後日談
鍛練とは、日々必要なものとも言える。
「うわぁ!!」
気づけば、青い空が目の前にあった。刀が地面に落ちる音がし、次の瞬間背中を打ち付けた痛みと草の香りを感じ、落ちなのだと気づいた。
「正雪……もういいいよね……」
呆れた顔をしている蛍が視界に。彼なら差し出された手をみて、正雪は、頷くと、正雪は、その手をとり、体を起こした。
「かたじけない」
「いいよ」
蛍は、手拭いなどが入った風呂敷を正雪に渡す。
「道場では、真剣での稽古は、出来ないから」
「だからって河川敷でやるのもどうかと思うけど。一応銃刀法っていうのが当世には、あるんだから!!」
「……ふむ。そう言えば姫が適当に登録しておいたと言っていたような……」
「……必要最低限いることだからねぇ」
蛍は、正雪の隣に座る。
「それよりはやく片付けないともうそろそろ同心がくるよ」
正雪にも分かりやすく言葉を選び蛍さ、伝える。
まずいと正雪は、急いで立ち上がった。
普段の着物に袴そして羽織姿では、なく、動きやすいTシャツにスポーツレギンスとショートパンツにスニーカーという当世の動きやすい姿のため、急いで、刀を鞘に収め、ケースにしまい終えると、巡回していたお巡りさんが土手を自転車で走っていった。
「……ふぅ」
「セーフ!!」
「……よかった」
蛍の隣に戻ってくると正雪は、いう。
「蛍殿は、いいのか?? その……片付けなくて……」
「俺の本体は、神棚にあるからねーさっきまでのは、とっさに作った写しだから!! 術を解けば消えるんだ!!」
正雪は、確かに魔術にも投影というものがあるとは、知っていたが、同じようなものを蛍はこのように使っているのかと驚く。
「その……脆くならないか??」
「まぁ一時しのぎだしね!!」
「なるほど」
まだまだ知らないことが多くあり、楽しいなと正雪は、思っていると、蛍が立ち上がった。
「約束は、守ってよね!!」
「もちろん。それが貴殿に稽古の相手をして貰う対価だからな」
正雪は、高天ヶ原の邸に行かないとき剣の稽古の相手を蛍に頼んでいる。
日向正宗でもよかったのだが、彼のふる大太刀の方が稽古には、いいと思ったからだ。
「でも友美に頼めば……稽古くらい付き合ってくれると思うよ??」
「その……姫に頼んだら……」
「頼んだら??」
「こてんぱんに……された……」
正雪は、立ち上がり太刀の入ったケースを担ぐとしょぼんとしいう。
蛍に頼む前に友美にもお願いしたが、見事に友美に負けた。
「友美刀は……」
「……つかってない……素手で……」
「まさか素手で真剣白羽取りして、刀を奪って投げ飛ばされたの!?」
「うむ……」
蛍は、唖然とした。
「友美らしいけど!! 剣の稽古になってない!!」
「……で蛍殿ならと」
「で俺のところへきたわけか」
「そうだ」
たぶん魔術を使ってたとしても友美には、無効だろう。
蛍は、手加減してあげてほしかったと友美に思いながら、正雪にいう。
「大丈夫!! たぶん友美に勝てるのは、光くらいだから!!」
「光殿は、そんなに実力があるのか??」
「あるよ。普段は、あんなんだけど!!」
普段は、優しくて可愛いものとお菓子作りが大好きは光。そして友美に尻にひかれてるともいえる。
正雪は、人は、やはり見かけにはよらないと思った。
荷物を持ち蛍と正雪は、河川敷を後にしやって来たのは、桜の名所だった。
春風に揺られ、可憐な花を咲かせる桜。この花の美しさは、時代が変わろうとも変わらないものだ。
「綺麗……」
「でしょう!! 荷物持ってて!!」
「わかった」
蛍は、持っていた手提げを正雪に渡すと、カメラをかまえ、写真を撮り始めた。
今回正雪が頼まれたのは、カメラのアシスタントだった。
蛍は、よくカメラをもち、外にでては、写真を撮っているが、これは、彼の趣味なのか。はたまた仕事なのか。どちらなのだろう。
「……」
桜は、儚くそして美しいそれは、まるで命のありようだ。
「……結局当世に私を知るのは、お前だけなのだな」
肩にせよっている日本刀に正雪は、話しかけてしまった。
江戸の世でもこうして桜をみたこともあったが、後の時と今とでは、大きく色々違う。
ひらりと花弁が正雪の手に乗ったその時は、シャッター音が聞こえた。
「切ない顔と桜って絵になるんだよね」
蛍は、そういうと、正雪にいう。
「実は、俺も正雪と一緒かも」
「それは、どういう……」
「蛍丸っていう刀剣は、太平洋戦争で行方不明になってるっていうのが歴史の通説なんだー由井正雪が男だったみたいにね!!」
正雪は、驚いた顔をした。
「その……戦争とは……戦ということでいいのかな……??」
「そう」
蛍は、微笑むと、切ない顔をし桜をみた。
「俺は、見てきた……その戦争で日ノ本の各地に空飛ぶ鉄の機械で、外国から爆弾が落とされ、火の海なり、多くの人が死んだ……多くの日本刀も……亡くなった……」
「……」
「もちろん日ノ本も同じことを外国にした。そして最後には、日ノ本は、特攻させた……」
「特攻とは……」
「行きの分の燃料だけつんだ飛行機に、人を乗せて、敵に突っ込まさせたんだ。簡単にいうと人間鉄砲かな!!」
この話と蛍丸という刀剣になんの関係があるのかと正雪は、思ったがそれよりも自分の生きた、世より先酷い戦があったことにショックだった。
「多くの人も海に散った。そして蛍丸もね」
「それは……」
「戦争の後、勝利した国は、刀剣を武器として認定し、処分を進めたんだ。そのなかに俺もいたってこと。俺は、阿蘇神宮にいたけど、どうやら隠すなり色々したけど、駄目だったみたい。で見事に処分され海の中ってね」
正雪の肩にあるものの重みがました。
「……貴殿は、それが悲しくは……」
「俺は、それを免れたんだ。だから悲しくないよ」
「免れた??」
「言ったでしょう?? 通説では、蛍丸は、行方不明だって!! でも俺は、いまここにいる!!」
蛍は、無邪気にわらう。
「天照様が助けてくれたから!! だからほら、こういうところとか一緒かなって!! 正雪に!!」
「そうかもしれないな」
「ちなみに蛍丸は、そもそも行方不明のままで、どこかにある!! って諸説もあるんだー」
蛍は、オチャメに笑う。
「まぁ何処にあるかは、俺と神のみ知るってね!! だれも思わないだろうねーあるお家の神棚にあるって!!」
蛍は、少しショックを受けてしまっている正雪には、重い話だったかなとも重いながらもあえて話をした。少しでも彼女に元気になってもらいたかったから。
「蛍殿」
「なに??」
「その……当世にも多くの刀剣が残っている……ということは……」
「守ってくれた人達がいたんだ!! その人達のお陰で、今では、刀剣は、美術品!! 銃刀法もそれに伴っての法律ってこと!!」
「取り扱いの決まりは、必要だからな……」
「そうそう!!」
話がそれてしまったと蛍は、咳払いをする。
「とりあえず!! 正雪俺みたいのもいるから!! そう寂しがらない!!」
「ありがとう」
正雪が笑ったところで蛍のお中の虫がなった。
「あっ……」
「もう昼餉の時か」
「みたい!! よし!! 正雪ただ飯食べに行くよー!!」
「えっ??」
蛍は、そういうと、荷物を正雪から受けとり、走り出すので、正雪も後を追った。
やって来たのは、なんと近くのおしゃれなカフェだった。
「いた!!」
蛍は、そういうと、列に並んでいるスクランブル姿の青年に抱きつく。
「蛍!?」
「光!! お腹空いた~おごって!!」
光は、驚いた顔をしたのち、蛍を抱き上げた。
「蛍まさか……」
「光殿その……」
正雪に声をかけられ光は、ホッとした顔に。
「正雪と一緒だったのか」
「そう!! 光お願い~」
蛍を地面におろすと光は、いう。
「テイクアウトでいいか??」
「オッケー!! 後新作よろしく!!」
光は、頷くと、正雪の方をみた。
「甘いものは、嫌いじゃなかったよね??」
蛍とは、違い優しい口調で正雪には、話しかける光。
正雪は、頷く。
「分かった。なら蛍と、同じものにしとくよ。しばらく待ってて」
「かたじけない光殿」
光は、微笑む。
蛍は、正雪を連れて、近くのベンチに。
「よし!!」
「蛍殿いいのか?? こういうこと」
「大丈夫!! 後で経費として友美に申請されるから!!」
「経費か……」
「問題ないでしょう??」
「確かに」
しばらく待っていると紙袋を持った光がやってきた。
「蛍」
「ありがとう!!」
蛍は、紙袋を受けてると、さっそく中を開け、入っていたサンドイッチを食べ始めた。
「はい正雪」
「ありがとう光殿」
正雪も受け取る。
「じゃ俺は、戻るから」
「光ありがとう!!」
光は、そういうと去っていった。
「光殿は、勤めに戻ったのか……」
「光は、時々昼休みにここへコーヒー買いに来るからね!!」
「で蛍殿は、そこを狙って」
「そう!! よくやってるから光も俺がきただけで何が目的か分かるってこと!!」
正雪もサンドイッチを食べると、その美味しさに瞳を煌めかせた。
「うまい」
「でしょう!!」
サンドイッチを食べ終え、蛍は、今度は、入っていたカフェドリンクをのむ。
「甘い~」
そんなに甘いのかと正雪は、飲んでみると確かに甘かった。
「……甘い」
「でしょう!!」
しかし甘味を食べれるということは、それだけこの時代は、豊かということだ。
青空をみながら正雪は、いう。
「大きな戦を経てここまで豊かになる……日ノ本は、本当に凄いな……」
「そうかもねー」
蛍は、ベンチから立つ。
「さて!! 次の撮影行こう!!」
「次は、何処に??」
「雪柳をね!!」
「確かに時期だな」
正雪も立ち上がる。
「蛍殿なにか持とうか??」
「いいよ!! 俺力持ちだから!!」
蛍は、そういうと、歩きだした。本当に頼もしい少年だ。
「正雪はやく!!」
「待ってくれ!! 蛍殿!!」
先行く蛍に追い付くために正雪は、走った。その足取りは、軽く何処か楽しそうに弾んでいたのであった。
「うわぁ!!」
気づけば、青い空が目の前にあった。刀が地面に落ちる音がし、次の瞬間背中を打ち付けた痛みと草の香りを感じ、落ちなのだと気づいた。
「正雪……もういいいよね……」
呆れた顔をしている蛍が視界に。彼なら差し出された手をみて、正雪は、頷くと、正雪は、その手をとり、体を起こした。
「かたじけない」
「いいよ」
蛍は、手拭いなどが入った風呂敷を正雪に渡す。
「道場では、真剣での稽古は、出来ないから」
「だからって河川敷でやるのもどうかと思うけど。一応銃刀法っていうのが当世には、あるんだから!!」
「……ふむ。そう言えば姫が適当に登録しておいたと言っていたような……」
「……必要最低限いることだからねぇ」
蛍は、正雪の隣に座る。
「それよりはやく片付けないともうそろそろ同心がくるよ」
正雪にも分かりやすく言葉を選び蛍さ、伝える。
まずいと正雪は、急いで立ち上がった。
普段の着物に袴そして羽織姿では、なく、動きやすいTシャツにスポーツレギンスとショートパンツにスニーカーという当世の動きやすい姿のため、急いで、刀を鞘に収め、ケースにしまい終えると、巡回していたお巡りさんが土手を自転車で走っていった。
「……ふぅ」
「セーフ!!」
「……よかった」
蛍の隣に戻ってくると正雪は、いう。
「蛍殿は、いいのか?? その……片付けなくて……」
「俺の本体は、神棚にあるからねーさっきまでのは、とっさに作った写しだから!! 術を解けば消えるんだ!!」
正雪は、確かに魔術にも投影というものがあるとは、知っていたが、同じようなものを蛍はこのように使っているのかと驚く。
「その……脆くならないか??」
「まぁ一時しのぎだしね!!」
「なるほど」
まだまだ知らないことが多くあり、楽しいなと正雪は、思っていると、蛍が立ち上がった。
「約束は、守ってよね!!」
「もちろん。それが貴殿に稽古の相手をして貰う対価だからな」
正雪は、高天ヶ原の邸に行かないとき剣の稽古の相手を蛍に頼んでいる。
日向正宗でもよかったのだが、彼のふる大太刀の方が稽古には、いいと思ったからだ。
「でも友美に頼めば……稽古くらい付き合ってくれると思うよ??」
「その……姫に頼んだら……」
「頼んだら??」
「こてんぱんに……された……」
正雪は、立ち上がり太刀の入ったケースを担ぐとしょぼんとしいう。
蛍に頼む前に友美にもお願いしたが、見事に友美に負けた。
「友美刀は……」
「……つかってない……素手で……」
「まさか素手で真剣白羽取りして、刀を奪って投げ飛ばされたの!?」
「うむ……」
蛍は、唖然とした。
「友美らしいけど!! 剣の稽古になってない!!」
「……で蛍殿ならと」
「で俺のところへきたわけか」
「そうだ」
たぶん魔術を使ってたとしても友美には、無効だろう。
蛍は、手加減してあげてほしかったと友美に思いながら、正雪にいう。
「大丈夫!! たぶん友美に勝てるのは、光くらいだから!!」
「光殿は、そんなに実力があるのか??」
「あるよ。普段は、あんなんだけど!!」
普段は、優しくて可愛いものとお菓子作りが大好きは光。そして友美に尻にひかれてるともいえる。
正雪は、人は、やはり見かけにはよらないと思った。
荷物を持ち蛍と正雪は、河川敷を後にしやって来たのは、桜の名所だった。
春風に揺られ、可憐な花を咲かせる桜。この花の美しさは、時代が変わろうとも変わらないものだ。
「綺麗……」
「でしょう!! 荷物持ってて!!」
「わかった」
蛍は、持っていた手提げを正雪に渡すと、カメラをかまえ、写真を撮り始めた。
今回正雪が頼まれたのは、カメラのアシスタントだった。
蛍は、よくカメラをもち、外にでては、写真を撮っているが、これは、彼の趣味なのか。はたまた仕事なのか。どちらなのだろう。
「……」
桜は、儚くそして美しいそれは、まるで命のありようだ。
「……結局当世に私を知るのは、お前だけなのだな」
肩にせよっている日本刀に正雪は、話しかけてしまった。
江戸の世でもこうして桜をみたこともあったが、後の時と今とでは、大きく色々違う。
ひらりと花弁が正雪の手に乗ったその時は、シャッター音が聞こえた。
「切ない顔と桜って絵になるんだよね」
蛍は、そういうと、正雪にいう。
「実は、俺も正雪と一緒かも」
「それは、どういう……」
「蛍丸っていう刀剣は、太平洋戦争で行方不明になってるっていうのが歴史の通説なんだー由井正雪が男だったみたいにね!!」
正雪は、驚いた顔をした。
「その……戦争とは……戦ということでいいのかな……??」
「そう」
蛍は、微笑むと、切ない顔をし桜をみた。
「俺は、見てきた……その戦争で日ノ本の各地に空飛ぶ鉄の機械で、外国から爆弾が落とされ、火の海なり、多くの人が死んだ……多くの日本刀も……亡くなった……」
「……」
「もちろん日ノ本も同じことを外国にした。そして最後には、日ノ本は、特攻させた……」
「特攻とは……」
「行きの分の燃料だけつんだ飛行機に、人を乗せて、敵に突っ込まさせたんだ。簡単にいうと人間鉄砲かな!!」
この話と蛍丸という刀剣になんの関係があるのかと正雪は、思ったがそれよりも自分の生きた、世より先酷い戦があったことにショックだった。
「多くの人も海に散った。そして蛍丸もね」
「それは……」
「戦争の後、勝利した国は、刀剣を武器として認定し、処分を進めたんだ。そのなかに俺もいたってこと。俺は、阿蘇神宮にいたけど、どうやら隠すなり色々したけど、駄目だったみたい。で見事に処分され海の中ってね」
正雪の肩にあるものの重みがました。
「……貴殿は、それが悲しくは……」
「俺は、それを免れたんだ。だから悲しくないよ」
「免れた??」
「言ったでしょう?? 通説では、蛍丸は、行方不明だって!! でも俺は、いまここにいる!!」
蛍は、無邪気にわらう。
「天照様が助けてくれたから!! だからほら、こういうところとか一緒かなって!! 正雪に!!」
「そうかもしれないな」
「ちなみに蛍丸は、そもそも行方不明のままで、どこかにある!! って諸説もあるんだー」
蛍は、オチャメに笑う。
「まぁ何処にあるかは、俺と神のみ知るってね!! だれも思わないだろうねーあるお家の神棚にあるって!!」
蛍は、少しショックを受けてしまっている正雪には、重い話だったかなとも重いながらもあえて話をした。少しでも彼女に元気になってもらいたかったから。
「蛍殿」
「なに??」
「その……当世にも多くの刀剣が残っている……ということは……」
「守ってくれた人達がいたんだ!! その人達のお陰で、今では、刀剣は、美術品!! 銃刀法もそれに伴っての法律ってこと!!」
「取り扱いの決まりは、必要だからな……」
「そうそう!!」
話がそれてしまったと蛍は、咳払いをする。
「とりあえず!! 正雪俺みたいのもいるから!! そう寂しがらない!!」
「ありがとう」
正雪が笑ったところで蛍のお中の虫がなった。
「あっ……」
「もう昼餉の時か」
「みたい!! よし!! 正雪ただ飯食べに行くよー!!」
「えっ??」
蛍は、そういうと、荷物を正雪から受けとり、走り出すので、正雪も後を追った。
やって来たのは、なんと近くのおしゃれなカフェだった。
「いた!!」
蛍は、そういうと、列に並んでいるスクランブル姿の青年に抱きつく。
「蛍!?」
「光!! お腹空いた~おごって!!」
光は、驚いた顔をしたのち、蛍を抱き上げた。
「蛍まさか……」
「光殿その……」
正雪に声をかけられ光は、ホッとした顔に。
「正雪と一緒だったのか」
「そう!! 光お願い~」
蛍を地面におろすと光は、いう。
「テイクアウトでいいか??」
「オッケー!! 後新作よろしく!!」
光は、頷くと、正雪の方をみた。
「甘いものは、嫌いじゃなかったよね??」
蛍とは、違い優しい口調で正雪には、話しかける光。
正雪は、頷く。
「分かった。なら蛍と、同じものにしとくよ。しばらく待ってて」
「かたじけない光殿」
光は、微笑む。
蛍は、正雪を連れて、近くのベンチに。
「よし!!」
「蛍殿いいのか?? こういうこと」
「大丈夫!! 後で経費として友美に申請されるから!!」
「経費か……」
「問題ないでしょう??」
「確かに」
しばらく待っていると紙袋を持った光がやってきた。
「蛍」
「ありがとう!!」
蛍は、紙袋を受けてると、さっそく中を開け、入っていたサンドイッチを食べ始めた。
「はい正雪」
「ありがとう光殿」
正雪も受け取る。
「じゃ俺は、戻るから」
「光ありがとう!!」
光は、そういうと去っていった。
「光殿は、勤めに戻ったのか……」
「光は、時々昼休みにここへコーヒー買いに来るからね!!」
「で蛍殿は、そこを狙って」
「そう!! よくやってるから光も俺がきただけで何が目的か分かるってこと!!」
正雪もサンドイッチを食べると、その美味しさに瞳を煌めかせた。
「うまい」
「でしょう!!」
サンドイッチを食べ終え、蛍は、今度は、入っていたカフェドリンクをのむ。
「甘い~」
そんなに甘いのかと正雪は、飲んでみると確かに甘かった。
「……甘い」
「でしょう!!」
しかし甘味を食べれるということは、それだけこの時代は、豊かということだ。
青空をみながら正雪は、いう。
「大きな戦を経てここまで豊かになる……日ノ本は、本当に凄いな……」
「そうかもねー」
蛍は、ベンチから立つ。
「さて!! 次の撮影行こう!!」
「次は、何処に??」
「雪柳をね!!」
「確かに時期だな」
正雪も立ち上がる。
「蛍殿なにか持とうか??」
「いいよ!! 俺力持ちだから!!」
蛍は、そういうと、歩きだした。本当に頼もしい少年だ。
「正雪はやく!!」
「待ってくれ!! 蛍殿!!」
先行く蛍に追い付くために正雪は、走った。その足取りは、軽く何処か楽しそうに弾んでいたのであった。