付きで、茶をいれ、菓子のしたくもする光。正雪といえば、ただ腰かけていただけだ。
「正雪じゃ先程の答えだが」
光は、縁側に腰かけるとはなしだした。
「審神者には、よくあることだ」
「そうなのか!? なら私も……」
代理とは、いえ時々審神者をやっている身としては、他人事では、ない。
正雪は、真剣に考えるが、光は、そんな彼女を見て笑っていた。
「正雪には、あまり関係のない話だよ」
「というと……」
「正雪の場合霊力というより神通力になるから」
友美がよく神力と言っていたが、その事かと正雪は、すぐに理解できた。
「しかし霊力と同じことが出来ていないか??」
「そりゃ霊力の上位互換とも言えるから」
「なるほど。ならば納得がいく」
「だろ」
しかしそうなると疑問が。
「魔力や神力のように回復しないのだろうか??」
「それも人それぞれなんだ。蝋燭のように使いきれば終わりというやつもいれば、水のようにつかいきったとしても時と共に回復してくる者もいる」
霊力の性質は、その者の魂の本質に類似していることもあるらしい。
「なるほど……その違いは、力の性質は、魂の素養、本質からくる……??」
「らしい」
光の答え方からして詳しく彼も知らないようだ。
「光殿もさすがに詳しくは……」
「感覚としては、分かるんだが説明するのは、難しくて……」
光は、困ったように笑う。たぶん自分には、必要ないからこそなのかもしれないが。
「なるほど」
刀剣男士いわく光は、強い。確かに正雪も出陣先でみた光の姿は、とても勇ましく強いと感じた。しかしそれだけでは、ないと、彼女は、なんとなく感じていた。
「でこの記事に関してだが、こればかりは……俺もおすすめは、しないよ」
記事には、霊力の枯渇問題における、審神者の違法ドラッグ乱用と言うものだった。
「……違法ドラッグ?? とやらは、やはり危険なのだな……」
「そう。そうだな……正雪に分かるように説明すると……麻が近いか」
「麻……というと大麻の事だったか」
「そう。戦国時代では、忍者が術として調合した毒として使われたあれだ」
大麻は、縄文時代から栽培され、日本では、穢れを祓うと大麻の繊維である麻が昔から神事に使われてきた。
その反面大麻の成分を利用した毒を忍者達は、作っていたのだ。
「惚けさせ、気分をよくする反面、使い続けると廃人になる。このドラッグも似たようなものだ」
光は、ため息を着くと言った。
「霊力を向上させる反面、依存性と、肉体への負担が多くなる。まぁ命の前借りだな」
命の前借り。正雪は、背筋が凍りついた。
「そこまでしてなぜ……」
「生前の正雪と同じかもな。己の信念のためか、はたまたうまい蜜を吸いたいだけか。審神者は、戦争の道具な分待遇も給料もいい。手放したくないと思うやからも多いから」
なんとなく分かる気がした。正雪もそれにしか頼れないのなら迷いなくその薬を使うだろう。
「しかし……」
光は、優しく微笑むと正雪の頭を撫でた。
「そう考えてくれるようになって俺は、嬉しいよ」
正雪は、かすかに瞳を揺らした。
「今の私なら選ばない……たとえ霊力がなくなっても……それだけでは、ないと……分かるから……」
でももし生前と同じ立場になったら、自分は、選べるだろうか。いま口にした選択を。
「大丈夫。そうならないから」
「光殿……」
そうさせないだろう。友美が。
なにより正雪は、変わってきている。だからこそ大丈夫と光は、あえていった。
もちろん過去の自分に引っ張られ過ちを犯してしまう事もあるだろう。だがそれでも前に進み成長するのが人だ。
「光……本当にその名のような御仁なのだな……貴殿は」
光は、目を細目めた。
「それは、どうか分からないが、正雪がそう思うのならそうかもな」
光は、そういい微笑んだとき、殺気を感じた。
「何してるのかしら??」
その声に光は、顔を青ざめると恐る恐る背後をみた。
「友美……」
「光!! もう少し正雪にはっきり問題ないっていえばいいのに!!」
友美は不満げにいうと、正雪を抱き締めた。
「姫??」
「大丈夫!! もし正雪がまた間違った道を選びかけたら私が止めるから!! それに安心して!! ここに来てるってことは、それだけ正雪は、業を減らしてるって事だから!!」
光を見ると彼は、頷いていた。
「友美そこまで俺がいうより友美がいった方が正雪には、響くだろ??」
「だとしてもよ!! 私には、言ってくれるのに!!」
「それは、友美だからだ!!」
ここで夫婦喧嘩をはじめないで欲しいと正雪は、困った顔をすると、友美は、彼女から離れ、光の所に。
「そっか」
どうやら喧嘩は、始まりそうにない。
正雪は、ホッとした。
「でも光……なんで正雪と二人きりなのかしら??」
光は、微笑むと言った。
「俺の姫がやきもちとは、珍しいな」
「そりゃ正雪可愛いもの!! あと光のタイプかと!?」
「俺のタイプねー」
光は、艶やかに笑うと、友美の腰を抱き寄せる。
「光??」
「俺のタイプは、凛としてるのに、実は、甘えん坊で冷酷といいつう優しすぎる姫なんですが??」
「光ストップ!!」
友美は、そういうと正雪を見ると、彼女は、ほほを赤く染めていた。
「姫、光殿いちゃつくなら他で……」
「ごめん……」
「すまん」
正雪は、茶を飲みほすと立ち上がる。
「光殿ご馳走さま」
「お粗末様でした」
正雪は、そういうと何処かに歩いていってしまった。
「気を遣わせてしまったわね……」
「確かに」
後で正雪の好きなパンでも持っていこうと二人は、思っていた。
「にしても霊力の枯渇ねぇーそんなに嫌なのかしら……」
「そりゃ刀剣達と離れたくないとか色々あるんだよ」
「色々ね」
友美は、意味ありげにいうと呟いた。
「光。正雪を巻き込んでよかったのかしら」
「たぶん彼女は、気づいてるよ。そのうえで選んだんだ。友美が気にする必要は、ない。それに……契約を友美が切れば……戻るんだろ??」
友美は、頷く。
「えぇ」
何がもとに戻るのか。それは、光と友美にしか分からないことだ。
「そういえば友美最近黄泉の気配を強く感じるんだが……」
友美は、目を見開く。
「なんですって……」
「気づいてなかったのか!?」
「えぇ。イザナミからもなにも連絡来てないし……世界の均衡もとれてるから……」
友美が気づかないなんて。こんな珍しいことがあるなんてと光は、驚く。
「なら……この気配は……」
「光ちなみに高天ヶ原から??」
「いや。どちらかというと、未来から……しかも時の政府内だ」
友美は、確認した。そして微笑む。
「みつけた」
「……捨て置くか??」
「危害をくわえてくるのなら消す」
しかし事は、そう単純じゃない。そもそも黄泉の力を扱えるのは、生きてるもので友美だけなのだから。
「……これは。黄泉の力に似てるけど、別物。霊力事態が命を奪う作用をしているのね」
「友美どうする」
「とりあえず時の政府に連絡をいれるわ」
友美は、ため息を着くと空を見上げた。
「……もしかすると大変なことになりそうね」
それが何を意味するのか、光は、すぐに分かった。しかし均衡が危ういのならやるしかない。
「友美頼むからその時は、俺をつれていけいいな??」
友美は、微笑む。
「えぇ。私だけだと消えちゃうからも知れないから、世界が」
友美はそういうと、楽しげに笑った。その顔は、間違いなく戦いに飢えた獣の顔をしていた。
「霊力の枯渇……」
そういえば友美が以前この話をしていたような。自分が狙われたあの事件の犯人の犯行動機がまさにこれだった。
話を聞くにも国広は、今忙しそうだ。正雪は、新聞を持ち、立ち上がると、歩き出す。
「誰か知っているものは、いるだろうか……」
そう呟き歩いていると誰かと当たってしまった。
慌てて正雪は、謝る。
「すまない!!」
「こっちこそごめん!!」
この声はと顔を見るとなんと光だった。
「光殿??」
「正雪怪我は、ない??」
「私は、だいじない」
「ならよかった」
光は、そう言うと何処かに歩いていった。彼は、水神の遣いであり、主の伴侶。もしかすると正雪の疑問も解決してくれるかもしれない。
正雪は、光のあとを追いかけた。
「光殿!!」
「どうした??」
「頼みたい義があるのだが!!」
「なんだ??」
「その……教えて欲しいことが……」
光は、微笑むと言った。
「いいよ。でもその前に終わらせないといけないことがある。手伝ってくれるか??」
「承知した」
なにを手伝えばいいのかと、正雪は、少し緊張したがないようは、なんと。
「水郷ノ神子これは!?」
「こんのすけ悪く思うな!!」
「ふにゃーー!!!」
こんのすけの、捕獲とほていだった。
正雪は、こんのすけにすまないと思いつつも、手で、動きをとめていると、できた。
麦わら帽子にかわいいじんべを着たこんのすけが。
「こんのすけ夏仕様だ!!」
「ありがとうございます……」
しかし何時もながら迫力がある。こんのすけは、へたっていると正雪に頭を撫でられた。
「ほんに愛らしいなこんのすけ」
「代理様……」
彼女が喜んでくれているのならまぁいいかとこんのすけは、笑ったがとてとてとすぐにその場を離れた。
「次は、まめのすけか??」
「まめのすけは、すぐに見つけたから着せたんだ」
光は、スマホを正雪に見せると、嬉しそうなまめのすけと少しだけ笑っている骨喰が写っていた。
「こちらも愛らしい」
「よかった!!」
光は、嬉しそうに微笑むといった。
「さて!! 次は、正雪の疑問解決だな」
「そうであった」
すっかり忘れていた。正雪は、さっそく光に質問した。新聞を見せながら。
「光殿この霊力枯渇とは……」
光は、新聞を読むと、ため息をつく。
「とりあえずお茶しながら話そう。じゃないと俺が時の政府に攻め込む事になる」
「む!?」
光は、そう言うと歩きだし、正雪は、恐る恐る着いていくと、やってきたのは、美しい紫陽花が咲き誇る縁側だった。
ここに来る途中で台所により茶と菓子を調達しやって来た。
慣れた手付きで、茶をいれ、菓子のしたくもする光。正雪といえば、ただ腰かけていただけだ。
「正雪じゃ先程の答えだが」
光は、縁側に腰かけるとはなしだした。
「審神者には、よくあることだ」
「そうなのか!? なら私も……」
代理とは、いえ時々審神者をやっている身としては、他人事では、ない。
正雪は、真剣に考えるが、光は、そんな彼女を見て笑っていた。
「正雪には、あまり関係のない話だよ」
「というと……」
「正雪の場合霊力というより神通力になるから」
友美がよく神力と言っていたが、その事かと正雪は、すぐに理解できた。
「しかし霊力と同じことが出来ていないか??」
「そりゃ霊力の上位互換とも言えるから」
「なるほど。ならば納得がいく」
「だろ」
しかしそうなると疑問が。
「魔力や神力のように回復しないのだろうか??」
「それも人それぞれなんだ。蝋燭のように使いきれば終わりというやつもいれば、水のようにつかいきったとしても時と共に回復してくる者もいる」
霊力の性質は、その者の魂の本質に類似していることもあるらしい。
「なるほど……その違いは、力の性質は、魂の素養、本質からくる……??」
「らしい」
光の答え方からして詳しく彼も知らないようだ。
「光殿もさすがに詳しくは……」
「感覚としては、分かるんだが説明するのは、難しくて……」
光は、困ったように笑う。たぶん自分には、必要ないからこそなのかもしれないが。
「なるほど」
刀剣男士いわく光は、強い。確かに正雪も出陣先でみた光の姿は、とても勇ましく強いと感じた。しかしそれだけでは、ないと、彼女は、なんとなく感じていた。
「でこの記事に関してだが、こればかりは……俺もおすすめは、しないよ」
記事には、霊力の枯渇問題における、審神者の違法ドラッグ乱用と言うものだった。
「……違法ドラッグ?? とやらは、やはり危険なのだな……」
「そう。そうだな……正雪に分かるように説明すると……麻が近いか」
「麻……というと大麻の事だったか」
「そう。戦国時代では、忍者が術として調合した毒として使われたあれだ」
大麻は、縄文時代から栽培され、日本では、穢れを祓うと大麻の繊維である麻が昔から神事に使われてきた。
その反面大麻の成分を利用した毒を忍者達は、作っていたのだ。
「惚けさせ、気分をよくする反面、使い続けると廃人になる。このドラッグも似たようなものだ」
光は、ため息を着くと言った。
「霊力を向上させる反面、依存性と、肉体への負担が多くなる。まぁ命の前借りだな」
命の前借り。正雪は、背筋が凍りついた。
「そこまでしてなぜ……」
「生前の正雪と同じかもな。己の信念のためか、はたまたうまい蜜を吸いたいだけか。審神者は、戦争の道具な分待遇も給料もいい。手放したくないと思うやからも多いから」
なんとなく分かる気がした。正雪もそれにしか頼れないのなら迷いなくその薬を使うだろう。
「しかし……」
光は、優しく微笑むと正雪の頭を撫でた。
「そう考えてくれるようになって俺は、嬉しいよ」
正雪は、かすかに瞳を揺らした。
「今の私なら選ばない……たとえ霊力がなくなっても……それだけでは、ないと……分かるから……」
でももし生前と同じ立場になったら、自分は、選べるだろうか。いま口にした選択を。
「大丈夫。そうならないから」
「光殿……」
そうさせないだろう。友美が。
なにより正雪は、変わってきている。だからこそ大丈夫と光は、あえていった。
もちろん過去の自分に引っ張られ過ちを犯してしまう事もあるだろう。だがそれでも前に進み成長するのが人だ。
「光……本当にその名のような御仁なのだな……貴殿は」
光は、目を細目めた。
「それは、どうか分からないが、正雪がそう思うのならそうかもな」
光は、そういい微笑んだとき、殺気を感じた。
「何してるのかしら??」
その声に光は、顔を青ざめると恐る恐る背後をみた。
「友美……」
「光!! もう少し正雪にはっきり問題ないっていえばいいのに!!」
友美は不満げにいうと、正雪を抱き締めた。
「姫??」
「大丈夫!! もし正雪がまた間違った道を選びかけたら私が止めるから!! それに安心して!! ここに来てるってことは、それだけ正雪は、業を減らしてるって事だから!!」
光を見ると彼は、頷いていた。
「友美そこまで俺がいうより友美がいった方が正雪には、響くだろ??」
「だとしてもよ!! 私には、言ってくれるのに!!」
「それは、友美だからだ!!」
ここで夫婦喧嘩をはじめないで欲しいと正雪は、困った顔をすると、友美は、彼女から離れ、光の所に。
「そっか」
どうやら喧嘩は、始まりそうにない。
正雪は、ホッとした。
「でも光……なんで正雪と二人きりなのかしら??」
光は、微笑むと言った。
「俺の姫がやきもちとは、珍しいな」
「そりゃ正雪可愛いもの!! あと光のタイプかと!?」
「俺のタイプねー」
光は、艶やかに笑うと、友美の腰を抱き寄せる。
「光??」
「俺のタイプは、凛としてるのに、実は、甘えん坊で冷酷といいつう優しすぎる姫なんですが??」
「光ストップ!!」
友美は、そういうと正雪を見ると、彼女は、ほほを赤く染めていた。
「姫、光殿いちゃつくなら他で……」
「ごめん……」
「すまん」
正雪は、茶を飲みほすと立ち上がる。
「光殿ご馳走さま」
「お粗末様でした」
正雪は、そういうと何処かに歩いていってしまった。
「気を遣わせてしまったわね……」
「確かに」
後で正雪の好きなパンでも持っていこうと二人は、思っていた。
「にしても霊力の枯渇ねぇーそんなに嫌なのかしら……」
「そりゃ刀剣達と離れたくないとか色々あるんだよ」
「色々ね」
友美は、意味ありげにいうと呟いた。
「光。正雪を巻き込んでよかったのかしら」
「たぶん彼女は、気づいてるよ。そのうえで選んだんだ。友美が気にする必要は、ない。それに……契約を友美が切れば……戻るんだろ??」
友美は、頷く。
「えぇ」
何がもとに戻るのか。それは、光と友美にしか分からないことだ。
「そういえば友美最近黄泉の気配を強く感じるんだが……」
友美は、目を見開く。
「なんですって……」
「気づいてなかったのか!?」
「えぇ。イザナミからもなにも連絡来てないし……世界の均衡もとれてるから……」
友美が気づかないなんて。こんな珍しいことがあるなんてと光は、驚く。
「なら……この気配は……」
「光ちなみに高天ヶ原から??」
「いや。どちらかというと、未来から……しかも時の政府内だ」
友美は、確認した。そして微笑む。
「みつけた」
「……捨て置くか??」
「危害をくわえてくるのなら消す」
しかし事は、そう単純じゃない。そもそも黄泉の力を扱えるのは、生きてるもので友美だけなのだから。
「……これは。黄泉の力に似てるけど、別物。霊力事態が命を奪う作用をしているのね」
「友美どうする」
「とりあえず時の政府に連絡をいれるわ」
友美は、ため息を着くと空を見上げた。
「……もしかすると大変なことになりそうね」
それが何を意味するのか、光は、すぐに分かった。しかし均衡が危ういのならやるしかない。
「友美頼むからその時は、俺をつれていけいいな??」
友美は、微笑む。
「えぇ。私だけだと消えちゃうからも知れないから、世界が」
友美はそういうと、楽しげに笑った。その顔は、間違いなく戦いに飢えた獣の顔をしていた。