後日談
「姫了解した」
清らかな日がさす執務室。目の前には、困ったように笑う友美が居る。正雪は、微笑むと、言った。
「姫その……日向正宗とは……紀州徳川家にあった刀でそういないか??」
「そうよ」
何故正雪がこのようなことを確認するかだが、本日正雪は、日向正宗の付き添いをすることになった。
はじめは、付き添いなどいるのかと思ったが友美の話を聞いて全て合点が言った。
「……梅干し好きなのは、いいけど色々あるのよね」
「紀州に居たからなのだろうな……」
「だと思うわ。とりあえず薬問屋にこの薬剤を届けてほしいの」
「分かった」
「蛍も着いていくといってたけど、仕事で無理になったみたいだし、とりあえず助っ人も呼んでおいたから!!」
「助っ人??」
執務室に入ってきたのは、なんと山姥切国広だった。
「国広殿!?」
「姫から呼ばれただけだ」
「そう!! 日向正宗のお供をする正雪の助っ人を頼んだの。他の子でもいいけど、国広なら安心だし」
なにより正雪に懐かれている。友美は、国広を呼んだ理由がそれだった。
「姫薬研でも……」
「薬研も忙しいから無理よ」
「……」
「それに国広少しは、外に出て、動かないと!! まぁ天照のお陰で出来てないのは、しってるけど」
国広は、溜め息を着く。
「はぁ……姫状況確認だが」
そこから国広と友美は、なにやら話をし、しばらく話すと、友美は、執務室を出ていった。
「国広殿がいると心強い」
「ならよかった。行くか」
「あぁ」
風呂敷を正雪は、持とうとしたが、すぐに国広に取られた。
「国広殿??」
「女性にあまり持たせられるか」
「それ軽いが……」
「いいから黙って持たせろ」
国広は、短くそういうと執務室をでていった。玄関に着くと、正宗が待っていた。
「国広と正雪さんよろしくね!!」
「あぁよろしく頼む」
「うむ」
さて気合いをいれ、家をでた国広と正雪、正宗だが、その行き道中は、案外平和だった。
「八重桜か……」
「屋敷では、さいてないのかな?? 国広」
「咲いてるがここまで見事では、ないからな」
正雪も街路樹として植えられている八重桜を見ながら、確かにと思った。
「それに八重桜を見ると、天照大神があー!!!! 春が終わる!! と唸るから色々と大変なんだ」
「あー天照様は、そうだね!!」
正雪は、あの組織に行くようになってから分からなくなったことがある。それは
天照という神についてだ。
神話で聞いていたような所もあるがなんというか、頑張り、無理しすぎているように見える。
「国広殿、天照大神に休みなどは……」
「あるが、逃走されては、困るからな。オモヒカネ殿の監視付きだ……」
「まるで軟禁生活では、ないか……」
「だよね正雪さん!! 僕もそう思う!! でもねぇ……」
「でも??」
「天照様色々やらかしてるから」
やらかしてるとは、なんだろう。正雪が首をかしげると、国広が話をした。
「天岩戸にはじまり、事あるごとに反乱だー!!! と色々暴れたけっか、白野威様に捕獲され、なおかつしめられ、いまにいたる」
「そうそう。反乱の理由も理由で、白野威様いわく、それくらいで反乱するな!! ってで、今のようになったんだ。今忙しいのも反乱してる間にたまった仕事ってこと」
「本来ならあそこまで忙しくないからか」
正雪が来るまでの間に色々あったようだ。それならしかたがないと切り替え、正雪は、その後と日向正宗と国広の話を聞いていた。
「着いたぞ」
閑静な住宅街にあるレトロな建物には、薬問屋と看板が。
国広達に続き、中には入ると、薬草のツンとした匂いが。
「ここが……霞ノ神子殿の……」
国広が奥に行き、店主と話をする。すると彼女は、正雪に気づいた。
「正雪さんこんにちは!!」
店の奥の座敷に座る勇音を見つけ、正雪は、頭を下げた。
「勇音さん!! 梅干しは、どうかな??」
「なかなか美味しいですよ!! 今年も期待してます!!」
正宗が嬉しそうに笑うなか、正雪は、ようやく国広の隣に。
「色々あって面白いでしょう??」
「とても。これが全て薬剤とは、驚かされる」
「うちは、あやかしから神、人まで相手にしてる店ですからなかなか珍しい物もあると思います」
確かに見たことないものばかりだ。
「霞ノ神子でこれは、あるだろうか」
国広が差し出した紙をみて、勇音は、立ち上がる。
「一応ありますがこれ……天照の滋養強壮の薬湯ですよね??」
「あぁ」
「なら私が少し改良を加えますね。本当に……無理をするんだから……」
勇音は、まるだ幼子に言うようにいうと、薬剤を取り出した。
「……あいつは、コンプレックスの塊だからな。初代に負けぬようにと力みすぎてる」
この刀は、分かっているようだ。あの女神の事が、だからこそこうして動いている。
「友美に会わせたら……」
「それをしてしまうと、しばらく高天ヶ原の機能が停止するぞ」
勇音は、困ったかおをする。
「あいつ自身が、自分の価値を真に認められたらいいんだがな……皆認めてるのに……」
「しかたがありませんよ。白野威……いえ天照様は、本当にすごい神ですから」
国広は、目を伏せると頷いた。
「そうだな」
何やら重い話をしている国広と勇音だが、正雪は、困っていた。羊に乗られて。
「羊殿そろそろ退いてくれぬか!?」
羊は、じっと正雪を見るのに。そして彼女の耳飾りをみて、退いた。
「あの六花の耳飾り友美の気配がするわね」
今正雪は、何時もの耳飾りも外し、動きやすい洋服を着ている。体をおこし、耳飾りにふれ、驚いたかおをした。
「私は、華澄よ」
「華澄殿……」
「勇音の上司さ」
正雪は、おどろく。
「まさか神??」
「そういうこと」
華澄は、本来の姿に戻ると、微笑む。そこにいたのは、気品に満ちた和服姿の女性だった。
「正雪といったかしら。友美の事お願いね!!」
優しく正雪の頭を撫でると、店の奥へと行ってしまった。
「華澄様に気に入られるってなかなかかもだね!!」
「日向殿……」
「正雪さんは、もしかすると神に気に入られるってタイプの人なのかもしれないね」
「うむ……」
友美が以前言っていた。無垢な魂ほどいろんな色に染まれると。
神は、素直で優しいものを好む。正雪は、まさにそのような人物だ。
やはり自分の始まりで人の手で創られたホムンクルスだからだろうか。
正雪が目を伏せ考えていると、頭を撫でられた。
「国広殿??」
「あんたが浮かないかおをするなんてな」
「その……自分の始まりについて考えていた……」
「……そうか。だが正雪にその顔は、似合わないぞ。あんたは、何時ものように天真爛漫でいろ」
薬剤を調合していた勇音も頷いている。
正雪はこくりと頷いた。
「国広出来ましたよ」
「たすかる」
薬剤を浮けてると、国広は、いう。
「では、失礼する」
国広が出ていくので、正宗も頭を下げ、店をでた。
残された正雪も店をでようとしたとき、勇音に声をかけられた。
「正雪さん」
「その……なんだろうか……」
「何時でも来てくださいね」
「えっ……」
「友美が何故生前の貴女に会い、前払いという形で対価を受け取ってまでこのようなことをしたのか……私には、分かりません」
たぶん目の前の神子は、全てをしっている。友美の正雪の間であったことを。
「ですが……」
勇音は、微笑むと、優しく正雪を撫でた。
「友美が何故貴女にそうしたいと思ったのか。それは、分かりますから」
「勇音殿……」
「天照の事に関しては、大丈夫。あのこの自業自得が招いてる事ですから。まぁもうそろそろことも終わるでしょう。もし何かしてあげたいと思ったら山姥切国広と共に、お茶をしてあげてくださいね」
勇音は、答えをいってくれた。正雪は、頷くと、頭を下げ、店をでた。
「勇音ヒントあげすぎじゃね??」
店の奥から男声がし、勇音は、いう。
「いいの!! それに天照の事ほっておけないし」
「まぁ確かに」
店の奥から出てきた燕青は、そう言うと微笑む。
「にしても天照様も仕事放棄とはねぇ……」
「理由が由井正雪ともっと話したい!! だもんねぇ……そりゃ白野威様怒るわよ……」
「そうそう」
困ったか天照だが、彼女の仕事もあと少しだろう。
燕青と勇音が話をするころ、国広そして正宗、正雪は、公園を歩いていた。
「国広殿その……」
「なんだ??」
「天照様の仕事は、もうそろそろ終わるのか??」
「まぁ終わりそうでは、あるがな」
「その……国広殿にお願いしたい義が……」
国広は、足を止め、正雪の言葉に耳を傾けた。
「……わかったいいだろ」
「かたじけない!!」
「日程と時間は、俺が調整する。あんたは、準備をしとけ」
「うむ」
「僕も参加するよ!!」
日向も参加するとこになる、正雪は、頷く。さてこの作戦うまくいくのか、その事に関しては、こうご期待。
正雪は、何をするか歩きながら、考えるのであった。
清らかな日がさす執務室。目の前には、困ったように笑う友美が居る。正雪は、微笑むと、言った。
「姫その……日向正宗とは……紀州徳川家にあった刀でそういないか??」
「そうよ」
何故正雪がこのようなことを確認するかだが、本日正雪は、日向正宗の付き添いをすることになった。
はじめは、付き添いなどいるのかと思ったが友美の話を聞いて全て合点が言った。
「……梅干し好きなのは、いいけど色々あるのよね」
「紀州に居たからなのだろうな……」
「だと思うわ。とりあえず薬問屋にこの薬剤を届けてほしいの」
「分かった」
「蛍も着いていくといってたけど、仕事で無理になったみたいだし、とりあえず助っ人も呼んでおいたから!!」
「助っ人??」
執務室に入ってきたのは、なんと山姥切国広だった。
「国広殿!?」
「姫から呼ばれただけだ」
「そう!! 日向正宗のお供をする正雪の助っ人を頼んだの。他の子でもいいけど、国広なら安心だし」
なにより正雪に懐かれている。友美は、国広を呼んだ理由がそれだった。
「姫薬研でも……」
「薬研も忙しいから無理よ」
「……」
「それに国広少しは、外に出て、動かないと!! まぁ天照のお陰で出来てないのは、しってるけど」
国広は、溜め息を着く。
「はぁ……姫状況確認だが」
そこから国広と友美は、なにやら話をし、しばらく話すと、友美は、執務室を出ていった。
「国広殿がいると心強い」
「ならよかった。行くか」
「あぁ」
風呂敷を正雪は、持とうとしたが、すぐに国広に取られた。
「国広殿??」
「女性にあまり持たせられるか」
「それ軽いが……」
「いいから黙って持たせろ」
国広は、短くそういうと執務室をでていった。玄関に着くと、正宗が待っていた。
「国広と正雪さんよろしくね!!」
「あぁよろしく頼む」
「うむ」
さて気合いをいれ、家をでた国広と正雪、正宗だが、その行き道中は、案外平和だった。
「八重桜か……」
「屋敷では、さいてないのかな?? 国広」
「咲いてるがここまで見事では、ないからな」
正雪も街路樹として植えられている八重桜を見ながら、確かにと思った。
「それに八重桜を見ると、天照大神があー!!!! 春が終わる!! と唸るから色々と大変なんだ」
「あー天照様は、そうだね!!」
正雪は、あの組織に行くようになってから分からなくなったことがある。それは
天照という神についてだ。
神話で聞いていたような所もあるがなんというか、頑張り、無理しすぎているように見える。
「国広殿、天照大神に休みなどは……」
「あるが、逃走されては、困るからな。オモヒカネ殿の監視付きだ……」
「まるで軟禁生活では、ないか……」
「だよね正雪さん!! 僕もそう思う!! でもねぇ……」
「でも??」
「天照様色々やらかしてるから」
やらかしてるとは、なんだろう。正雪が首をかしげると、国広が話をした。
「天岩戸にはじまり、事あるごとに反乱だー!!! と色々暴れたけっか、白野威様に捕獲され、なおかつしめられ、いまにいたる」
「そうそう。反乱の理由も理由で、白野威様いわく、それくらいで反乱するな!! ってで、今のようになったんだ。今忙しいのも反乱してる間にたまった仕事ってこと」
「本来ならあそこまで忙しくないからか」
正雪が来るまでの間に色々あったようだ。それならしかたがないと切り替え、正雪は、その後と日向正宗と国広の話を聞いていた。
「着いたぞ」
閑静な住宅街にあるレトロな建物には、薬問屋と看板が。
国広達に続き、中には入ると、薬草のツンとした匂いが。
「ここが……霞ノ神子殿の……」
国広が奥に行き、店主と話をする。すると彼女は、正雪に気づいた。
「正雪さんこんにちは!!」
店の奥の座敷に座る勇音を見つけ、正雪は、頭を下げた。
「勇音さん!! 梅干しは、どうかな??」
「なかなか美味しいですよ!! 今年も期待してます!!」
正宗が嬉しそうに笑うなか、正雪は、ようやく国広の隣に。
「色々あって面白いでしょう??」
「とても。これが全て薬剤とは、驚かされる」
「うちは、あやかしから神、人まで相手にしてる店ですからなかなか珍しい物もあると思います」
確かに見たことないものばかりだ。
「霞ノ神子でこれは、あるだろうか」
国広が差し出した紙をみて、勇音は、立ち上がる。
「一応ありますがこれ……天照の滋養強壮の薬湯ですよね??」
「あぁ」
「なら私が少し改良を加えますね。本当に……無理をするんだから……」
勇音は、まるだ幼子に言うようにいうと、薬剤を取り出した。
「……あいつは、コンプレックスの塊だからな。初代に負けぬようにと力みすぎてる」
この刀は、分かっているようだ。あの女神の事が、だからこそこうして動いている。
「友美に会わせたら……」
「それをしてしまうと、しばらく高天ヶ原の機能が停止するぞ」
勇音は、困ったかおをする。
「あいつ自身が、自分の価値を真に認められたらいいんだがな……皆認めてるのに……」
「しかたがありませんよ。白野威……いえ天照様は、本当にすごい神ですから」
国広は、目を伏せると頷いた。
「そうだな」
何やら重い話をしている国広と勇音だが、正雪は、困っていた。羊に乗られて。
「羊殿そろそろ退いてくれぬか!?」
羊は、じっと正雪を見るのに。そして彼女の耳飾りをみて、退いた。
「あの六花の耳飾り友美の気配がするわね」
今正雪は、何時もの耳飾りも外し、動きやすい洋服を着ている。体をおこし、耳飾りにふれ、驚いたかおをした。
「私は、華澄よ」
「華澄殿……」
「勇音の上司さ」
正雪は、おどろく。
「まさか神??」
「そういうこと」
華澄は、本来の姿に戻ると、微笑む。そこにいたのは、気品に満ちた和服姿の女性だった。
「正雪といったかしら。友美の事お願いね!!」
優しく正雪の頭を撫でると、店の奥へと行ってしまった。
「華澄様に気に入られるってなかなかかもだね!!」
「日向殿……」
「正雪さんは、もしかすると神に気に入られるってタイプの人なのかもしれないね」
「うむ……」
友美が以前言っていた。無垢な魂ほどいろんな色に染まれると。
神は、素直で優しいものを好む。正雪は、まさにそのような人物だ。
やはり自分の始まりで人の手で創られたホムンクルスだからだろうか。
正雪が目を伏せ考えていると、頭を撫でられた。
「国広殿??」
「あんたが浮かないかおをするなんてな」
「その……自分の始まりについて考えていた……」
「……そうか。だが正雪にその顔は、似合わないぞ。あんたは、何時ものように天真爛漫でいろ」
薬剤を調合していた勇音も頷いている。
正雪はこくりと頷いた。
「国広出来ましたよ」
「たすかる」
薬剤を浮けてると、国広は、いう。
「では、失礼する」
国広が出ていくので、正宗も頭を下げ、店をでた。
残された正雪も店をでようとしたとき、勇音に声をかけられた。
「正雪さん」
「その……なんだろうか……」
「何時でも来てくださいね」
「えっ……」
「友美が何故生前の貴女に会い、前払いという形で対価を受け取ってまでこのようなことをしたのか……私には、分かりません」
たぶん目の前の神子は、全てをしっている。友美の正雪の間であったことを。
「ですが……」
勇音は、微笑むと、優しく正雪を撫でた。
「友美が何故貴女にそうしたいと思ったのか。それは、分かりますから」
「勇音殿……」
「天照の事に関しては、大丈夫。あのこの自業自得が招いてる事ですから。まぁもうそろそろことも終わるでしょう。もし何かしてあげたいと思ったら山姥切国広と共に、お茶をしてあげてくださいね」
勇音は、答えをいってくれた。正雪は、頷くと、頭を下げ、店をでた。
「勇音ヒントあげすぎじゃね??」
店の奥から男声がし、勇音は、いう。
「いいの!! それに天照の事ほっておけないし」
「まぁ確かに」
店の奥から出てきた燕青は、そう言うと微笑む。
「にしても天照様も仕事放棄とはねぇ……」
「理由が由井正雪ともっと話したい!! だもんねぇ……そりゃ白野威様怒るわよ……」
「そうそう」
困ったか天照だが、彼女の仕事もあと少しだろう。
燕青と勇音が話をするころ、国広そして正宗、正雪は、公園を歩いていた。
「国広殿その……」
「なんだ??」
「天照様の仕事は、もうそろそろ終わるのか??」
「まぁ終わりそうでは、あるがな」
「その……国広殿にお願いしたい義が……」
国広は、足を止め、正雪の言葉に耳を傾けた。
「……わかったいいだろ」
「かたじけない!!」
「日程と時間は、俺が調整する。あんたは、準備をしとけ」
「うむ」
「僕も参加するよ!!」
日向も参加するとこになる、正雪は、頷く。さてこの作戦うまくいくのか、その事に関しては、こうご期待。
正雪は、何をするか歩きながら、考えるのであった。