学校仮入学編
本丸見学の日がやって来た。
皆が楽しそうに話をするなか、正雪は、緊張していた。
気配に関しては、問題ないように、姫から術を教わり、かけた。
面もしているので顔でばれる心配もないだろう。
己のなかで一つ一つ確認し、ていた。
「主にしては、珍しく顔が青いな」
「そりゃ……長義殿……私は、やらかしてるから……色々と……」
そう政府に遡行軍が攻めこんできた時に。
「本職のもの相手ならばれるかも知れぬだろ!?」
「ばれないと思うが……そもそも君今そこまで気配強くないしね……」
普段正雪の気配は、やはり特徴がある。学校に通っているときそれは、だいぶ薄くなっていた。だが今は、それも感じないほどだ。
「よほど敏感なやつじゃないと無理だよ」
「そうか……」
なら大丈夫だろう。正雪は、深呼吸し、正面を向くと、担任が入ってきた。
朝礼が始まり、一通り説明が終わり、いざ、見学に。
皆が荷物をもち、教室をで、やって来たのは、鳥居だった。
「ここから本丸に向かいます」
担任がそういうとせっていをし、鳥居のなかに。皆も続けてくぐり、次の瞬間視界には、大きな日本家屋が。
「お疲れ様です」
「こちらこそ、本日は、よろしくお願いいたします」
この本丸の審神者らしき、女性と、担任が話をしているのか、生徒たちさ、辺りを見渡していた。
「すごいー!!!」
「ここが本丸なんだね!!」
そんな会話が聞こえるなか、正雪は、悪寒を感じていた。
「主??」
「長義殿……なにかいる……」
背筋に感じる嫌な気配。ひとまず皆に遅れないようにしなければ。
正雪は、話を聞きながら、誰にも言わずに、本丸の見学を続行することにした。
やはり皆は、気づかないのだろう。この本丸に満ちてる嫌な気配に。
「主顔色が……」
「長義殿ひとまず全てみてまわろう……なにかある。この本丸には」
正雪には、ひかかっていたことがあった。それは、友美言葉だ。
「正雪。悪寒を感じたら一先ずなにがあっても皆と見学を続けなさい。でもそれが終わってのち、まだ悪寒がするなら、伐りなさい」
具体的に友美は、言わなかった。ただ伐れとのみ言った。
「……確かに少しばかり嫌な気がする」
「姫が伐れと言ったものがなんなのか……私には、わからない。だがそうなると貴殿にしてもらう必要がある……」
今の正雪は、あくまでも学生だ。刀は、持ってきているがなるべく使いたくは、ない。
長義は、頷く。
その後も本丸の畑や、馬小屋、台所、大広間や事務で使う部屋だったりと色々見てまわった。
皆が、凄いと息をのむなか、正雪は、さらに感じていた。何かいると。
「凄い!! ここが、鍛刀部屋なんだ!!」
夏が感激し言うなか、正雪は、気づいた。神棚がおかしいことに。
「……本来いるはずのものがいない」
ここならば鍛冶の神として有名なアメノマヒトツノカミが祀られているはずだ。
違った場合でもタケミカヅイやフツヌシが祀られている可能性がある。
しかしこの気配は、それとも違う。どちらかというと禍々しいのだ。
「確かに。普通の本丸の鍛刀部屋の気配では、ないな」
正雪は、まさかとあることがよぎったが、一先ずさらに見学へ。
一通り本丸をめぐると、大広間で更に話を聞いた。
「やはり大変ですが、やりがいのある仕事では、あります」
審神者の声が響くなか、正雪は、見た。
審神者の背後におかしなものがいると。
まさか見えているのは、自分だけ。正雪は、辺りを見渡しても誰も気づいていない様子だった。
その後も話は、続き、自由に本丸を見てまわれるようになったとき正雪は、審神者に話しかけた。
「少しよろしいでしょうか??」
「貴女は……」
「幸といいます」
山姥切長義を連れている女の子かと審神者は、思い出した。学生で長義を連れているのは、なかなか珍しくこの本丸には、まだ彼は、いない。
山姥切長義は、政府から認められた本丸にしか基本派遣されないからだ。
「幸さん」
この子は、本丸育ちのこなのだろう。でなければ、長義を連れ歩くことなど出来ない。
しかしそれでも羨ましい。この娘が。
「えぇなにかしら??」
審神者から感じる黒いものに正雪は、更に背筋がゾクッとした。
「最近体調不良などは」
「とくにないわ」
「そうですか」
絶対に何かある。そして腹のなになにかを隠している。
正雪は、直感でそう感じていた。
「えぇ」
頑張っても手の届かない刀剣が目の前にいる。ふとこの娘よりも自分の方が主にふさわしいこでは、と思ってしまった。
思わず、審神者は、正雪の首に手を伸ばしていた。ここでこの子が死ねば長義は、ここに来ることになるという、馬鹿げたことを考えて。
正雪は、自分の手を払い除けると言った。
「貴殿……審神者として道を踏み外すつもりか!! あの神だなといい……招きこんだだろ!! よくないあやかしをこの本丸に!!」
政府の職員でも気づかなかったのに、この学生は、気づいた。
審神者は、微笑む。冷たく。
「貴女そうとう霊力が強いのね。普通気づかないわよ」
「……主いいか??」
「あぁ。長義殿やれ」
長義の目にもわかる。黒いものが正雪を欲している事に。
審神者から離れたそれは、正雪に襲いかかってきたが、次の瞬間伐られた。
長義に。声にならぬ叫びと共にそれは、消えた。
倒れる審神者を正雪は、受け止めると、近くにいた刀剣に彼女を託した。
「ありがとう長義殿」
「これくらいいいさ。それより主は、問題ないか??」
正雪は、困ったように笑うと言った。
「……体が重くふらふらする……あの気のせいだろう……それに彼女は、私を妬んでいた。貴殿を連れているからと……」
流れてきた感情の黒さに正雪は、身の毛がよだった。もし友美がこれを感じていたのなら彼女が政府と手を切ったのもなっとくが出来た。
「人とは、そうして己を壊していくからな。主は、そうならないでくれ」
「え??」
「なられると俺を含め皆が、悲しむから」
長義は、そういうと正雪を横抱きにした。
「長義殿!?」
「一先ず担任のところだな。その後政府にこの事を伝える」
「しかしそれをすれば本丸は!!」
「解体は、されないさ。だがやらねばならないことは、ある。主ならそれが出来るがやってやる義理は、ない。あくまでもそれは、政府の仕事だ」
「長義殿……」
自分は、それほどに弱くなってしまったのだろうか。
正雪は、目を伏せおとなしく長義に運ばれることしか出来なかった。
担任の所に長義は、つくと、担任にだけ全てを説明した。
「なんですって……」
「俺は、一先ず政府にこの事を伝える。すまないが主を頼んでも??」
「えぇ」
長義は、正雪を降ろす。
「長義殿……」
「少し体調がよくなったようでよかった」
彼は、そういうと優しく微笑み政府へと向かった。
「ありがとう幸さん」
「私は、なにも……」
「貴女が気づき対処してくれたからこそ、大事にならずにすんだ。ですが、次からは、先に相談してください。本来この仕事は、学生のやることでは、ありませんから」
担任は、そういうと微笑む。
「はい……」
「では、自由時間も終わりですし、帰りましょう」
「はい」
その後も生徒たちは、指定の場所に集まり、寝込む審神者の代わりに近侍が最後の挨拶をし、皆は、学校に帰った。
学校につき、教室に入ると、課題が伝えられ、終わりの申し送りが。
申し送りが終わると皆教室をでていった。
「幸さん長義さんは??」
「夏殿……少し所用で」
「そうなんだね!! この後お茶しない??」
夏の誘いだ。正雪は、答えようとした時、ガクッと体が引っ張られるような感覚に襲われた。
「幸さん!?」
脂汗が出始め、夏にもただ事では、ないとわかるほどのようだ。
声もでぬ程の感覚に正雪は、座っているのがやっとだった。
「来てみて、正解ね」
「貴女は!?」
夏の驚く声が聞こえる。カツカツと足音が聞こえ、正雪は、誰かに横抱きにされたのは、わかった。
重い頭を上げると、絹の濡鴉の髪が見えた。
「持っていくよこれ!!」
「お願い蛍」
突然現れた見知らぬ女性に夏は、どうにかしなければとあせる。
「幸さんをどこに連れていく気ですか!!」
早く先生に伝えなければと夏は、思ったが体が動かなかった。
「連れて帰るだけよ」
「連れて帰る……」
幸は、たしか本丸育ちだったはず。そうなると目の前の女性は、審神者だろうか。
「貴女……」
女性は、優しく微笑むと言った。
「面白い霊力ね……血縁に天皇家でもいるのかしら……」
夏の様子が少しおかしい。動きが止まった。
「貴女とは、また会いそうね」
残された沈丁花の香り。夏は、その場を動けなかった。間違いない。彼女は、あの噂の審神者だ。
「主??」
加州の声が聞こえるが、まだ夏は、動けなかった。
「……もしかして今日の出来事って」
夏のなかで何か組み上がり、ピースがぴったりはまった。
山姥切長義がいなくなり、担任の様子もおかしかった。なにより幸の様子も。
なにより夏が感じたあの微かな気配。
「幸さんが全てを対処したってこと……」
審神者とは、時に邪への対処をしないといけないこともある。だがそれは、ここでは、学べない。そもそも政府もそれを隠しているからだ。
夏は、目を伏せるとそのまま荷物を持ち教室をでた。
加州の声が聞こえないほど拳に力を込めながら。
皆が楽しそうに話をするなか、正雪は、緊張していた。
気配に関しては、問題ないように、姫から術を教わり、かけた。
面もしているので顔でばれる心配もないだろう。
己のなかで一つ一つ確認し、ていた。
「主にしては、珍しく顔が青いな」
「そりゃ……長義殿……私は、やらかしてるから……色々と……」
そう政府に遡行軍が攻めこんできた時に。
「本職のもの相手ならばれるかも知れぬだろ!?」
「ばれないと思うが……そもそも君今そこまで気配強くないしね……」
普段正雪の気配は、やはり特徴がある。学校に通っているときそれは、だいぶ薄くなっていた。だが今は、それも感じないほどだ。
「よほど敏感なやつじゃないと無理だよ」
「そうか……」
なら大丈夫だろう。正雪は、深呼吸し、正面を向くと、担任が入ってきた。
朝礼が始まり、一通り説明が終わり、いざ、見学に。
皆が荷物をもち、教室をで、やって来たのは、鳥居だった。
「ここから本丸に向かいます」
担任がそういうとせっていをし、鳥居のなかに。皆も続けてくぐり、次の瞬間視界には、大きな日本家屋が。
「お疲れ様です」
「こちらこそ、本日は、よろしくお願いいたします」
この本丸の審神者らしき、女性と、担任が話をしているのか、生徒たちさ、辺りを見渡していた。
「すごいー!!!」
「ここが本丸なんだね!!」
そんな会話が聞こえるなか、正雪は、悪寒を感じていた。
「主??」
「長義殿……なにかいる……」
背筋に感じる嫌な気配。ひとまず皆に遅れないようにしなければ。
正雪は、話を聞きながら、誰にも言わずに、本丸の見学を続行することにした。
やはり皆は、気づかないのだろう。この本丸に満ちてる嫌な気配に。
「主顔色が……」
「長義殿ひとまず全てみてまわろう……なにかある。この本丸には」
正雪には、ひかかっていたことがあった。それは、友美言葉だ。
「正雪。悪寒を感じたら一先ずなにがあっても皆と見学を続けなさい。でもそれが終わってのち、まだ悪寒がするなら、伐りなさい」
具体的に友美は、言わなかった。ただ伐れとのみ言った。
「……確かに少しばかり嫌な気がする」
「姫が伐れと言ったものがなんなのか……私には、わからない。だがそうなると貴殿にしてもらう必要がある……」
今の正雪は、あくまでも学生だ。刀は、持ってきているがなるべく使いたくは、ない。
長義は、頷く。
その後も本丸の畑や、馬小屋、台所、大広間や事務で使う部屋だったりと色々見てまわった。
皆が、凄いと息をのむなか、正雪は、さらに感じていた。何かいると。
「凄い!! ここが、鍛刀部屋なんだ!!」
夏が感激し言うなか、正雪は、気づいた。神棚がおかしいことに。
「……本来いるはずのものがいない」
ここならば鍛冶の神として有名なアメノマヒトツノカミが祀られているはずだ。
違った場合でもタケミカヅイやフツヌシが祀られている可能性がある。
しかしこの気配は、それとも違う。どちらかというと禍々しいのだ。
「確かに。普通の本丸の鍛刀部屋の気配では、ないな」
正雪は、まさかとあることがよぎったが、一先ずさらに見学へ。
一通り本丸をめぐると、大広間で更に話を聞いた。
「やはり大変ですが、やりがいのある仕事では、あります」
審神者の声が響くなか、正雪は、見た。
審神者の背後におかしなものがいると。
まさか見えているのは、自分だけ。正雪は、辺りを見渡しても誰も気づいていない様子だった。
その後も話は、続き、自由に本丸を見てまわれるようになったとき正雪は、審神者に話しかけた。
「少しよろしいでしょうか??」
「貴女は……」
「幸といいます」
山姥切長義を連れている女の子かと審神者は、思い出した。学生で長義を連れているのは、なかなか珍しくこの本丸には、まだ彼は、いない。
山姥切長義は、政府から認められた本丸にしか基本派遣されないからだ。
「幸さん」
この子は、本丸育ちのこなのだろう。でなければ、長義を連れ歩くことなど出来ない。
しかしそれでも羨ましい。この娘が。
「えぇなにかしら??」
審神者から感じる黒いものに正雪は、更に背筋がゾクッとした。
「最近体調不良などは」
「とくにないわ」
「そうですか」
絶対に何かある。そして腹のなになにかを隠している。
正雪は、直感でそう感じていた。
「えぇ」
頑張っても手の届かない刀剣が目の前にいる。ふとこの娘よりも自分の方が主にふさわしいこでは、と思ってしまった。
思わず、審神者は、正雪の首に手を伸ばしていた。ここでこの子が死ねば長義は、ここに来ることになるという、馬鹿げたことを考えて。
正雪は、自分の手を払い除けると言った。
「貴殿……審神者として道を踏み外すつもりか!! あの神だなといい……招きこんだだろ!! よくないあやかしをこの本丸に!!」
政府の職員でも気づかなかったのに、この学生は、気づいた。
審神者は、微笑む。冷たく。
「貴女そうとう霊力が強いのね。普通気づかないわよ」
「……主いいか??」
「あぁ。長義殿やれ」
長義の目にもわかる。黒いものが正雪を欲している事に。
審神者から離れたそれは、正雪に襲いかかってきたが、次の瞬間伐られた。
長義に。声にならぬ叫びと共にそれは、消えた。
倒れる審神者を正雪は、受け止めると、近くにいた刀剣に彼女を託した。
「ありがとう長義殿」
「これくらいいいさ。それより主は、問題ないか??」
正雪は、困ったように笑うと言った。
「……体が重くふらふらする……あの気のせいだろう……それに彼女は、私を妬んでいた。貴殿を連れているからと……」
流れてきた感情の黒さに正雪は、身の毛がよだった。もし友美がこれを感じていたのなら彼女が政府と手を切ったのもなっとくが出来た。
「人とは、そうして己を壊していくからな。主は、そうならないでくれ」
「え??」
「なられると俺を含め皆が、悲しむから」
長義は、そういうと正雪を横抱きにした。
「長義殿!?」
「一先ず担任のところだな。その後政府にこの事を伝える」
「しかしそれをすれば本丸は!!」
「解体は、されないさ。だがやらねばならないことは、ある。主ならそれが出来るがやってやる義理は、ない。あくまでもそれは、政府の仕事だ」
「長義殿……」
自分は、それほどに弱くなってしまったのだろうか。
正雪は、目を伏せおとなしく長義に運ばれることしか出来なかった。
担任の所に長義は、つくと、担任にだけ全てを説明した。
「なんですって……」
「俺は、一先ず政府にこの事を伝える。すまないが主を頼んでも??」
「えぇ」
長義は、正雪を降ろす。
「長義殿……」
「少し体調がよくなったようでよかった」
彼は、そういうと優しく微笑み政府へと向かった。
「ありがとう幸さん」
「私は、なにも……」
「貴女が気づき対処してくれたからこそ、大事にならずにすんだ。ですが、次からは、先に相談してください。本来この仕事は、学生のやることでは、ありませんから」
担任は、そういうと微笑む。
「はい……」
「では、自由時間も終わりですし、帰りましょう」
「はい」
その後も生徒たちは、指定の場所に集まり、寝込む審神者の代わりに近侍が最後の挨拶をし、皆は、学校に帰った。
学校につき、教室に入ると、課題が伝えられ、終わりの申し送りが。
申し送りが終わると皆教室をでていった。
「幸さん長義さんは??」
「夏殿……少し所用で」
「そうなんだね!! この後お茶しない??」
夏の誘いだ。正雪は、答えようとした時、ガクッと体が引っ張られるような感覚に襲われた。
「幸さん!?」
脂汗が出始め、夏にもただ事では、ないとわかるほどのようだ。
声もでぬ程の感覚に正雪は、座っているのがやっとだった。
「来てみて、正解ね」
「貴女は!?」
夏の驚く声が聞こえる。カツカツと足音が聞こえ、正雪は、誰かに横抱きにされたのは、わかった。
重い頭を上げると、絹の濡鴉の髪が見えた。
「持っていくよこれ!!」
「お願い蛍」
突然現れた見知らぬ女性に夏は、どうにかしなければとあせる。
「幸さんをどこに連れていく気ですか!!」
早く先生に伝えなければと夏は、思ったが体が動かなかった。
「連れて帰るだけよ」
「連れて帰る……」
幸は、たしか本丸育ちだったはず。そうなると目の前の女性は、審神者だろうか。
「貴女……」
女性は、優しく微笑むと言った。
「面白い霊力ね……血縁に天皇家でもいるのかしら……」
夏の様子が少しおかしい。動きが止まった。
「貴女とは、また会いそうね」
残された沈丁花の香り。夏は、その場を動けなかった。間違いない。彼女は、あの噂の審神者だ。
「主??」
加州の声が聞こえるが、まだ夏は、動けなかった。
「……もしかして今日の出来事って」
夏のなかで何か組み上がり、ピースがぴったりはまった。
山姥切長義がいなくなり、担任の様子もおかしかった。なにより幸の様子も。
なにより夏が感じたあの微かな気配。
「幸さんが全てを対処したってこと……」
審神者とは、時に邪への対処をしないといけないこともある。だがそれは、ここでは、学べない。そもそも政府もそれを隠しているからだ。
夏は、目を伏せるとそのまま荷物を持ち教室をでた。
加州の声が聞こえないほど拳に力を込めながら。