後日談
代理が執務室から出ていったあとしばらくして、主が今度は、やってきた。
「国広」
「姫」
友美は、向日葵を見ると、微笑む。
「正雪来たのね」
「あぁ」
国広は、椅子から立ち上がる。
「姫もか??」
友美は、目を細めた。
「まぁね。ある意味貴方が文化財に指定された日ですもの。記念日と思ってね」
友美は、国広に紙袋を差し出した。
「姫これは……」
「私お気に入りのお酒と、紅茶よ」
袋のなかを見ると確かに日本酒と紅茶が。
「ありがとう」
「いいわよ」
友美は、初期刀を見ながら、言った。
「本当に成長したわね。国広」
「姫……」
出会った時の事を思い出したが、まさかあの卑屈な山姥切国広がここまで変わるとは、友美は、あの時あまり期待していなかった。
せめて彼が写しだからと伝承に囚われないようになればいいと思ったくらいだ。
「出会って八年半……本当に成長して私は、誇らしいわ」
「もうそんなになるのか……」
「えぇ。私が国広を殴ってからね」
普通顕現まなしの刀剣男士を殴る審神者は、いないだろう。しかし友美は、つい無意識にやってしまっていたのだ。
あの時の拳は、痛かったと思いながら、国広は、いう。
「あれは、けっこうこたえたぞ」
「あはは……」
「だがお陰で、卑屈じゃいれなくなったが」
本当に困った主だ。出陣するわ、規格外の事をしまくるわと。
しかし彼女が主で後悔したことは、国広は、ない。確かに行動は、なかなか破天荒だが、彼女は、しんそこ優しいことを国広は、はじめから知っていたから。
「変なものを引き込むわ。捨て置けばいいものを助けるわ……困った主だが、卑屈でいることがばかになるほど姫は……俺を信頼してくれていた……だからこそ、一を引き取ると決めれたんだろ??」
友美は、一瞬驚いたかおをするといった。
「えぇ。まぁ彼をあのまま消させるのもいやだったのもある。でも国広なら何とかしてくれるとも思っていたわ。もちろん他の皆もいたからよ??」
「そうか」
今だから、話せることもこうしてある。
友美が国広を一度も近侍から解任しない理由もこの言葉に込められていた。
「国広少しやすみたいなら……近侍というか……総大将を降りてもいいのよ??」
友美は、頑張ってくれている国広に少しやすむようにという意味を込めていったが、彼は、首を横にふった。
「俺が辞めればそれこそ、ここが、もたんだろ」
「それは……」
「それに姫の傑作としてこの役職は、俺の誇りでもある。あんたが始まりのあの日から俺に任せてくれている役職だからな。あんたの信頼の証ともいえる」
友美は、困ったように笑った。
「こうなるのなら近侍変えればよかったわ」
「そういいつつ変えないのが姫だろ?? あんたは、適材適所に人材を置くのにたけているからな」
友美は、苦笑いを浮かべた。
「確かに」
「姫」
「なに??」
国広は、珍しくわがままを言うことにした。少し気恥ずかしそうに視線をそらすといった。
「聴かせてくれないか??」
「何を??」
「二胡をだ……姫がよければだが……」
友美は、笑うと言った。
「分かったわ。でも珍しいわね。国広がおねだりなんて」
でもそれでいい少しくらいわがままを言ってくれても。
友美は、長椅子に腰かけると、二胡をとりだし、奏ではじめた。
清らかな美しい音が響くなか、国広は、気づいた。また友美の音色が変わってることに。
暖かくそれでいて美しい幸せな音色。
そうか主もこの八年半で変わった。
「姫は、もっと幸せになったんだな」
友美は、優しく微笑む。
「えぇ。とてもね」
「音色で分かる」
「そう」
やはり初期刀とは、少し他の刀よりも特別なのかもしれない。
友美は、そう思いながら、二胡をひき、国広は、美しい音に耳を傾けるのであった。
「国広」
「姫」
友美は、向日葵を見ると、微笑む。
「正雪来たのね」
「あぁ」
国広は、椅子から立ち上がる。
「姫もか??」
友美は、目を細めた。
「まぁね。ある意味貴方が文化財に指定された日ですもの。記念日と思ってね」
友美は、国広に紙袋を差し出した。
「姫これは……」
「私お気に入りのお酒と、紅茶よ」
袋のなかを見ると確かに日本酒と紅茶が。
「ありがとう」
「いいわよ」
友美は、初期刀を見ながら、言った。
「本当に成長したわね。国広」
「姫……」
出会った時の事を思い出したが、まさかあの卑屈な山姥切国広がここまで変わるとは、友美は、あの時あまり期待していなかった。
せめて彼が写しだからと伝承に囚われないようになればいいと思ったくらいだ。
「出会って八年半……本当に成長して私は、誇らしいわ」
「もうそんなになるのか……」
「えぇ。私が国広を殴ってからね」
普通顕現まなしの刀剣男士を殴る審神者は、いないだろう。しかし友美は、つい無意識にやってしまっていたのだ。
あの時の拳は、痛かったと思いながら、国広は、いう。
「あれは、けっこうこたえたぞ」
「あはは……」
「だがお陰で、卑屈じゃいれなくなったが」
本当に困った主だ。出陣するわ、規格外の事をしまくるわと。
しかし彼女が主で後悔したことは、国広は、ない。確かに行動は、なかなか破天荒だが、彼女は、しんそこ優しいことを国広は、はじめから知っていたから。
「変なものを引き込むわ。捨て置けばいいものを助けるわ……困った主だが、卑屈でいることがばかになるほど姫は……俺を信頼してくれていた……だからこそ、一を引き取ると決めれたんだろ??」
友美は、一瞬驚いたかおをするといった。
「えぇ。まぁ彼をあのまま消させるのもいやだったのもある。でも国広なら何とかしてくれるとも思っていたわ。もちろん他の皆もいたからよ??」
「そうか」
今だから、話せることもこうしてある。
友美が国広を一度も近侍から解任しない理由もこの言葉に込められていた。
「国広少しやすみたいなら……近侍というか……総大将を降りてもいいのよ??」
友美は、頑張ってくれている国広に少しやすむようにという意味を込めていったが、彼は、首を横にふった。
「俺が辞めればそれこそ、ここが、もたんだろ」
「それは……」
「それに姫の傑作としてこの役職は、俺の誇りでもある。あんたが始まりのあの日から俺に任せてくれている役職だからな。あんたの信頼の証ともいえる」
友美は、困ったように笑った。
「こうなるのなら近侍変えればよかったわ」
「そういいつつ変えないのが姫だろ?? あんたは、適材適所に人材を置くのにたけているからな」
友美は、苦笑いを浮かべた。
「確かに」
「姫」
「なに??」
国広は、珍しくわがままを言うことにした。少し気恥ずかしそうに視線をそらすといった。
「聴かせてくれないか??」
「何を??」
「二胡をだ……姫がよければだが……」
友美は、笑うと言った。
「分かったわ。でも珍しいわね。国広がおねだりなんて」
でもそれでいい少しくらいわがままを言ってくれても。
友美は、長椅子に腰かけると、二胡をとりだし、奏ではじめた。
清らかな美しい音が響くなか、国広は、気づいた。また友美の音色が変わってることに。
暖かくそれでいて美しい幸せな音色。
そうか主もこの八年半で変わった。
「姫は、もっと幸せになったんだな」
友美は、優しく微笑む。
「えぇ。とてもね」
「音色で分かる」
「そう」
やはり初期刀とは、少し他の刀よりも特別なのかもしれない。
友美は、そう思いながら、二胡をひき、国広は、美しい音に耳を傾けるのであった。