日常編2

 近代的な建物の前、行くかう刀剣男士や職員達の中に正雪、蛍そして長義は、いた。
「長義殿まずは、どこにいくのだ??」
 布面で顔を隠しているといえど、正雪のワクワクしている様子は、長義に伝わっていた。
「とりあえず受付だな」
「分かった」
 建物の中に入ると、長義が手続きをしに、受付へ。
 その間正雪は、辺りを見ていると、初々しい審神者の集団とすれ違った。
「あの顔は……」
 見覚えのある顔がちらほらある。正雪は、嬉しそうに笑った。
「もしかして通ってた学校の同級生??」
「だと思う蛍殿」
 試験が終わり、合格したものが審神者になったんだな。
 正雪は、心のなかでおめでとうと呟いた。
「さぁ手続きが終わった。行こう」
 戻ってきた長義は、そういうと、正雪と蛍は、頷きそして中に入った。
 会議の時に来たときもおもったがやはり大きい。
 正雪は、キョロキョロしながら、歩いていると、長義に言われた。
「あまりキョロキョロしてると迷うぞ」
「すまぬ!! しかしつい……」
「珍しいもの多いもんね!!」
 正雪は、頷くと、長義も確かにと思った。
「さてついた」
 しばらく歩いてやってきたのは、ある部屋の前だった。
「広報??」
「昔でいう瓦版を発行する部署だ」
 それなら正雪も分かる。長義は、ノックをした中に入ると、部屋には、広報担当の刀剣男士と職員そしえ三角巾をした桃色の狐が仕事をしていた。
 正雪は、目を煌めかせる。
「あの管狐がもものすけだ」
 蛍もはじめてみるもものすけは、こんのすけより元気がよく明るい感じだ。
「山姥切長義さん」
「本日は、よろしくお願いいたします」
 担当職員と長義がなにか話すなか、正雪は、じっと見ていたもものすけを。
「主」
「あぁ」
 政府には、管狐を見に来ただけでは、ない
 今回は、広報の取材を受けるというミッションがあった。
 職員に案内され、椅子にこしかけると職員は、机にお茶と菓子をおいた。
「まさかあの組織の審神者様にあえるとは、思いませんでした」
「私は、あくまでも代理だ」
 正雪は、困った顔をすると蛍を見た。
「といってもあの組織の刀剣をまとめれるなんてすごいですよ。なかなか難しいとききますし……」
 そんなに難しいのだろうか。皆優しいのにと正雪は、思ったが、隣の長義と蛍は、なかなか冷たい空気を出していた。
「難しいねぇー」
「どこのやつが言っていたんだ??」
 職員は、体をビクッとさせた。怖すぎる。長義と謎の少年が。
「あくまでも噂です……」
「そうか」
「へぇー」
 長義と蛍は、笑ったが目が笑ってなかった。
 その後も職員と話をし、正雪は、質問に答えていく。時々、長義が代わりに答えることもあった。
「審神者様こちらへ」 
 取材が終わり、案内されたのは、もものすけのところだった。
 正雪は、もものすけのところへ行くと、声をかけた。
「貴殿がもものすけか??」
「わたし?? そうよ!!」
 可愛い。正雪は、思わず抱っこした。
「審神者様!?」
「もふもふで……よい……」
 後ろか、見てても変わる。正雪が超ご満悦なことが。
 もものすけには、悪いが少しばかり我慢してもらおう。
「本当に愛らしい……」
 正雪は、長義の方を見た。
「長義殿……連れ帰ることは、……」
 職員ともものすけがそれは、と慌てるなか、蛍と長義は、言った。
「駄目」
「うむ……」
 とりあえず諦めたらしい。
「もものすけは、確かにステージやミュージカルをやってる本丸の告知や各展示会を審神者達に教えてたよね!!」
 蛍は、話題を変えるためにいう。
「ミュージカル?? ステージ??」
 長義は、正雪にも分かるように言った。
「歌舞伎や浄瑠璃に似たものだ」
「演劇というやつか」 
「そうそう」
 本丸にも色々な特色があるのだなと正雪は、思い、もものすけを降ろした。
「ありがとうもものすけ」
「どういたしまして」
「次は、そのような本丸の偵察をしている部署に行こう」
「わかった長義殿」
 広報の部署から離れ、次は、偵察の部署に。
 するとまた職員と刀剣男士達が仕事をし、その中で黒い管狐が。
「もしやあれがくろのすけか??」
「そうだ」
 長義がまた職員とはなしている間、正雪は、くろのすけをみていた。するとくろすけがやって来た。
「不思議な審神者様ですね」
 正雪は、じっとくろのすけをみたあと、しゃがみ抱っこした。くろのすけを。
「もふもふ」
「お姉ちゃん見つける度に抱っこするのは、どうかと……」
「しかし蛍殿可愛いゆえ……」
 長義と職員が唖然としてるが、正雪は、笑ってごまかした。
「本当に不思議な審神者ですな……くろのすけが逃げる前に捕まえるなんて……」
「というと??」
 正雪は、きくと、職員は、答えた。
「くろのすけは、本丸の偵察や企画で各本丸の取材をすることがあるんです。で審神者が幼いと捕まえる可能性もあり、それを防ぐため、逃げることや隠密にも得意なんですよ」
「そうなのか……」
 くろのすけは、頷くと、正雪は、くろのすけを降ろした。
「ありがとう」
「いえ」
 もしかすると動物に懐かれやすい性質がここでもいかされているのだろうか。
 長義と職員が離している間、蛍は、何故か不快感を隠さない顔をしていた。
「蛍殿??」
「ごめん……俺ここ苦手なんだ……」
 蛍は、そういうと、さらに冷たい瞳をしていた。
 正雪は、蛍に悪いと思いながら、彼を抱っこした。
「お姉ちゃん!? 俺子供じゃ!!」
「こうすれば少しは、ましのはず」
 蛍は、困った顔をすると言った。
「ありがとう」
 蛍が嫌な顔をするのも分かる。正雪にとってもここは、少し居心地が悪い。
「では、次に行こう」
「あぁ」
 挨拶をし、次にやってきたのは、刀剣の研究をしているところだった。
「ここは??」
「既に失われた刀剣を刀剣男士として顕現させる研究をしているところだ」
「長義殿そんなに多いのか??」
 長義は、頷く。
「あぁ。例えば織田信長のあいとうだった実休光忠とかだ」
「信長公の……もしや本能寺の変で焼失したという……」
 正雪もきいたことがあったる。確かに刀があるからこそ、付喪神として顕現させることができるのだ。
 消失した刀剣を付喪神として顕現させるとなるとそれだけの術が必要になってくる。
「蛍殿も??」
 正雪は、蛍を見るが、彼は、笑うのみ。
「まぁそうとも言えるが……蛍丸に関しては、まさかのまさかで本霊がいるから……」
 長義も蛍を見ていう。
「俺にもこればからは、分からん」
 蛍とたぶん友美だけがなにか知ってそうだ。
「まぁ気にしない気にしない!! 俺が友美の力で顕現して、ちょちょいとそのあと全てこ蛍丸を掌握しただけだから~」
 さらりと言ってるが恐ろしいことを彼は、言っている間違いなく。
「本霊は、俺達とは、また違うんだな」
「そのようだ」
 本霊の恐ろしさを感じながら、長義の案内で、研究機関を見て回った。
「あの小さな狐は……」
 あるところに小さな管狐が。長義が説明しようとしたとき、正雪が居なくなっていた。
「主!?」
「長義あそこ」
 正雪は、捕まえていた。きゅうのすけを。
「何者だ!?」
「まめのすけと違いとてもキリッとしている……」
 小さい管狐に正雪は、微笑むと優しく撫でた。
「本当に愛らしい」
「離せ!!」
「すまぬ!!」
 きゅうのすけを、正雪は、降ろすと、何をしていたのかきいた。
「何をしているのだ??」
「刀剣の勉強!!」
「ほう……」
 きゅうのすけは、勉強熱心なんだなと思いながら、正雪は、きゅうのすけと話をしていた。
「主……本当に好きだな……管狐」
「管狐というより生き物かもね」
 しばらくきゅうのすけと話すと、正雪は、長義達のところに戻ってきた。
「気が済んだかい??」
「あぁ。ありがとう長義殿」
「じゃ帰ろうか」
 気づけば昼過ぎ。政府の建物から長義達は、でると、近くの公園に。
「光忠が弁当を用意してくれていたんだ」
 ベンチに座り、長義は、お重を開けると、中には、いなり寿司が。
「美味しそう!!」
「だな蛍殿」
 手拭きで、手をふきそして、手を合わすとさっそくいなり寿司を食べた。
 甘い油揚げが美味しく、皆が、目を煌めかせたとき、なんと、くろのすけが。
「私たちのいなり寿司!?」
 なんと食べていたくろのすけがいなり寿司を。
「とても美味ですな!!」
「どこのくろのすけだ!!」
 長義が苛立ちをくろのすけにぶつけると、くろのすけは、そのまま逃げてしまった。
「おい!!」
「長義殿追いかけなくていい」
「主……」
「一つくらいいいよね!!」
「そうとも」
「ならいいが」
 長義は、座るとまたいなり寿司を食べた。楽しく離しているとあっというまに食べ終えてしまった。
「お姉ちゃん食べる量増えた??」
「かもしれぬ」
「ならよかった」
 長義と蛍は、安心した顔をした。
「さて帰ろうか」
「だね」
「そうだな」
 長義、蛍、正雪は、お重を片付けると、屋敷に帰った。

 屋敷に帰り、正雪は、光忠に礼を言うと、その後国広の執務室に。
「国広だから」
「姫だが」
 なにやは友美と国広が話をしていた。正雪が執務室にはいると、国広と友美は、彼女をみた。
「姫、国広殿。ただいまかえった」
「おかえりなさい」
「楽しかったようだな」
 正雪の顔は、とても楽しそうな顔をしていた。
 正雪は、頷く。
「その話してもいいだろうか……」
「もちろん!!」
「あぁ」
 正雪は、嬉しそうな顔をすると、今日あったことを話し始めた。
 とても楽しそうにはなす正雪を見ながら、友美と国広は、微笑み、そして廊下から会話をきいていた蛍と長義も笑っていた。
「長義が今日は、誉れだねー」
「ならよかった」
 あそこまではしゃいでいる正雪もまた珍しい。
「で姫、その増やせないだろうか管狐を……」
「さすがに無理よー」 
「姫!! 世話なら私がするから!!」
「それでも無理よー」
 そしてひとしきり話すと、今度は、正雪は、おねだりしていた。管狐を増やしてほしいと。 
 その様子を見ていた国広、長義、蛍は、困った顔をしていた。さすがにそれは、無理だろうと思いながら。
2/12ページ
スキ