代理審神者
清らかなあの日差しが障子から差し込む。夜明け前からしたくし、正雪は、昨晩国広から渡された資料を読んでいた。
本丸という組織じたい、正雪にとっては、不思議なものだが、歴史を守るというのは、英霊と同じ部分でもある。
英霊が召喚されるより前に、刀剣達がまず、歴史を守ってくれている。
その事に彼らは、凄いなと正雪は、思っていた。
「……しかしこの本丸は、本当に色々違うんだな……」
しかしこのもの本丸の組織は、更に異質なことをしていた。
資料を読み進めるなか、正雪は、目を見開く。
そのページには、怪異に堕ちた刀剣の処分について書かれていた。
その件数にも驚くが、彼らは、この怪異達を切り捨て、平穏を守っているのだと思うと少し悲しくもなる。
「……人知れずにか」
正雪は、資料を持つと、部屋を出た。国広の執務室にいくと、すでに彼は、席に座り仕事をしていた。
「おはよう国広殿」
国広は、顔を上げる。
「おはよう正雪。早いな」
「貴殿こそ」
「なにか聞きたいことでもあるのか??」
「あぁ」
正雪は、部屋に入り、国広の目の前に座ると付箋を貼っておいたページを開いた。
「この刀剣の処分についてなのだが……」
「これか」
「その……今までこの件数の刀剣を……」
国広は、資料を読み直し、ため息を着く。
「すまん。これは、政府の奴らに見せるようだ」
「そうなのか??」
「昨日間違えたんだな。あんたのは、こっち」
新たに渡された資料を正雪は、開くと、国広がページ数を伝えた。
「この事に関しては、40ページだ」
「分かった」
指定されたページを開くと、さらに事細かく刀剣の処分にかんして書かれていた。
「え??」
「本当に手を尽くせなく、怪異に成り果てた者以外は、0だ」
「……怪異になったものは……」
「それだけだな」
国広が次のページにめくると驚くべき数字並んでいた。
「百件以上……」
「あぁ」
ショックを受け声を出せなくなるのも無理は、ない。だがあいつらは、どうあがいても助けることは、出来なかった。
国広は、じっと数字を見ている正雪を見る。
「……何故処分したか理由は」
「……神は、厄災に堕ちると大変なことになる。少しでも助けられる余地があるのなら助けるが、そいつらは、魂の奥まで堕ちきり、ただの最悪になっていた。そこまでなると俺達でも助けられない」
「……そ唸った原因は」
「人とは、神に頼みごとは、すれど、感謝をすることは、少ない。刀剣は、その人のありように絶望し……負の感情が積み重なりやがて湯治にといけないそいつらは、闇に堕ちる……」
この世は、等価交換ともいえる。神に頼みごとをすれど、多くの人は、代価を払わない。
神は、力を使いはて、つかれきる。湯治にいけるのならまだいいが、刀剣達は、本丸で管理されており、分霊の身分では、湯治すらかなわないだろう。
「でも何故そうなるんだ……」
「劣悪な環境に置かれればなるもんだ。そういう本丸の管理者は、ろくなやつらじゃない」
「それは……」
「正雪。あんたが思ってるより人は、醜く汚い生き物だ」
綺麗なもの優しいこと、暖かなものが好き目の前の少女には、想像もつかないかもしれない。
国広は、そういうと資料を閉じた。
「……確かに人は、そうかもしれかい。だが……」
「心の優しくきれいな人もいる」
正雪は、頷くと、国広は、続けた。
「だがこの処分せざるえなかった刀剣達は、違ったんだ。それに分霊の俺達は、変えなんていくらでもきくからな」
替えがきく。その言葉に正雪は、言葉を失った。
ホムンクルスも、また替えのきく生きた人形だ。刀剣もまたありようによっては、ホムンクルスと同じ。
「しかし……貴殿達には、それぞれ……感情が……」
苦しそうに辛そうに正雪はいう。
国広は、ハンカチを取り出すと、渡した。
「……そうだな。だから闇に堕ちるんだろう」
「……」
「だが、感情があるからこそ、幸せに暮らしている刀剣達もいる。この処分件数の裏には、多くの救出件数もある」
正雪は、はっとした。そうこの不思議な本丸は、処分を担っているが、それだけでは、ないと。
「……そうか」
「あぁ。とりあえずこれは、政府のやからには、見せないで……」
国広が片付けようとしたとき、正雪は、ひらめく。
何故主が自分を代理にし、政府職員と対面させようとしているのか。その理由を知っているからこそのひらめきだ。
「国広殿素直に見せよう」
「え??」
「姫は、この組織を政府と関わらないようにしたいと言っていた。なら全て見せ、自分達には、力になれないと言うんだ」
「……それだとさ、に欲すると思うが??」
「刀剣達を管理できないと分かれば諦めるしかない。なんなら、捕まえ、脅すのもありだろう」
さらりと恐ろしいことを正雪は、いうので国広は、ニヤリと笑う。
「あんた姫に似てきてるな」
「うむ??」
「なるほど。主によって性格が少しばかり変わるのかもな……」
「む??」
互いに血を流さない方法を軍師として考えただけ。
正雪は、友美がそんな恐ろしい人物には、見えないので、そう言われても困った。
「姫ならもっと……」
「姫なら脅して、とるもんとってそいつらを送りつけ、政府を騒然とさせるまでやるぞ」
「姫がそんなに怖いわけ……」
「姫は、そういう一面もある」
国広は、そういうと立ち上がった。
「もうそろそろ朝餉だろ」
「もうそんな時刻か……」
正雪は、立ち上がると国広に礼をいい、去っていった。
「姫が優しいか……」
確かに主は、優しいが、それと同時に恐ろしい存在でもある。
もしこの会談に友美がでたら、政府職員達は、顔を青ざめ、逃げるように帰るだろう。しかし今回は、それをさせるわけには、いかない。
「……刀剣の性別変異について……か……」
ようやく彼女達を政府にまかせられる。その方がいいと考えたのは、友美だった。
「いるんだろ」
国広が執務室の入り口に声をかけると、骨喰がいた。しかし彼女は、男士では、ない。
国広達が保護した当然変異で女士として、顕現してしまった骨喰だ。
「あいつが……」
「代理主だ」
「本当にこれで……私と姉妹は……」
「あぁ。ここで閉じ込めておくのも本意では、ないからな」
骨喰の同意もあり、今回この話が持ち上がったが、それでも不安なようだ。
「あんた達は、これからの希望の光ともいえるだろう。政府にも女士がいるときく。それに先にいった山姥切国広が大丈夫だと判断したんだ」
「……そうだな」
骨喰は、そういうと執務室を去っていった。
以前この本丸には、女士は、もう一振りいた。彼女は、政府に今は、おり、その時にある刀剣男士もついていった。
「小竜からも問題ないと連絡がきたしな……とりあえずこれでようやく俺達のにが降りる」
国広は、そう呟くとまた書類の整理をはじめた。何処か緊張した面持ちで。
本丸という組織じたい、正雪にとっては、不思議なものだが、歴史を守るというのは、英霊と同じ部分でもある。
英霊が召喚されるより前に、刀剣達がまず、歴史を守ってくれている。
その事に彼らは、凄いなと正雪は、思っていた。
「……しかしこの本丸は、本当に色々違うんだな……」
しかしこのもの本丸の組織は、更に異質なことをしていた。
資料を読み進めるなか、正雪は、目を見開く。
そのページには、怪異に堕ちた刀剣の処分について書かれていた。
その件数にも驚くが、彼らは、この怪異達を切り捨て、平穏を守っているのだと思うと少し悲しくもなる。
「……人知れずにか」
正雪は、資料を持つと、部屋を出た。国広の執務室にいくと、すでに彼は、席に座り仕事をしていた。
「おはよう国広殿」
国広は、顔を上げる。
「おはよう正雪。早いな」
「貴殿こそ」
「なにか聞きたいことでもあるのか??」
「あぁ」
正雪は、部屋に入り、国広の目の前に座ると付箋を貼っておいたページを開いた。
「この刀剣の処分についてなのだが……」
「これか」
「その……今までこの件数の刀剣を……」
国広は、資料を読み直し、ため息を着く。
「すまん。これは、政府の奴らに見せるようだ」
「そうなのか??」
「昨日間違えたんだな。あんたのは、こっち」
新たに渡された資料を正雪は、開くと、国広がページ数を伝えた。
「この事に関しては、40ページだ」
「分かった」
指定されたページを開くと、さらに事細かく刀剣の処分にかんして書かれていた。
「え??」
「本当に手を尽くせなく、怪異に成り果てた者以外は、0だ」
「……怪異になったものは……」
「それだけだな」
国広が次のページにめくると驚くべき数字並んでいた。
「百件以上……」
「あぁ」
ショックを受け声を出せなくなるのも無理は、ない。だがあいつらは、どうあがいても助けることは、出来なかった。
国広は、じっと数字を見ている正雪を見る。
「……何故処分したか理由は」
「……神は、厄災に堕ちると大変なことになる。少しでも助けられる余地があるのなら助けるが、そいつらは、魂の奥まで堕ちきり、ただの最悪になっていた。そこまでなると俺達でも助けられない」
「……そ唸った原因は」
「人とは、神に頼みごとは、すれど、感謝をすることは、少ない。刀剣は、その人のありように絶望し……負の感情が積み重なりやがて湯治にといけないそいつらは、闇に堕ちる……」
この世は、等価交換ともいえる。神に頼みごとをすれど、多くの人は、代価を払わない。
神は、力を使いはて、つかれきる。湯治にいけるのならまだいいが、刀剣達は、本丸で管理されており、分霊の身分では、湯治すらかなわないだろう。
「でも何故そうなるんだ……」
「劣悪な環境に置かれればなるもんだ。そういう本丸の管理者は、ろくなやつらじゃない」
「それは……」
「正雪。あんたが思ってるより人は、醜く汚い生き物だ」
綺麗なもの優しいこと、暖かなものが好き目の前の少女には、想像もつかないかもしれない。
国広は、そういうと資料を閉じた。
「……確かに人は、そうかもしれかい。だが……」
「心の優しくきれいな人もいる」
正雪は、頷くと、国広は、続けた。
「だがこの処分せざるえなかった刀剣達は、違ったんだ。それに分霊の俺達は、変えなんていくらでもきくからな」
替えがきく。その言葉に正雪は、言葉を失った。
ホムンクルスも、また替えのきく生きた人形だ。刀剣もまたありようによっては、ホムンクルスと同じ。
「しかし……貴殿達には、それぞれ……感情が……」
苦しそうに辛そうに正雪はいう。
国広は、ハンカチを取り出すと、渡した。
「……そうだな。だから闇に堕ちるんだろう」
「……」
「だが、感情があるからこそ、幸せに暮らしている刀剣達もいる。この処分件数の裏には、多くの救出件数もある」
正雪は、はっとした。そうこの不思議な本丸は、処分を担っているが、それだけでは、ないと。
「……そうか」
「あぁ。とりあえずこれは、政府のやからには、見せないで……」
国広が片付けようとしたとき、正雪は、ひらめく。
何故主が自分を代理にし、政府職員と対面させようとしているのか。その理由を知っているからこそのひらめきだ。
「国広殿素直に見せよう」
「え??」
「姫は、この組織を政府と関わらないようにしたいと言っていた。なら全て見せ、自分達には、力になれないと言うんだ」
「……それだとさ、に欲すると思うが??」
「刀剣達を管理できないと分かれば諦めるしかない。なんなら、捕まえ、脅すのもありだろう」
さらりと恐ろしいことを正雪は、いうので国広は、ニヤリと笑う。
「あんた姫に似てきてるな」
「うむ??」
「なるほど。主によって性格が少しばかり変わるのかもな……」
「む??」
互いに血を流さない方法を軍師として考えただけ。
正雪は、友美がそんな恐ろしい人物には、見えないので、そう言われても困った。
「姫ならもっと……」
「姫なら脅して、とるもんとってそいつらを送りつけ、政府を騒然とさせるまでやるぞ」
「姫がそんなに怖いわけ……」
「姫は、そういう一面もある」
国広は、そういうと立ち上がった。
「もうそろそろ朝餉だろ」
「もうそんな時刻か……」
正雪は、立ち上がると国広に礼をいい、去っていった。
「姫が優しいか……」
確かに主は、優しいが、それと同時に恐ろしい存在でもある。
もしこの会談に友美がでたら、政府職員達は、顔を青ざめ、逃げるように帰るだろう。しかし今回は、それをさせるわけには、いかない。
「……刀剣の性別変異について……か……」
ようやく彼女達を政府にまかせられる。その方がいいと考えたのは、友美だった。
「いるんだろ」
国広が執務室の入り口に声をかけると、骨喰がいた。しかし彼女は、男士では、ない。
国広達が保護した当然変異で女士として、顕現してしまった骨喰だ。
「あいつが……」
「代理主だ」
「本当にこれで……私と姉妹は……」
「あぁ。ここで閉じ込めておくのも本意では、ないからな」
骨喰の同意もあり、今回この話が持ち上がったが、それでも不安なようだ。
「あんた達は、これからの希望の光ともいえるだろう。政府にも女士がいるときく。それに先にいった山姥切国広が大丈夫だと判断したんだ」
「……そうだな」
骨喰は、そういうと執務室を去っていった。
以前この本丸には、女士は、もう一振りいた。彼女は、政府に今は、おり、その時にある刀剣男士もついていった。
「小竜からも問題ないと連絡がきたしな……とりあえずこれでようやく俺達のにが降りる」
国広は、そう呟くとまた書類の整理をはじめた。何処か緊張した面持ちで。