光明ノ神子にかわり代理審神者勤めます
節分は、江戸も現代もあまり変わらないのだと、正雪は、思いながら、短刀たちと、豆を撒いていた。
「鬼は、外!! 福は、うち!!」
馴染みのある掛け声で豆をまき、後藤は、にっこり笑う。
「これで今年も平和だな!!」
「ですね!! 後藤兄さん!!」
五虎退と後藤は、そういうと、楽しそうに笑うので、正雪もを細める。
「ここは、神の住まうところ。福しか来ないな」
「正雪がそれを言う??」
「包丁殿いいだろ!?」
「まぁねー」
包丁は、そういうとくったくのない笑みを浮かべた。
その後正雪は、短刀と撒いた豆を片付け、分かれた。
「国広!!」
執務室に戻ると、国広が。
「正雪撒いてきたのか??」
「あぁ。短刀達と!!」
正雪は、懐から福豆を出すと、席で仕事をしている国広に出した。
「国広も食べぬか??」
「歳の数だけ豆をか??」
正雪は、頷くが、ふと気づく。
「国広は……670くらい豆を食べる必要がある??」
しかしそう考えると計算がおかしい。
「しかし……今は、令和ゆえ……豆は、435では??」
「そりゃ令和ならな。でも時の政府のある2205年なら、約615~621とかだな」
正雪は、友美が以前言っていた年齢は、時の政府の時代の年齢だったのかとこの時知った。
「姫大雑把では!?」
「まぁ歴史は、ころころ変わるしな。それに俺達にとって歳なんてたいしたもんだいじゃないしな」
「そうか」
「しかし、令和に換算して、435粒か……さすがにキツいな」
「確かに……私は、30粒くらいかな……」
「正雪0だろ」
正雪は、ハッとした。そう歳の数となると、正雪は、今ややこしいことになっている。
令和の世に転生してまだ一年もたってないが、器的には、生前と、変わらぬほどには、成長している。
友美があえてそうしたと言うのもあるが、そうなると、自分は、どうなるのだろうか。
「国広私は、何粒食べればいいのだ!!??」
「……そんなに重要か??」
「重要だとも!! さすがに褌を屋根から落とさぬが!! せめてこれくらいは、したいのだ!! 江戸でも皆がやっていたゆえ!!」
「その時は、豆、食べたのか??」
「いいや……そもそも受け付けなかった……」
生前の正雪の事を国広は、思い出しながら、少し切ない顔をしていた。
たぶん塾生や女中、街の人々が節分を楽しむなか、彼女は、笑っていたが、内心後ろめたさや、疎外感を感じていたと思ったからだ。
どうせ私は、人では、ない。そう思いながら、楽しむ人々を見るのは、ホムンクルスといえどキツいことと言えるからだ。
「正雪……」
「今ならば出来る。だからやってみたいのだ」
「そうか」
ならと国広は、提案した。
「身分証の年齢は??」
正雪は、とりあえず国広に、保険証を見せた。
「これだ」
「姫きっちり年齢は、三十歳としてるのか……」
「あぁ」
国広は、保険証を返すという。
「なら30粒食べればいいだろ。一応それが正雪の表向きの年齢だしな」
正雪は、頷くと、いった。
「そうする。ありがとう国広!!」
正雪は、そういうと、ソファーにすわり、豆を食べ出したが、これがなかなか顎がつかれる。
途中からいっきに口に入れ、食べたが、それでも顎が疲れた。
「30粒も食べるとなると大変だ……」
「そりゃな」
「来年からは、やめておこう……」
「そうか」
正雪は、見た。時計を。
「むぅ!?」
と出す声。
「昼前だな」
国広は、時計を見て呟く。
「昼が食べれぬ!!」
「いけるだろ」
「そんなに私は、食べれぬぞ!?」
「お茶碗二杯ペロッといくやつがいう台詞か??」
正雪は、視線をそらした。
「それは……」
「とりあえず食堂にいくぞ」
「うむ」
正雪と国広は、執務室をで、食堂にいくと、本日は、巻き寿司。だった切られていない。
「切られていない??」
「恵方巻は、切らずに食べるならな。光忠は、そうしたんだろう」
席に着き、不思議そうに正雪は、見ていると、国広が説明する。
「なるほど」
「ほら。藤四郎が食べてるぞ」
西南西の方を向き、黙って鯰尾は、恵方巻を食べている。
「あれが今の節分なのか……」
「今年は、西南西のようだな。まぁそのまま食べてもいいぞ。あれは、寿司屋の戦略としてうちだされたもんだし」
「国広その方角は、毎年違うのかな??」
「あぁ。毎年恵方というもんは、変わる。でその方角をむいて、黙って巻き寿司1本食べることで、歳徳神から加護を得られ、一年の福を呼び寄せられるとされているな」
国広は、そのまま恵方など気にせずに、寿司を食べた。
「国広!?」
「俺達は、付喪神だぞ。それにここは、高天ヶ原だ。恵方巻なんかで、一年の福を呼び寄せられるなら、日ノ本は、太平の世になってるぞ」
確かに国広のいうとおりだろう。今よりも幸せになっているはずだ日本は。
「確かに」
「それに天之御中主神や天照大神が日頃目の前にいるのに今さらだろ」
そうであった。ここでは、それが普通なのだ。
正雪は、自分は、やはり凄いところに来てしまったと思いながら、とりあえず鯰尾の真似をして、恵方に向く。
モグモグと黙って、寿司を食べる。
「正雪も恵方に向いて食べてるのか」
「一応色々やってみたいんだろう。骨喰」
お昼を食べ終え、骨喰は、配膳口に使った食器を持っていく途中で国広に話しかけた。
「そうか」
しかしそうとうしんどそうに食べているが。
「正雪無理は、しない方がいい」
骨喰に話しかけられ、正雪は、急いで口に押し込むと、頷く。
そしてなんとか飲み込むと、すぐに味噌汁を飲んだ。
「キツいな……」
「そりゃそうだろう。他のおかずは、入るか??」
福豆と寿司そして味噌汁で正直苦しいが、栄養素の事を考えると食べなければ。
正雪は、無理矢理全て食べると言う。
「苦しい……」
「そりゃそうだろ」
とりあえず国広は、立ち上がると、正雪の使った食器も持ち、片付けにいった。
しばらく机に伏せ、正雪は、ノックダウンしていると、暗くなる。
「正雪??」
声に正雪は、反応し、体を上げると、友美が。
「姫……」
「食べすぎちゃったのね??」
「うむ……」
友美は、微笑むと、正雪に薬を差し出す。
「消化薬よ」
「気遣い痛み入る」
正雪は、薬を飲むと、ほっと吐いた。息を。
「ゆっくり横になる??」
「肥るゆえ、動くことにする!!」
「お散歩にしてね!? 素振りは、お腹痛くなるから」
「承知した」
正雪は、そういうと頷き、立ち上がると、国広が食堂に。
「国広!! 散歩にいかぬか??」
「散歩!?」
正雪は、国広の手を掴む。
「参ろう!! 国広!!」
「仕事が!!」
「そのようなもの後でよい!!」
「締め切りがー!!!」
国広の叫びは、むなしく聞こえなくなってしまった。
正雪に手を引かれ、外に行く国広をみて、友美は、笑った。
「国広も大変だな」
「あら長義」
食堂にやってきた長義に友美は、話しかける。
「長義は、学校に同行してたときあんな感じじゃなかったの??」
「全然。むしろおとなしかったよ。正雪さん」
「おとなしい……」
「公の場というのもあったんだろうが、俺に遠慮をしていたのかと思う」
やはり正雪の中では、国広が一番気楽に付き合えるのだろう。
と思った時だ。
「正雪さん!!??」
「長義も来るのだ!!」
「えっ!?」
「デスクワークとやらで、肩こりが大変と申していたでは、ないか!!」
長義は、うむを言わさずに、正雪に連れ去られていった。
「わざわざ戻ってきて、連れていくとは……正雪すごい……」
友美は、影のここの支配者かと正雪の事を思うと、笑う。
「本当に楽しそうにね」
楽しそうでなりより、友美は、微笑むと、食堂を出ていったのであった。
後で正雪からどんな話が聞けるのかとも考えながら。
「鬼は、外!! 福は、うち!!」
馴染みのある掛け声で豆をまき、後藤は、にっこり笑う。
「これで今年も平和だな!!」
「ですね!! 後藤兄さん!!」
五虎退と後藤は、そういうと、楽しそうに笑うので、正雪もを細める。
「ここは、神の住まうところ。福しか来ないな」
「正雪がそれを言う??」
「包丁殿いいだろ!?」
「まぁねー」
包丁は、そういうとくったくのない笑みを浮かべた。
その後正雪は、短刀と撒いた豆を片付け、分かれた。
「国広!!」
執務室に戻ると、国広が。
「正雪撒いてきたのか??」
「あぁ。短刀達と!!」
正雪は、懐から福豆を出すと、席で仕事をしている国広に出した。
「国広も食べぬか??」
「歳の数だけ豆をか??」
正雪は、頷くが、ふと気づく。
「国広は……670くらい豆を食べる必要がある??」
しかしそう考えると計算がおかしい。
「しかし……今は、令和ゆえ……豆は、435では??」
「そりゃ令和ならな。でも時の政府のある2205年なら、約615~621とかだな」
正雪は、友美が以前言っていた年齢は、時の政府の時代の年齢だったのかとこの時知った。
「姫大雑把では!?」
「まぁ歴史は、ころころ変わるしな。それに俺達にとって歳なんてたいしたもんだいじゃないしな」
「そうか」
「しかし、令和に換算して、435粒か……さすがにキツいな」
「確かに……私は、30粒くらいかな……」
「正雪0だろ」
正雪は、ハッとした。そう歳の数となると、正雪は、今ややこしいことになっている。
令和の世に転生してまだ一年もたってないが、器的には、生前と、変わらぬほどには、成長している。
友美があえてそうしたと言うのもあるが、そうなると、自分は、どうなるのだろうか。
「国広私は、何粒食べればいいのだ!!??」
「……そんなに重要か??」
「重要だとも!! さすがに褌を屋根から落とさぬが!! せめてこれくらいは、したいのだ!! 江戸でも皆がやっていたゆえ!!」
「その時は、豆、食べたのか??」
「いいや……そもそも受け付けなかった……」
生前の正雪の事を国広は、思い出しながら、少し切ない顔をしていた。
たぶん塾生や女中、街の人々が節分を楽しむなか、彼女は、笑っていたが、内心後ろめたさや、疎外感を感じていたと思ったからだ。
どうせ私は、人では、ない。そう思いながら、楽しむ人々を見るのは、ホムンクルスといえどキツいことと言えるからだ。
「正雪……」
「今ならば出来る。だからやってみたいのだ」
「そうか」
ならと国広は、提案した。
「身分証の年齢は??」
正雪は、とりあえず国広に、保険証を見せた。
「これだ」
「姫きっちり年齢は、三十歳としてるのか……」
「あぁ」
国広は、保険証を返すという。
「なら30粒食べればいいだろ。一応それが正雪の表向きの年齢だしな」
正雪は、頷くと、いった。
「そうする。ありがとう国広!!」
正雪は、そういうと、ソファーにすわり、豆を食べ出したが、これがなかなか顎がつかれる。
途中からいっきに口に入れ、食べたが、それでも顎が疲れた。
「30粒も食べるとなると大変だ……」
「そりゃな」
「来年からは、やめておこう……」
「そうか」
正雪は、見た。時計を。
「むぅ!?」
と出す声。
「昼前だな」
国広は、時計を見て呟く。
「昼が食べれぬ!!」
「いけるだろ」
「そんなに私は、食べれぬぞ!?」
「お茶碗二杯ペロッといくやつがいう台詞か??」
正雪は、視線をそらした。
「それは……」
「とりあえず食堂にいくぞ」
「うむ」
正雪と国広は、執務室をで、食堂にいくと、本日は、巻き寿司。だった切られていない。
「切られていない??」
「恵方巻は、切らずに食べるならな。光忠は、そうしたんだろう」
席に着き、不思議そうに正雪は、見ていると、国広が説明する。
「なるほど」
「ほら。藤四郎が食べてるぞ」
西南西の方を向き、黙って鯰尾は、恵方巻を食べている。
「あれが今の節分なのか……」
「今年は、西南西のようだな。まぁそのまま食べてもいいぞ。あれは、寿司屋の戦略としてうちだされたもんだし」
「国広その方角は、毎年違うのかな??」
「あぁ。毎年恵方というもんは、変わる。でその方角をむいて、黙って巻き寿司1本食べることで、歳徳神から加護を得られ、一年の福を呼び寄せられるとされているな」
国広は、そのまま恵方など気にせずに、寿司を食べた。
「国広!?」
「俺達は、付喪神だぞ。それにここは、高天ヶ原だ。恵方巻なんかで、一年の福を呼び寄せられるなら、日ノ本は、太平の世になってるぞ」
確かに国広のいうとおりだろう。今よりも幸せになっているはずだ日本は。
「確かに」
「それに天之御中主神や天照大神が日頃目の前にいるのに今さらだろ」
そうであった。ここでは、それが普通なのだ。
正雪は、自分は、やはり凄いところに来てしまったと思いながら、とりあえず鯰尾の真似をして、恵方に向く。
モグモグと黙って、寿司を食べる。
「正雪も恵方に向いて食べてるのか」
「一応色々やってみたいんだろう。骨喰」
お昼を食べ終え、骨喰は、配膳口に使った食器を持っていく途中で国広に話しかけた。
「そうか」
しかしそうとうしんどそうに食べているが。
「正雪無理は、しない方がいい」
骨喰に話しかけられ、正雪は、急いで口に押し込むと、頷く。
そしてなんとか飲み込むと、すぐに味噌汁を飲んだ。
「キツいな……」
「そりゃそうだろう。他のおかずは、入るか??」
福豆と寿司そして味噌汁で正直苦しいが、栄養素の事を考えると食べなければ。
正雪は、無理矢理全て食べると言う。
「苦しい……」
「そりゃそうだろ」
とりあえず国広は、立ち上がると、正雪の使った食器も持ち、片付けにいった。
しばらく机に伏せ、正雪は、ノックダウンしていると、暗くなる。
「正雪??」
声に正雪は、反応し、体を上げると、友美が。
「姫……」
「食べすぎちゃったのね??」
「うむ……」
友美は、微笑むと、正雪に薬を差し出す。
「消化薬よ」
「気遣い痛み入る」
正雪は、薬を飲むと、ほっと吐いた。息を。
「ゆっくり横になる??」
「肥るゆえ、動くことにする!!」
「お散歩にしてね!? 素振りは、お腹痛くなるから」
「承知した」
正雪は、そういうと頷き、立ち上がると、国広が食堂に。
「国広!! 散歩にいかぬか??」
「散歩!?」
正雪は、国広の手を掴む。
「参ろう!! 国広!!」
「仕事が!!」
「そのようなもの後でよい!!」
「締め切りがー!!!」
国広の叫びは、むなしく聞こえなくなってしまった。
正雪に手を引かれ、外に行く国広をみて、友美は、笑った。
「国広も大変だな」
「あら長義」
食堂にやってきた長義に友美は、話しかける。
「長義は、学校に同行してたときあんな感じじゃなかったの??」
「全然。むしろおとなしかったよ。正雪さん」
「おとなしい……」
「公の場というのもあったんだろうが、俺に遠慮をしていたのかと思う」
やはり正雪の中では、国広が一番気楽に付き合えるのだろう。
と思った時だ。
「正雪さん!!??」
「長義も来るのだ!!」
「えっ!?」
「デスクワークとやらで、肩こりが大変と申していたでは、ないか!!」
長義は、うむを言わさずに、正雪に連れ去られていった。
「わざわざ戻ってきて、連れていくとは……正雪すごい……」
友美は、影のここの支配者かと正雪の事を思うと、笑う。
「本当に楽しそうにね」
楽しそうでなりより、友美は、微笑むと、食堂を出ていったのであった。
後で正雪からどんな話が聞けるのかとも考えながら。
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