日常編2
夏場の暑い時季特有のむさった汗の匂いがあまりこの屋敷では、無い。
男所帯なら特有のあの香りが。
執務室で書き物をしながら、正雪は、国広に聞いた。
「国広殿なぜここは、あまり汗の匂いがしないのだ?? 夏だというのに……」
国広は、書類を整理したがら、真面目に答える。
「姫がデオドラントには、五月蝿いからな」
「デオドラント??」
「汗の匂いが対策の事だ」
浪人達に囲まれていたとき確かにむさ苦しかった。
正雪は、だからここは、そんなに匂わないのかと納得できた。
「私は、どうなのだろう……」
思わずクンクンと自分の脇の匂いを嗅ぐ正雪に国広は、言った。
「男の前でそれをやるな」
「む??」
正雪は、首をかしげる。
「国広殿しか居らぬが……」
「その国広殿が男なんだが??」
「む??」
国広は、溜め息をつく。
「少しは、警戒しろ」
正雪の頭をポンポンと国広は、すると言った。
「しかし……貴方は、なにもしたいだろ??」
「……はぁ」
警戒をといたものには、簡単に信用する。それが正雪の悪いところでもあり、いいところでもある。
国広は困った代理にどうしたものかた思った。
「正雪は、臭くないぞ」
「そうか。ありがとう」
しかしそこまで友美が五月蝿いなら対策しとくことにこしたことは、ない。
正雪は、誰に話を聞こうかと考え、たのち、書き仕事を終え、まずは、国広に聞いた。
「国広殿は、どのような汗対策をしているのだ??」
「俺は、制汗剤を塗ってる」
「後は??」
「とくには」
正雪は、国広に近づくとクンクンと匂いを嗅いだ。
「清潔感のある香りだ……」
国広は、何故嗅ぐのかと思いながら、正雪の好きなようにさせた。
「ありがとう国広殿。うむ……他の男士にも聞いてこよう……」
国広は、真顔になったのち、いう。
「やめとけ」
「何故だ?? 知見を広げることも、たいせつでは??」
「確かに大切だが、正雪嗅ぎにいくだろ??」
正雪は、しばらく沈黙したのち、気づいた。
「む」
「ということだ。やめておけ」
「国広殿すまない!!」
「別に気にしてないから」
正雪がアワアワするなか、国広は、とくに気にしてなかった。友美よりはるかにましだからだ。
「気になるのなら俺も着いていってやる」
「国広殿!!」
そして止めないのが国広である。好奇心のは、結局駄目と否定されれば更に起こるもの。
ならよっぽど危ないことやいけないこと以外は、やらせるようにしている。
「とりあえず長義の所へ行くか??」
「いい」
「そうか」
「そこは、何故だ!! だろ!!!!」
五月蝿いのがやって来たがスルー。国広は、長義をみてげんなりした。
「こちら国広。姫長義撃退を頼む」
そして無線を何処からか取り出すと、国広は、そんなことを言った。
「なぜ撃退なんだ!! 俺が何したというんだ!!」
本当に暑いのに元気のいいことだ。国広は、そう思いながら、正雪を見るとそこに彼女は、いなかった。
「……やられた」
「なにが??」
「……長義の等辺木」
「はぁ!?」
国広は、そういうと長義を置いて、部屋を飛び出した。
国広から逃げた正雪は、まず台所に来ていた。
「光忠殿。少しいいだろうか??」
「どうしたんだい?? 正雪さん」
正雪は、ちょこちょこと光忠に近づく。
「その……この時期の匂い対策について教えて欲しいのだが……」
「汗の匂いかな??」
「あぁ」
どことなくワクワクしている正雪に可愛いなと光忠は、思いながら、話をした。
「デオドラントシートや汗をよく流してるかな!!」
「デオドラントシートとは??」
光忠は、戸棚から取り出し見せた。
「この布が??」
「そう。使ってみて」
正雪に一枚目差し出すと、彼女は、受け取り、首筋を正雪は、拭いた。
清涼な香りとスーとする感覚。
「涼しい……」
「でしょう!! その清涼感もいいし、制汗効よくてね!! 僕は、使ってるんだ!! 勿論ロールオンだったり、銀イオンを使ったり、服も匂わないように消毒したり、するんだ!!」
さすが光忠。徹底的な対策をしている。
キラキラとした瞳で正雪は、光忠をみる。
「正雪さん??」
「光忠殿……貴殿は……」
「正雪そこまでだー!!」
国広は、やっと見つけたと、台所にやってきた。
「ゲッ国広殿」
「誰がゲッだ」
国広は、呆れた顔をした。
「国広くんどうしたんだい??」
「光忠被害にあってないな??」
「とくには……」
「ならよかった」
正雪は、ほほを膨らませる。
「被害とは、何なのだ!!」
「あんたが痴漢まがいなことをするからだろ」
光忠は、信じられないと正雪をみた。
「正雪さん本当かい??」
気まずそうに、正雪は、こくりとうなづく。
「その……汗の匂いがないか気になり……つい国広殿の香りを間近で……」
光忠は、思わず笑ってしまった。
「うふふ」
「光忠笑い事じゃないぞ。他のやからにやってみろ。正雪が襲われかねないんだが!?」
また国広が痴漢まがいと言った理由も光忠からすれば、微笑ましいものだった。
「姫が国広君は、世話焼きだから安心だと言っていたけど、本当だったね!!」
国広と正雪は、首をかしげた。
「正雪さんがここに来る前、姫に相談したことがあったんだ。女の子をいきなり一人でここへ連れてくるのは、危ないって」
あの時友美は、言った。
「国広がいるから大丈夫よ」
「でも姫彼も……」
「男の子よね。でも国広は、それより世話焼きなのと責任感が先に来るわ。だから大丈夫」
仲間を疑うわけでは、ないが、それでも不安の種は、消しておきたい。
光忠は、友美がそういうのならとこの時は、引き下がった。
「今も思うに姫の先見の明は、凄いね。やっぱり」
「姫……」
国広は、呆れた顔をしていたが、正雪は、微笑んでいた。
「姫は、よく分かっているのだな。皆のことを……」
「だね!! でも正雪さんそんなことをしちゃ駄目だよ??」
「うむ……」
正雪は、ショボンとするも頷く。
「光忠どうすればいいと思う」
「国広君ここは、素直に姫に聞こう」
「……その手しかないか」
「だよ」
国広は、そういえばあることを忘れているようなとふと思い出す。
「国広、一応長義倒したけど」
台所になんと友美が表れた。たん瘤ができた長義を引きずりながら。
「……国広君、何をしたの」
「長義を追い出すのに姫に撃退を頼んだの忘れてた」
友美は、真顔になる。
「なるほど。だから長義、国広に逃げられたと言ってたのか……」
友美は、気絶している長義をデコピンで起こした。
「いったー!!!!」
「長義ごめんなさい」
友美は、長義に謝ると長義は、友美を睨む。
「ここまでボコボコにする必要ないだろ!? 猪!!」
「猪……」
この時国広は、正雪の眼を手で、隠し、光忠は、苦笑いを浮かべた。
「誰が猪だー!!! この偏屈プライドだけくそ高い本かが!!!」
「ギブギブ!!! 姫ギブ!!!」
なんと長義は、寝技をかけられ、締め上げられた。友美に。
「はぁ??」
「すみませんでした!!!」
素直に謝ると解放してくれたが、友美は、けっと長義を荒んだ目でみていた。
「姫後でいい少し相談したいことがある」
「相談??」
友美は、のびてる長義をつつきながら、聞く。
「正雪さんがデオドラント用品に関して興味があるみたいなんだ。僕達だと男物しか教えてあげられないから」
「分かったわ。とりあえず長義崖に吊るしてくるわ」
「なんでそうなるんだ!! 姫!!」
「そもそも長義が国広のところに暇だからって押し掛けるのが問題なんでしょうが!!」
友美と長義がまた喧嘩を始め、国広と光忠は、ため息をつく。
「そもそも国広君が姫を呼ぶからこうなったんだよ??」
「うっ……」
国広は、確かに原因は、自分にあると思い謝った。
「長義、姫すまない」
友美と長義は、喧嘩をやめる。
「私こそごめんなさい」
「……俺もすまない」
とりあえず喧嘩は、丸くおさまり、長義は、手入れ部屋に。
「お待たせ!!」
友美は、長義を手入れ部屋に送ってから戻ってくると言った。
「姫」
「よし!! ならさっそく!!」
そこから台所で友美は、正雪と話をしだし、国広と光忠は、その様子を見ていた。
「なるほど……」
「女の子用は、いい香りのも多いから、これ!! っていうの探してみてもいいかもね!!」
「因みに姫は……」
「私は、爽やかな香りのを使ってるかな」
「なるほど……」
正雪は、じっと友美を見る。友美は、思わず腕を広げると正雪が抱き付いてきた。そしてクンクンと匂いを嗅がれた。
「春の沈丁花……」
これは、デオドラントケアの香りでは、なく友美の香り。
正雪は、首をかしげ、またクンクンと匂いを嗅ぐので、友美は、困った顔に。
「国広君まさかあれ……」
「そうだ」
「あー確かにあれはね……」
友美は、あれとは、なにと思いながら、正雪を見ながら、苦笑いを浮かべる。
「正雪ー場合によっては、人の体温で匂いは、変わるの。それもあるかも??」
「姫は、風呂上がりでも沈丁花の香りがする」
「そう」
正雪は、そう言うとまたクンクンと匂いを嗅ぐ。
「落ち着く……」
「正雪もうそろそろいいかしら……」
「……うむ」
寂しそうに言われて友美は、困ったように笑いながら正雪から離れた。
「姫の香りは、落ち着く……何故だろう……」
「といわれてもね……」
友美は、困った顔をすると国広をみた。すると彼は、凪いだ海のような静かな眼をしていた。まるであんたもかと言うような。
「国広お疲れさま」
「姫こそ」
たぶん国広と、友美にしか分からないことだが、やはり初期刀と主は、似るのかと知れない。
友美は、正雪が、のびのびできてるのならいいかと思いつつも少し困ったかおもするのであった。可愛らしい正雪を見ながら。
男所帯なら特有のあの香りが。
執務室で書き物をしながら、正雪は、国広に聞いた。
「国広殿なぜここは、あまり汗の匂いがしないのだ?? 夏だというのに……」
国広は、書類を整理したがら、真面目に答える。
「姫がデオドラントには、五月蝿いからな」
「デオドラント??」
「汗の匂いが対策の事だ」
浪人達に囲まれていたとき確かにむさ苦しかった。
正雪は、だからここは、そんなに匂わないのかと納得できた。
「私は、どうなのだろう……」
思わずクンクンと自分の脇の匂いを嗅ぐ正雪に国広は、言った。
「男の前でそれをやるな」
「む??」
正雪は、首をかしげる。
「国広殿しか居らぬが……」
「その国広殿が男なんだが??」
「む??」
国広は、溜め息をつく。
「少しは、警戒しろ」
正雪の頭をポンポンと国広は、すると言った。
「しかし……貴方は、なにもしたいだろ??」
「……はぁ」
警戒をといたものには、簡単に信用する。それが正雪の悪いところでもあり、いいところでもある。
国広は困った代理にどうしたものかた思った。
「正雪は、臭くないぞ」
「そうか。ありがとう」
しかしそこまで友美が五月蝿いなら対策しとくことにこしたことは、ない。
正雪は、誰に話を聞こうかと考え、たのち、書き仕事を終え、まずは、国広に聞いた。
「国広殿は、どのような汗対策をしているのだ??」
「俺は、制汗剤を塗ってる」
「後は??」
「とくには」
正雪は、国広に近づくとクンクンと匂いを嗅いだ。
「清潔感のある香りだ……」
国広は、何故嗅ぐのかと思いながら、正雪の好きなようにさせた。
「ありがとう国広殿。うむ……他の男士にも聞いてこよう……」
国広は、真顔になったのち、いう。
「やめとけ」
「何故だ?? 知見を広げることも、たいせつでは??」
「確かに大切だが、正雪嗅ぎにいくだろ??」
正雪は、しばらく沈黙したのち、気づいた。
「む」
「ということだ。やめておけ」
「国広殿すまない!!」
「別に気にしてないから」
正雪がアワアワするなか、国広は、とくに気にしてなかった。友美よりはるかにましだからだ。
「気になるのなら俺も着いていってやる」
「国広殿!!」
そして止めないのが国広である。好奇心のは、結局駄目と否定されれば更に起こるもの。
ならよっぽど危ないことやいけないこと以外は、やらせるようにしている。
「とりあえず長義の所へ行くか??」
「いい」
「そうか」
「そこは、何故だ!! だろ!!!!」
五月蝿いのがやって来たがスルー。国広は、長義をみてげんなりした。
「こちら国広。姫長義撃退を頼む」
そして無線を何処からか取り出すと、国広は、そんなことを言った。
「なぜ撃退なんだ!! 俺が何したというんだ!!」
本当に暑いのに元気のいいことだ。国広は、そう思いながら、正雪を見るとそこに彼女は、いなかった。
「……やられた」
「なにが??」
「……長義の等辺木」
「はぁ!?」
国広は、そういうと長義を置いて、部屋を飛び出した。
国広から逃げた正雪は、まず台所に来ていた。
「光忠殿。少しいいだろうか??」
「どうしたんだい?? 正雪さん」
正雪は、ちょこちょこと光忠に近づく。
「その……この時期の匂い対策について教えて欲しいのだが……」
「汗の匂いかな??」
「あぁ」
どことなくワクワクしている正雪に可愛いなと光忠は、思いながら、話をした。
「デオドラントシートや汗をよく流してるかな!!」
「デオドラントシートとは??」
光忠は、戸棚から取り出し見せた。
「この布が??」
「そう。使ってみて」
正雪に一枚目差し出すと、彼女は、受け取り、首筋を正雪は、拭いた。
清涼な香りとスーとする感覚。
「涼しい……」
「でしょう!! その清涼感もいいし、制汗効よくてね!! 僕は、使ってるんだ!! 勿論ロールオンだったり、銀イオンを使ったり、服も匂わないように消毒したり、するんだ!!」
さすが光忠。徹底的な対策をしている。
キラキラとした瞳で正雪は、光忠をみる。
「正雪さん??」
「光忠殿……貴殿は……」
「正雪そこまでだー!!」
国広は、やっと見つけたと、台所にやってきた。
「ゲッ国広殿」
「誰がゲッだ」
国広は、呆れた顔をした。
「国広くんどうしたんだい??」
「光忠被害にあってないな??」
「とくには……」
「ならよかった」
正雪は、ほほを膨らませる。
「被害とは、何なのだ!!」
「あんたが痴漢まがいなことをするからだろ」
光忠は、信じられないと正雪をみた。
「正雪さん本当かい??」
気まずそうに、正雪は、こくりとうなづく。
「その……汗の匂いがないか気になり……つい国広殿の香りを間近で……」
光忠は、思わず笑ってしまった。
「うふふ」
「光忠笑い事じゃないぞ。他のやからにやってみろ。正雪が襲われかねないんだが!?」
また国広が痴漢まがいと言った理由も光忠からすれば、微笑ましいものだった。
「姫が国広君は、世話焼きだから安心だと言っていたけど、本当だったね!!」
国広と正雪は、首をかしげた。
「正雪さんがここに来る前、姫に相談したことがあったんだ。女の子をいきなり一人でここへ連れてくるのは、危ないって」
あの時友美は、言った。
「国広がいるから大丈夫よ」
「でも姫彼も……」
「男の子よね。でも国広は、それより世話焼きなのと責任感が先に来るわ。だから大丈夫」
仲間を疑うわけでは、ないが、それでも不安の種は、消しておきたい。
光忠は、友美がそういうのならとこの時は、引き下がった。
「今も思うに姫の先見の明は、凄いね。やっぱり」
「姫……」
国広は、呆れた顔をしていたが、正雪は、微笑んでいた。
「姫は、よく分かっているのだな。皆のことを……」
「だね!! でも正雪さんそんなことをしちゃ駄目だよ??」
「うむ……」
正雪は、ショボンとするも頷く。
「光忠どうすればいいと思う」
「国広君ここは、素直に姫に聞こう」
「……その手しかないか」
「だよ」
国広は、そういえばあることを忘れているようなとふと思い出す。
「国広、一応長義倒したけど」
台所になんと友美が表れた。たん瘤ができた長義を引きずりながら。
「……国広君、何をしたの」
「長義を追い出すのに姫に撃退を頼んだの忘れてた」
友美は、真顔になる。
「なるほど。だから長義、国広に逃げられたと言ってたのか……」
友美は、気絶している長義をデコピンで起こした。
「いったー!!!!」
「長義ごめんなさい」
友美は、長義に謝ると長義は、友美を睨む。
「ここまでボコボコにする必要ないだろ!? 猪!!」
「猪……」
この時国広は、正雪の眼を手で、隠し、光忠は、苦笑いを浮かべた。
「誰が猪だー!!! この偏屈プライドだけくそ高い本かが!!!」
「ギブギブ!!! 姫ギブ!!!」
なんと長義は、寝技をかけられ、締め上げられた。友美に。
「はぁ??」
「すみませんでした!!!」
素直に謝ると解放してくれたが、友美は、けっと長義を荒んだ目でみていた。
「姫後でいい少し相談したいことがある」
「相談??」
友美は、のびてる長義をつつきながら、聞く。
「正雪さんがデオドラント用品に関して興味があるみたいなんだ。僕達だと男物しか教えてあげられないから」
「分かったわ。とりあえず長義崖に吊るしてくるわ」
「なんでそうなるんだ!! 姫!!」
「そもそも長義が国広のところに暇だからって押し掛けるのが問題なんでしょうが!!」
友美と長義がまた喧嘩を始め、国広と光忠は、ため息をつく。
「そもそも国広君が姫を呼ぶからこうなったんだよ??」
「うっ……」
国広は、確かに原因は、自分にあると思い謝った。
「長義、姫すまない」
友美と長義は、喧嘩をやめる。
「私こそごめんなさい」
「……俺もすまない」
とりあえず喧嘩は、丸くおさまり、長義は、手入れ部屋に。
「お待たせ!!」
友美は、長義を手入れ部屋に送ってから戻ってくると言った。
「姫」
「よし!! ならさっそく!!」
そこから台所で友美は、正雪と話をしだし、国広と光忠は、その様子を見ていた。
「なるほど……」
「女の子用は、いい香りのも多いから、これ!! っていうの探してみてもいいかもね!!」
「因みに姫は……」
「私は、爽やかな香りのを使ってるかな」
「なるほど……」
正雪は、じっと友美を見る。友美は、思わず腕を広げると正雪が抱き付いてきた。そしてクンクンと匂いを嗅がれた。
「春の沈丁花……」
これは、デオドラントケアの香りでは、なく友美の香り。
正雪は、首をかしげ、またクンクンと匂いを嗅ぐので、友美は、困った顔に。
「国広君まさかあれ……」
「そうだ」
「あー確かにあれはね……」
友美は、あれとは、なにと思いながら、正雪を見ながら、苦笑いを浮かべる。
「正雪ー場合によっては、人の体温で匂いは、変わるの。それもあるかも??」
「姫は、風呂上がりでも沈丁花の香りがする」
「そう」
正雪は、そう言うとまたクンクンと匂いを嗅ぐ。
「落ち着く……」
「正雪もうそろそろいいかしら……」
「……うむ」
寂しそうに言われて友美は、困ったように笑いながら正雪から離れた。
「姫の香りは、落ち着く……何故だろう……」
「といわれてもね……」
友美は、困った顔をすると国広をみた。すると彼は、凪いだ海のような静かな眼をしていた。まるであんたもかと言うような。
「国広お疲れさま」
「姫こそ」
たぶん国広と、友美にしか分からないことだが、やはり初期刀と主は、似るのかと知れない。
友美は、正雪が、のびのびできてるのならいいかと思いつつも少し困ったかおもするのであった。可愛らしい正雪を見ながら。