日常編1
何故屋敷のど真ん中にこんなものが転がっているのか。発見した正秀は、顔を青ざめながら、その場に座り込むことしか出来なかった。
「どうされました??」
「太郎殿!! あれは……」
たまたま部屋の前を通りかか
った太郎は、部屋の真ん中に落ちている物をみて驚いた。
「何故あのようなものが……」
一先ず国広に報告と二振は、彼の執務室に走り込む。
「どうした突然」
「国広!! 大変なものが」
「部屋の真ん中に転がってるんだ!!」
正秀は、ともかく太郎までこの慌てよう。ただ事では、ないと、国広は、彼らについていくことにした。
そして案内された場所につくと、国広は、溜め息をつく。
「この気配……あのお方か……」
「国広殿分かるのか??」
「あんなもん持ってるやつは、限られてるからな」
国広は、声を張った。
「白野威様!!!!」
屋敷に国広の声が響く。するとしばらくして白野威が現れた。めんどくさそうに。
「なにさ」
「あれあんたのだろ??」
国広の指差す先。白野威は、てくてくと歩いていくと片付けた。
「あの……それ……」
「正秀なにさ。これは、雨の叢雲の剣ですが??」
「……なんでそのようなものがここに……落ちて……」
「鞄の整理してたときに、しまい忘れたのさ」
白野威は、そこまで驚くことかと思いつつ、答える。
「とりあえずありがとう」
そしてまたてくてくと歩いていってしまった。
「太郎殿あれでいいのか!?」
「初代様らしいですからね……」
「まったく落とすな神器を」
太郎は、少しだけ驚いていたが、国広は、慣れた様子に、正秀は、困惑していた。
「国広殿まさか……この屋敷では、よくあることなのか??」
「神がいる時点でありえるだろ。それにずぼら白野威様だぞ。これくらいのことよくある」
「よくあるのか……」
太郎も頷いたのでどうやら本当によくあるらしい。
太郎の国広が互いに持ち場に戻ったあとも正秀は、信じられなかった。色々と。
「主が普通では、ないということは……こういうことが発生するのか……」
正秀は、政府にて不思議な本丸のことを知り、清麿と共に、手がかりをみつけ、そして友美にたどり着いた。
その後ある術を教えてもらったが変わりに政府に居れなくなってしまい、この組織に引き取られた。
清麿は、以外にも馴染んでいるが、自分は、どうなのだろうか。
目を伏せ歩いていると何やら目のはしに。
「うわぁ!!」
とんできたのは、甘夏だった。
「甘夏??」
なぜ甘夏がと見ていると、声が。
「正秀拾って!!」
転がってきた甘夏を正秀は、慌てて拾うと、お礼をいわれた。
「ありがとう!!」
「姫」
「羽月から貰ったんだけど、うちだと食べきれないから光忠にあげようも思って持ってきたの」
甘夏を友美は、受け取るとそういい、厨房に歩いていった。
本当に不思議な主だ。羽月と彼女は、読んでいるが、ツクヨミの事だ。夜を統べる神を呼び捨てできるなど彼女くらいだろう。
「本当に不思議だな」
本当に不思議でそれでいて優しい主。
正秀も気になり、厨房に行くと、友美と光忠が話をしていた。
「姫ありがとう!! これを蜂蜜につけるのもいいね!!」
「そうね!! 蜂蜜は、足りる??」
「足りそうだよ」
「難しそうならいってね!! 蜂蜜貰ってくるから!!」
「ありがとう姫」
貰ってくるってどこから。正秀がそう思うなか、その時友美が振り向いた。
「正秀私の尾行なんて数千年はやいわよー」
バレていた主に。正秀は、しぶしぶ物陰から出てくると、光忠は、驚いていた。
「打刀は、太刀に比べて隠密に優れてるのに……姫凄い……」
「光に比べたらねー」
「旦那君の比べるのは、可哀想だよ??」
「それもそうね!!」
正秀は、脳裏に光の顔を思い浮かべた。いつもふわふわな雰囲気の彼。そんなに凄いのだろうか。まったくそうは、思わないが。
「で正秀どうしたの??」
「その……甘夏をどうするのかと……」
友美と光忠は、顔を見合わすと微笑む。
「甘夏ね!! 蜂蜜につけるつもりだよ!!」
「そうか」
ひそかに正秀の髪が嬉しそうに揺れている。友美は、微笑むと、光忠にいった。
「後で父に送ってもらえるよう文を出しとくわ」
「姫の父上??」
「僕も初耳だね……」
友美は、困ったように笑うもいう。
「自分からまだ名乗ってくれてないのよねぇー」
「そうなのか……」
「そうなの正秀。でも父であることは、間違いないわ」
「因みに誰かな??」
「オモヒカネよ??」
正秀と光忠は、固まってしまった。オモヒカネとは、天照の側近であり、彼女にて厳しい神。
まさかの繋がりに二振は、開いた口が塞がらない。
「姫似ておらぬぞ!?」
「私は、その……母方の血筋が濃いから……」
「なるほどね……遺伝子とは、不思議だ……」
「まぁ蜂蜜に関しては、父が趣味がやってるみたいで時々匿名で送られてくるか!!」
「匿名でなのだな……」
正秀が複雑そうな顔をするが、友美は、苦笑いを浮かべていた。
「まぁ父なりのこう、恥ずかしさと罪悪感、後悔と後ろめたさ、なんかがあるのでしょうね」
「私には、分からぬ……」
「正秀分からなくていいわ」
正直分かって欲しくもないが。
「まったく面倒なの多すぎよ。国広しかり、光しかり……」
友美は、そう呟いたとき、なにや、黒いオーラに気づいた。
「俺は、まだ面倒……なのか……??」
この声はと厨房の入り口を見ると、国広がたっていた。珍しく内番姿で。
国広は、布を被ると厨房のはにうずくまる。
「どうせ俺は……」
友美は、自分で招いたことと知りつつも面倒だと思いながら、いった。
「ほら!! 国広そんなことないから!! 私にとっての傑作だから!!!!」
「姫……ならこのモードやめておく」
「やめておいて」
国広がもとに戻り、湯呑みだけ持つと去っていった。
「湯呑みか……国広君新しい茶葉を買ったかな……」
「みたいね。の見比べするのに……持っていったな……」
この組織の山姥切国広は、茶が好きらしく、よく茶葉の探求をしている。
今回も新しいものを仕入れたなと友美と光忠が思うなか、正秀は、不思議そうにそれをみていた。
「ふむ……他の山姥切国広とは、違うきが……」
「うちの国広だからね。私がお茶の話をしまくったせいか、お茶好きだし……鶯丸とはなしてるしね……お茶のについて……」
「お陰で僕たちも美味しいお茶が飲めるんだけどね!!」
「確かに」
本当によく笑う主だなと正秀は、思いながら、みているも、気づけば友美な目の前にいた。
「あらなにかしら??」
ドキッとしてしまうほどの美貌に思わず正秀は、顔を赤く染め、友美か、距離をとった。
「なにもない!!」
「あらそうなの??」
友美は、つまらなさそうにいうと、光忠の方へ。
「姫それと、これいいかな??」
「もちろん。研いで次に持ってくるわね」
研ぐという言葉に正秀は、反応した。よく見ると友美の手には、光忠愛用の包丁が。
「姫刃物を研げるのか……??」
「えぇ。これも神子の役目だから」
「刃物を研ぐことがか??」
やはり刀工水心子正秀にうたれ、彼の生きざまが物語となり、産まれた付喪神。
友美は、目を細めいった。
「えぇ。気になるのなら見に来る??」
「しかし……」
「正秀うちの納戸のこと知らないだろうし、それに好きそうだもの」
「僕も知らないんだけど……」
「光忠も??」
話していなかっただろうか。友美は、ならも話をした。
「うちの納戸神器から、呪具まで色々と置いてるの」
「神器から……」
「呪具まで……幅広すぎないか!?」
「幅広いわねー」
「でもそれがなぜ、正秀君が好きそうってなるんだい??」
光忠の疑問に友美は、答える。
「刀剣も多くあるから。しかも古いね……」
「なんと……」
「新々刀の祖として名高い刀工水心子正秀。かれら、古い刀を幾つも分解し、解明し、使いやすく強い刀を江戸の世に作った。ならその刀工に打たれた正秀も古いやり方、古い刀には、けっこう興味があると思ったの」
確かにその通りだ。正秀は、ここいるもの太刀よりも古いのかとみてみたくなった。
「それに工房にも通じてるから、正秀を案内しようかなあって」
「工房とは??」
「正秀君は、知らなかったんだね。姫が刀を打つことを」
「えっ!?」
友美は、正秀の反応に楽しそうに笑う。
「それもあって姫は、研ぐことに関してもスキルが高いから、僕は、お願いするんだ!! 何時も包丁をね!!」
「まぁ見てみれば分かるわ」
確かに主についてもっと知れるいい機会かもしれない。
正秀は、頷く。
「姫ぜひみたい」
「分かったわ」
これは、なかなか楽しそうなことになりそうだ。
日にちを決め、正秀は、厨房をでていった。
「姫なにか考えがあるのかい??」
「特にないわよ」
そういいつつ何かあるのが友美である。光忠は、楽しげに笑う主を見て、今度は、なにをする気なのかと考えていた。楽しげに笑いながら。
「どうされました??」
「太郎殿!! あれは……」
たまたま部屋の前を通りかか
った太郎は、部屋の真ん中に落ちている物をみて驚いた。
「何故あのようなものが……」
一先ず国広に報告と二振は、彼の執務室に走り込む。
「どうした突然」
「国広!! 大変なものが」
「部屋の真ん中に転がってるんだ!!」
正秀は、ともかく太郎までこの慌てよう。ただ事では、ないと、国広は、彼らについていくことにした。
そして案内された場所につくと、国広は、溜め息をつく。
「この気配……あのお方か……」
「国広殿分かるのか??」
「あんなもん持ってるやつは、限られてるからな」
国広は、声を張った。
「白野威様!!!!」
屋敷に国広の声が響く。するとしばらくして白野威が現れた。めんどくさそうに。
「なにさ」
「あれあんたのだろ??」
国広の指差す先。白野威は、てくてくと歩いていくと片付けた。
「あの……それ……」
「正秀なにさ。これは、雨の叢雲の剣ですが??」
「……なんでそのようなものがここに……落ちて……」
「鞄の整理してたときに、しまい忘れたのさ」
白野威は、そこまで驚くことかと思いつつ、答える。
「とりあえずありがとう」
そしてまたてくてくと歩いていってしまった。
「太郎殿あれでいいのか!?」
「初代様らしいですからね……」
「まったく落とすな神器を」
太郎は、少しだけ驚いていたが、国広は、慣れた様子に、正秀は、困惑していた。
「国広殿まさか……この屋敷では、よくあることなのか??」
「神がいる時点でありえるだろ。それにずぼら白野威様だぞ。これくらいのことよくある」
「よくあるのか……」
太郎も頷いたのでどうやら本当によくあるらしい。
太郎の国広が互いに持ち場に戻ったあとも正秀は、信じられなかった。色々と。
「主が普通では、ないということは……こういうことが発生するのか……」
正秀は、政府にて不思議な本丸のことを知り、清麿と共に、手がかりをみつけ、そして友美にたどり着いた。
その後ある術を教えてもらったが変わりに政府に居れなくなってしまい、この組織に引き取られた。
清麿は、以外にも馴染んでいるが、自分は、どうなのだろうか。
目を伏せ歩いていると何やら目のはしに。
「うわぁ!!」
とんできたのは、甘夏だった。
「甘夏??」
なぜ甘夏がと見ていると、声が。
「正秀拾って!!」
転がってきた甘夏を正秀は、慌てて拾うと、お礼をいわれた。
「ありがとう!!」
「姫」
「羽月から貰ったんだけど、うちだと食べきれないから光忠にあげようも思って持ってきたの」
甘夏を友美は、受け取るとそういい、厨房に歩いていった。
本当に不思議な主だ。羽月と彼女は、読んでいるが、ツクヨミの事だ。夜を統べる神を呼び捨てできるなど彼女くらいだろう。
「本当に不思議だな」
本当に不思議でそれでいて優しい主。
正秀も気になり、厨房に行くと、友美と光忠が話をしていた。
「姫ありがとう!! これを蜂蜜につけるのもいいね!!」
「そうね!! 蜂蜜は、足りる??」
「足りそうだよ」
「難しそうならいってね!! 蜂蜜貰ってくるから!!」
「ありがとう姫」
貰ってくるってどこから。正秀がそう思うなか、その時友美が振り向いた。
「正秀私の尾行なんて数千年はやいわよー」
バレていた主に。正秀は、しぶしぶ物陰から出てくると、光忠は、驚いていた。
「打刀は、太刀に比べて隠密に優れてるのに……姫凄い……」
「光に比べたらねー」
「旦那君の比べるのは、可哀想だよ??」
「それもそうね!!」
正秀は、脳裏に光の顔を思い浮かべた。いつもふわふわな雰囲気の彼。そんなに凄いのだろうか。まったくそうは、思わないが。
「で正秀どうしたの??」
「その……甘夏をどうするのかと……」
友美と光忠は、顔を見合わすと微笑む。
「甘夏ね!! 蜂蜜につけるつもりだよ!!」
「そうか」
ひそかに正秀の髪が嬉しそうに揺れている。友美は、微笑むと、光忠にいった。
「後で父に送ってもらえるよう文を出しとくわ」
「姫の父上??」
「僕も初耳だね……」
友美は、困ったように笑うもいう。
「自分からまだ名乗ってくれてないのよねぇー」
「そうなのか……」
「そうなの正秀。でも父であることは、間違いないわ」
「因みに誰かな??」
「オモヒカネよ??」
正秀と光忠は、固まってしまった。オモヒカネとは、天照の側近であり、彼女にて厳しい神。
まさかの繋がりに二振は、開いた口が塞がらない。
「姫似ておらぬぞ!?」
「私は、その……母方の血筋が濃いから……」
「なるほどね……遺伝子とは、不思議だ……」
「まぁ蜂蜜に関しては、父が趣味がやってるみたいで時々匿名で送られてくるか!!」
「匿名でなのだな……」
正秀が複雑そうな顔をするが、友美は、苦笑いを浮かべていた。
「まぁ父なりのこう、恥ずかしさと罪悪感、後悔と後ろめたさ、なんかがあるのでしょうね」
「私には、分からぬ……」
「正秀分からなくていいわ」
正直分かって欲しくもないが。
「まったく面倒なの多すぎよ。国広しかり、光しかり……」
友美は、そう呟いたとき、なにや、黒いオーラに気づいた。
「俺は、まだ面倒……なのか……??」
この声はと厨房の入り口を見ると、国広がたっていた。珍しく内番姿で。
国広は、布を被ると厨房のはにうずくまる。
「どうせ俺は……」
友美は、自分で招いたことと知りつつも面倒だと思いながら、いった。
「ほら!! 国広そんなことないから!! 私にとっての傑作だから!!!!」
「姫……ならこのモードやめておく」
「やめておいて」
国広がもとに戻り、湯呑みだけ持つと去っていった。
「湯呑みか……国広君新しい茶葉を買ったかな……」
「みたいね。の見比べするのに……持っていったな……」
この組織の山姥切国広は、茶が好きらしく、よく茶葉の探求をしている。
今回も新しいものを仕入れたなと友美と光忠が思うなか、正秀は、不思議そうにそれをみていた。
「ふむ……他の山姥切国広とは、違うきが……」
「うちの国広だからね。私がお茶の話をしまくったせいか、お茶好きだし……鶯丸とはなしてるしね……お茶のについて……」
「お陰で僕たちも美味しいお茶が飲めるんだけどね!!」
「確かに」
本当によく笑う主だなと正秀は、思いながら、みているも、気づけば友美な目の前にいた。
「あらなにかしら??」
ドキッとしてしまうほどの美貌に思わず正秀は、顔を赤く染め、友美か、距離をとった。
「なにもない!!」
「あらそうなの??」
友美は、つまらなさそうにいうと、光忠の方へ。
「姫それと、これいいかな??」
「もちろん。研いで次に持ってくるわね」
研ぐという言葉に正秀は、反応した。よく見ると友美の手には、光忠愛用の包丁が。
「姫刃物を研げるのか……??」
「えぇ。これも神子の役目だから」
「刃物を研ぐことがか??」
やはり刀工水心子正秀にうたれ、彼の生きざまが物語となり、産まれた付喪神。
友美は、目を細めいった。
「えぇ。気になるのなら見に来る??」
「しかし……」
「正秀うちの納戸のこと知らないだろうし、それに好きそうだもの」
「僕も知らないんだけど……」
「光忠も??」
話していなかっただろうか。友美は、ならも話をした。
「うちの納戸神器から、呪具まで色々と置いてるの」
「神器から……」
「呪具まで……幅広すぎないか!?」
「幅広いわねー」
「でもそれがなぜ、正秀君が好きそうってなるんだい??」
光忠の疑問に友美は、答える。
「刀剣も多くあるから。しかも古いね……」
「なんと……」
「新々刀の祖として名高い刀工水心子正秀。かれら、古い刀を幾つも分解し、解明し、使いやすく強い刀を江戸の世に作った。ならその刀工に打たれた正秀も古いやり方、古い刀には、けっこう興味があると思ったの」
確かにその通りだ。正秀は、ここいるもの太刀よりも古いのかとみてみたくなった。
「それに工房にも通じてるから、正秀を案内しようかなあって」
「工房とは??」
「正秀君は、知らなかったんだね。姫が刀を打つことを」
「えっ!?」
友美は、正秀の反応に楽しそうに笑う。
「それもあって姫は、研ぐことに関してもスキルが高いから、僕は、お願いするんだ!! 何時も包丁をね!!」
「まぁ見てみれば分かるわ」
確かに主についてもっと知れるいい機会かもしれない。
正秀は、頷く。
「姫ぜひみたい」
「分かったわ」
これは、なかなか楽しそうなことになりそうだ。
日にちを決め、正秀は、厨房をでていった。
「姫なにか考えがあるのかい??」
「特にないわよ」
そういいつつ何かあるのが友美である。光忠は、楽しげに笑う主を見て、今度は、なにをする気なのかと考えていた。楽しげに笑いながら。