学校仮入学編

 ふと正雪は、気になることがあった。
「審神者の研修会があるか??」
「そうだ姫」
 少しはやいティータイムをしながら、正雪は、友美に聞くと彼女は、しばらく考えた。
「分からないわ……」
「なんと!?」
「私は、白野威に言われて、審神者引き受けたから、渡されたのは、適当にメモした刀剣の種類が書いた紙だったわ」
 それもはやただの紙切れでは。なのに審神者をやっていた友美が凄い。
 改めて友美のすごさに驚きつつ、正雪は、言った。
「その……私も一応代理だが……審神者をしている身……もう少し色々知りたいと……」
「確かに一理あるわね」
 しかし友美は、言っていいものかと悩んでいた。
「正雪……でばなをくじくようで悪いけど……あそこ……本丸じゃないわよ……」
「むろん知っているとも!! しかし……しかしだ……その……私は、知らないことが……おおいゆえ……」
 友美は、ここまで彼女が言うのならとひとはだ脱ぐことにした。
「分かったわ。ある御仁にお願いしてみるわ」
「かたじけない!! 友美!!」
 友美は、微笑むといった。
「でもそうなると正雪ひとつ問題が」
「問題とは??」
 友美は、さらに困った顔に。
「場合によってだけど、学校に入ることになったり、するけど……」
「なるほど……」
 確かに効率的に教えるのなら、学舎があるのは、当たり前だろう。
 正雪も生前そうしたのだからこれには、理解できたが、友美がなぜここまで困った顔をしているのだろうか。
「……初期刀よ」
「確か本来審神者が就任時に選ぶ……」
「そう!! これが問題なの!!」
「というと……」
「正雪は、あくまで代理だから、初期刀は、要らないともいえるわ」
「確かに……」
「でも研修を受けるには、初期刀との信頼を築くのも兼ねて、初期刀の同伴が義務付けられているの」
 正雪は、この言葉を聞いて固まった。初期刀など彼女には、いないからだ。
「む……」
「本来ならば適正試験を合格し、学校に入学、その時に色々調べ、あった初期刀を四振から選び、一定期間共に学んで、そこから更に卒業試験を受けて、審神者になるの」
「となると……」
「正雪がなにを勉強したいかによるけど、学校にいっている間の初期刀をどうするか。なのよ。さすがに山姥切国広、加州清光、歌仙兼定、蜂須賀虎徹以外を連れているのは、駄目……でも内の組織にいるのは……」
「山姥切国広と加州清光……」
「そう!! で清光と正雪は、仲悪くないけど、基本相性は、よくない。となると」
「山姥切国広しか残らない……」
 国広は、それでも多忙だ。さすがに頼みにくい。しかし正雪とは、違い友美は、あることで悩んでいた。
「国広は、初の姿じゃない……」
「確か……修行に出る前の姿と聞いた……」
 確かに新人がいきなり修行に刀剣を出せるはずもなく。
 正雪は、顔を青ざめた。国広の言葉を思い出し。
「普通の山姥切国広は、陰気で卑屈で面倒だと……」
「そう!! うちの国広それがない!! なんなら、スイッチいれろと言っても面倒っていわれて終わり!! 皆の中に馴染むには、これが問題なの!! まぁ初の姿の服装だけならなんとか、なるけど……」
 友美が悩むなか、正雪は、あることを思い出した。
「引き継ぐ場合もあるのでは!? その場合は……」
「その場合でもたいてい初期刀つれてるわ。まぁ親族かんで、タイプが合えば、そのまま前の主の初期刀が新しい審神者の初期刀となる場合も……」
 友美は、はっとした。これなら使える。
「正雪これよ!!」
「とりあえず書類状は、私が引き継ぎの審神者ということにするということか……」
「そう!! とりあえず聞いてみてからの判断ね!!」
 友美は、そう言うと早速連絡をした。
「すこし時間かかると思うけど、返信来ると思うわ」
 友美は、そう言いつつふと見えたものを思い出す。なんだろう。このまま送り出せば大変なことになるような気がする。
「正雪がそんなことをしないわよね……」
 しかしこの正雪は、色々と侮れない人物であることは、間違いない。
「私よりましよね……」
 友美は、そう呟くと思う。頼むから正雪が幸せになる結果になってと。

 数日後返信が来た。友美は、確認すると相手からは、なら仮入学ということでという返信だった。
 相手は、正雪の事を知っている。だからこその判断だろう。
「友美もしかしてあのお爺さんから??」
「そうよ」
 執務室で珍しく手伝いしてくれている蛍に友美は、手紙を見せた。
「……本当だ。仮入学って……」
「まぁ審神者の会議にいて、なおかつ、遡行軍の足止めを1人でしていたというのを相手も知ってるからね」
 そりゃあんな姿を見たら、はい分かりましたと入学させるわけにもいかないだろう。
 頬杖をつき、友美は、いう。
「あれは、歴戦の審神者だったわ……」
「もしかして政府で正雪が足止めしたあれ??」
「そう」
「友美俺達が教えるのじゃ駄目なの??」
「研修を受けてないからね。あくまでも感覚だし……」
「確かに」
 しかしそれよりも更に困ったのが。
「まさか……刀剣指定まで来るなんて……」
「本当だ……」
 しかしその刀剣が問題だ。
「友美大丈夫なの??」
「まぁ……問題ないでしょう」
 けっして正雪との仲は、悪くない。だが物言いが問題だったりする。
「蛍とりあえずここへ呼ぶから」
「オッケー。連絡いれとく!!」
「ありがとう!!」 
 蛍は、そう言うと執務室を出ていき、友美は、溜め息をこぼした。
「確かに政府なら彼の方がいいと思うけど……問題ないのかしら……」
 確かに組織としても国広が抜けるよりは、間違いなくいい。
 国広が数日抜けた穴を埋めれる刀剣がいないからだ。
「友美大丈夫さ」
 傍らで寝ていた白野威は、あくびをしいった。
「それにあいつにも成長は、必要だからね」
「だとしても拷問じゃない??」
「大丈夫!! 大丈夫!!」
 本当だろうか。しかし白野威が呑気にまた昼寝を始めたので、そこまでの事件は、起こらないのだろう。
 友美は、書類を手に取ると、溜め息をついた。本当に大丈夫なのだろうかと思いながら。
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