後日談
国広は、悩んでいた。
「国広殿……なぜ私は、このようなことに……??」
頬を赤くし困惑している正雪。国広もやりたくてこうしているわけでは、ない。
「あんたを危険から守るためだ」
ちょこんと国広の膝の上に乗せられている正雪。
彼女は、ただ、光忠に、ケーキの試食をして欲しいと呼ばれて、来ただけ。
「国広殿そういえば今日は、騒がしいような……」
「そりゃエイプリルフールだからな」
「エイプリルフール……??」
「そうだ」
書類を取りたいが取れない。万が一正雪から離れれば、エイプリルフールを全力で楽しむ奴らの餌食になる。
純粋無垢だからこそ、悪戯した後の反応が面白い。
餌食にされないためにも、牽制しなくては。
「国広!! 正雪がいるときいたぜ!!」
表れた国永は、ぎろりと睨んできた国広に少し驚く。
「げっ……」
「やれるものならやってみろ」
正雪が国永に挨拶をしなければと立ち上がろうとしたとき、腹に回されている腕に力が入り、立てなかった。
バチバチと火花が国永と国広の間で散るなか、正雪は、おろおろ。
「私に用があるようだ……」
「だからこそ行かせられるか」
国永は、こんな国広久しぶりに見たと思いつつ、言った。
「そう!! まさに正雪に用がある!!」
国永は、持っていた服を広げ見せた。
「今日は、このウサギ耳のロリータを着る日なんだぜ!! 正雪に似合うと思ってな!!」
正雪は、そうなのかと思ったが、ふと国広をみると、彼は、恐ろしい形相をしていた。
「国広殿!!??」
なんと国広は、正雪を担ぐと、立ち上がり、空いている方の手で、国永の顔面にパンチをいれた。
「ぐぇ!!!!」
国永は、凄い勢いで、空へ。そしてそのまま庭の池に落ちた。
「よし。一振目討伐」
担いでいた正雪をおろすと、国広は、言った。
「すまんな」
「いや……その国永殿は……」
「平気だろう」
本当に平気なのだろうか。池でブクブクしている国広を心配になりつつ、様子を見ていると、太郎太刀が国永を助けていた。
「よかった……」
「だろ」
国広は、そういうと執務室へ。
「私は、台所に……」
正雪が台所に向かおうとしたとき、肩を掴まれた国広に。
「俺も行く」
「国広殿も!?」
「あぁ」
エイプリルフールとは、恐ろしい日なのかもしれないと正雪は、思いながら、国広に頼む。
「なら……ともに……」
「分かった」
国広は、そういうと、手拭いを取りだし、自分の手首と正雪の手首を結んだ。
「えーとーこれは……」
「すまんが、正午になるまで我慢してくれ」
「うむ……」
自分の前を歩く国広。その背は、やはり大きいなと眺めていると、背後に気配を感じ、振り向くとなにやら黒いものが飛んできていた。
「っ……」
避けれない。そう思ったとき、近くにあった枝を国広は、持つと、正雪を庇うように前にたち、その枝を構え、バットのように振ると、黒いものは、凄い勢いで、飛んでいき、遠くの方で悲鳴が。
「国広殿……」
「二振目撃破」
枝を国広は、ポイと捨てると、歩き出す。
「いきなりすまない」
「それは、いいが……」
何事もなかったように国広は、歩き出すので、正雪も何も追求せずに歩き出す。
「国広殿エイプリルフールとは、暗殺をする日なのか??」
しかし台所に近くなり、我慢できず正雪は、聞くと、国広は、溜め息をつく。
「いいや」
「ならあれは……」
「馬糞だ」
「馬糞!!??」
「あぁ。あんたに馬糞を投げる日とでもいおうとしたんだろう」
台所につくと、国広は、手拭いをほどいた。
「光忠」
「国広君!!」
光忠は、国広の後ろにいる正雪に気づくと、驚く。
「正雪さんがなんで!?」
「光忠殿に文を貰い来たのだが……」
国広は、まさかとこめかみに皺を寄せた。
「あいつらしばいてくる」
「国広君落ち着いて!!」
困惑している正雪を落ち着かせるのが先だと、光忠は、国広をなだめた。
「そうだったよ!! ごめん忙しくて僕忘れていた!!」
光忠は、そういうと、戸棚からたまたま作っていたカステラを出した。
「カステラの試食をして欲しくてね!!」
「カステラか」
正雪がカステラをみて微笑んでいるのを見たあと、国広は、光忠にだか聞こえるように言った。
「あとは、頼む」
「分かったよ」
国広が台所をさったあと、しばらくして、邸に野太い叫び声が響いた。
「何事!?」
「正雪さんは、気にしないで!! 男が多いとこういうこともあるから!!」
「わかった。そういえば光忠殿は、エイプリルフールを存じているか??」
「知ってるよ。皆が楽しめる嘘をつく日だよね!! しかも午前中だけ」
カステラを切りながら、光忠は、いうと、正雪は、おかしかった国広の行動が全て線で繋がった。
「国広殿……だから……」
「うちには、エイプリルフールを楽しむ刀剣がいるから、今年は、君も標的にされたみたいだ」
「……後で礼を言わねば」
「そうだね」
しばらくして、国広が戻ってくると、正雪は、すぐに礼を言った。
「国広殿ありがとう」
「この組織を管理するのが俺の仕事だからな……あと先ほどまでのことすまなかった」
国広は、そういうと、去っていった。
時計を確認するとちょうど正午をまわっていた。
「エイプリルフール終了だね」
「これで平穏が訪れたと」
「そういうこと」
カステラもたべ終えたので、正雪は、座っていたいすから腰を上げた。
「では、私もこれで」
「せっかくならお昼もどうかな??」
「昼食は、蛍殿との約束があるので今回は……」
「そっか。またいつでも来てね!!」
「かたじけない光忠殿」
正雪は、そういうと、国広の執務室に。
「国広殿では、私は、失礼をする」
「分かった。また」
「あぁ」
正雪が執務室を去り、国広は、溜め息をつく。
「……もう少しやりようがあっただろう……俺……」
しかしあの方法しか思い付かなかったのも事実。
国広は、もう少し色々対策をし考えた方がいいなと思いながら、仕事をするのであった。
「国広殿……なぜ私は、このようなことに……??」
頬を赤くし困惑している正雪。国広もやりたくてこうしているわけでは、ない。
「あんたを危険から守るためだ」
ちょこんと国広の膝の上に乗せられている正雪。
彼女は、ただ、光忠に、ケーキの試食をして欲しいと呼ばれて、来ただけ。
「国広殿そういえば今日は、騒がしいような……」
「そりゃエイプリルフールだからな」
「エイプリルフール……??」
「そうだ」
書類を取りたいが取れない。万が一正雪から離れれば、エイプリルフールを全力で楽しむ奴らの餌食になる。
純粋無垢だからこそ、悪戯した後の反応が面白い。
餌食にされないためにも、牽制しなくては。
「国広!! 正雪がいるときいたぜ!!」
表れた国永は、ぎろりと睨んできた国広に少し驚く。
「げっ……」
「やれるものならやってみろ」
正雪が国永に挨拶をしなければと立ち上がろうとしたとき、腹に回されている腕に力が入り、立てなかった。
バチバチと火花が国永と国広の間で散るなか、正雪は、おろおろ。
「私に用があるようだ……」
「だからこそ行かせられるか」
国永は、こんな国広久しぶりに見たと思いつつ、言った。
「そう!! まさに正雪に用がある!!」
国永は、持っていた服を広げ見せた。
「今日は、このウサギ耳のロリータを着る日なんだぜ!! 正雪に似合うと思ってな!!」
正雪は、そうなのかと思ったが、ふと国広をみると、彼は、恐ろしい形相をしていた。
「国広殿!!??」
なんと国広は、正雪を担ぐと、立ち上がり、空いている方の手で、国永の顔面にパンチをいれた。
「ぐぇ!!!!」
国永は、凄い勢いで、空へ。そしてそのまま庭の池に落ちた。
「よし。一振目討伐」
担いでいた正雪をおろすと、国広は、言った。
「すまんな」
「いや……その国永殿は……」
「平気だろう」
本当に平気なのだろうか。池でブクブクしている国広を心配になりつつ、様子を見ていると、太郎太刀が国永を助けていた。
「よかった……」
「だろ」
国広は、そういうと執務室へ。
「私は、台所に……」
正雪が台所に向かおうとしたとき、肩を掴まれた国広に。
「俺も行く」
「国広殿も!?」
「あぁ」
エイプリルフールとは、恐ろしい日なのかもしれないと正雪は、思いながら、国広に頼む。
「なら……ともに……」
「分かった」
国広は、そういうと、手拭いを取りだし、自分の手首と正雪の手首を結んだ。
「えーとーこれは……」
「すまんが、正午になるまで我慢してくれ」
「うむ……」
自分の前を歩く国広。その背は、やはり大きいなと眺めていると、背後に気配を感じ、振り向くとなにやら黒いものが飛んできていた。
「っ……」
避けれない。そう思ったとき、近くにあった枝を国広は、持つと、正雪を庇うように前にたち、その枝を構え、バットのように振ると、黒いものは、凄い勢いで、飛んでいき、遠くの方で悲鳴が。
「国広殿……」
「二振目撃破」
枝を国広は、ポイと捨てると、歩き出す。
「いきなりすまない」
「それは、いいが……」
何事もなかったように国広は、歩き出すので、正雪も何も追求せずに歩き出す。
「国広殿エイプリルフールとは、暗殺をする日なのか??」
しかし台所に近くなり、我慢できず正雪は、聞くと、国広は、溜め息をつく。
「いいや」
「ならあれは……」
「馬糞だ」
「馬糞!!??」
「あぁ。あんたに馬糞を投げる日とでもいおうとしたんだろう」
台所につくと、国広は、手拭いをほどいた。
「光忠」
「国広君!!」
光忠は、国広の後ろにいる正雪に気づくと、驚く。
「正雪さんがなんで!?」
「光忠殿に文を貰い来たのだが……」
国広は、まさかとこめかみに皺を寄せた。
「あいつらしばいてくる」
「国広君落ち着いて!!」
困惑している正雪を落ち着かせるのが先だと、光忠は、国広をなだめた。
「そうだったよ!! ごめん忙しくて僕忘れていた!!」
光忠は、そういうと、戸棚からたまたま作っていたカステラを出した。
「カステラの試食をして欲しくてね!!」
「カステラか」
正雪がカステラをみて微笑んでいるのを見たあと、国広は、光忠にだか聞こえるように言った。
「あとは、頼む」
「分かったよ」
国広が台所をさったあと、しばらくして、邸に野太い叫び声が響いた。
「何事!?」
「正雪さんは、気にしないで!! 男が多いとこういうこともあるから!!」
「わかった。そういえば光忠殿は、エイプリルフールを存じているか??」
「知ってるよ。皆が楽しめる嘘をつく日だよね!! しかも午前中だけ」
カステラを切りながら、光忠は、いうと、正雪は、おかしかった国広の行動が全て線で繋がった。
「国広殿……だから……」
「うちには、エイプリルフールを楽しむ刀剣がいるから、今年は、君も標的にされたみたいだ」
「……後で礼を言わねば」
「そうだね」
しばらくして、国広が戻ってくると、正雪は、すぐに礼を言った。
「国広殿ありがとう」
「この組織を管理するのが俺の仕事だからな……あと先ほどまでのことすまなかった」
国広は、そういうと、去っていった。
時計を確認するとちょうど正午をまわっていた。
「エイプリルフール終了だね」
「これで平穏が訪れたと」
「そういうこと」
カステラもたべ終えたので、正雪は、座っていたいすから腰を上げた。
「では、私もこれで」
「せっかくならお昼もどうかな??」
「昼食は、蛍殿との約束があるので今回は……」
「そっか。またいつでも来てね!!」
「かたじけない光忠殿」
正雪は、そういうと、国広の執務室に。
「国広殿では、私は、失礼をする」
「分かった。また」
「あぁ」
正雪が執務室を去り、国広は、溜め息をつく。
「……もう少しやりようがあっただろう……俺……」
しかしあの方法しか思い付かなかったのも事実。
国広は、もう少し色々対策をし考えた方がいいなと思いながら、仕事をするのであった。