後日談

 二振の刀剣をみながら、粟田口の刀剣男士達は、何か話をしていた。
「姫に聞いてみようぜ!!」
「そうだね」
 後藤と信濃は、そういうと、たまたま近くを通った友美に声をかけた。
「姫ちょっといい??」
 信濃と後藤に声をかけられ、友美は、和室に。
「どうしたの??」
「この刀剣は、粟田口と思いますか?? 姫!!」
 五虎退の指差す先には、純白な刀剣が。
 友美は、困った顔をし言った。
「分からないわ……生憎刀剣の党派に関しては、まったく分からなくて……」
 友美は、腰を下ろすと言った。
「姫よくそれで審神者出来たと!!」
「……まぁ審神者は、出来るわよ!! 博多!!」
 しかし刀剣達もこの二本の日本刀が気になるようだ。
「持ち主に聞くほうがいいよね!! 姫!!」
「まぁ……確かに……」
 信濃は、そういうと立ち上がり、それに続くように粟田口の短刀達は、走っていってしまった。
「……徳川将軍家にとって……特別な存在か……」
 友美は、目を細めると、太刀を撫でた。
「貴方達の主は、本当に凄い人ね」
 生前の彼女にお持ちを馳せると、本当に凄いなとおもう。
 今は、ここでだとつくも神に甘やかされてるが。
「……もしかして……甘やかしすぎ……?」
 友美も自覚がある。甘やかしすぎてる気がすると。
「うーん」
 友美は、色々考えていると、国広がつかれた顔をし歩いていた。
「国広!!」 
 いいそうだん相手をみつけたと、友美は、国広に飛び付く。
「姫!!??」
 国広は、そのまま友美を受け止められず、友美は、華麗にその場に着地したが、国広は、友美に押された勢いで、庭を落ちた。
「あら」
「あんたと……一緒にするな……」
「光なら華麗に受け止めてくれるから……」
「旦那とも一緒にするな」
 国広は、尻餅をついた尻を、手で払うと、廊下に上がった。
「で姫なんだ」
「国広お疲れね」 
 国広は、溜め息をつく。
「あんたが他の刀剣男士に実務を教えないからだろ」
 友美は、不服そうな顔になる。
「教えたわ!! でもついてこれたの国広だけだったんだもの!!」  
 お陰でこの組織を運営するうえで国広が全ての実務に携わる形になってしまったが。
 和室にはいると、国広は、二振の刀剣に目が行く。
「あれは……あいつの……」
「そう。あの子のよ。村正か、粟田口かって粟田口の短刀達が聞きに行ってるわ」
 友美は、微笑むと、座った。
「国広ちょっと座って」
 主に言われ国広は、座ると、友美は、彼の額に人差し指と中指を添えた。
 暖かな光が体の中に入ると、国広は、先ほどまで感じていた疲労がなくなったことに気づく。
「姫ありがとう」
「秘密ね?? 国広にこれしたって皆が知ったらやって欲しいといいそうだから」
 大陽神の力は、誰しもが好む力だ。国広は、確かにと思いながら、言う。
「分かった」
「まぁ国広も出来るけどね??」
 ばつの悪そうな顔を国広は、する。
「姫他の奴らには、言うな」
「言わないわよ。それに皆それぞれあった力を持ってるけど、言ってないもの」 
 友美は、楽しげに笑う。この組織の刀剣男士がなぜ政府から管理が出来ないと匙を投げられたのか。それは、友美に秘密があった。
 当初友美も初期刀である山姥切国広だけかと思っていたこの変異は、どうやら友美が呼び起こした刀剣全てに該当するものだった。
 その変異とは、付喪神である彼らには、各々にあった属性の神力が追加されているというものだった。
「国広には、大陽の力。光ともいえるものが付属されちゃったものね」
「……この事を知ってるのは、蛍くらいだぞ」
「蛍も光だもの。分かるのかもね!!」
 蛍は、他にも扱えるらしいがここでは、言わないでおこう。
 国広は、溜め息をつく。
「その力影響で俺がこの組織を統括してるとかないよな」
「ないわよ!! だってこれだけの複雑化してるシステム国広しか管理できないもの!!」
 友美は、へし切長谷部でもいれば違うのだろうかと思った。
「へし切長谷部要る??」
「要らん。それに来たとしても足手まといだ」
 国広は、ビシッというと、友美は、笑った。
「主に似なくていいところがにてるわね~」
「そりゃ姫の初期刀だからな」
 主にしごかれた日々が懐かしい。あの本丸は、もうなく今は、天照の邸が彼らにとっての本丸だが。
「姫」 
「なに??」
「話がある」 
 国広の真剣な眼差しに友美もまた真剣な顔になる。そして話を聞き、その内容に友美は、ポカーンとしてしまった。
「天照の補佐に刀剣をつけていいか!?」
「あぁ。主も癒しがー!! と言ってるしな」
 友美は、思わず笑う。
「ふふふ。とても重大なことかと思ったらそれ!!」
「重大だぞ。天照大神には、やる気になって貰っておかないと」
「国広私には、言わなかったのにそんなこと」
「姫は、言わなくても仕事を終わらせてたからな。なんなら、余計なことまでしてたぞ」
 友美は、色々覚えがありすぎて、苦笑いを浮かべた。
「それは……」
「戦場に出る審神者がいるか」
「それは、大将たるもの先陣を……」
「なら身重でやるアホがいると??」
 友美は、冷や汗をながしながら言う。
「だって殴りたかったんだもん!!」
「……理由がまた物騒なんだよな」
 しかしそれが友美だ。
 国広には、実は、彼女に伝えていないことがある。
 それは、彼が初めて人の体を手に入れ、瞼を開けたとき、始めてみた主がとても神々しく綺麗だったと。
「だが俺の主は、それでいい。でなければ姫じゃない」
「なぬ!?」
 友美は、不服な顔をした。
「もう少し有能!! とかないの!?」
「姫は、有能だ。だがそれよりもお節介と無茶振りの方がでかい」
 友美は、それは、国広もだも言いたかった。
「よく言うわ!! 国広だってそうじゃない!! 仕事の五割が余計なこととお節介なのに!!」
 国広は、グサッと友美の言葉が入り、視線をそらした。
「五月蝿い!!」
「あー図星だー!!!」
 友美は、そういうと、笑った。
「結局似た者同士ね」
「……だな」
 昔は、こんなに笑わなかったのにと友美は、国広を見ながら思う。
 彼もまた成長している。そして自分も。
「国広本当に私にとって貴方は、誇れる刀剣よ」
 国広は、目を見開く。まさかこんなことを言われるとは、思わなかったからだ。
「ありがとう。俺にとっても姫は、誇れる主だ」
 友美は、目を細めた。
「ありがとう」
「そういえば姫は、どう思ってるんだ。あの刀剣に関して」
 国広は、純白の刀剣をみて、言うと友美は、しばらく考えて言う。
「粟田口かな」
「村正では、ないと??」
「えぇ。本来の歴史では、村正だろうけど、あのこの子ことを考えると、粟田口かなって」
「そうか。俺も同じ意見だ」
「そう。それの天照の件は、国広の好きにして」 
 国広は、頷く。
「姫久しぶりに茶でもどうだ??」
「おっ!! いいわね!!」
 国広と友美は、立ち上がると、和室を出た。そして廊下にでると、慌ただしい足音が。
「来たみたいだな」
「そうね」
 楽しげな粟田口の刀剣男士の声が聞こえる。 
 友美と国広は、その場を離れた。
「邪魔しちゃダメよね??」
「あぁ」
「国広余計なことしそうなの??」
「それは、姫もだろ??」
「確かに!!」
 国広と友美は、爽やかに笑うと、歩き出した。楽しげな声に耳を傾けながら。
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