日常編1
何故こうなってしまったのか。国広は、溜め息をついた。
「ぐへ!!!」
宙を舞う鯰尾とそれをお茶をのみながら見ている鶯丸。
鯰尾は、そのまま庭の池に落ちた。
「鯰尾!!」
何故こうなったのか国広は、聞きたかった。
「くっそ!! ビームをうつ練習してたら鯰尾が飛んでしまった!!」
部屋から聞こえる後藤の声に国広は、目が点に。
「ビーム!!??」
なんだろう。この胸騒ぎ。ここに代理がいたらやりたいと言い出しそうな気がする。
「ビームか主なら出せそうだ」
「鶯丸呑気だな」
「本丸がとぶわけでは、ないからな」
本丸がとぶ。初期の頃の事を思いだし、国広は、溜め息をこぼした。
「懐かしい話をしてるな!! 確かあれは、俺が悪戯して、姫がとどめをさしたんだっけ!!」
「そうだ。国永」
楽しそうに国永は、笑ってるが、国広は、あの時から主は、ぶっとんでいたなと頭を抱えた。
「姫のせいかうちの山姥切国広が卑屈じゃなくなってきてたよなーあの頃には……」
「あの規格外主だぞ。卑屈になってる間に更に事件を起こす可能性がある。なってられるか」
「確かに!! 姫ならそうだよね!!」
池から出てきた鯰尾は、こう言うとくしゃみをした。
「ぐしゅ!!」
「鯰尾風呂行ってこい!!」
「そうするよ後藤」
そのまま鯰尾は、着替えをもち、風呂に。
「姫ってそんな初期から凄かったんだな……」
「後藤が来たのは、後の方だったか」
「そうだぜ!! 国広!!」
国広、国永は、困ったように笑うといった。
「姫は、はじめから姫だったぞ」
「見事にな!!」
この二振は、古株だ。知らない話を聞けそうと後藤は、思いいった。
「もっと聞かせてくれ!!」
「国広時々いいんじゃないのか??」
「そうだな……困った代理のお守りも……」
ないといいかけたとき、ツンツンも服の袖を引っ張られふりかえるといた。正雪が。
「私も聞いていいか??」
国広は、国永をみる。国永は、諦めろと言っていた。
「あんたがみてくれてもいいんだが??」
「悪戯していいなら」
「それは、駄目だろ」
「その……迷惑なら……」
しょぼんとする正雪に国広は、いう。
「迷惑じゃない。聞くなら自己責任だからな」
「ありがとう国広殿!!」
部屋に入り、国広は、茶を。後藤は、菓子を用意し、準備を終えるとみな座り話し出した。
「そういえば初期刀って政府で審神者に選ばれてくるんだろ?? 国広は、どうだったんだ??」
国広は、真顔になる。
「はぁ??」
「え?? 違うのか!?」
「標準を知らんからなんとも。俺は、場合姫が自分で鍛刀して呼び出した刀だからな。まぁ挨拶早々ぶん殴られて、重傷を負ったが」
後藤は、このとき思った。予想より色々ぶっとんでるような気がすると。
「その上一人と一振で出陣で俺は、見事に見ていただけだったしな……」
「……まさか姫……一人で倒したのか!?」
「あぁ」
あの時国広は、思った。俺必要あるのかと。
「ふむ……姫らしいな……」
正雪は、友美らしいなと思いつつも何処か困惑し、後藤は、開いた口が塞がらない。
「国広これが普通の反応だな!!」
「だろうな。俺は、慣れているが……」
「まぁ国広は、ましな方だぜ」
「というと??」
正雪の問いに国永は、笑って答えた。
「俺なんて呼び起こされてすぐに暗示かけられ、そのままブラック本丸にスパイとして送り込まれたからな!!」
「スパイ……えーと……密偵……かな??」
「そうなるな正雪さん……」
後藤と正雪は、顔を見合わせ驚いた。
「国広この反応俺話すネタ間違えたか!?」
「普通は、この反応だ」
確かに後藤も正雪も友美がどうやってブラック本丸の内情を知り、手を出していったのかその手法は、気になっていた。だがまさか密偵を送っていたとは。驚きだ。
「人生驚きが必要だからな!!」
「だとしても映画で見たスパイを目の前のやつがやってたなんて……」
「まぁその方がいいと思って姫は、やったみたいたぜ!! 確かにキツかったが貴重な体験も出来たしな!! なんなら友人も出来た!!」
「その友人って??」
「時々遊びに来る乱だよ」
乱。正雪は、もしかして先日の政府の会議で話しかけてきた貴婦人といた乱藤四郎かも思った。
「もしや……気品のある女性といた乱藤四郎か??」
「そうだぜ正雪。あいつもは、潜伏先の本丸で知り合った友人なんだ。あいつ事態は、ブラック本丸の出身だけどな!!」
また遊びに行くねと言われたがこういうことだったのか。謎がとけた。
「乱とそんな関係が……」
「因みに他に密偵は、いないのか??」
正雪がそう質問したとき、たまたま安定が部屋の前を通った。
「僕だよ」
「安定居たのか」
「たまたま前を通ったら聞こえてきたからさ」
安定も部屋にはいると、国広が菓子と茶を用意した。
「ありがとう」
「いや」
安定は、茶を飲むと、後藤が問う。
「安定どう言うことだよ!! それ!!」
「僕も密偵だったんだ。一さんの本丸に潜伏してた」
確かに一は、安定には、まだ他の刀剣達に比べ話しんしている。まさかの理由に後藤は、驚いた。
「だからか……一さん安定には、話してたのか……まだ少し……」
「みたい。僕も話くらいは、聞けるからなるべく聞くようにしてるよ」
安定は、菓子を食べる。
「これ新作!?」
「ナカツクニで売ってた新しいスナック菓子だぜ」
「ほう……」
スナック菓子とは、こんなさくさくしているのかと正雪は、思いながら食べる。
「このしょっかん……やみつきになりそうだ……」
「食べ過ぎると肥るぞ」
正雪が国広の一言で固まった。
「国広いいじゃないか!! 正雪は、細すぎるだしな!!」
「だとしてもだ。食べすぎたら、他の旨いものを食べれないだろ。これだけで肥ったら」
「確かに!!」
確かに当世は、豊かで美味しいものであふれてる。そのぶん動いているが、確かにこればかり食べると楽しみが減る。
正雪は、茶を飲むといった。
「我慢……」
「烈士をここで発揮してくれ」
「むっ!?」
「国広ふいに正雪さんいじるよな……」
「国永じいちゃん俺もそれ思った!!」
「まぁそれが国広だよね」
国永と後藤、安定が笑うなか、正雪は、顔を真っ赤にしていた。
「うぬぬ……」
「ほらそんなに眉間にシワを寄せたら将来つくぞ」
国広は、スナック菓子を取ると、正雪の口に放り込んだ。
「む!?」
「食べて機嫌を直せ。少しくらいなら食べて問題ないはずだ」
正雪は、頷くと食べ、笑った。
「やっぱりうまい……」
「そうか」
「あと国広殿!! あそこであのようなことをいうな!!」
「烈士とは、そういう意味でもあるだろ?? 己の意思を貫く。信念固いやつの事をいうしな」
「でもさ烈士って平和のため己の信念を突き通した人や殉職した人の事もいうよね??」
「なら俺達は、烈士たるになるのか!!」
「後藤烈士とは、気性が激しく節義のあるやつの事をいう場合もあるぞ。そうなると俺達のなかには、いないぞ??」
「確かにそうだよな……国永じいちゃん……」
正雪がよくいう烈士とは、平穏のため己の信念を突き通し、人として正しいことをなし、命を懸けて守るという、意味合いだろう。しかし気性が激しいかといわれれば彼女は、違う。
「博多か??」
「なんで博多なの??」
「安定ほらあれみて」
後藤が指差すほうを皆は、見ると、庭で博多が暴れていた。
「あー!!!!!!!」
「あれは、発狂じゃねえのか??」
国永は、いうと後藤は、困った顔をしていた。
「さぁ?? 株が落ちたー!!! とか上がったー!!!! とか売れたー!!! とかよく叫んでるし、なにより己の信念に突き通してるし……株の理由がこの組織の設備新調だし……ある意味正しいことしてるし……」
確かに烈士かもしれないが少し違う。
「それは、少し違うのでは……」
「正雪さんやっぱり」
「あぁ後藤殿」
ひとしきり叫ぶと博多は、なかに入っていった。
「そういえば前から株やってたけど博多さらに力入ってない??」
安定は、そういうと、国永と後藤もいった。
「確かに……」
「設備増強とか!?」
「天照大神がそれやると五月蝿いか、ないない」
「そっか……国永じいちゃん」
国広は、のんびりと茶をのみそのとなりで正雪は、少し冷や汗をかいていた。何故博多が株にさらに力が入っているのか理由を知っているからだ。
「国広殿言わなくていいのか??」
「あくまでも資金を集めるが、どう使うかは、あいつら次第だからな。それにまだ決定でもない。姫がいいと言えばいうさ」
「そうだな」
友美が何時号令を出すか、分からないが。
「でも姫が身重で戦場にいたのには、驚きを通り越して恐怖があったぜ」
安定が頷き、後藤は、唖然とし、正雪は、キョトンとしてしまった。恐る恐る国広を見ると、彼は、頷いていた。
「なぁ……」
「それが姫だ」
「でもよ!! 螢が産まれたときは、本当に可愛かったぜ!! 皆して螢争奪戦があったくらいだしな!!」
「凄く可愛かったね!! 珠のような子ってこういうことか!! って思ったよ」
「いいなぁー 俺が会ったときには、ある程度大きかったしな……」
正雪は、国広を見ると、彼の目が細くなっていた。
「写真ならあるぜ!!」
「国永じいちゃんまじ!?」
「まじ!!」
国永は、凄い勢いで部屋を飛び出し戻ってきた。
「このアルバムだ!!」
座り、アルバムを開くと懐かしい光景が。
「螢こんなに小さかったんだ……」
「安定懐かしいな」
「だね!!」
小さい赤子が刀剣男士と写る写真に。後藤は、目を煌めかせ、正雪もまた目を細めた。
「愛らしい」
「だな!!」
しかしアルバムをめくっても写真には、国広の姿は、なく、正雪は、疑問に。
「国広殿が写ってない??」
「あー国広は、撮るがわだったからな」
「じゃこの写真国広が撮ったのか!?」
「そうだよ後藤」
安定と国永は、国広を見ると、かれは、無言で茶を飲んでいた。
「後は、蛍もだな」
「そうそう!!」
正雪は、国広を見ると思う。やはり国広は、とても優しいのだなと。
「国広いたぜ!!」
後藤のみつけた写真には、螢も昼寝する国広が。よく見ると彼の指を螢が掴んでいる。
「国広殿……」
「さて俺は、仕事に戻る」
「こら恥ずかしいからって逃げるな!!」
立ち上がろうとして国永に乗られ、国広は、溜め息をついた。
「危ないだろ!! じじい!!」
「いいじゃないか!!」
「でも国広が面倒見がいいのってぜったいこれが要因だよな……」
「確かに……赤子の世話をしていたのなら……」
「姫になんやかんや押し付けられてたんだ。赤ちゃん可愛いでしょうーって」
「よくいうぜ。自分からよく世話してたくせに!!」
「余計なことをいうな!! 国永!!」
取っ組み合いをはじめた国広と国永。安定は、またかという感じで、後藤は、あわあわし、正雪は、笑っていた。
「国広殿にもこのような一面があるのだな。ふふふ」
「正雪さん慣れすぎだろ!?」
「浪人に比べればましなほうだが……」
「この人、浪人集めてしてたんだったー!!!!!」
後藤は、誰か止めてくれと願ったとき、大きな溜め息と共に、ゴン!! と音が。そして静かになった。
「国広!? 国永じいちゃん!?」
のびてる二振の後ろには、なんと友美が。
「まったく!! 室内で喧嘩しない!! やるなら庭でやれ!!」
「姫……やりすぎじゃね??」
友美は、国永と国広をみて、顔を青ざめた。
「国広ー!!!!」
「姫!! 俺は、いいのか!!!??」
「あっごめんなさい」
国広を揺すると、国永が突っ込むために復活した。
「姫……手加減してくれ……」
「ごめん……」
とりあえず術で治すと、友美は、苦笑いを浮かべた。
「とりあえず喧嘩するなら外でやってね!!」
「こうなるなら喧嘩は、しない」
「右に同じ」
国広と国永は、そういうと、茶を飲んだ。
「あらそうなの??」
「そうだ!!」
友美は、息のあっている国永と国広をみて微笑むと、去っていった。
「この組織は、姫があってこそなんだな」
「そうだな!! 正雪さん!!」
「後藤そりゃそうだよ」
「だな!!」
国永は、そういうと、国広は、頷くのみ。
「もう少し話を聞かせてくれないか??」
「俺も聞きたい!!」
「いいぜ!!」
国永がまた懐かしい話をするなか、安定が突っ込み、正雪と後藤が楽しそうに聞いていた。
この組織の始まりの刀は、その光景を優しい眼差しで見ていた。ここも今は、こんなに賑やかになったんだなと思いながら。そしてこれからも楽しい思い出が増えるのだなと感じるのであった。
「ぐへ!!!」
宙を舞う鯰尾とそれをお茶をのみながら見ている鶯丸。
鯰尾は、そのまま庭の池に落ちた。
「鯰尾!!」
何故こうなったのか国広は、聞きたかった。
「くっそ!! ビームをうつ練習してたら鯰尾が飛んでしまった!!」
部屋から聞こえる後藤の声に国広は、目が点に。
「ビーム!!??」
なんだろう。この胸騒ぎ。ここに代理がいたらやりたいと言い出しそうな気がする。
「ビームか主なら出せそうだ」
「鶯丸呑気だな」
「本丸がとぶわけでは、ないからな」
本丸がとぶ。初期の頃の事を思いだし、国広は、溜め息をこぼした。
「懐かしい話をしてるな!! 確かあれは、俺が悪戯して、姫がとどめをさしたんだっけ!!」
「そうだ。国永」
楽しそうに国永は、笑ってるが、国広は、あの時から主は、ぶっとんでいたなと頭を抱えた。
「姫のせいかうちの山姥切国広が卑屈じゃなくなってきてたよなーあの頃には……」
「あの規格外主だぞ。卑屈になってる間に更に事件を起こす可能性がある。なってられるか」
「確かに!! 姫ならそうだよね!!」
池から出てきた鯰尾は、こう言うとくしゃみをした。
「ぐしゅ!!」
「鯰尾風呂行ってこい!!」
「そうするよ後藤」
そのまま鯰尾は、着替えをもち、風呂に。
「姫ってそんな初期から凄かったんだな……」
「後藤が来たのは、後の方だったか」
「そうだぜ!! 国広!!」
国広、国永は、困ったように笑うといった。
「姫は、はじめから姫だったぞ」
「見事にな!!」
この二振は、古株だ。知らない話を聞けそうと後藤は、思いいった。
「もっと聞かせてくれ!!」
「国広時々いいんじゃないのか??」
「そうだな……困った代理のお守りも……」
ないといいかけたとき、ツンツンも服の袖を引っ張られふりかえるといた。正雪が。
「私も聞いていいか??」
国広は、国永をみる。国永は、諦めろと言っていた。
「あんたがみてくれてもいいんだが??」
「悪戯していいなら」
「それは、駄目だろ」
「その……迷惑なら……」
しょぼんとする正雪に国広は、いう。
「迷惑じゃない。聞くなら自己責任だからな」
「ありがとう国広殿!!」
部屋に入り、国広は、茶を。後藤は、菓子を用意し、準備を終えるとみな座り話し出した。
「そういえば初期刀って政府で審神者に選ばれてくるんだろ?? 国広は、どうだったんだ??」
国広は、真顔になる。
「はぁ??」
「え?? 違うのか!?」
「標準を知らんからなんとも。俺は、場合姫が自分で鍛刀して呼び出した刀だからな。まぁ挨拶早々ぶん殴られて、重傷を負ったが」
後藤は、このとき思った。予想より色々ぶっとんでるような気がすると。
「その上一人と一振で出陣で俺は、見事に見ていただけだったしな……」
「……まさか姫……一人で倒したのか!?」
「あぁ」
あの時国広は、思った。俺必要あるのかと。
「ふむ……姫らしいな……」
正雪は、友美らしいなと思いつつも何処か困惑し、後藤は、開いた口が塞がらない。
「国広これが普通の反応だな!!」
「だろうな。俺は、慣れているが……」
「まぁ国広は、ましな方だぜ」
「というと??」
正雪の問いに国永は、笑って答えた。
「俺なんて呼び起こされてすぐに暗示かけられ、そのままブラック本丸にスパイとして送り込まれたからな!!」
「スパイ……えーと……密偵……かな??」
「そうなるな正雪さん……」
後藤と正雪は、顔を見合わせ驚いた。
「国広この反応俺話すネタ間違えたか!?」
「普通は、この反応だ」
確かに後藤も正雪も友美がどうやってブラック本丸の内情を知り、手を出していったのかその手法は、気になっていた。だがまさか密偵を送っていたとは。驚きだ。
「人生驚きが必要だからな!!」
「だとしても映画で見たスパイを目の前のやつがやってたなんて……」
「まぁその方がいいと思って姫は、やったみたいたぜ!! 確かにキツかったが貴重な体験も出来たしな!! なんなら友人も出来た!!」
「その友人って??」
「時々遊びに来る乱だよ」
乱。正雪は、もしかして先日の政府の会議で話しかけてきた貴婦人といた乱藤四郎かも思った。
「もしや……気品のある女性といた乱藤四郎か??」
「そうだぜ正雪。あいつもは、潜伏先の本丸で知り合った友人なんだ。あいつ事態は、ブラック本丸の出身だけどな!!」
また遊びに行くねと言われたがこういうことだったのか。謎がとけた。
「乱とそんな関係が……」
「因みに他に密偵は、いないのか??」
正雪がそう質問したとき、たまたま安定が部屋の前を通った。
「僕だよ」
「安定居たのか」
「たまたま前を通ったら聞こえてきたからさ」
安定も部屋にはいると、国広が菓子と茶を用意した。
「ありがとう」
「いや」
安定は、茶を飲むと、後藤が問う。
「安定どう言うことだよ!! それ!!」
「僕も密偵だったんだ。一さんの本丸に潜伏してた」
確かに一は、安定には、まだ他の刀剣達に比べ話しんしている。まさかの理由に後藤は、驚いた。
「だからか……一さん安定には、話してたのか……まだ少し……」
「みたい。僕も話くらいは、聞けるからなるべく聞くようにしてるよ」
安定は、菓子を食べる。
「これ新作!?」
「ナカツクニで売ってた新しいスナック菓子だぜ」
「ほう……」
スナック菓子とは、こんなさくさくしているのかと正雪は、思いながら食べる。
「このしょっかん……やみつきになりそうだ……」
「食べ過ぎると肥るぞ」
正雪が国広の一言で固まった。
「国広いいじゃないか!! 正雪は、細すぎるだしな!!」
「だとしてもだ。食べすぎたら、他の旨いものを食べれないだろ。これだけで肥ったら」
「確かに!!」
確かに当世は、豊かで美味しいものであふれてる。そのぶん動いているが、確かにこればかり食べると楽しみが減る。
正雪は、茶を飲むといった。
「我慢……」
「烈士をここで発揮してくれ」
「むっ!?」
「国広ふいに正雪さんいじるよな……」
「国永じいちゃん俺もそれ思った!!」
「まぁそれが国広だよね」
国永と後藤、安定が笑うなか、正雪は、顔を真っ赤にしていた。
「うぬぬ……」
「ほらそんなに眉間にシワを寄せたら将来つくぞ」
国広は、スナック菓子を取ると、正雪の口に放り込んだ。
「む!?」
「食べて機嫌を直せ。少しくらいなら食べて問題ないはずだ」
正雪は、頷くと食べ、笑った。
「やっぱりうまい……」
「そうか」
「あと国広殿!! あそこであのようなことをいうな!!」
「烈士とは、そういう意味でもあるだろ?? 己の意思を貫く。信念固いやつの事をいうしな」
「でもさ烈士って平和のため己の信念を突き通した人や殉職した人の事もいうよね??」
「なら俺達は、烈士たるになるのか!!」
「後藤烈士とは、気性が激しく節義のあるやつの事をいう場合もあるぞ。そうなると俺達のなかには、いないぞ??」
「確かにそうだよな……国永じいちゃん……」
正雪がよくいう烈士とは、平穏のため己の信念を突き通し、人として正しいことをなし、命を懸けて守るという、意味合いだろう。しかし気性が激しいかといわれれば彼女は、違う。
「博多か??」
「なんで博多なの??」
「安定ほらあれみて」
後藤が指差すほうを皆は、見ると、庭で博多が暴れていた。
「あー!!!!!!!」
「あれは、発狂じゃねえのか??」
国永は、いうと後藤は、困った顔をしていた。
「さぁ?? 株が落ちたー!!! とか上がったー!!!! とか売れたー!!! とかよく叫んでるし、なにより己の信念に突き通してるし……株の理由がこの組織の設備新調だし……ある意味正しいことしてるし……」
確かに烈士かもしれないが少し違う。
「それは、少し違うのでは……」
「正雪さんやっぱり」
「あぁ後藤殿」
ひとしきり叫ぶと博多は、なかに入っていった。
「そういえば前から株やってたけど博多さらに力入ってない??」
安定は、そういうと、国永と後藤もいった。
「確かに……」
「設備増強とか!?」
「天照大神がそれやると五月蝿いか、ないない」
「そっか……国永じいちゃん」
国広は、のんびりと茶をのみそのとなりで正雪は、少し冷や汗をかいていた。何故博多が株にさらに力が入っているのか理由を知っているからだ。
「国広殿言わなくていいのか??」
「あくまでも資金を集めるが、どう使うかは、あいつら次第だからな。それにまだ決定でもない。姫がいいと言えばいうさ」
「そうだな」
友美が何時号令を出すか、分からないが。
「でも姫が身重で戦場にいたのには、驚きを通り越して恐怖があったぜ」
安定が頷き、後藤は、唖然とし、正雪は、キョトンとしてしまった。恐る恐る国広を見ると、彼は、頷いていた。
「なぁ……」
「それが姫だ」
「でもよ!! 螢が産まれたときは、本当に可愛かったぜ!! 皆して螢争奪戦があったくらいだしな!!」
「凄く可愛かったね!! 珠のような子ってこういうことか!! って思ったよ」
「いいなぁー 俺が会ったときには、ある程度大きかったしな……」
正雪は、国広を見ると、彼の目が細くなっていた。
「写真ならあるぜ!!」
「国永じいちゃんまじ!?」
「まじ!!」
国永は、凄い勢いで部屋を飛び出し戻ってきた。
「このアルバムだ!!」
座り、アルバムを開くと懐かしい光景が。
「螢こんなに小さかったんだ……」
「安定懐かしいな」
「だね!!」
小さい赤子が刀剣男士と写る写真に。後藤は、目を煌めかせ、正雪もまた目を細めた。
「愛らしい」
「だな!!」
しかしアルバムをめくっても写真には、国広の姿は、なく、正雪は、疑問に。
「国広殿が写ってない??」
「あー国広は、撮るがわだったからな」
「じゃこの写真国広が撮ったのか!?」
「そうだよ後藤」
安定と国永は、国広を見ると、かれは、無言で茶を飲んでいた。
「後は、蛍もだな」
「そうそう!!」
正雪は、国広を見ると思う。やはり国広は、とても優しいのだなと。
「国広いたぜ!!」
後藤のみつけた写真には、螢も昼寝する国広が。よく見ると彼の指を螢が掴んでいる。
「国広殿……」
「さて俺は、仕事に戻る」
「こら恥ずかしいからって逃げるな!!」
立ち上がろうとして国永に乗られ、国広は、溜め息をついた。
「危ないだろ!! じじい!!」
「いいじゃないか!!」
「でも国広が面倒見がいいのってぜったいこれが要因だよな……」
「確かに……赤子の世話をしていたのなら……」
「姫になんやかんや押し付けられてたんだ。赤ちゃん可愛いでしょうーって」
「よくいうぜ。自分からよく世話してたくせに!!」
「余計なことをいうな!! 国永!!」
取っ組み合いをはじめた国広と国永。安定は、またかという感じで、後藤は、あわあわし、正雪は、笑っていた。
「国広殿にもこのような一面があるのだな。ふふふ」
「正雪さん慣れすぎだろ!?」
「浪人に比べればましなほうだが……」
「この人、浪人集めてしてたんだったー!!!!!」
後藤は、誰か止めてくれと願ったとき、大きな溜め息と共に、ゴン!! と音が。そして静かになった。
「国広!? 国永じいちゃん!?」
のびてる二振の後ろには、なんと友美が。
「まったく!! 室内で喧嘩しない!! やるなら庭でやれ!!」
「姫……やりすぎじゃね??」
友美は、国永と国広をみて、顔を青ざめた。
「国広ー!!!!」
「姫!! 俺は、いいのか!!!??」
「あっごめんなさい」
国広を揺すると、国永が突っ込むために復活した。
「姫……手加減してくれ……」
「ごめん……」
とりあえず術で治すと、友美は、苦笑いを浮かべた。
「とりあえず喧嘩するなら外でやってね!!」
「こうなるなら喧嘩は、しない」
「右に同じ」
国広と国永は、そういうと、茶を飲んだ。
「あらそうなの??」
「そうだ!!」
友美は、息のあっている国永と国広をみて微笑むと、去っていった。
「この組織は、姫があってこそなんだな」
「そうだな!! 正雪さん!!」
「後藤そりゃそうだよ」
「だな!!」
国永は、そういうと、国広は、頷くのみ。
「もう少し話を聞かせてくれないか??」
「俺も聞きたい!!」
「いいぜ!!」
国永がまた懐かしい話をするなか、安定が突っ込み、正雪と後藤が楽しそうに聞いていた。
この組織の始まりの刀は、その光景を優しい眼差しで見ていた。ここも今は、こんなに賑やかになったんだなと思いながら。そしてこれからも楽しい思い出が増えるのだなと感じるのであった。