後日談
ふとキッチンからいい香りがする。正雪は、匂いにつられ、やってくると、光がいた。
「光殿それは??」
「パンだよ」
「パン……焼きたての??」
「そう」
ちょこちょことキッチンにやって来た正雪に光は、ちぎった焼きたてのパンを少し冷まして、口に持っていく。
すると癖なのか、パクッと彼女は、食べる。
「うまい……」
「それは、よかった」
まさか光忠に何時もこのように食べさせてもらっているのかと光は、思いつつこれは、色々まずい気もした。
「正雪その……知らない人から口に差し出された食べ物を食べちゃ駄目だぞ??」
「……分かっている……一応……だがその……ついつい……」
「光忠のやつ餌付け成功してるな……」
「餌付け!?」
確かに餌付けされてるかもしれない。正雪は、ハッとするとプルプル震えだした。
「まさか……私は……光忠殿の……食材……??」
「ないない。そもそも人肉は、旨くないし」
「だが餌付けとなると!!」
「まぁ可愛いからだろうな。光忠達子供好きだしな」
光は、そう言うと微笑む。
「だから正雪は、そのままでいてくれ。まぁ少しだけ警戒心は、もって欲しいが」
光は、そう言うと焼いたパンを皿に乗せた。
「うむ……」
もう少し警戒しろと言われても少し困るところがある。彼女なりに警戒は、しているがある程度仲良くなるとどうしても信用してしまうのだ。
「うむむ……」
「正雪まぁ悩まなくてもいいよ。そういうところがあるって分かってるだけでも凄いから」
光は、優しく微笑むと、焼きたてのパンの乗った皿を正雪に渡した。
「今日も行ってくるのか??」
「いや……本日は、こちらだ」
「そっか」
光は、それだけ言うと、キッチンを出ていき、子供達を呼びに行った。
その後食事となり、美味しいパンに舌鼓をうった後、子供達は、学校、幼稚園に、そして光は、仕事に行き、正雪も外へ。
「今日は、薬研藤四郎に会いに行ってくれか……」
姫から焼きたてのパンを託され、正雪は、歩いていた。
「おい正雪」
呼び止められた気がして足を止めふりかえると薬研藤四郎がいた。
「薬研殿!!」
「姫から連絡があって迎えに来た」
「かたじけない」
薬研は、爽やかに笑うと、正雪と歩き出した。
「薬研殿は、確かに幼稚園でバイトをしてるとか……」
「まぁな。今日は、休みだ」
「そうか」
短刀のわりに、薬研は、大人びている。屋敷にいる短刀達は、大きい子達が多いがその中でもだ。
「にしても姫もパンを届けるためにあんたを寄越すとはな……」
「家にいても暇ゆえ……こうして外に出るほうが、私は、いい」
「そうか」
しかし薬研と会えたが、かれは、どこに行こうとしているのか。
よく見ると薬研は、鞄を持っていた。
「薬研殿これからどこへ……」
「大学だ」
「大学といえば……専門的な学びができるという……」
「そうだ。これでも大学生とやらだからなぁ……」
国広が薬研が不在と行っていた理由は、これだったのかと正雪は、納得した。
「薬研殿では、私は……」
彼の邪魔をしては、いけないと、正雪は、思い、届け物をし、帰ろうとしたが、薬研にとめられた。
「せっかくなら見学していけばいいじゃねえか」
「しかし……」
「問題ないって!!」
薬研のおしにまけ、正雪は、薬研と共に、大学に行くことに。
いざつくと、人の多さと広いキャンパスに驚いた。
「凄い……」
「だろ??」
一先ず守衛と事務に薬研は、話を通すと、許可は、すぐにおりた。
「一先ず関係者以外立入禁止のところだけは、行くなよ??」
「あい分かった」
しかし正雪は、困り顔に。
「薬研殿……私の服装変では、ないか??」
届け物をするだけだったので正雪は、羽織袴という何時もの服装で来ていた。
薬研は、首をかしげる。
「普通だろ。それに正雪は、その姿も綺麗だしな」
「むっ!?」
さらりと綺麗といわれ、正雪は、頬を赤く染めた。
「……」
薬研は、じっと正雪を見るとため息をつく。これは、失敗したかもと。
「刀持ってきてもらうべきだったか」
「刀を??」
「あぁ。変な虫除けだ」
日本刀をもって歩いておけばある程度の変なものは、よってこないだろう。
自分が側にいればそれでいいとも言えるがそうなると彼女が大学を散策出来ない。
「うーん」
「薬研殿??」
「姫を基準にしてたのが盲点だったと思ってた。正雪あんた一人で見てまわるか??」
正雪は、そういわれても困った。
「うむむ……そう言われてもこまる……私は、まだ当世に疎いゆえ……」
「なら俺についてくるか??」
「薬研殿がいいのであれば」
薬研となら安心して見回れる。正雪は、微笑む。
「なら行こうか。すまんが講義があるからそれからだ」
薬研と共に、講義を受ける部屋に向かう。部屋に入ると、講師に事情を説明し、許可をもらうと、後ろのほうの席に座った。
「野生殿前のほうが……」
「色々あるんだ。今回は、後ろの方がいい」
そんなに色々あるのだろうか。正雪は、薬研の隣に座り、様子を見ていると、教室に入ってきた生徒達で気付いたものが正雪をチラチラ見ていた。
「ほら、やっぱりな」
「なにが……」
「この講義奥手な野郎が多くてな。何時も綺麗な女子がいるとチラチラ見てくるんだ」
「そうなのか……」
正雪は、すうはくのち驚く。
「むっ!?」
「そう正雪さ。だから後ろの方にしたんだ。俺がいるから話しかけられないだろうがな。それにここの講師話聞いてないやつには、そうとう厳しいしな」
薬研は、眼鏡をかけるとにやりと笑った。
「薬研殿は、目が悪いのか??」
「少しな」
「そうか」
講義が始まり、正雪は、黙って見学した。隣の薬研は、真面目に講義を受けていた。
「人体についてか……」
錬金術を学ぶかていで触れたこともあったなと思いながら、話を聞いていると薬研があてられ、回答していた。
回答を終え、席に着くとまたノートをとる。そしてみっちり講義を受け、終わると、生徒達が出ていった。
「正雪そこで待っててくれ」
薬研は、そういうと、講師の元に。そして熱心に質問を聞いていた。
「へぇー見ない顔だ」
薬研を待っていると、男子生徒に話しかけられた。正雪は、とりあえず愛想笑いし、他愛もない話をする。
「そうなんだ!! ねぇこのあと……」
男子生徒がなにかいいかけた時、その生徒の肩に薬研のてが。
「俺につれになんのようだ??」
薬研に驚いた生徒は、顔を青ざめ去っていった。
「薬研殿が怖いのか??」
「あいつ一度他の女子にも同じように迫っててその時短刀を首筋にあてて脅したんだ。そこからどうやら俺が苦手らしいな」
そりゃ恐怖を植え付けるだろと、正雪は、思ったが、彼のお陰で助かったのも事実。
「その……助けてくれてありがとう……さすがに魔術を使うわけにもいかず……困っていたから」
「いいぜ。これも俺の役目みたいなもんだしな。よし!! 次いくか」
「あぁ」
次の講義も見学し、正雪は、凄いと感銘を受けていた。こうして学びの場があることそしてその質の高さに。
「私も私塾をしていたが……ここのようには、いかなかったな……」
学食で光が焼いたパンを食べながら薬研と正雪は、話していた。
「だがそれだけの浪人が集まるってことは、あんたの人望そして師としての質がよかったということだろう」
薬研は、珈琲を飲む。
「まぁしそうとかもあるだろうが、とりあえずそれを抜きにしても正雪は、教えることにたけてきるだろうな」
薬研に誉められ恥ずかしそうに正雪は、目を伏せた。
「その……ありがとう……」
正雪は、ワタワタしながら、飲み物を持った。
「正雪それは!!」
飲んでしまった。正雪は、口の中に広がる苦味に顔を歪めた。
「うっ……」
「とりあえず飲み込め!!」
飲み込むと、薬研が水を出してくれた。水をのみ、そして口をさっぱりさせるとハッとする。
「薬研殿のを……すまない!!」
「いいけど……」
薬研は、この時頬を赤く染めた。まさか事故とは、いえ間接的にキスをしてしまうとは。
「間接的にあんたと……接吻……を……」
素直に伝える方がいいと正雪に言うと、彼女は、顔を真っ赤にしアワアワしだす。
「ぬぅぅぅぅー!!!!!」
「そりゃそうなるよな……」
机に伏せ正雪は、足をバタバタさせた。
「すまん……」
「むぅ……よいのだ……私がわるいのだから……しかし……しかし……ぬぬぬぬ‥‥…」
反応がかわいすぎる。薬研は、困ったように笑うと席を立った。
「ちょっと待ってろ」
そういいどこかにいくとオレンジジュースをもって戻ってきた。
「とりあえずこれでも飲んでくれ」
「かたじけない……」
薬研は、新しく珈琲を、買い直したようで、彼のてには、新しい物が。
正雪は、オレンジジュースを飲むと、少し落ち着いた。
「俺だからよかったが他のやろうには、やるなよ??」
「うむ……」
「男は、皆狼だから。あんたみたいなウサギは、絶好な獲物だからな」
本当にそうだ。もう少し注意しなくては。正雪は、そう思いパンを食べた。
「わかった……薬研殿……」
「で話は、変わるがどうだった大学は??」
正雪は、微笑む。
「とても興味深いところだ。様々なことを更に深く学べるのだから……」
「そうだな」
「とても楽しかった。薬研殿誘ってくれてありがとう」
可憐な笑みを浮かべる正雪。薬研は、これは、国広が過保護になるのが分かると思ってみていた。
「こりゃ日本刀持ち歩いてもらうか」
「日本刀を??」
「変な虫除けだ。あんた腕が立つからか。不審者を撃退できるだろ??」
「そりゃ……一応は……」
「なんなら魔術で撃退でもいいぞ??」
正雪は、困った顔に。
「それ……私が同心に捕まらないか??」
「正当防衛なら大丈夫だろ」
「なるほど……」
これは、日々の鍛練をしっかりしなくてはと正雪は、思ったが、今でも彼女は、十分に強い。
あとは、人をあっさり信じなければいいだけだ。
「信頼は、大切だが正雪は、一度信用したらぜんふりだからなぁ……」
「……信頼しつつ警戒も……というのがどうも……」
「だがそれ身を守る術でもあるんだからな」
「努力する……」
食事を終え、立ち上がると食堂をあとにした。
「薬研殿この後は……」
「今日は、これで終わりだから、帰るぜ」
「ならここで」
「家まで送っていくぞ」
「だが……」
「いいから!!」
「ならお願いしよう」
もう少し薬研の事が知りたい。正雪は、そう思い、薬研に送ってもらうことにした。
その後と様々なことを話、薬研藤四郎について知れた。
「じゃここで」
「かたじけない薬研殿」
「いいって。後俺は、普段アトリエキリンの二階に住んでるから」
「そうなのか!?」
「あぁ。一応は伝えとくわ」
薬研は、そういうと手を振り去っていった。
正雪は、手をふり返すと、家の中にはいった。何処か嬉しそうな顔をしながら。
「光殿それは??」
「パンだよ」
「パン……焼きたての??」
「そう」
ちょこちょことキッチンにやって来た正雪に光は、ちぎった焼きたてのパンを少し冷まして、口に持っていく。
すると癖なのか、パクッと彼女は、食べる。
「うまい……」
「それは、よかった」
まさか光忠に何時もこのように食べさせてもらっているのかと光は、思いつつこれは、色々まずい気もした。
「正雪その……知らない人から口に差し出された食べ物を食べちゃ駄目だぞ??」
「……分かっている……一応……だがその……ついつい……」
「光忠のやつ餌付け成功してるな……」
「餌付け!?」
確かに餌付けされてるかもしれない。正雪は、ハッとするとプルプル震えだした。
「まさか……私は……光忠殿の……食材……??」
「ないない。そもそも人肉は、旨くないし」
「だが餌付けとなると!!」
「まぁ可愛いからだろうな。光忠達子供好きだしな」
光は、そう言うと微笑む。
「だから正雪は、そのままでいてくれ。まぁ少しだけ警戒心は、もって欲しいが」
光は、そう言うと焼いたパンを皿に乗せた。
「うむ……」
もう少し警戒しろと言われても少し困るところがある。彼女なりに警戒は、しているがある程度仲良くなるとどうしても信用してしまうのだ。
「うむむ……」
「正雪まぁ悩まなくてもいいよ。そういうところがあるって分かってるだけでも凄いから」
光は、優しく微笑むと、焼きたてのパンの乗った皿を正雪に渡した。
「今日も行ってくるのか??」
「いや……本日は、こちらだ」
「そっか」
光は、それだけ言うと、キッチンを出ていき、子供達を呼びに行った。
その後食事となり、美味しいパンに舌鼓をうった後、子供達は、学校、幼稚園に、そして光は、仕事に行き、正雪も外へ。
「今日は、薬研藤四郎に会いに行ってくれか……」
姫から焼きたてのパンを託され、正雪は、歩いていた。
「おい正雪」
呼び止められた気がして足を止めふりかえると薬研藤四郎がいた。
「薬研殿!!」
「姫から連絡があって迎えに来た」
「かたじけない」
薬研は、爽やかに笑うと、正雪と歩き出した。
「薬研殿は、確かに幼稚園でバイトをしてるとか……」
「まぁな。今日は、休みだ」
「そうか」
短刀のわりに、薬研は、大人びている。屋敷にいる短刀達は、大きい子達が多いがその中でもだ。
「にしても姫もパンを届けるためにあんたを寄越すとはな……」
「家にいても暇ゆえ……こうして外に出るほうが、私は、いい」
「そうか」
しかし薬研と会えたが、かれは、どこに行こうとしているのか。
よく見ると薬研は、鞄を持っていた。
「薬研殿これからどこへ……」
「大学だ」
「大学といえば……専門的な学びができるという……」
「そうだ。これでも大学生とやらだからなぁ……」
国広が薬研が不在と行っていた理由は、これだったのかと正雪は、納得した。
「薬研殿では、私は……」
彼の邪魔をしては、いけないと、正雪は、思い、届け物をし、帰ろうとしたが、薬研にとめられた。
「せっかくなら見学していけばいいじゃねえか」
「しかし……」
「問題ないって!!」
薬研のおしにまけ、正雪は、薬研と共に、大学に行くことに。
いざつくと、人の多さと広いキャンパスに驚いた。
「凄い……」
「だろ??」
一先ず守衛と事務に薬研は、話を通すと、許可は、すぐにおりた。
「一先ず関係者以外立入禁止のところだけは、行くなよ??」
「あい分かった」
しかし正雪は、困り顔に。
「薬研殿……私の服装変では、ないか??」
届け物をするだけだったので正雪は、羽織袴という何時もの服装で来ていた。
薬研は、首をかしげる。
「普通だろ。それに正雪は、その姿も綺麗だしな」
「むっ!?」
さらりと綺麗といわれ、正雪は、頬を赤く染めた。
「……」
薬研は、じっと正雪を見るとため息をつく。これは、失敗したかもと。
「刀持ってきてもらうべきだったか」
「刀を??」
「あぁ。変な虫除けだ」
日本刀をもって歩いておけばある程度の変なものは、よってこないだろう。
自分が側にいればそれでいいとも言えるがそうなると彼女が大学を散策出来ない。
「うーん」
「薬研殿??」
「姫を基準にしてたのが盲点だったと思ってた。正雪あんた一人で見てまわるか??」
正雪は、そういわれても困った。
「うむむ……そう言われてもこまる……私は、まだ当世に疎いゆえ……」
「なら俺についてくるか??」
「薬研殿がいいのであれば」
薬研となら安心して見回れる。正雪は、微笑む。
「なら行こうか。すまんが講義があるからそれからだ」
薬研と共に、講義を受ける部屋に向かう。部屋に入ると、講師に事情を説明し、許可をもらうと、後ろのほうの席に座った。
「野生殿前のほうが……」
「色々あるんだ。今回は、後ろの方がいい」
そんなに色々あるのだろうか。正雪は、薬研の隣に座り、様子を見ていると、教室に入ってきた生徒達で気付いたものが正雪をチラチラ見ていた。
「ほら、やっぱりな」
「なにが……」
「この講義奥手な野郎が多くてな。何時も綺麗な女子がいるとチラチラ見てくるんだ」
「そうなのか……」
正雪は、すうはくのち驚く。
「むっ!?」
「そう正雪さ。だから後ろの方にしたんだ。俺がいるから話しかけられないだろうがな。それにここの講師話聞いてないやつには、そうとう厳しいしな」
薬研は、眼鏡をかけるとにやりと笑った。
「薬研殿は、目が悪いのか??」
「少しな」
「そうか」
講義が始まり、正雪は、黙って見学した。隣の薬研は、真面目に講義を受けていた。
「人体についてか……」
錬金術を学ぶかていで触れたこともあったなと思いながら、話を聞いていると薬研があてられ、回答していた。
回答を終え、席に着くとまたノートをとる。そしてみっちり講義を受け、終わると、生徒達が出ていった。
「正雪そこで待っててくれ」
薬研は、そういうと、講師の元に。そして熱心に質問を聞いていた。
「へぇー見ない顔だ」
薬研を待っていると、男子生徒に話しかけられた。正雪は、とりあえず愛想笑いし、他愛もない話をする。
「そうなんだ!! ねぇこのあと……」
男子生徒がなにかいいかけた時、その生徒の肩に薬研のてが。
「俺につれになんのようだ??」
薬研に驚いた生徒は、顔を青ざめ去っていった。
「薬研殿が怖いのか??」
「あいつ一度他の女子にも同じように迫っててその時短刀を首筋にあてて脅したんだ。そこからどうやら俺が苦手らしいな」
そりゃ恐怖を植え付けるだろと、正雪は、思ったが、彼のお陰で助かったのも事実。
「その……助けてくれてありがとう……さすがに魔術を使うわけにもいかず……困っていたから」
「いいぜ。これも俺の役目みたいなもんだしな。よし!! 次いくか」
「あぁ」
次の講義も見学し、正雪は、凄いと感銘を受けていた。こうして学びの場があることそしてその質の高さに。
「私も私塾をしていたが……ここのようには、いかなかったな……」
学食で光が焼いたパンを食べながら薬研と正雪は、話していた。
「だがそれだけの浪人が集まるってことは、あんたの人望そして師としての質がよかったということだろう」
薬研は、珈琲を飲む。
「まぁしそうとかもあるだろうが、とりあえずそれを抜きにしても正雪は、教えることにたけてきるだろうな」
薬研に誉められ恥ずかしそうに正雪は、目を伏せた。
「その……ありがとう……」
正雪は、ワタワタしながら、飲み物を持った。
「正雪それは!!」
飲んでしまった。正雪は、口の中に広がる苦味に顔を歪めた。
「うっ……」
「とりあえず飲み込め!!」
飲み込むと、薬研が水を出してくれた。水をのみ、そして口をさっぱりさせるとハッとする。
「薬研殿のを……すまない!!」
「いいけど……」
薬研は、この時頬を赤く染めた。まさか事故とは、いえ間接的にキスをしてしまうとは。
「間接的にあんたと……接吻……を……」
素直に伝える方がいいと正雪に言うと、彼女は、顔を真っ赤にしアワアワしだす。
「ぬぅぅぅぅー!!!!!」
「そりゃそうなるよな……」
机に伏せ正雪は、足をバタバタさせた。
「すまん……」
「むぅ……よいのだ……私がわるいのだから……しかし……しかし……ぬぬぬぬ‥‥…」
反応がかわいすぎる。薬研は、困ったように笑うと席を立った。
「ちょっと待ってろ」
そういいどこかにいくとオレンジジュースをもって戻ってきた。
「とりあえずこれでも飲んでくれ」
「かたじけない……」
薬研は、新しく珈琲を、買い直したようで、彼のてには、新しい物が。
正雪は、オレンジジュースを飲むと、少し落ち着いた。
「俺だからよかったが他のやろうには、やるなよ??」
「うむ……」
「男は、皆狼だから。あんたみたいなウサギは、絶好な獲物だからな」
本当にそうだ。もう少し注意しなくては。正雪は、そう思いパンを食べた。
「わかった……薬研殿……」
「で話は、変わるがどうだった大学は??」
正雪は、微笑む。
「とても興味深いところだ。様々なことを更に深く学べるのだから……」
「そうだな」
「とても楽しかった。薬研殿誘ってくれてありがとう」
可憐な笑みを浮かべる正雪。薬研は、これは、国広が過保護になるのが分かると思ってみていた。
「こりゃ日本刀持ち歩いてもらうか」
「日本刀を??」
「変な虫除けだ。あんた腕が立つからか。不審者を撃退できるだろ??」
「そりゃ……一応は……」
「なんなら魔術で撃退でもいいぞ??」
正雪は、困った顔に。
「それ……私が同心に捕まらないか??」
「正当防衛なら大丈夫だろ」
「なるほど……」
これは、日々の鍛練をしっかりしなくてはと正雪は、思ったが、今でも彼女は、十分に強い。
あとは、人をあっさり信じなければいいだけだ。
「信頼は、大切だが正雪は、一度信用したらぜんふりだからなぁ……」
「……信頼しつつ警戒も……というのがどうも……」
「だがそれ身を守る術でもあるんだからな」
「努力する……」
食事を終え、立ち上がると食堂をあとにした。
「薬研殿この後は……」
「今日は、これで終わりだから、帰るぜ」
「ならここで」
「家まで送っていくぞ」
「だが……」
「いいから!!」
「ならお願いしよう」
もう少し薬研の事が知りたい。正雪は、そう思い、薬研に送ってもらうことにした。
その後と様々なことを話、薬研藤四郎について知れた。
「じゃここで」
「かたじけない薬研殿」
「いいって。後俺は、普段アトリエキリンの二階に住んでるから」
「そうなのか!?」
「あぁ。一応は伝えとくわ」
薬研は、そういうと手を振り去っていった。
正雪は、手をふり返すと、家の中にはいった。何処か嬉しそうな顔をしながら。