日常編1
審神者の会議。定期的に時の政府本部で行われているらしい。
国広は、困った顔をしていた。
「天照大神にでてもらうか……」
彼の手には、会議の案内が。今回ばかりは、出席する必要があるようだ。
この組織と政府は、あくまでも利害関係で契約をしている。
国広は、立ち上がる、執務室をでやって来たのは、道場だった。
「うわぁー!!!!」
投げ飛ばされ、庭に放り出された国永。この組織でも強い彼を投げ飛ばしたのは、彼女だった。
彼らの主にして本来のこの組織の長。表立っては、天照ということになっている。
「まったく国永怠けすぎよ!!」
「姫が強すぎるんだ!!」
すでに光忠そして大倶利伽羅、貞ちゃんと投げ飛ばされ、みな手入れ部屋送りになっていた。
「さぁ次誰??」
「なら俺が!!」
「加州ね来い!!」
加州が木刀を構え、主に切りかかるが、友美は、なんと一瞬の隙をついて、加州の首もとに手をやり、そのまま庭になげとばした。
「うわぁ!!」
友美は、さて次は、誰が来るのかと思ったとき、国広が目にはいった。
「皆これで終わりよ!!」
「はーい姫!!」
友美は、道場から廊下に。
「国広どうしたの??」
「相変わらずあんたの稽古は、厳しいと思ってな」
「これでも手加減してるわよ??」
「それでもだ」
珍しく袴姿の主にこういう姿も似合うんだなと国広は、思いつつ話した。
「政府から会議の案内が」
「なになに……」
友美は、内容を確認すると言った。
「今の状況確認とそれに伴う対策会議か……定期的なものだけど……前回でてから少したつし…‥行っといた方がいいわね……」
「だよな。で姫誰がでる」
友美は、しばらく考える。
「うーん私が出るわけにはね……」
「天照大神もなぁ……」
「なら代理しかいないでしょう??」
国広は、困った顔をする。
「それを避けたいから相談してるんだが……」
「無理無理!! 私がいってつまらなさそうにしてていいならいいけど。他の本丸にそれだけで喧嘩売りそうだしー」
「確かに」
「それに正雪なら大丈夫よ!! 強いし、なにより審神者としての適正は、ピカイチ!!」
「……純粋無垢で色々顔突っ込みそうだが??」
「それは、私もよ。とりあえず国広正雪には、話しておくから。近侍に関しては、よろしく」
友美は、そういうと去っていった。近侍を国広に決めろといったと言うことは、友美の中では、すでに誰にするのか決まっているのだろう。
「……宜しくって……俺が同行しろってことだろ……姫……」
確かに近侍は、自分であり、主に代わり、この組織を統括している。
「まぁ他のやつに任せるより最善か」
国広は、そういうと執務室に戻り、友美は、同じ頃、畑で五虎退そして毛利と畑仕事をしていた正雪に話していた。
「私が会議に!?」
「そう。私が出向くと政府と色々ありそうだし……天照をだすのもねぇーって事で……」
「分かった姫それに関しては、引き受けよう。だがその……当日は、誰と……」
「同行する近侍に関しては、国広に一任してるけど……たぶん彼が着いていくと思うわ。まぁ政府とのやり取りのとき全てを把握してる国広が一番の適任者だから」
この組織の始まりの刀剣にして、統括者。確かにそれなら、ば安心だ。
「確かにそうだな」
「姫僕達も行った方がいいですか??」
「五虎退それ、国広に聞いてみて!! それでオッケーでたら好きにしていいわよ!!」
「ありがとうございます!! 姫!!」
五虎退は、嬉しそうに笑うと、畑に戻っていった。
「五虎退殿も来るのだろうか??」
「さぁー分からないわ。とりあえず正雪当日お願いね!!」
「あい分かった」
友美が屋敷に戻り、正雪は、少しワクワクしつつも不安を感じていた。
「会議か……上手くできるといいのだが……」
しかし不安を感じてもなにも始まらない。正雪は、今は、目の前のやることをと、また毛利、五虎退と共に畑仕事を始めた。
「……」
その会話を物陰から聞いているものがいるとも知らずに。
その日の夜国広の執務室に珍しく灯りがついていた。
何時もならこの時間国広は、自分の部屋にいる。なのにここにいると云うことは、誰にも聞かれたくない話をしているということだろう。
「……それ本気か??」
「本気だよ僕はね」
「当日正秀と行動は……」
「それも承知で言っている」
まさか夕方清麿が訪ねてくるとは、国広も予想外だった。内容が内容なので、夜にはなそうと彼は、言った。
「まさか会議に近侍として出ると、言うなんては……」
「国広としては、駄目かい??」
国広は、難しい顔をする。
「深く突っ込まれたときどう対応するか……それだけが問題だな」
「どう対応するかか……」
長椅子に国広は、座りながら、向かいに座る清麿にいう。
「政府にいたあんたならこの組織がどう思われているか知っているだろ??」
「少しは……謎の多い元本丸。刀剣たちも強く、何時も表れてはすぐ消える……とかね……」
「後は、関わっては、ならないとかな」
国広は、あきれた顔をし言った。
「清麿いいのか?? 正秀もいない状態であんたは、元政府の刀剣男士そしてこの組織の刀剣男士とみられるんだぞ?? 他のやからから冷たい視線を向けられる可能性もある」
「……それを彼女にも浴びさせるつもりだろ?? 姫は……」
純粋な代理の顔が浮かぶ。清麿の言葉に国広は、目を伏せる。
「代理として出るからにはな。しかし俺がいれば嫌でも皆が俺に注目する」
「なるほど……」
「対応も俺がすれば問題ないしな。嫌なところをつかれても」
だからこそ国広は、自ら出向こうとしていた。そして万が一の事があっても彼女を守れるように。
「それに姫は、そのようなことは、考えてないぞ。それに正雪は、あのような場には、適任だろうな」
「そうか……」
清麿は、何故か不安そうかをしている。国広は、それが引っ掛かった。
「なにかあるのか??」
「……あくまでも僕の考えだけどね」
「というと??」
清麿は、見えた物を話した。
「襲撃だと!?」
国広は、驚いた顔をした。
「……清麿あんた予知が出きるのか……」
「予知とうより夢見かな……多少なら夢への干渉も出来るみたい……」
ここに来てから清麿が得た神の力。国広は、その使い手を知っていた。
「霞ノ神子に似た力か……」
「国広その神子は……」
「薬学に精通している女神だ。神の使いで、夢への干渉、夢見、予知、幻影を見せることが得意なんだ」
「だから霞……か……」
「そうだ。なら清麿の観たものは、間違いなく起こるだろう」
清麿は、冷静は国広に驚きつつ目を伏せる。
「そこで正雪さんは……」
「死ぬか……」
「いや!! それは、ない……ただ……」
清麿は、顔を青ざめいう。
「ナンパにあいそうなんだ!! それは、なんとしても防がないといけないよね!!??」
国広は、真顔になる。まさか着いていくといった理由がナンパを防ぐためだなんてと。
「国広??」
「とりあえず理由がそれなら俺が行くが!?」
「君なら殺しそうだから!? なら僕の方が穏便に……半殺しでとどめられるかなーと」
「半殺しも穏便じゃないが!?」
「それに……悲しいものを見せてしまうかなと……」
国広は、切なく瞳を揺らした。
「なるほど死者が出るんだな」
「そう見えた……」
遡行軍が襲撃してきたとなれば皆が無事にすむとは、限らない。
国広は、どうしたものかと考えた。
「なら俺と清麿で行くか??」
「それもありかもね。でもそうなると、刀を抜けなかったとき……守れるか……」
政府に入るとき、基本皆の安全を優先するため、刀剣男士は、本体の抜刀を規制される。それを掻い潜れるのは、本霊くらいだろう。彼らは、すこしばかり特殊だからだ。
「そうなると……宗近か髭切か……」
「正雪さん源氏と関係があるんだよね??」
「直接的ってわけじゃないがな」
「なるほど」
「なら蛍に頼むか……薬研は、忙しいだろうからな……」
蛍に俺も忙しいといわれるだろうが、正直この組織で国広が信頼できるほどに強いと確信が持てる本霊は、蛍くらいだ。
「蛍なら清麿と正雪どちらも守れる。なんなら、次元を移動も出きるから……緊急時の退避もなんとかなる……」
「蛍そんなに力が……」
「あいつは、桁が違うんだ。俺達と」
国広は、とりあえず聞こうと蛍に連絡をすると、すぐに部屋の障子があいた。
「国広こんな夜遅くになに??」
なんと蛍がやって来た。
清麿は、鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしているが、国広は、真顔だ。
「また廊下に通路開いてきたのか??」
「そうだよ。いきなり会議に同席しろって連絡来たんだからそうもするよ」
蛍は、部屋にはいると障子を閉めた。
「で国広どういうこと?? 源清麿の予知夢ってこと?? 敵襲だのナンパだのって」
「そうだ」
「で俺は、守れと??」
蛍は、不機嫌な顔をしいうが、国広は、相変わらず淡々と頷いた。
「そうだ」
これは、まずいのでは、ないか。清麿がハラハラするなか、蛍は、言った。
「友美に確認とって俺も観てみたけど、確かにこのままだとそうなりそうだね」
「やはりか」
「まぁ俺がいってどこまで変わるか分からないけど、いいよ」
「えっ!?」
この流れなら駄目と言いそうだと清麿が思っていたので間抜けな声が出た。
「なんでそんなに驚くのさ」
「いや流れ的に無理と来るかなと……」
「無理じゃないよ。俺は、清麿や正雪を守る義務は、あるんだから」
蛍は、そういうと笑った。
「国広ならそういうことで!! 正雪には、俺から言っとく!! あとその日俺は、正雪の弟ってことで!! なら規制もされにくいだろうし!!」
蛍は、そういうと帰っていった。
「蛍丸の本霊は……凄い勢いがあるね……」
「強いからこその天真爛漫、自由奔放だな。あと主に似てる」
「それ僕も思ったよ」
そう考えると自分もまた友美に似ているとも言えるが。
清麿は、それは、少し困るなと思っていると国広に言われた。
「姫は、あぁみえて優しい。あんたは、その優しさが似てるのかもな」
「国広……」
「俺は、何故かワーカーホリック気味になってるが」
「君と姫は、本当に似てるよ?? 力業とか……」
「堀川派は、もとから脳筋気質だ」
「そっか……確かに……」
清麿は、納得していたが、国広としては、他よりましだろうと内心思っていた。
「とりあえず当日は、蛍と頼むぞ」
「ありがとう国広。任せて」
国広と話を終え、清麿は、立ち上がると、執務室を出た。
部屋に戻ると、正秀がまだ起きていた。
「水心子起きてたのかい??」
「清麿を待っていた……」
昼間は、深刻そうな顔をしていた清麿。しかし今は、スッキリした顔をしていた。
正秀は、微笑む。
「問題は、解決したのだな」
「まぁね……」
一応今出来ることは、出来たといえる。清麿は、そういうと座った。
「水心子は、凄いね」
「そうでもない。清麿の事だからだ」
今回ばかりは、彼を危険なところに連れていくことは、出来ない。
もしかすると正秀は、怒るかもしれない。しかし今ののびのびとしている彼をみていると政府に連れていきたくないと清麿は、思った。
なにか言われるのは、自分だけで言い。彼は、そう思い親友にあえてなにも言わなかった。
「じゃ寝よっか」
「そうだな」
清麿にも正秀にも部屋があるが、寝るときがどちらかの部屋に行くことが多い。
隣で眠る正秀をみながら、清麿は、一瞬微笑んだが、すぐに彼に背を向けたのであった。
まるで正秀に本心を見せないように。
国広は、困った顔をしていた。
「天照大神にでてもらうか……」
彼の手には、会議の案内が。今回ばかりは、出席する必要があるようだ。
この組織と政府は、あくまでも利害関係で契約をしている。
国広は、立ち上がる、執務室をでやって来たのは、道場だった。
「うわぁー!!!!」
投げ飛ばされ、庭に放り出された国永。この組織でも強い彼を投げ飛ばしたのは、彼女だった。
彼らの主にして本来のこの組織の長。表立っては、天照ということになっている。
「まったく国永怠けすぎよ!!」
「姫が強すぎるんだ!!」
すでに光忠そして大倶利伽羅、貞ちゃんと投げ飛ばされ、みな手入れ部屋送りになっていた。
「さぁ次誰??」
「なら俺が!!」
「加州ね来い!!」
加州が木刀を構え、主に切りかかるが、友美は、なんと一瞬の隙をついて、加州の首もとに手をやり、そのまま庭になげとばした。
「うわぁ!!」
友美は、さて次は、誰が来るのかと思ったとき、国広が目にはいった。
「皆これで終わりよ!!」
「はーい姫!!」
友美は、道場から廊下に。
「国広どうしたの??」
「相変わらずあんたの稽古は、厳しいと思ってな」
「これでも手加減してるわよ??」
「それでもだ」
珍しく袴姿の主にこういう姿も似合うんだなと国広は、思いつつ話した。
「政府から会議の案内が」
「なになに……」
友美は、内容を確認すると言った。
「今の状況確認とそれに伴う対策会議か……定期的なものだけど……前回でてから少したつし…‥行っといた方がいいわね……」
「だよな。で姫誰がでる」
友美は、しばらく考える。
「うーん私が出るわけにはね……」
「天照大神もなぁ……」
「なら代理しかいないでしょう??」
国広は、困った顔をする。
「それを避けたいから相談してるんだが……」
「無理無理!! 私がいってつまらなさそうにしてていいならいいけど。他の本丸にそれだけで喧嘩売りそうだしー」
「確かに」
「それに正雪なら大丈夫よ!! 強いし、なにより審神者としての適正は、ピカイチ!!」
「……純粋無垢で色々顔突っ込みそうだが??」
「それは、私もよ。とりあえず国広正雪には、話しておくから。近侍に関しては、よろしく」
友美は、そういうと去っていった。近侍を国広に決めろといったと言うことは、友美の中では、すでに誰にするのか決まっているのだろう。
「……宜しくって……俺が同行しろってことだろ……姫……」
確かに近侍は、自分であり、主に代わり、この組織を統括している。
「まぁ他のやつに任せるより最善か」
国広は、そういうと執務室に戻り、友美は、同じ頃、畑で五虎退そして毛利と畑仕事をしていた正雪に話していた。
「私が会議に!?」
「そう。私が出向くと政府と色々ありそうだし……天照をだすのもねぇーって事で……」
「分かった姫それに関しては、引き受けよう。だがその……当日は、誰と……」
「同行する近侍に関しては、国広に一任してるけど……たぶん彼が着いていくと思うわ。まぁ政府とのやり取りのとき全てを把握してる国広が一番の適任者だから」
この組織の始まりの刀剣にして、統括者。確かにそれなら、ば安心だ。
「確かにそうだな」
「姫僕達も行った方がいいですか??」
「五虎退それ、国広に聞いてみて!! それでオッケーでたら好きにしていいわよ!!」
「ありがとうございます!! 姫!!」
五虎退は、嬉しそうに笑うと、畑に戻っていった。
「五虎退殿も来るのだろうか??」
「さぁー分からないわ。とりあえず正雪当日お願いね!!」
「あい分かった」
友美が屋敷に戻り、正雪は、少しワクワクしつつも不安を感じていた。
「会議か……上手くできるといいのだが……」
しかし不安を感じてもなにも始まらない。正雪は、今は、目の前のやることをと、また毛利、五虎退と共に畑仕事を始めた。
「……」
その会話を物陰から聞いているものがいるとも知らずに。
その日の夜国広の執務室に珍しく灯りがついていた。
何時もならこの時間国広は、自分の部屋にいる。なのにここにいると云うことは、誰にも聞かれたくない話をしているということだろう。
「……それ本気か??」
「本気だよ僕はね」
「当日正秀と行動は……」
「それも承知で言っている」
まさか夕方清麿が訪ねてくるとは、国広も予想外だった。内容が内容なので、夜にはなそうと彼は、言った。
「まさか会議に近侍として出ると、言うなんては……」
「国広としては、駄目かい??」
国広は、難しい顔をする。
「深く突っ込まれたときどう対応するか……それだけが問題だな」
「どう対応するかか……」
長椅子に国広は、座りながら、向かいに座る清麿にいう。
「政府にいたあんたならこの組織がどう思われているか知っているだろ??」
「少しは……謎の多い元本丸。刀剣たちも強く、何時も表れてはすぐ消える……とかね……」
「後は、関わっては、ならないとかな」
国広は、あきれた顔をし言った。
「清麿いいのか?? 正秀もいない状態であんたは、元政府の刀剣男士そしてこの組織の刀剣男士とみられるんだぞ?? 他のやからから冷たい視線を向けられる可能性もある」
「……それを彼女にも浴びさせるつもりだろ?? 姫は……」
純粋な代理の顔が浮かぶ。清麿の言葉に国広は、目を伏せる。
「代理として出るからにはな。しかし俺がいれば嫌でも皆が俺に注目する」
「なるほど……」
「対応も俺がすれば問題ないしな。嫌なところをつかれても」
だからこそ国広は、自ら出向こうとしていた。そして万が一の事があっても彼女を守れるように。
「それに姫は、そのようなことは、考えてないぞ。それに正雪は、あのような場には、適任だろうな」
「そうか……」
清麿は、何故か不安そうかをしている。国広は、それが引っ掛かった。
「なにかあるのか??」
「……あくまでも僕の考えだけどね」
「というと??」
清麿は、見えた物を話した。
「襲撃だと!?」
国広は、驚いた顔をした。
「……清麿あんた予知が出きるのか……」
「予知とうより夢見かな……多少なら夢への干渉も出来るみたい……」
ここに来てから清麿が得た神の力。国広は、その使い手を知っていた。
「霞ノ神子に似た力か……」
「国広その神子は……」
「薬学に精通している女神だ。神の使いで、夢への干渉、夢見、予知、幻影を見せることが得意なんだ」
「だから霞……か……」
「そうだ。なら清麿の観たものは、間違いなく起こるだろう」
清麿は、冷静は国広に驚きつつ目を伏せる。
「そこで正雪さんは……」
「死ぬか……」
「いや!! それは、ない……ただ……」
清麿は、顔を青ざめいう。
「ナンパにあいそうなんだ!! それは、なんとしても防がないといけないよね!!??」
国広は、真顔になる。まさか着いていくといった理由がナンパを防ぐためだなんてと。
「国広??」
「とりあえず理由がそれなら俺が行くが!?」
「君なら殺しそうだから!? なら僕の方が穏便に……半殺しでとどめられるかなーと」
「半殺しも穏便じゃないが!?」
「それに……悲しいものを見せてしまうかなと……」
国広は、切なく瞳を揺らした。
「なるほど死者が出るんだな」
「そう見えた……」
遡行軍が襲撃してきたとなれば皆が無事にすむとは、限らない。
国広は、どうしたものかと考えた。
「なら俺と清麿で行くか??」
「それもありかもね。でもそうなると、刀を抜けなかったとき……守れるか……」
政府に入るとき、基本皆の安全を優先するため、刀剣男士は、本体の抜刀を規制される。それを掻い潜れるのは、本霊くらいだろう。彼らは、すこしばかり特殊だからだ。
「そうなると……宗近か髭切か……」
「正雪さん源氏と関係があるんだよね??」
「直接的ってわけじゃないがな」
「なるほど」
「なら蛍に頼むか……薬研は、忙しいだろうからな……」
蛍に俺も忙しいといわれるだろうが、正直この組織で国広が信頼できるほどに強いと確信が持てる本霊は、蛍くらいだ。
「蛍なら清麿と正雪どちらも守れる。なんなら、次元を移動も出きるから……緊急時の退避もなんとかなる……」
「蛍そんなに力が……」
「あいつは、桁が違うんだ。俺達と」
国広は、とりあえず聞こうと蛍に連絡をすると、すぐに部屋の障子があいた。
「国広こんな夜遅くになに??」
なんと蛍がやって来た。
清麿は、鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしているが、国広は、真顔だ。
「また廊下に通路開いてきたのか??」
「そうだよ。いきなり会議に同席しろって連絡来たんだからそうもするよ」
蛍は、部屋にはいると障子を閉めた。
「で国広どういうこと?? 源清麿の予知夢ってこと?? 敵襲だのナンパだのって」
「そうだ」
「で俺は、守れと??」
蛍は、不機嫌な顔をしいうが、国広は、相変わらず淡々と頷いた。
「そうだ」
これは、まずいのでは、ないか。清麿がハラハラするなか、蛍は、言った。
「友美に確認とって俺も観てみたけど、確かにこのままだとそうなりそうだね」
「やはりか」
「まぁ俺がいってどこまで変わるか分からないけど、いいよ」
「えっ!?」
この流れなら駄目と言いそうだと清麿が思っていたので間抜けな声が出た。
「なんでそんなに驚くのさ」
「いや流れ的に無理と来るかなと……」
「無理じゃないよ。俺は、清麿や正雪を守る義務は、あるんだから」
蛍は、そういうと笑った。
「国広ならそういうことで!! 正雪には、俺から言っとく!! あとその日俺は、正雪の弟ってことで!! なら規制もされにくいだろうし!!」
蛍は、そういうと帰っていった。
「蛍丸の本霊は……凄い勢いがあるね……」
「強いからこその天真爛漫、自由奔放だな。あと主に似てる」
「それ僕も思ったよ」
そう考えると自分もまた友美に似ているとも言えるが。
清麿は、それは、少し困るなと思っていると国広に言われた。
「姫は、あぁみえて優しい。あんたは、その優しさが似てるのかもな」
「国広……」
「俺は、何故かワーカーホリック気味になってるが」
「君と姫は、本当に似てるよ?? 力業とか……」
「堀川派は、もとから脳筋気質だ」
「そっか……確かに……」
清麿は、納得していたが、国広としては、他よりましだろうと内心思っていた。
「とりあえず当日は、蛍と頼むぞ」
「ありがとう国広。任せて」
国広と話を終え、清麿は、立ち上がると、執務室を出た。
部屋に戻ると、正秀がまだ起きていた。
「水心子起きてたのかい??」
「清麿を待っていた……」
昼間は、深刻そうな顔をしていた清麿。しかし今は、スッキリした顔をしていた。
正秀は、微笑む。
「問題は、解決したのだな」
「まぁね……」
一応今出来ることは、出来たといえる。清麿は、そういうと座った。
「水心子は、凄いね」
「そうでもない。清麿の事だからだ」
今回ばかりは、彼を危険なところに連れていくことは、出来ない。
もしかすると正秀は、怒るかもしれない。しかし今ののびのびとしている彼をみていると政府に連れていきたくないと清麿は、思った。
なにか言われるのは、自分だけで言い。彼は、そう思い親友にあえてなにも言わなかった。
「じゃ寝よっか」
「そうだな」
清麿にも正秀にも部屋があるが、寝るときがどちらかの部屋に行くことが多い。
隣で眠る正秀をみながら、清麿は、一瞬微笑んだが、すぐに彼に背を向けたのであった。
まるで正秀に本心を見せないように。