後日談
刀剣男士達がいるこの屋敷にも書庫は、ある。
正雪は、何時ものように国広の執務室にいた。書類整理を手伝っていた時のこと。
「書庫にか??」
「そうだ。慌てないが、この資料を取ってきてくれ」
紙を受け取ると正雪は、確認した。
「しかし国広殿仕事の方は……」
「全部終わった。あんたもここにずっといるも暇だろ。だから気分転換もかねて書庫に行ってこい」
正雪は、頷くと、早速書庫に向かった。しばらく廊下を歩くと書庫についた。なかは、とても広く多くの書物が納められていた。
入り口の近くにカウンターがあり、座っていたのは、骨喰だった。
「骨喰殿」
「正雪か」
「この資料は、あるだろうか」
紙をそのまま骨喰に見せると、彼は、立ち上がる。
「この資料ならこの棚だ」
「かたじけな」
正雪は、資料を取ると、持つ。
「そういえばここには、例えば戦における策の書物などは、あるのだろうか??」
「それらは、こっちだな」
骨喰のあとについて行くと確かにあったが、その量はあまりなかった。
「少ししかないのか……」
「一番は、実践ともいえるからな。とりあえずこれだけおいてある」
「うむ」
正雪は、少し萎れている気がする。骨喰は、しばらく考えると、彼女に声をかけた。
「ならこれは、どうだ??」
「これは……」
「動物の写真集あとは、自然のもある」
思わずひかれ手に取った。
「読むならそこの席で」
骨喰は、それだけ言い残すと、カウンターに戻った。
席につき、何気なくページをめくるとそこには、みたことがない動物が。
夢中になり、読み終えると、また別の写真集を取ってくると、美しさに正雪は、息を飲んだ。
「世界は、広いな……」
「でしょう!! 俺もいってみたいんだよね!!」
隣から声が聞こえ、正雪は、驚く。そんな彼女をみて、鯰尾は、笑った。
「鯰尾殿……」
「兄弟がすすめたんだって??」
「あぁ」
この組織にて、悪戯をする刀と認知している鯰尾。なにもされないだろうかと警戒し話をし、正雪は、した。
「これ確かこの書庫においたの姫だったよ」
「姫が??」
確かに主なら、置きそうである。
「世界は、広いしみんな自由に-行ってきなさいとかなんとかいって……で、皆みてるから他のより少し使い込まれた感じなんだよねぇー」
「そういえば……」
「兄弟あまり近づくと国広からしめられるぞ」
「骨喰大丈夫!! 国広からそこは、確認済み!!」
「そうか」
骨喰は、そういうと鯰尾の前に座った。
「貴殿達は、このような風景をみたことがあるか??」
正雪の質問に二振は、悩む。
「標高の高い山に登って雲海をみたくらいかな……」
「あとは、神域にはいり、みた花畑とかな」
「神域……」
さすがにそれは、自分では、みれないなと正雪は、思った。しかし自分が知らないだけど屋敷の刀剣達は、様々な美しい風景を見てきたのだろ。
「私も見たい……」
この発言に骨喰と鯰尾は、顔を見合わせた。
「なら行っちゃう??」
「えっ??」
「不法入国だな」
「不法入国!?」
「ちょっと面白い扉があってね!! 姫作だから大丈夫!!」
「大丈夫なのか!?」
色々不安になったがあれよあれよと正雪は、二振におされ、行くことに。
扉のある部屋に来るまでに国広とすれ違いなにかを感じた彼もついてくることに。
「骨喰、藤四郎どこへ行くつもりだ」
「綺麗な場所かな!!」
「綺麗か……」
ならと国広は、あるところを指定した。
「むむ??」
「そら行くぞ」
「国広殿!?」
国広に手を掴まれ、扉のなかに正雪は、訳も分からずはいった。後から鯰尾と骨喰もは入り、扉は、静かにしまる。
光がはれ、視界には、美しい湖が。
「ここは……」
「九寨溝だ」
「九寨溝……」
森林と青い湖。正雪は、見とれた。
「まさか中国って……」
「えい月の儀に出ていたアーチャ-のマスターが確か……中国……からだったな」
鯰尾と骨喰の会話を聞いていた正雪は、目を見開いていた。
「あんたにも馴染みがあるんだろ?? そのマスターとやらには……」
「あぁ……」
正雪は、短く答えると目を伏せた。彼女なりに何か思うこともあるのだろう。
国広は、そういえばと主の言葉を思い出していた。
「一応これが由井正雪の資料よ」
代理として彼女が来る前、国広は、主と打ち合わせをしていた。
彼女の資料共に、添付されていたえい月の儀に関しての資料。
その資料に目をとおし、国広は、いう。
「この役目をさせるということは、場合によっては、このマスター達に会うことになるんじゃないのか??」
「かもしれない。でも適任は、今この子しかいないわ」
「姫……」
「国広でも大丈夫。あの子は、強いから。もしあの子が落ち込んでいたら励ましてあげてね」
国広は、主の言葉を思い出し、正雪にいった。
「鄭成功がここに来たかは、知らんが。彼の見てきた世界には、こうも美しい光景があったんだろう」
「国広殿……」
「鄭成功は、俺達の歴史では、この国そして台湾では、英雄だ」
「そうか……」
「それに過ぎ去った日々に想いを馳せるより前を見ろ。俺は、そういうあんたの方が好きだがな」
正雪は、恥ずかしそうにうつむいた。
「国広フラグたててないか??」
「ねぇ!! ここに物吉つれてきた方がよかったんじゃ……ほら中の人てきに……」
「マスター鄭成功とアーチャ-が揃うな。大きさ的にもあってるんじゃかいのか??」
「かもね!!」
「お前ら!! 何をさっきから!!」
国広と骨喰、鯰尾が戯れるなか、正雪は、微笑む。
「鄭殿が少し羨ましい……このような景色を見ていたかと思うと……」
自分は、まだまだ知らないことが多いなと正雪が思ったとき、なにやらコロンとしたものが林から出た来た。
「む??」
何故だろうさわりたくなる。正雪は、手を伸ばすとそれを抱き上げた。
「ゴアゴア……?? ふむ……でもいいな……」
国広と骨喰、鯰尾は、こちらに背を向けなにかしている正雪に首をかしげる。
「何をしたるんだ??」
「国広殿これは??」
正雪がなんと抱っこしていたのは、パンダ。
それをみたとき、国広達は、顔を青ざめた。
「今すぐにはなせ!!」
「それは……」
「この国の天然記念物だ!!」
「天然記念物??」
「えーとー同心に捕まるということだ」
骨喰の言葉に、正雪は、顔を青ざめひきつると、パンダを優しく地面に下ろした。
「私は……捕まるのか……??」
「密入国してる時点で俺達捕まるよねぇ~」
「ぬっ……」
鯰尾の言葉に、正雪は、固まった。
「兄弟、正雪が固まったぞ」
「まったく」
国広は、ひょいと正雪を横抱きにした。
「国広殿……私は、もしや……もしやなのだな……」
「まぁ人の世のルールなど、俺達には、関係ない。ということにしとく!! ほら行くぞ!!」
「うむ」
何故か横抱きにされ正雪は、顔を真っ赤に。おろしてくれそうにない国広に少し困った顔をした。
「そういえばマリーさんがこの間ここに来てたみたいだよ!!」
「そうなのか」
骨喰と鯰尾の会話聞きながら、正雪は国広にきいた。
「マリーとは……」
「姫のサーヴァントだ。クラスは、ライダー真名は、マリー・アントワネットだったような」
「サーヴァント……姫が私のライダーと言った意味は、そこか……」
「あぁ。ひょんなことから契約したらしい。姫は、一度契約を切ったそうだが、執念で追ってきたそうだ。だから再契約し、マリーは、今世界中旅をしている。俺達のところにもよく絵はがきがくるんだ」
主なら確かに契約をしていてもおかしくない。正雪は、国広を上目遣いでみた。
「そのーもうそろそろ……」
「そうだな」
国広にようやくおろしてもらい、正雪は、ほっとすると改めて景色をみた。
「かように不思議な景色があるとは……」
「確か土に含まれる炭酸カルシウムが原因でそうなったみたいだよ!!」
「炭酸カルシウム??」
「石灰だ正雪」
「石灰か」
しかし石灰だけでは、こうは、ならないだろう。
「ここは、標高が高い。昔氷河があったそうだ。その侵食と、落ち葉なんかの沈殿物が石灰と化学反応し、そこに水が流れ込みこの棚田のような光景が出来た。青く見えるのも石灰のお陰だ」
「国広殿は、博学だな……」
「姫の受け売りだ」
自然とは、本当にすごいものだ。時々すれ違う観光客の邪魔をしないように遊歩道を移動し、湖をみた。
「さて帰る??」
「そうだな」
もうそろそろ帰らなければと骨喰と鯰尾が話していたとき、国広と正雪は、困っていた。
「正雪そのパンダどうした……」
「その……ついてきてしまった……のかな??」
先ほど別れたパンダ。どうやらついてきてしまったらしい。
正雪の足にしがみつくパンダに国広は、ため息をもらした。
「ほら帰れ」
パンダを引き剥がそうとするが、剥がれるどころかさらに足にしがみついた。
「いっ……」
正雪のいたそうな声が聞こえ、国広は、諦めた。
「ねぇ!! パンダの神隠しでいいじゃん!!」
「……人の世のルールなど、神には、知らないってまたやるのか兄弟」
「離れないならそうするしかないじゃん??」
「うぬぬ……申し訳ない……」
「あんたは、悪くないだろ。悪いのは、こいつだ」
国広達は、パンダをみるが、パンダは、首をかしげるのみ。
しかたがないと連れ帰ることにしたが、屋敷についたとたんパンダをみた光忠が豹変した。
「なんて可愛いんだいー!!! タケノコあったかな!? 笹もいるよね!! あとパンダだんごも!!」
パンダの可愛さにより。なにやら凄いことが起こりそうだ。
体を洗われ、乾かされたことにより、ふかふかになったパンダ。
光忠が何処かに連れ去っていったが、まぁいいだろう。
「パンダは、愛らしいな」
「パンダより俺は、正雪の方が愛らしいと思うがな」
「国広殿!?」
アワアワしている正雪は、まさに可愛い。国広は、そう思いながら、微笑む。
「確かに」
「だな」
「鯰尾殿、骨喰殿まで!!」
恥ずかしそうにしている正雪は、確かに可愛い二振もそう思いながら、正雪をみて楽しげに笑うのであった。
正雪は、何時ものように国広の執務室にいた。書類整理を手伝っていた時のこと。
「書庫にか??」
「そうだ。慌てないが、この資料を取ってきてくれ」
紙を受け取ると正雪は、確認した。
「しかし国広殿仕事の方は……」
「全部終わった。あんたもここにずっといるも暇だろ。だから気分転換もかねて書庫に行ってこい」
正雪は、頷くと、早速書庫に向かった。しばらく廊下を歩くと書庫についた。なかは、とても広く多くの書物が納められていた。
入り口の近くにカウンターがあり、座っていたのは、骨喰だった。
「骨喰殿」
「正雪か」
「この資料は、あるだろうか」
紙をそのまま骨喰に見せると、彼は、立ち上がる。
「この資料ならこの棚だ」
「かたじけな」
正雪は、資料を取ると、持つ。
「そういえばここには、例えば戦における策の書物などは、あるのだろうか??」
「それらは、こっちだな」
骨喰のあとについて行くと確かにあったが、その量はあまりなかった。
「少ししかないのか……」
「一番は、実践ともいえるからな。とりあえずこれだけおいてある」
「うむ」
正雪は、少し萎れている気がする。骨喰は、しばらく考えると、彼女に声をかけた。
「ならこれは、どうだ??」
「これは……」
「動物の写真集あとは、自然のもある」
思わずひかれ手に取った。
「読むならそこの席で」
骨喰は、それだけ言い残すと、カウンターに戻った。
席につき、何気なくページをめくるとそこには、みたことがない動物が。
夢中になり、読み終えると、また別の写真集を取ってくると、美しさに正雪は、息を飲んだ。
「世界は、広いな……」
「でしょう!! 俺もいってみたいんだよね!!」
隣から声が聞こえ、正雪は、驚く。そんな彼女をみて、鯰尾は、笑った。
「鯰尾殿……」
「兄弟がすすめたんだって??」
「あぁ」
この組織にて、悪戯をする刀と認知している鯰尾。なにもされないだろうかと警戒し話をし、正雪は、した。
「これ確かこの書庫においたの姫だったよ」
「姫が??」
確かに主なら、置きそうである。
「世界は、広いしみんな自由に-行ってきなさいとかなんとかいって……で、皆みてるから他のより少し使い込まれた感じなんだよねぇー」
「そういえば……」
「兄弟あまり近づくと国広からしめられるぞ」
「骨喰大丈夫!! 国広からそこは、確認済み!!」
「そうか」
骨喰は、そういうと鯰尾の前に座った。
「貴殿達は、このような風景をみたことがあるか??」
正雪の質問に二振は、悩む。
「標高の高い山に登って雲海をみたくらいかな……」
「あとは、神域にはいり、みた花畑とかな」
「神域……」
さすがにそれは、自分では、みれないなと正雪は、思った。しかし自分が知らないだけど屋敷の刀剣達は、様々な美しい風景を見てきたのだろ。
「私も見たい……」
この発言に骨喰と鯰尾は、顔を見合わせた。
「なら行っちゃう??」
「えっ??」
「不法入国だな」
「不法入国!?」
「ちょっと面白い扉があってね!! 姫作だから大丈夫!!」
「大丈夫なのか!?」
色々不安になったがあれよあれよと正雪は、二振におされ、行くことに。
扉のある部屋に来るまでに国広とすれ違いなにかを感じた彼もついてくることに。
「骨喰、藤四郎どこへ行くつもりだ」
「綺麗な場所かな!!」
「綺麗か……」
ならと国広は、あるところを指定した。
「むむ??」
「そら行くぞ」
「国広殿!?」
国広に手を掴まれ、扉のなかに正雪は、訳も分からずはいった。後から鯰尾と骨喰もは入り、扉は、静かにしまる。
光がはれ、視界には、美しい湖が。
「ここは……」
「九寨溝だ」
「九寨溝……」
森林と青い湖。正雪は、見とれた。
「まさか中国って……」
「えい月の儀に出ていたアーチャ-のマスターが確か……中国……からだったな」
鯰尾と骨喰の会話を聞いていた正雪は、目を見開いていた。
「あんたにも馴染みがあるんだろ?? そのマスターとやらには……」
「あぁ……」
正雪は、短く答えると目を伏せた。彼女なりに何か思うこともあるのだろう。
国広は、そういえばと主の言葉を思い出していた。
「一応これが由井正雪の資料よ」
代理として彼女が来る前、国広は、主と打ち合わせをしていた。
彼女の資料共に、添付されていたえい月の儀に関しての資料。
その資料に目をとおし、国広は、いう。
「この役目をさせるということは、場合によっては、このマスター達に会うことになるんじゃないのか??」
「かもしれない。でも適任は、今この子しかいないわ」
「姫……」
「国広でも大丈夫。あの子は、強いから。もしあの子が落ち込んでいたら励ましてあげてね」
国広は、主の言葉を思い出し、正雪にいった。
「鄭成功がここに来たかは、知らんが。彼の見てきた世界には、こうも美しい光景があったんだろう」
「国広殿……」
「鄭成功は、俺達の歴史では、この国そして台湾では、英雄だ」
「そうか……」
「それに過ぎ去った日々に想いを馳せるより前を見ろ。俺は、そういうあんたの方が好きだがな」
正雪は、恥ずかしそうにうつむいた。
「国広フラグたててないか??」
「ねぇ!! ここに物吉つれてきた方がよかったんじゃ……ほら中の人てきに……」
「マスター鄭成功とアーチャ-が揃うな。大きさ的にもあってるんじゃかいのか??」
「かもね!!」
「お前ら!! 何をさっきから!!」
国広と骨喰、鯰尾が戯れるなか、正雪は、微笑む。
「鄭殿が少し羨ましい……このような景色を見ていたかと思うと……」
自分は、まだまだ知らないことが多いなと正雪が思ったとき、なにやらコロンとしたものが林から出た来た。
「む??」
何故だろうさわりたくなる。正雪は、手を伸ばすとそれを抱き上げた。
「ゴアゴア……?? ふむ……でもいいな……」
国広と骨喰、鯰尾は、こちらに背を向けなにかしている正雪に首をかしげる。
「何をしたるんだ??」
「国広殿これは??」
正雪がなんと抱っこしていたのは、パンダ。
それをみたとき、国広達は、顔を青ざめた。
「今すぐにはなせ!!」
「それは……」
「この国の天然記念物だ!!」
「天然記念物??」
「えーとー同心に捕まるということだ」
骨喰の言葉に、正雪は、顔を青ざめひきつると、パンダを優しく地面に下ろした。
「私は……捕まるのか……??」
「密入国してる時点で俺達捕まるよねぇ~」
「ぬっ……」
鯰尾の言葉に、正雪は、固まった。
「兄弟、正雪が固まったぞ」
「まったく」
国広は、ひょいと正雪を横抱きにした。
「国広殿……私は、もしや……もしやなのだな……」
「まぁ人の世のルールなど、俺達には、関係ない。ということにしとく!! ほら行くぞ!!」
「うむ」
何故か横抱きにされ正雪は、顔を真っ赤に。おろしてくれそうにない国広に少し困った顔をした。
「そういえばマリーさんがこの間ここに来てたみたいだよ!!」
「そうなのか」
骨喰と鯰尾の会話聞きながら、正雪は国広にきいた。
「マリーとは……」
「姫のサーヴァントだ。クラスは、ライダー真名は、マリー・アントワネットだったような」
「サーヴァント……姫が私のライダーと言った意味は、そこか……」
「あぁ。ひょんなことから契約したらしい。姫は、一度契約を切ったそうだが、執念で追ってきたそうだ。だから再契約し、マリーは、今世界中旅をしている。俺達のところにもよく絵はがきがくるんだ」
主なら確かに契約をしていてもおかしくない。正雪は、国広を上目遣いでみた。
「そのーもうそろそろ……」
「そうだな」
国広にようやくおろしてもらい、正雪は、ほっとすると改めて景色をみた。
「かように不思議な景色があるとは……」
「確か土に含まれる炭酸カルシウムが原因でそうなったみたいだよ!!」
「炭酸カルシウム??」
「石灰だ正雪」
「石灰か」
しかし石灰だけでは、こうは、ならないだろう。
「ここは、標高が高い。昔氷河があったそうだ。その侵食と、落ち葉なんかの沈殿物が石灰と化学反応し、そこに水が流れ込みこの棚田のような光景が出来た。青く見えるのも石灰のお陰だ」
「国広殿は、博学だな……」
「姫の受け売りだ」
自然とは、本当にすごいものだ。時々すれ違う観光客の邪魔をしないように遊歩道を移動し、湖をみた。
「さて帰る??」
「そうだな」
もうそろそろ帰らなければと骨喰と鯰尾が話していたとき、国広と正雪は、困っていた。
「正雪そのパンダどうした……」
「その……ついてきてしまった……のかな??」
先ほど別れたパンダ。どうやらついてきてしまったらしい。
正雪の足にしがみつくパンダに国広は、ため息をもらした。
「ほら帰れ」
パンダを引き剥がそうとするが、剥がれるどころかさらに足にしがみついた。
「いっ……」
正雪のいたそうな声が聞こえ、国広は、諦めた。
「ねぇ!! パンダの神隠しでいいじゃん!!」
「……人の世のルールなど、神には、知らないってまたやるのか兄弟」
「離れないならそうするしかないじゃん??」
「うぬぬ……申し訳ない……」
「あんたは、悪くないだろ。悪いのは、こいつだ」
国広達は、パンダをみるが、パンダは、首をかしげるのみ。
しかたがないと連れ帰ることにしたが、屋敷についたとたんパンダをみた光忠が豹変した。
「なんて可愛いんだいー!!! タケノコあったかな!? 笹もいるよね!! あとパンダだんごも!!」
パンダの可愛さにより。なにやら凄いことが起こりそうだ。
体を洗われ、乾かされたことにより、ふかふかになったパンダ。
光忠が何処かに連れ去っていったが、まぁいいだろう。
「パンダは、愛らしいな」
「パンダより俺は、正雪の方が愛らしいと思うがな」
「国広殿!?」
アワアワしている正雪は、まさに可愛い。国広は、そう思いながら、微笑む。
「確かに」
「だな」
「鯰尾殿、骨喰殿まで!!」
恥ずかしそうにしている正雪は、確かに可愛い二振もそう思いながら、正雪をみて楽しげに笑うのであった。