学校仮入学編
国行、オモヒカネと、正雪は、雨ノ宮を目指していた。
賑やかな大通りから少しはなれるとそこには、大きな邸宅が並んでいた。
神々の屋敷とは、やはり立派なのだと正雪は、辺りを見渡しているとついた。
尊厳な佇まいの門がある屋敷に。オモヒカネは、門番に何か言うと、中に。
次に国行も門番に伝えた。
「先日連絡していた明石国行です」
門番は、確認すると、正雪をみた。
「その者もか??」
「自分のつれや。あかん??」
「この気配……いいだろう」
門番は、そういうと国行と正雪をなかにとうした。
正雪は、屋敷の門に入ってたん息を飲む。
庭に植えられた美しい紫陽花と清らかな水。雨ノ宮とここが言われる理由は、まさにこれだ。
「美しい……」
「ここは、龍神の住まいやからな」
「やはり神も綺麗なものを好むのだな……」
「ここの龍神はんは、な」
石畳の端を歩き、頭を下げ、屋敷の中に入ると、声が。
「まったく画竜は、どうして頭が硬いの!!」
「兄に向かってのく言うな!! 水郷!!」
正雪は、水郷という名にハッとした。
「あの水郷様の屋敷??」
「せや。今は、兄である画竜様しか住んでないけどな」
靴を脱ぎ、お邪魔しますといい、中に入るとすぐの客室でオモヒカネがいるのも気にせず水郷と画竜は、大喧嘩をしていた。
「花の一つくらいいいじゃない!!」
「あげないとは、言っておらぬ。天照には、やらんと言ってるんだ」
「一応頑張ってるんだし!! 一つくらい!!」
「初代様の命令ならやるさ」
やはりこうなるかと、オモヒカネは、こまった顔をしていた。
画竜は、初代天照には、忠義を示すが、二代目の事は、嫌っており彼女が画竜に誠意を見せない限り、動かないのだ。
画竜は、また誰か気かと視線を国行にやり、その隣の正雪をみた瞬間目を見開く。
「水郷あの娘か??」
兄の様子の変化に水郷も気づき、正雪をみると、頷く。
「そうよ。画竜噂のね」
画竜からの威圧に正雪は、思わず後退りした。怖い。
やはり神とは、ここまでの思わせるだけの覇気があるものなのだろう。
「画竜??」
「オモヒカネ。すまんが、先約がある」
「画竜!?」
画竜は、立ち上がると、国行の所へ。
「どうも」
「こっちへこい」
「分かりました」
画竜と国行が何処かへ行くなか、正雪は、どうしたらいいのかと思ってい時威厳のある声が。
「娘おまえもだ」
「分かりました……」
画竜に呼ばれ、正雪は、慌ててついていく。そしてやって来たのは、美しい水の離宮だった。
「またえらいところに……」
「オモヒカネのアホがいるからな」
あのオモヒカネをアホというとは、正雪は、威圧におされ、小さくなっていると、画竜と目があった。
「まるで兎だな」
画竜は、そういうと、続けた。
「恐怖を抱いているというのに着いてくるとは……」
まずいこの水神の気を害してしまった。正雪は、謝らなければと思っていると、頭を撫でられた。
「白野威様が認めるだけある。生前の業は、あるが、それでもここまで白いとは……」
優しい声色に正雪は、驚いた。
「恐怖が消えたか……やはり俺の空気が原因か……すまぬ……」
「私こそ……神の御前で……」
「あれが普通の反応だ」
視線を正雪に合わせるように屈み、画竜は、言うと、彼女から離れた。
「国行何時もどうり好きに持っていけ」
「エエんですか!? 何時もみたく、愚痴を聞く準備してきたんですが……」
「今日は、その気には、ない。なにせオモヒカネがいる。あいつに直接クレームをいうさ」
画竜は、そういうと、笑ったが、その顔は、目が笑ってなかった。
「ならせっかくなんで、買ってきた和菓子だけでも置いていきますぅ」
「何時もすまんな」
国行は、机の上に袋を置いた。
「なら私は、これを……」
今が使いどころと、正雪は、巾着を机の上に置いた。
「これは??」
「チョコレイトです」
画竜は、一瞬目を煌めかせた。
「そうか。ありがとう」
画竜は、そういうと、更に言った。
「国行あの庭園のも持っていけ」
「エエんですか!!??」
「特別だ。しかし天照には、渡すなよ。あくまでもその娘にだ」
画竜は、それだけ言い残すと、では、といい戻っていった。
「国行殿あの庭園とは??」
「画竜様のとっておきってことや。まぁ正雪さん神に好かれると思ってたけどここまでとは……」
国行は、呆れた顔をしていたが、すぐに笑った。
「ほな行こうか」
「分かった」
国行に連れられ正雪がやって来たのは、美しい紫陽花の庭園だった。どれも美しく、思わず息をのんだ。
「全て八重……」
「画竜様が品種改良したとっておきや。だか、こそ、ここのを持っていって言いと言われるのは、なかなかないことなんやで」
正雪を目を細めた。
「そうか。後程画竜様に礼を伝えなくては」
会えればの話だが。
正雪と国行は、さっそく紫陽花を持ってきていた先手ばさみで切り、貰った。
「しかし天照大神には、駄目と……」
「ここのやつはや。とりあえず正雪さんこれくらいでええか??」
「あぁ。国行殿」
気づけば、大きな紫陽花の花束が。正雪は、嬉しそうに持つと、次の所に。そこには、クチナシが。
「天照はんには、これでええわ」
「そんな適当でいいのか!?」
「エエんや。これは、屋敷に飾る花。天照はんに贈るんちゃうからな」
クチナシを切ると、国行は、少しだけ紫陽花も貰い、その後屋敷の門に戻ってきた。
「ほな帰ろか」
「画竜様に会えなかった……」
「忙しい神さんやからな……」
受け取って貰えるかは、別として文を書こうそう思い、正雪は、言った。
「ならばしかたがない。国行殿では」
「行きまひょう」
雨ノ宮を後にし、正雪と国行は、屋敷に帰った。
屋敷に着くと、国行は、慣れた手付きで、花をいけ、そして屋敷の各所に置いていく。
この屋敷の色々なところでこの様なものを見かけるが、まさか国行が管理していたとは、驚きだ。
「正雪さん紫陽花どうするんや」
屋敷用の花をいけ終わり、国行は、正雪に聞いた。
「国行殿一輪挿しは、あるだろうか??」
「一輪挿しやったらこれやな」
趣のある陶器の一輪挿しを国行は、棚から出してくる。
「ありがとう。ならそれで」
「正雪さん。紫陽花のいけかた知ってます??」
正雪は、きょとんとしていた。
「いけかた??」
「紫陽花は、水を吸わへん。だからこうして、水の中できって、茎を砕いて、中の綿を取るんや」
水の入った盆に茎をつけ、斜めにきり、砕く。そして綿を取った。
「これは凄い……」
「であと余分な水に浸かる所の葉も取る。すると水も汚れへん。蒸散も減るんや」
「国行殿蒸散とは??」
「植物の呼吸の事や。人間と同じで、汗かくと、植物も、水が必要になる。水を吸うのに、植物も疲れるねん。だから、こうして、葉を取って体力温存してもらうや」
「なるほど……」
「ほなやってみ」
正雪は、国行に教えて貰ったとおりにやった。
一輪挿しに紫陽花をいけ、国行の方をみると彼は、笑っていた。
「じょうできや」
「よかった」
「それ国広に持って行くんか??」
「あぁ。日頃世話になっているから……そうだ!! 国行殿先ほどいけたものにもこれを足しても??」
正雪の考えに国行は、微笑む。
「なら自分が足しとくわ」
「かたじけない国行殿」
「お安い御用や」
正雪は、国行に紫陽花を渡すと、国広のところに。
「国広殿!!」
「正雪どうした??」
執務室の棚の上に一輪挿しを正雪は、置くと言った。
「日頃の感謝を込めて……貴方に……特別な紫陽花らしく、どうしても贈りたくて……」
ここでうまくやっていけるのも国広のお陰だ。
正雪は、微笑むと、国広は、目を細めた。
「俺は、なにもしてない。だがあんたの気持ちは、貰っておく」
「国広殿……」
「楽しかったようだな」
「とても」
しかし気にかかることもある。
「国広殿は、輪廻に関して知っているか??」
「知識としてはな。だが誰が何処に生まれ変わったとかは、知らん。もし知りたければ……オモヒカネ殿に聞くか……黄泉に問い合わせるか……姫に見て貰うかだな」
やはりオモヒカネも難しいと言っていたがこの件に関しては、残るは、友美しかどうにか出来ないようだ。
「やはりか……」
「あんたがなにを調べようとしているか知らないが。あまり深く考えない方がいいぞ」
「国広殿……」
「少なくともそれに関しては、そいつがせよう業そして徳の多さが関係してくる。あんたみたいに転生するやつもいれば、地獄にいき、己の罪を償う場合もある。だからこそ考えない方がいい」
「答えが分かるとすれば……仏くらいか……」
「だな」
正雪は、長椅子に腰かけると目を伏せた。その様子を国広は、見ながら、彼もまた心配そうな顔をするのであった。
賑やかな大通りから少しはなれるとそこには、大きな邸宅が並んでいた。
神々の屋敷とは、やはり立派なのだと正雪は、辺りを見渡しているとついた。
尊厳な佇まいの門がある屋敷に。オモヒカネは、門番に何か言うと、中に。
次に国行も門番に伝えた。
「先日連絡していた明石国行です」
門番は、確認すると、正雪をみた。
「その者もか??」
「自分のつれや。あかん??」
「この気配……いいだろう」
門番は、そういうと国行と正雪をなかにとうした。
正雪は、屋敷の門に入ってたん息を飲む。
庭に植えられた美しい紫陽花と清らかな水。雨ノ宮とここが言われる理由は、まさにこれだ。
「美しい……」
「ここは、龍神の住まいやからな」
「やはり神も綺麗なものを好むのだな……」
「ここの龍神はんは、な」
石畳の端を歩き、頭を下げ、屋敷の中に入ると、声が。
「まったく画竜は、どうして頭が硬いの!!」
「兄に向かってのく言うな!! 水郷!!」
正雪は、水郷という名にハッとした。
「あの水郷様の屋敷??」
「せや。今は、兄である画竜様しか住んでないけどな」
靴を脱ぎ、お邪魔しますといい、中に入るとすぐの客室でオモヒカネがいるのも気にせず水郷と画竜は、大喧嘩をしていた。
「花の一つくらいいいじゃない!!」
「あげないとは、言っておらぬ。天照には、やらんと言ってるんだ」
「一応頑張ってるんだし!! 一つくらい!!」
「初代様の命令ならやるさ」
やはりこうなるかと、オモヒカネは、こまった顔をしていた。
画竜は、初代天照には、忠義を示すが、二代目の事は、嫌っており彼女が画竜に誠意を見せない限り、動かないのだ。
画竜は、また誰か気かと視線を国行にやり、その隣の正雪をみた瞬間目を見開く。
「水郷あの娘か??」
兄の様子の変化に水郷も気づき、正雪をみると、頷く。
「そうよ。画竜噂のね」
画竜からの威圧に正雪は、思わず後退りした。怖い。
やはり神とは、ここまでの思わせるだけの覇気があるものなのだろう。
「画竜??」
「オモヒカネ。すまんが、先約がある」
「画竜!?」
画竜は、立ち上がると、国行の所へ。
「どうも」
「こっちへこい」
「分かりました」
画竜と国行が何処かへ行くなか、正雪は、どうしたらいいのかと思ってい時威厳のある声が。
「娘おまえもだ」
「分かりました……」
画竜に呼ばれ、正雪は、慌ててついていく。そしてやって来たのは、美しい水の離宮だった。
「またえらいところに……」
「オモヒカネのアホがいるからな」
あのオモヒカネをアホというとは、正雪は、威圧におされ、小さくなっていると、画竜と目があった。
「まるで兎だな」
画竜は、そういうと、続けた。
「恐怖を抱いているというのに着いてくるとは……」
まずいこの水神の気を害してしまった。正雪は、謝らなければと思っていると、頭を撫でられた。
「白野威様が認めるだけある。生前の業は、あるが、それでもここまで白いとは……」
優しい声色に正雪は、驚いた。
「恐怖が消えたか……やはり俺の空気が原因か……すまぬ……」
「私こそ……神の御前で……」
「あれが普通の反応だ」
視線を正雪に合わせるように屈み、画竜は、言うと、彼女から離れた。
「国行何時もどうり好きに持っていけ」
「エエんですか!? 何時もみたく、愚痴を聞く準備してきたんですが……」
「今日は、その気には、ない。なにせオモヒカネがいる。あいつに直接クレームをいうさ」
画竜は、そういうと、笑ったが、その顔は、目が笑ってなかった。
「ならせっかくなんで、買ってきた和菓子だけでも置いていきますぅ」
「何時もすまんな」
国行は、机の上に袋を置いた。
「なら私は、これを……」
今が使いどころと、正雪は、巾着を机の上に置いた。
「これは??」
「チョコレイトです」
画竜は、一瞬目を煌めかせた。
「そうか。ありがとう」
画竜は、そういうと、更に言った。
「国行あの庭園のも持っていけ」
「エエんですか!!??」
「特別だ。しかし天照には、渡すなよ。あくまでもその娘にだ」
画竜は、それだけ言い残すと、では、といい戻っていった。
「国行殿あの庭園とは??」
「画竜様のとっておきってことや。まぁ正雪さん神に好かれると思ってたけどここまでとは……」
国行は、呆れた顔をしていたが、すぐに笑った。
「ほな行こうか」
「分かった」
国行に連れられ正雪がやって来たのは、美しい紫陽花の庭園だった。どれも美しく、思わず息をのんだ。
「全て八重……」
「画竜様が品種改良したとっておきや。だか、こそ、ここのを持っていって言いと言われるのは、なかなかないことなんやで」
正雪を目を細めた。
「そうか。後程画竜様に礼を伝えなくては」
会えればの話だが。
正雪と国行は、さっそく紫陽花を持ってきていた先手ばさみで切り、貰った。
「しかし天照大神には、駄目と……」
「ここのやつはや。とりあえず正雪さんこれくらいでええか??」
「あぁ。国行殿」
気づけば、大きな紫陽花の花束が。正雪は、嬉しそうに持つと、次の所に。そこには、クチナシが。
「天照はんには、これでええわ」
「そんな適当でいいのか!?」
「エエんや。これは、屋敷に飾る花。天照はんに贈るんちゃうからな」
クチナシを切ると、国行は、少しだけ紫陽花も貰い、その後屋敷の門に戻ってきた。
「ほな帰ろか」
「画竜様に会えなかった……」
「忙しい神さんやからな……」
受け取って貰えるかは、別として文を書こうそう思い、正雪は、言った。
「ならばしかたがない。国行殿では」
「行きまひょう」
雨ノ宮を後にし、正雪と国行は、屋敷に帰った。
屋敷に着くと、国行は、慣れた手付きで、花をいけ、そして屋敷の各所に置いていく。
この屋敷の色々なところでこの様なものを見かけるが、まさか国行が管理していたとは、驚きだ。
「正雪さん紫陽花どうするんや」
屋敷用の花をいけ終わり、国行は、正雪に聞いた。
「国行殿一輪挿しは、あるだろうか??」
「一輪挿しやったらこれやな」
趣のある陶器の一輪挿しを国行は、棚から出してくる。
「ありがとう。ならそれで」
「正雪さん。紫陽花のいけかた知ってます??」
正雪は、きょとんとしていた。
「いけかた??」
「紫陽花は、水を吸わへん。だからこうして、水の中できって、茎を砕いて、中の綿を取るんや」
水の入った盆に茎をつけ、斜めにきり、砕く。そして綿を取った。
「これは凄い……」
「であと余分な水に浸かる所の葉も取る。すると水も汚れへん。蒸散も減るんや」
「国行殿蒸散とは??」
「植物の呼吸の事や。人間と同じで、汗かくと、植物も、水が必要になる。水を吸うのに、植物も疲れるねん。だから、こうして、葉を取って体力温存してもらうや」
「なるほど……」
「ほなやってみ」
正雪は、国行に教えて貰ったとおりにやった。
一輪挿しに紫陽花をいけ、国行の方をみると彼は、笑っていた。
「じょうできや」
「よかった」
「それ国広に持って行くんか??」
「あぁ。日頃世話になっているから……そうだ!! 国行殿先ほどいけたものにもこれを足しても??」
正雪の考えに国行は、微笑む。
「なら自分が足しとくわ」
「かたじけない国行殿」
「お安い御用や」
正雪は、国行に紫陽花を渡すと、国広のところに。
「国広殿!!」
「正雪どうした??」
執務室の棚の上に一輪挿しを正雪は、置くと言った。
「日頃の感謝を込めて……貴方に……特別な紫陽花らしく、どうしても贈りたくて……」
ここでうまくやっていけるのも国広のお陰だ。
正雪は、微笑むと、国広は、目を細めた。
「俺は、なにもしてない。だがあんたの気持ちは、貰っておく」
「国広殿……」
「楽しかったようだな」
「とても」
しかし気にかかることもある。
「国広殿は、輪廻に関して知っているか??」
「知識としてはな。だが誰が何処に生まれ変わったとかは、知らん。もし知りたければ……オモヒカネ殿に聞くか……黄泉に問い合わせるか……姫に見て貰うかだな」
やはりオモヒカネも難しいと言っていたがこの件に関しては、残るは、友美しかどうにか出来ないようだ。
「やはりか……」
「あんたがなにを調べようとしているか知らないが。あまり深く考えない方がいいぞ」
「国広殿……」
「少なくともそれに関しては、そいつがせよう業そして徳の多さが関係してくる。あんたみたいに転生するやつもいれば、地獄にいき、己の罪を償う場合もある。だからこそ考えない方がいい」
「答えが分かるとすれば……仏くらいか……」
「だな」
正雪は、長椅子に腰かけると目を伏せた。その様子を国広は、見ながら、彼もまた心配そうな顔をするのであった。